不正が2002年以降も継続…福島第一原発6号機の事例
★今回の第二次東電不正事件において東電は,新たに出てきた事例はいずれも前回2002の不正事件以前のものであり,その後の不正はないことを強調しています。それに対し,地元のみなさんは,不正隠蔽の体質は変わっていないと訴えています。
★以下に示す2005年5月以降明らかになったの福島第一原発6号機の不正事例は,既に行政処分(行政指導)を受けたせいか今回の不正事案には挙がっていませんが,不正が2002年の「大反省」以後も続いていたことを示唆しています。
・可燃ガス濃度制御系の流量計の「不適切な補正」が昭和58年から2005年5月まで続いていた。東電はこれを5月に見つけて6月1日に公表した。
・同時期(2005年7月4日)に福島県にこの件で内部告発があり,そこには「検査に合格し易くするための「補正係数」は20年前からマニュアル化している。1号機の運転開始を優先するため、会社ぐるみで不正を隠蔽している。」とあった。東電は6月1日に既に公表していたから問題ないとしていた。
・東電は安全上問題はなかったとしているが保安院は保安規定違反として行政処分を行った。ただし,運転停止ではなく行政指導のみ。
★不適切な補正は明らかに2002年の不正事件後の2005年まで継続していました。東電は,2002年以降については,不正な状態が継続していることに気づかなかったんだと言い訳するかもしれません(福島第一1号機の温度データ改ざん報告書で東電は,最近の不正は,プログラムの不正な補正に気づかずに放置していたものとして,不正そのものと区別しています)。しかし,直後にあった内部告発は,不正な状態が継続していることが現場では暗黙の了解であった,すなわち知ってて継続していたことを示唆しています。
★また,事件発覚のきっかけが「可燃性ガス濃度制御系の定例試験前の確認において、当該系統が起動前の状態であるにもかかわらず流量計の指示が出ているという不適合が確認されました。」というのも不自然です。なぜそのときに限って試験前の確認をしたのでしょうか。以前も行っていたのであれば,そのときなぜわからなかったのでしょうか。内部告発が出ることを察知して,事前に公表したのではという見方もできるのではないでしょうか。
★東電は安全上問題ないとしていますが,保安院は保安規定違反で行政処分を下しています。今回の第二次不正事件の不正事案には,東電が,不正はあったが結果的に安全上問題なかったので保安規定に触れるものではないとしているものが多くあります。
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以下は詳細です。
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