静岡の塚本さんから
今日中部電力は「平成3年に浜岡3号機の制御棒3本の抜け落ち事故」を発表しました。
今日は、浜岡原発訴訟の証人尋問が静岡地裁で行われていました。被告中電が立てた証人3氏へのこちら側の反対尋問でした。
以下、裁判中に“隠蔽”を知った私たちの様子です。
午前の最初の証人、N中電社員に対する尋問を行っていた最中でした(この時点では“制御棒の事故隠蔽”については知りませんでした)。老朽化、SCCの問題や、過去に起こした事故について尋問を進めていました。この中で原告代理人が再三にわたって
「隠し」について質問していました。例えば
Q:(PDCAについて)情報が隠されていないことが大事ですね。
A:そうです。
Q:トラブルは隠そうと思えば簡単に隠せるものではないですか?
A:・・・そう簡単というものではありません・・
Q:柏崎刈羽1号機の残留熱除去系冷却系ポンプの故障を偽装していたことにたいする感想は?
A:偽装はよくないと思います。
Q:福島第2の1号機・柏崎刈羽1号機・女川1号機でスクラムを隠蔽していたことが最近明らかになりましたが、安全上問題ないのですか?
A:報告は必要だと思います。
Q:中電でも定期点検におけるごまかしは過去1回もなかったと断言できますか?
A:調査を進めているところです。
Q:志賀原発の制御棒抜け落ち事故についてどのような認識を持っていますか?
A:他社さんのことで・・・私は専門ではない、修理屋ですから。
Q:もう一度聞きます、浜岡原発ではスクラムしたのに報告していないとかトラブルの隠蔽は絶対ないと言い切れますか?
A:ないとは思っています。
およそ100分の尋問の最後に、被告代理人からの再主尋問が始まったときのことです。
Q:「平成4年以降、想定手引きが変わりましたね?」
A:そうです。
Q:「そのきっかけは何ですか?」
A:平成3年に3号機で複数制御棒の引き抜き事故があったからです。
私のみならず、一瞬耳を疑いました!
私だけ知らなかった“コト”なのか?!
次の瞬間、被告代理人が
「実は本日発表する予定になっておりますことで、平成3年に3号機で3本の制御棒が引き抜かれるという事故がおきておりました。臨界状態にもならず環境に影響もなかったので報告をしていなかったものです」
と、さらりと言ってのけたのです。
背筋に悪寒が走る思いでした!
原告団・弁護団とも騒然としました。
原告席からは「住民をバカにするな!」のやじ。
裁判官は“いたしかたない感情だろう”というような表情。
通常は、再主尋問で終わるのですが、こちらの代理人が怒りをこらえて「特別に再反対尋問をさせてください」と。
再反対尋問などめったにないことなのだそうですが、裁判長も「これほどの事情ですから」ということで異例の15分ほど時間を延長しての尋問が行われました。
この中でも、中澤証人は
・他電力へは情報を提供していた
・安全上問題ないと思っている
・再発防止はやっている
など、重大性の認識はまったくなく、隠蔽に対する謝罪もない。
それまでの尋問での回答は“偽証罪”とも言えるものになってしまった状況となりました。
とにかく今日はとんでもない一日となりました。
夕刊も一斉に記事に書きたてています。
夜には、朝日TVの報道ステーションの取材班が東京から新幹線で
駆けつけインタビューしていきました。
全国のBWRに関わるみなさま、今後の動きを連携させていきましょう。
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