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2007年3月14日 (水)

低出力時のスクラム(自動停止)はBWRの欠陥ではないか?

070314_15320002本日原水禁主催の東電交渉がありました。焦点の一つが自動停止(スクラム)隠蔽と福島第一原発4号機の停止時のトラブル問題でした。

Jidoteishi Onagawa自動停止(スクラム)隠蔽は,今のところ柏崎刈羽原発1号,福島第二原発1号機,それと東北電力女川原発1号機の3例が明らかになっています。このうち,柏崎刈羽原発1号機の自動停止隠蔽は,例のECCS検査偽装があった92年の定期検査の,まさにそのための停止操作の際に起きていました。柏崎刈羽原発が公表した出力線図を見せていただきましたが,女川原発1号機で東北電力がHPで公開しているのと似たような形状でした。

原発の停止手順ですが,原子炉出力が下がっていき,同時に電気出力も下がっていきます。先に発電を停止し,所内の電源を外部電源に切り替えます。その後,蒸気はタービンをバイパスさせるのですが,出力が低く不安定な状態で,蒸気と流量をうまくバランスさせながらスムーズに出力を下げるのに,微妙な操作が要求されるようです。上記の3例は,いずれもその最後の操作にさまざまな理由で失敗し,出力が急に上がり中性子束高の信号が発せられるといった状態になって自動停止し,それを隠蔽していたのです。

東電が2件の自動停止隠蔽を公表したのが3月1日でしたが,その前の2月11日に福島第一原発4号機は奇妙な停止の仕方をしていました。

原子炉出力,電気出力を下げる過程で,発電機を切り離す作業を行い,このとき運転員が誤った操作をしたために,原子炉に水を供給する給水ポンプを止めてしまい,原子炉水位が下がりました。そのため水位を回復するためにポンプを立ち上げたところ今度は水位が上がりすぎて「原子炉水位高」の警報が発生し主タービンが自動停止します。この間に出力は10%から一旦6%に落ち,その後23%に上昇と乱高下していました。4時間の格闘の末,ようやく停止したとのことです。今日の東電の話では,発端は運転操作ミスだが,その後については操作ミスだけとはいえず,機械的なトラブルがあった可能性もあるとのことです。

東電はこの福島の事例を,原子炉自動停止ではないので,自動停止隠蔽事例とは別扱いにしようとします。しかし,上記のことから,低出力時の不安定性というBWRの欠陥が浮かび上がってはこないでしょうか。運転停止時にうまく軟着陸できないことは,実は日常的に起きているのではという疑念が浮かびます。そのうちいくつかが自動停止になってしまい,そのうちいくつかを隠さざるをえなかったのではないでしょうか。自動停止に至らない場合でも,福島第一原発4号機のように綱渡りを余儀なくされた事例はもっともっとあるのではないかと思われます。

福島第一原発4号機のケースについて,東北電力がHPで公開しているような出力や水位の線図を示すよう事前に要求していました。しかし東電は停止トラブルから1ヶ月以上も経つのに,原因究明が途中でという訳のわからない理由で拒みました。新潟や福島のみなさんの前で本当に情けない思いでした。

東北電力女川1号機 自動停止隠蔽時の出力線図
http://www.tohoku-epco.co.jp/whats/news/2007/03/12a.html
http://www.tohoku-epco.co.jp/whats/news/2007/03/12a.pdf

福島第一4号機の停止トラブル
http://www.tepco.co.jp/cc/press/07021101-j.html

柏崎刈羽地域の会での説明資料(線図はありません)
http://www.tepco.co.jp/nu/kk-np/tiiki/pdf/190308.pdf

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