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2007年3月 4日 (日)

不正・隠蔽を繰り返す東電に老朽原発を運転させるな

以下は美浜の会ニュースへの投稿記事です。

不正・隠蔽を繰り返す東電に老朽原発を運転させるな
最も老朽化が進む福島第一原発1号機を閉鎖に追いこもう

福島老朽原発を考える会 2007年2月25日

安全機器の修理よりも原発起動を優先 ・・・

070215_15050001_1 070215_15050002_2   2月15日に一連の不正発覚からはじめての東電本社交渉が行われ、不正の状況について東電社員の口から語られるのをはじめて聞いた。安全軽視の姿勢に改めて驚き、参加者一同あきれはてた。最も悪質とされる柏崎刈羽原発1号機のECCS検査偽装についてはこうだ。検査があったのは1992年5月12日だが、前日の11日にECCSポンプのモーターが故障していることに気づいた。そこで、電源スイッチを不正に操作して、中央操作室に起動中と表示されるように偽装し、国の検査を無理矢理パスさせた。故障したモーターは工場に運んで修理、それが戻ってきたのが5月18日で、5月16日の原子炉起動から2日も後だった。起動時に保安検査官が立ち会うことはないというから、社内で調整すれば起動を遅らせることができたはずだ。検査をごまかすだけでなく、たとえ検査がなくても安全上重要な機器の修理よりも原子炉起動のスケジュールを優先する姿勢に唖然とした。

 福島第一、第二原発では1977~2002年に、総合負荷性能検査等の測定対象計器や警報装置に対してデータ処理の改ざんや警報装置の不正表示などが繰り返し行われていた。福島第一原発1号機は2002年の東電不正事件の際に、格納容器の漏えい検査偽装が発覚し、1年間の運転停止の行政処分を受けたが、不正は1回きりではなく常態化していたのだ。柏崎刈羽原発1~3号機では1994~2008年に、主蒸気隔離弁の漏えい率を調べる定期検査の際に、圧力をかける元の弁を閉じて、漏えい率を低くする不正操作をして検査を受けていた。他にも、排気筒から放出される放射性ヨウ素について、測定下限濃度以下という記録にするために不正に計り直した1995~97年の柏崎刈羽原発(号機は不特定)の事例などがあり、不正は1月31日に公表されただけで199カ所にも及ぶ。3月1日には追加の報告が、3月31日には他電力についても報告が出ることになっている。調査が進むにつれて不正事案がさらに増えることはまちがいない。

東電に染みついた不正隠蔽の体質 ・・・

 第二次東電不正事件とでもいうべき今回の事件発覚のきっかけは、昨年11月以降明らかとなった温排水の温度データ改ざんだった。原発反対刈羽村を守る会の武本和幸さんによると、さらにそのきっかけとして、新潟県と長野県の県境の水力発電所のダム河川記録の改ざんを丹念に暴いたねばり強い活動があった。河川法に触れる改ざんについての国土交通省による調査から、ボロボロと一連の不正が出てきたという。 東電は、1999年の関電MOX燃料データねつ造事件の際に、東電のMOX燃料についてもデータねつ造の疑いがあると指摘されても、裁判所からの要請があっても、元データの開示を最後まで拒んだ。2002年に発覚し東電の原発17基が全て止まるという事態に至った東電不正事件を経て、「信頼回復のため『しない風土』と『させない仕組み』のもとで、企業倫理を遵守した業務運営の実践・定着に取り組んでまいりました」などと言っていた。しかし、その当時に徹底して行ったはずの「総点検」において、温度データ改ざんもECCSの検査偽装も全く明らかにされなかった。一体何度繰り返せば気が済むのか。

 2月21日にこの問題で原子力資料情報室主催の集会が都内でもたれ、現地から武本さん、双葉地方原発反対同盟の石丸小四郎さん、脱原発福島ネットワークの佐藤和良さんが怒りの声をぶつけた。3人が口を揃えたのは、不正隠蔽の背景には、工程を優先し原発を止めたがらない、コスト削減至上主義、検査当局とのなれ合い癒着といった東電に染みついた体質があること、それは今でも続いており、2002年の不正事件以降の不正はないという東電の発表はうそだということである。武本さんによると、2003年に管理区域内の物品が勝手に持ち出されて処分されていたという内部告発があり、その後裏付けがとれたとのこと。石丸さんによると、福島の保安検査官が昨年行った講演で、2年間の検査を振り返る中で手抜き工事の実態を明らかにしたという。佐藤さんは、定期検査合理化のしわ寄せは、弱い下請け、孫請け、ひ孫請け企業に集中しておりますます厳しい状況に置かれている、一方で東電自身は何も変わっておらず、むしろ肝心なところをきちんと隠すようになったと。

検査制度の改悪を許すな ・・・

 国と電力会社はこの間、検査制度を改悪し、検査における電力会社の裁量を増やし、長期連続運転、状態監視保全、運転中保守などにより、定期検査期間の短縮を図ろうと動いていた。これは、安全系を止めた状態で運転するという東電が犯した危険で無謀な運転を合法化し、日常化するものに他ならない。これは米国における90%近い高稼働率運転を日本でも実現しようという目論見である。米国ではその影で、原発が危険な状況に曝されていることをUCS(憂慮する科学者同盟)が暴露している。 今回の事件に際し、地元自治体は国に対して検査体制の強化を求めていくことを決めた。国も検査強化を言わざるを得なくなり、現在行われている定期検査では、人員を増やし、通常3週間で行われるところを4週間とする措置がとられている。しかしこれも1回だけだという。検査制度改悪の動きには今後も監視が必要である。

福島第一原発1号機を閉鎖に追い込もう ・・・

 石丸さんは、不正が最初に行われた70年代に、福島第一原発1~3号機において燃料棒にピンホールが続出し、原子炉給水ノズルや制御棒駆動水戻り配管でひび割れが続出したこと、燃料棒の破損や配管の修理のために大量の労働者被曝があったこと、ひび割れやトラブルの続出はその後もかわらず、最近も老朽化により、水漏れや放射能漏れを伴う事故が頻発していること、その一方で人員削減により、監視やパトロールに支障が出てさらなるトラブルを生んでいることを訴え、78年の福島第一原発1号機の燃料棒破損事故について、まだ原発のプールに眠っている破損燃料の状況について公開を求めていきたいとされた。 国、東電は今回の事件の法的な措置について、電気事業法関係については全て時効であり、原子炉等規制法関係についても保安規定違反の可能性があるのは柏崎刈羽原発1号機の一事案だけだとして、処分を逃れようとしている。反対運動の側では、法定検査に違反したすべての原子炉の運転停止処分や2002年の不正事件の際に既に処分を受け、今回新たに不正が明らかになった福島第一原発1号機について、原子炉設置許可の取消を求める要求が提起されており、福島第一原発1号機の閉鎖を求める気運が高まっている。福島第一原発は1~3号機が既に稼働から30年が経過し、現に老朽化が進行しており、トラブルが多発し、事故と被曝の危険をますます高めている。中でも1号機は最も老朽化が進み、最も危険な炉といえるだろう。不正のお仕置きというだけでなく、最も危険な老朽炉の運転を、不正を繰り返す東電に運転させてはならないという意味でも、これの閉鎖を何としても勝ち取っていきたい。そのために事故、トラブルの多発と老朽化の実態について、具体的な暴露を行っていきたい。

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