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2007年3月 6日 (火)

不正が2002年以降も継続…福島第一原発6号機の事例

★今回の第二次東電不正事件において東電は,新たに出てきた事例はいずれも前回2002の不正事件以前のものであり,その後の不正はないことを強調しています。それに対し,地元のみなさんは,不正隠蔽の体質は変わっていないと訴えています。

★以下に示す2005年5月以降明らかになったの福島第一原発6号機の不正事例は,既に行政処分(行政指導)を受けたせいか今回の不正事案には挙がっていませんが,不正が2002年の「大反省」以後も続いていたことを示唆しています。

概要は以下のとおりです。

050803_01・可燃ガス濃度制御系の流量計の「不適切な補正」が昭和58年から2005年5月まで続いていた。東電はこれを5月に見つけて6月1日に公表した。

・同時期(2005年7月4日)に福島県にこの件で内部告発があり,そこには「検査に合格し易くするための「補正係数」は20年前からマニュアル化している。1号機の運転開始を優先するため、会社ぐるみで不正を隠蔽している。」とあった。東電は6月1日に既に公表していたから問題ないとしていた。

・東電は安全上問題はなかったとしているが保安院は保安規定違反として行政処分を行った。ただし,運転停止ではなく行政指導のみ。

★不適切な補正は明らかに2002年の不正事件後の2005年まで継続していました。東電は,2002年以降については,不正な状態が継続していることに気づかなかったんだと言い訳するかもしれません(福島第一1号機の温度データ改ざん報告書で東電は,最近の不正は,プログラムの不正な補正に気づかずに放置していたものとして,不正そのものと区別しています)。しかし,直後にあった内部告発は,不正な状態が継続していることが現場では暗黙の了解であった,すなわち知ってて継続していたことを示唆しています。

★また,事件発覚のきっかけが「可燃性ガス濃度制御系の定例試験前の確認において、当該系統が起動前の状態であるにもかかわらず流量計の指示が出ているという不適合が確認されました。」というのも不自然です。なぜそのときに限って試験前の確認をしたのでしょうか。以前も行っていたのであれば,そのときなぜわからなかったのでしょうか。内部告発が出ることを察知して,事前に公表したのではという見方もできるのではないでしょうか。

★東電は安全上問題ないとしていますが,保安院は保安規定違反で行政処分を下しています。今回の第二次不正事件の不正事案には,東電が,不正はあったが結果的に安全上問題なかったので保安規定に触れるものではないとしているものが多くあります。

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以下は詳細です。

■経緯

不正の概要は,2005年8月3日付け東電プレス発表にあります。

福島第一原子力発電所6号機可燃性ガス濃度制御系における不適合に関する調査結果について/平成17年8月3日東京電力株式会社
http://www.tepco.co.jp/cc/press/05080301-j.html
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu05_j/images/050803a.pdf

およその経緯は以下です。

・2005年5月に福島第一原発6号機で発生した可燃性ガス濃度制御系の流量計不具合への対応過程において、流量制御器の換算式に根拠が不明確な補正係数が見つかった。

6月1日のプレスには「平成17年5月17日、可燃性ガス濃度制御系の定例試験前の確認において、当該系統が起動前の状態であるにもかかわらず流量計の指示が出ているという不適合が確認されました。」とあります。
http://www.tepco.co.jp/fukushima1-np/bi5601-j.pdf

・定期検査時の点検で,流量に余裕がない状態だったので国産品に取り替えたらさらに流量が低下してしまった。そこで昭和58年に,原因不明のまま,所定の流量を上回るよう補正係数を操作した。

・平成4年に流量制御器をデジタルに変更したが、設備的な状況に変化がないため、専ら現状維持を図ることを優先させ,この時点でも適正でない補正係数を設定した。

■謝罪

東電はプレス文書中で,「このような補正係数を設定したことは、不適切な行為であったと認識し、大変申し訳なく深く反省しております。」と謝罪しています。

「当社では、平成14年の原子力不祥事以降、不適合管理のルールを明確化しておりますが、今後も今回の調査で判明したような問題が確認された場合には、速やかに不適合案件として取り扱い、公表するとともに、引き続き企業風土改革に全力で取り組んでまいります。」とも。(今から見ると白々しい限りですが…)

一方で,「6月1日に補正係数を除いた状態で改めて確認運転を行った結果、所定の流量が確保されていることを確認いたしました。また、過去においても設備全体としては所定の流量を流す能力を有していたものと考えております。」とし,安全上は問題なかったとしています。

■保安規定違反

保安院はこの事案を保安規定に違反していると判断し,改善指示文書を出しています(運転停止処分ではなく行政指導)。保安院は「保安規定第47条では、原子炉の状態が運転及び起動において、可燃性ガス濃度制御系は「2系列が動作可能であること」を運転上の制限とする旨規定されており、同条第2項では当該制限を満足していることを確認するため、運転評価GMが同制御系の機能を確認することとしているが、不適切な補正係数の設定により不正確な流量を確認していたことが判明し、実態上機能の確認が行われていない保安規定不履行の状態が長期間に亘り継続されていた。」と説明しています。

福島第一原子力発電所6号機における保安規定違反事象(改善指示)について/平成17年8月26日東京電力株式会社
http://www.tepco.co.jp/cc/press/05082601-j.htm

■福島県への内部告発

プレスには「このことは6月1日に当社から既に公表済みですが、7月4日に福島県へ関連する情報提供があり、同日、その旨を福島県から公表されております。」との記載があり,情報提供内容が記載されています。(福島県のHPにもあります)
http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/press/050704.html

<福島県への情報提供内容>
・福島第一原子力発電所6号機の可燃性ガス濃度制御系の流量制御器内の流量換算式に用いられている補正係数は、検査を合格し易くするため意図的に用いたもので20年前からマニュアル化している。

・1号機の運転開始を優先するため、今もその事実を隠している。会社ぐるみで不正を隠蔽している。

・すでに調査済みであり、どうごまかすか考えている最中。

・いつもだまされ続ける県民が気の毒。

・至急、事実の解明に取り組むべき。

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