臨界事故について保安院と交渉(12日)
12日に行われた臨界事故について保安院との交渉(議員レク)がありました。市民側は,石川,新潟,福井,宮城,大阪や静岡からも駆けつけて多彩な顔ぶれでした。近藤正道議員,福島瑞穂議員も参加されました。
保安院側は,検査課,審査課,防災課他の7名。おもに検査課の筆頭課長補佐が回答したのですが,終始にやにやしながらのらりくらりと質問をかわしていました。回答も最悪な内容で,保安規定等については精査中とだけ(「引継」については,保安規定違反の可能性をにおわせていました),制御棒は構造欠陥ではなく手順の問題で,安全審査も問題ないと言い張りました。志賀と違い,福島第一3号機については,臨界事故とも認めませんでした。自分たちの責任は一切認めないし,精査の作業も自分らで密室で行うということで,参加者は,不正の温床は保安院にある,保安院の隠ぺい体質こそ問題だと怒りをあらわにしていました。以下,おもなやりとりです。
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<志賀1号機の臨界事故について>
■引継ぎ日誌は詳細な別なものがあるということだが
→2種類の引継書があることは私どもは承知していない。
■志賀1号機の臨界事故についていつ把握したのか,当時の運転管理専門官の点検が機能していなかったのはなぜか
→情報を得たのは前日の3月14日。平成12年に制度改訂をして保安検査を行う者として保安検査官を創設した。昔(運転管理専門官)は何の法律的権限もなく細かいところまでチェックすることはならなかった。反省すべき点はあったが、機能していたかどうか,よりよくする権限においては反省すべき点があった。
■志賀1号機の運転停止指示の理由と法的根拠
→法的根拠…行政指導なので経済産業省設置法。理由…安全性確認の総点検をしていただく必要がある。
■保安規定違反ではないか
→電力からの報告書(3月30日、4月6日)を精査しているところ。および強化した保安検査を実施したのでその結果も加えて、早急に精査しているところ。
<福島第一3号機の臨界事故について>
■保安規定違反ではないか
→精査しているところ。
■福島第一3号機で停止指示を出さないのはなぜか
→状況を確認しているた。どうやら臨界らしいというだけ(依然として臨界事故ではないとの認識)原子炉を停止してまで安全確保の総点検をする必要はない。保安検査などで同じような引き抜け事象は今は起こらないことを手順書などで確認している。
<制御棒脱落について>
■構造的欠陥ではないか
→構造的問題というよりは手順書をしっかり守っていれば起こらなかった。(手順書に関連して)こういう事故について今まで表に出ていなかったので、ニューシアで情報を共有する。必要な形で私どもも注意する。バルブの開閉について指示を出している。構造的欠陥というよりは運用上の問題、指令、手続き、オペレーションの問題。
■安全審査の想定を変えるべきではないか
→手順の問題であり,想定を変える必要はない。
■事故の把握すらできなかった保安院の責任は。
→検査データがきっちりと(正しい値が)報告されることが大前提。平成15年の法律改訂によって不正そのものについては相当程度回避できるような制度になった。平成14年の東電問題のときに制度的に反省すべき点があるとして今の制度が。私どもの仕事としては、そういうことができるだけ起こらないように必要な制度改訂をきっちりとやっていく。体質を改善してもらうべくしっかりと指導。
<能登半島沖地震について>
■能登半島沖地震について
→原発が稼動していれば、スクラム信号が出て原発は停止をしたことであったろうと認識している。
<やりとりのなかで>
■11月30日は院長の指示であり,大臣は関係ないのでは
→点検には4つのねらいがある。院長の指示だが号令は大臣から。何が出てくるか分からない段階なので院長名で。大臣の号令について証拠はない。
■不正事案の報告を今後も行うのか
→国としては求めていない。
■保安規定の「引継」について違反ではないのか
→適切にレポートはなされていなかった。保安規定違反については評価をやっている段階。書かれていた事象だけに注目すればそういうこと(保安規定に違反していた)かもしれない。さらなる精査が必要。
■臨界事故が電力の自主的な報告によるというのはウソではないか,福島県への内部申告があったからではないか
→前言を撤回する。わかりません。
■処分の重さを決める基準はあるのか
→前例を参考に
■福島第一1号機の以前の1年間の運転停止処分には懲罰的な意味合いがあったのではないか
→(認めず)
■保安院の検討について,委員会を立ち上げて公開で行うべきではないか
→(その予定はない)
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