【県技連】福島県でプルサーマルの技術検討開始
福島県技術連絡会でプルサーマルの議論が始まりました。福島県技術連絡会は、県と立地4町と東電も委員で、通常は3ヶ月に1回開かれており、放射能測定値やトラブル対処などについて報告を受けて検討する場です。プルサーマルについては、県知事が提示した3条件についての検討することになっています。専門家の立場で会津大教授や原子力機構の研究員など5名が参加しました。
今回は、東電が県に提出した3条件に対する報告書(長期保存MOX燃料の健全性、高経年化対策、耐震安全性)について報告を受けて議論するということでした。どれも時間が短く、専門家委員からは、わかりにくい、何がいいたいかわからない、もっとわかりやすくといった注文が相次ぎました。
3つ条件のそれぞれについて、東電の報告の後質疑が行われ、5人の専門家が質問した後、最後に委員でもある県原子力安全対策課の課長が質問及び注文しました。
MOX燃料の健全性にからむ装荷遅れ問題については、設置許可の安全審査において、5年遅れしか検討していないことを確認した後で、東電の説明では①設置許可時の解析条件の範囲内にあるというものと、②設置許可時の解析条件からは外れるが指針の判断基準に照らして問題はない、というものがある。①は問題ないが②についてはどう考えたらいいのか?と質問。東電は困った感じでした。
また、東電が報告した中に、装荷遅れによる組成変化で、プルトニウム238のアルファ崩壊による内圧が上昇するという問題があり、PWRでは内圧について基準があるが、BWRにはないのか?とも。東電は、確かにBWRでは内圧の基準はないが、内圧による被覆管の応力については基準があると回答しました。
専門委員の一人は、プルトニウムスポットについて聞いていましたが、一般的で迫力に欠けるものでした。
高経年化については、東電は高経年化対策報告書の中身を、耐震部分を除いて説明していました。専門委員からは、高経年化と耐震の関係をはっきりして欲しいという注文が出ました。新指針に基づく高経年化を想定した耐震安全評価についても質問が出ましたが東電はやるのかやらないのかはっきりしない回答でした。
東京電力株式会社福島第一原子力発電所3号機の耐震安全性、高経年化対策及び長期保管MOX燃料の健全性について(福島県原子力安全対策課HP)
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