June 2025
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

« 【事故3】福島県への要請行動/東電本社での聞き取り | トップページ | 【審議会】開催通知…安全委立入報告・MOX健全性意見聴取会・耐震バックチェック »

2010/06/22

【要請】福島県へ使用済MOX燃料の処分の方法について要請行動

 福島のみなさんとともに福島プルサーマルについて、福島県議会への請願・陳情と、福島県原子力安全対策課への要請および記者会見を行いました。午前中は脱原発福島ネットワークの佐藤和良さんを中心に、福島県議会宛にプルサーマルについての請願と請願署名の提出、福島第一2号機の電源喪失・水位低下事故について緊急の陳情を行いました。午後は、県原子力安全対策課へ行って、要望書の提出と課長とのやり取りを1時間ほど。その後記者会見を行い、さらに、開会中の県議会で、県民連合の古市議員のプルサーマルについての質疑の傍聴しました。

一つ一つ着実にと言いながらも…

 県原子力安全対策課への要請では、脱原発福島ネットワークと福島老朽原発を考える会他福島・首都圏・静岡の8団体のそれぞれから、プルサーマルについて及び福島第一2号機の事故についてそれぞれの要望書(計4通)を提出し、2つの問題についてやりとりしました。8団体の要請文は最後に付けています。(福島第一2号機の件についてはこちら

 プルサーマルの検討について、こちらは、期限ありき結論ありきでやらないで欲しい、福島第一2号機の事故の検討を優先すべきと要請しました。課長は、県技術連絡会で東電から説明を受けたがメンバーが咀嚼できず、わかりやすい説明が求められている、本質的なところで疑問点に明確に答えるよう要求していきたい、一つ一つ着実に行いたいと述べました。しかし、国が攻勢をかける中でやることは限られているようです。傍聴した県議会での答弁もあわせると…

 3条件の国の検討について、通常の安全審査の手続きに従い、原子力安全・保安院だけでなく、原子力安全委員会のダブルチェックを受けるよう要請すべきではないか?
→それは国が判断すること

高経年化対策の中に高経年化を考慮した新指針に基づく耐震安全評価が抜けているがこれをプルサーマル実施前にやらせるべきではないか?
→高経年化対策報告そのものの提出を求めることはしないが、補足の報告は求めることになるだろう

といった具合です。

使用済MOXの問題…国の約束を信じている!??

 要請の中心であった使用済MOX燃料の「処分の方法」について、こちらから、東電と国や関電との間で法解釈についての見解の相違があり、東電だけが処分の目途のない使用済MOX燃料の発生を正当化していること、さらに、使用済MOX燃料の行方について、東電が東京では、共用プールに移し、将来は敷地内で乾式貯蔵を行う見通しを示し、福島県外へ搬出するつもりなどないことをについて説明しました。
 県は、関心をもち注視していくとしながらも、使用済MOX燃料については、将来再処理する際に福島県外に搬出するという国の約束を信じている、と繰り返しのべました。東電の姿勢、使用済燃料の現状、六ヶ所再処理の惨状や第二再処理工場の検討が始まっていないことなど縷々説明するのですが、「国を信じる」の一点張りです。そもそもこの問題は福島県が最もこだわっていた件で、2010年には第二再処理工場ができて、共用プールからの搬出が始まるとの「国との約束」があっさりとやぶられたことが、プルサーマル凍結の要因の一つだったはずです。国の約束がいかに当てにならないかは他ならぬ福島県が一番わかっているはずです。しかし誰かに厳命されているかのように態度は頑なで、検討するつもりはないようです。

*********************

2010年6月22日
福島県知事 佐藤 雄平様

使用済MOX燃料の「処分の方法」に関わる要請書

ストップ・プルサーマル!ふくしま
ふくしまWAWAWA-環・話・和-の会
東京電力と共に脱原発をめざす会
空と海の放射能汚染を心配する市民の会
ストップ・ザ・もんじゅ東京
浜岡原発を考える静岡ネットワーク
福島老朽原発を考える会

 私たちは、プルサーマルが実施されれば、使用済MOX燃料が原発プールに保管され続けるのではないかと強い危惧を抱いています。とりわけ、下記のような使用済MOX燃料に関する東電の奇妙な見解を聞くとなおさらです。
 福島第一原発3号機のプルサーマルについて、先日6月3日に東京電力本社で行った東京電力と市民団体との交渉の場で東京電力は、「使用済MOX燃料のプールでの貯蔵・保管は『処分の方法』にあたる」と述べ、処分の方法が決まっていない使用済MOX燃料の発生を正当化しました。同じことを原子力安全・保安院に確認したところ、「使用済MOX燃料のプールでの貯蔵・保管は『処分の方法』にはあたらない」と逆の回答でした。このままプルサーマルが実施されれば、原発サイトが核のゴミ捨て場になってしまうと深く憂慮しています。この件に関し、以下を要請いたします。

要 請 項 目

一.使用済MOX燃料の「処分の方法」について東京電力の見解を質してください。    

 東電  「使用済MOX燃料のプールでの管理・貯蔵は『処分の方法』にあたる」
 保安院 「使用済MOX燃料のプールでの管理・貯蔵は『処分の方法』にあたらない」

一.処分の方法が決まっていない使用済MOX燃料の発生は原子炉等規制法に違反します。現段階でのプルサーマル実施は法律違反です。この件につき東電、国に見解を出させてください。

一.原子力長期計画においては、六ヶ所再処理工場などの現状を踏まえて2010年頃から使用済MOX燃料の「処理の方策」の検討を開始することになっています。六ヶ所再処理工場の目処がつかない現状を踏まえ、福島第一原発3号機でのプルサーマル実施についての貴県での検討に使用済MOX燃料の処分の問題を加えてください。

要 請 理 由

原子炉等規制法は使用済燃料の「処分の方法」の記載を義務化

  原子炉等規制法は、第23条第2項第8号において、原子力施設の設置許可申請を行う際に、「使用済燃料の処分の方法」を記載することを要求しています。さらに、この法律の下位にある「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」第二条第1項第五号には、「法第23条第2項第8号の使用済燃料の処分の方法については、その売渡し、貸付け、返還等の相手方及びその方法又はその廃棄の方法を記載すること」との記載があります。原子炉等規制法は、「処分の方法」を設置許可申請書に具体的に記載して許可を受けることを義務付けることにより、「処分の方法」が具体的に示されないような使用済燃料の発生を禁じています。事実、東京電力の申請書では該当項目に、「再処理委託先の確定は、燃料の炉内装荷前までに行い政府の確認を受けることとする」との記載があり、「処分の方法」として再処理を選択して燃料の炉内装荷前までにその委託先を確定することにしています。しかしながら東京電力の1998年のプルサーマルのための変更申請書からは、「ただし、燃料の装荷前までに使用済燃料の貯蔵・管理について政府の確認を受けた場合、再処理の委託先については、搬出前までに政府の確認を受けることとする。」という記載が追加されています。これが使用済燃料を半永久的にプールに保管することを可能にし、「処分の方法」を記載するという法的義務を満たしてないことから、原子炉等規制法違反であることは明白です。

東京電力だけが使用済MOX燃料の超長期の保管を「処分の方法」として正当化

 そのような経緯の上で、6月3日に東京で行った市民団体との交渉の場において東京電力は、使用済MOX燃料のプールでの貯蔵・保管が「処分の方法」にあたるのかという質問に対し、「処分の方法にあたる」と言い張り、使用済MOX燃料の超長期の保管を正当化しました。「処分の方法というのは再処理のことですね」「はい」「では、貯蔵・保管は処分の方法にはあたらないですね」「いえ、再処理を前提とした貯蔵・保管なのであたります」という具合です。プールでの「貯蔵・保管」が「処分の方法」にあたるとすれば、原子炉等規制法に照らした場合でも、再処理の目途のない使用済MOX燃料の原発サイトでの超長期の保管が許されることになってしまいます。
 これは法律の曲解ではないかと思い、交渉の翌週に、原子力安全・保安院原子力発電安全審査課に確認したところ、「管理・貯蔵は処分の方法には当たらない」との回答がありました。法的根拠を聞くと、使用済燃料プールは、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」の第2条にある原子炉設置許可申請書に記載が必要な施設のうち、「核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設」(使用済燃料も新燃料も同じ)にあたるからだということでした。別日、関西の市民団体が、関西電力本社との交渉において同趣旨の質問を行ったところ、やはり、「管理・貯蔵は処分の方法には当たらない」との回答でした。使用済MOX燃料の超長期の保管を正当化しているのは東京電力だけです。

福島第一原発3号機の使用済MOX燃料は永久に原発サイトに残り続ける

 さらに東京電力は市民との交渉において、福島第一原発3号機の使用済MOX燃料の行方について、「むつ」に建設中の中間貯蔵施設には持っていかない、福島第一原発の共用プールには持っていけるよう許可を取っている、敷地内の乾式貯蔵については将来の選択肢としてある、共用プールも乾式貯蔵も敷地内なので搬出にはあたらない、と回答しました。この東京電力の回答は、使用済MOX燃料を処理する再処理工場建設の目途が全くない状況では、使用済MOXはとりあえず福島第一原発3号機のプールに入れ、その後共用プールへ、これも寿命がくるでしょうから、その後は乾式貯蔵用のキャスクに入れ、原発が全て廃炉になった後も敷地内のどこかに永久に留め置かれることを意味します。
 この件につきましては、貴県から東京電力に対し、見解を質していただきたく思います。

 以上、 東京電力が使用済MOX燃料の原発サイトにおける超長期の保管を正当化していることや、六ヶ所再処理工場のどうにもならない現状、第二再処理工場の検討が全く進んでいない現状を踏まえ、福島第一原発3号機でのプルサーマル実施についての検討項目に使用済MOX燃料の問題を加えることを要請いたします。

連絡先/東京都新宿区神楽坂2-19-405AIR 03-5225-7213/福島老朽原発を考える会

« 【事故3】福島県への要請行動/東電本社での聞き取り | トップページ | 【審議会】開催通知…安全委立入報告・MOX健全性意見聴取会・耐震バックチェック »

福島プルサーマル」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 【事故3】福島県への要請行動/東電本社での聞き取り | トップページ | 【審議会】開催通知…安全委立入報告・MOX健全性意見聴取会・耐震バックチェック »