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2010/06/14

【論説】プルサーマル実施は原子炉等規制法違反

 福島第一原発3号機のプルサーマルについて、先日6月3日に東京電力本社で行った東京電力と市民団体との交渉の場で東京電力は、「使用済MOX燃料の プールでの貯蔵・保管は『処分の方法』にあたる」と述べ、処分の方法が決まっていない使用済MOX燃料の発生を正当化しました。同じことを原子力安全・保安院 に確認したところ、「使用済MOX燃料のプールでの貯蔵・保管は『処分の方法』にはあたらない」と逆の回答でした。

東電   「使用済MOX燃料のプールでの管理・貯蔵は『処分の方法』にあたる」
保安院 「使用済MOX燃料のプールでの管理・貯蔵は『処分の方法』にあたらない」


 このように東電だけが処分の方法が決まっていない使用済MOX燃料の発生を正当化しています。このような使用済MOX燃料の発生は原子炉等規制法に違反します。現段階でのプルサーマルの実施は法律違反です。


原子炉等規制法は使用済燃料の「処分の方法」の記載を義務化

 原子炉等規制法は、第23条第2項第8号において、原子力施設の設置許可申請を行う際に、「使用済燃料の処分の方法」を記載することを要求しています。さらに、この法律の下位にある「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」第二条第1項第五号には、「法第23条第2項第8号の使用済燃料の処分の方法については、その売渡し、貸付け、返還等の相手方及びその方法又はその廃棄の方法を記載すること」との記載があります。原子炉等規制法は、「処分の方法」を設置許可申請書に具体的に記載して許可を受けることを義務付けることにより、「処分の方法」が具体的に示されないような使用済燃料の発生を禁じています。事実、東京電力の申請書の該当項目には、「再処理委託先の確定は、燃料の炉内装荷前までに行い政府の確認を受けることとする」との記載があり、「処分の方法」として再処理を選択して燃料の炉内装荷前までにその委託先を確定することにしています。しかしながら東京電力の1998年のプルサーマルのための変更申請書からは、「ただし、燃料の装荷前までに使用済燃料の貯蔵・管理について政府の確認を受けた場合、再処理の委託先については、搬出前までに政府の確認を受けることとする。」という記載が追加されています。これが使用済燃料を半永久的にプールに保管することを可能にし、「処分の方法」を記載するという法的義務を満たしてないことから、原子炉等規制法違反であることは明白です。

東京電力だけが使用済MOX燃料の超長期の保管を「処分の方法」として正当化 

 そのような経緯の上で、6月3日に東京で行った市民団体との交渉の場において東京電力は、使用済MOX燃料のプールでの貯蔵・保管が「処分の方法」にあたるのかという質問に対し、「処分の方法にあたる」と言い張り、使用済MOX燃料の超長期の保管を正当化しました。「処分の方法というのは再処理のことですね」「はい」「では、貯蔵・保管は処分の方法にはあたらないですね」「いえ、再処理を前提とした貯蔵・保管なのであたります」という具合です。プールでの「貯蔵・保管」が「処分の方法」にあたるとすれば、原子炉等規制法に照らした場合でも、再処理の目途のない使用済MOX燃料の原発サイトでの超長期の保管が許されることになってしまいます。
 これは法律の曲解ではないかと思い、交渉の翌週に、原子力安全・保安院原子力発電安全審査課に確認したところ、「管理・貯蔵は処分の方法には当たらない」との回答がありました。法的根拠を聞くと、使用済燃料プールは、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」の第2条にある原子炉設置許可申請書に記載が必要な施設のうち、「核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設」(使用済燃料も新燃料も同じ)にあたるからだということでした。別日、関西の市民団体が、関西電力本社との交渉において同趣旨の質問を行ったところ、やはり、「管理・貯蔵は処分の方法には当たらない」との回答でした。使用済MOX燃料の超長期の保管を正当化しているのは東京電力だけです。

福島第一原発3号機の使用済MOX燃料は永久に原発サイトに残り続ける

  さらに東京電力は市民との交渉において、福島第一原発3号機の使用済MOX燃料の行方について、「むつ」に建設中の中間貯蔵施設には持っていかない、福島第一原発の共用プールには持っていけるよう許可を取っている、敷地内の乾式貯蔵については将来の選択肢としてある、共用プールも乾式貯蔵も敷地内なので搬出にはあたらない、と回答しました。この東京電力の回答は、使用済MOX燃料を処理する再処理工場建設の目途が全くない状況では、使用済MOXはとりあえず福島第一原発3号機のプールに入れ、その後共用プールへ、これも寿命がくるでしょうから、その後は乾式貯蔵用のキャスクに入れ、原発が全て廃炉になった後も敷地内のどこかに永久に留め置かれることを意味します。

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