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2010/06/03

【東電交渉】福島プルサーマルで東電交渉

 6月3日に行われた東電本社交渉において、福島第一原発3号機プルサーマルの件がテーマの一つになりました。

 まず、東電側が2月に福島県知事が示した3条件(長期保管MOX燃料の健全性、高経年化対策、耐震安全性)について東電が5月26日に国と県に提出し、5月31日の福島県技術連絡会で報告した3つの報告書について、パワーポイント資料を基に説明し、3つのそれぞれについて質疑、その後、使用済みMOX燃料の処分方法について質疑を行いました。

■使用済みMOX燃料問題

 使用済MOX燃料の行方ですが、むつに建設中の中間貯蔵施設には持っていかない、福島第一原発の共用プールには持っていけるよう許可を取っている、敷地内の乾式貯蔵については将来の選択肢としてある、共用プールも乾式貯蔵も敷地内なので、搬出にはあたらない。という回答でした。とりあえず第一原発3号機の狭いプールに入れられ、その後共用プールへ、これも寿命がくるでしょうから、その後は乾式貯蔵用のキャスクに入れられ、原発が全て廃炉になった後も敷地内のどこかに永久に留め置かれるということになるのではないでしょうか。

 事前質問の回答で一番驚いたのが、原子炉等規制法で設置許可申請書に記載が求められている「使用済燃料の処分の方法」について、使用済MOX燃料のプールでの貯蔵・保管が「処分の方法」にあたるのかという質問に対し、関電や保安院と違い、「処分の方法にあたる」と言い張ったことです。「処分の方法というのは再処理のことですよね?」「はい」「では、貯蔵・保管は処分の方法にはあたらないですよね?」「いえ、再処理を前提とした貯蔵・保管なのであたります」という具合です。国に確認した上で改めて聞いてみたいと思います。

■長期保管MOX燃料の健全性について

 東電は、外観検査でひび割れや腐食などがないこと、組成変化については、アメリシウム241の生成により反応度等が変化すること、プルトニウム238のアルファ崩壊に伴うヘリウムガスの生成により、燃料温度や内圧が変化することを説明した上で、これが指針による判断基準をクリアしているとしました。さらに、今回装荷予定の32体が3サイクル使用予定であることから、3サイクル目の段階で、途中で追加されるMOX燃料と合わせて144体装荷されることを前提に安全評価を行い、反応度などが設置許可申請時の解析条件を満たしていることを確認したと説明しました。

 これは福島県技術連絡会で県も問題にしていたのですが、交渉では、設置許可申請時の条件を満たしているものはともかく、設置許可申請時の解析条件を外れていて、東電が独自に指針の判断基準に照らしているものについては、設置許可変更申請を出して、保安院と原子力安全委員会のダブルチェックを受けるという手続きを踏むべきではないかという点でやり取りがありました。燃料棒の内圧がこれにあたるのですが、申請時が5.8MPaであるのに対し、今回の東電の評価が6.3MPaとなっています。判断基準を外圧の7.1MPa以下としています。東電の報告については保安院は、意見聴取会を開いて専門家の意見を聞いた上で判断することにしていますが、設置許可変更申請を出して…という法的な手続きはとられていません。交渉で、東電はそのような手続きは不要だとしましたが、こちらは手続きを踏んでダブルチェックを受けるのは最低条件だと主張しました。

 また、交渉の中で東電は、第二バッチで装荷予定の32体についても、既に事実上製造を終えており、10年近くの装荷遅れになることを認め、今回提出した報告にある144体装荷時の解析では、第一バッチの32体だけではなく、第二バッチの32体についても、装荷遅れを考慮していることを明らかにしました。そんなことは資料のどこにも記載がありませんが、もしそうであるなら、装荷遅れは4サイクル目も続くことになり、解析は、3サイクル目の144体の条件だけではなく、4サイクル目の192体の条件についても実施すべきでしょう。

■高経年化対策

 高経年化というのは老朽化のことですが、30年を過ぎた原発に義務付けられる高経年化技術評価について、原子炉圧力容器の中性子脆化の件を中心に報告を受けました。原子炉圧力容器が中性子を受けて脆くなり、ある温度以上になると割れてしまい、その温度がだんだん上昇して運転時の温度に近づくという恐ろしい現象なのですが、その温度を確認するための試験片が、予定よりも運転期間が長くなったために尽きてしまい、使いまわしをしているという実態が明らかになりました。

 質疑では、報告の中に、高経年化を考慮した耐震安全評価がごっそりと抜けていることを問題にしました。高経年化技術評価報告書には、高経年化を考慮した耐震安全評価が含まれており、福島第一原発3号機については、2006年に東電が提出した報告書にある耐震安全評価が旧指針に基づくものであることから、これを新指針に更新することをプルサーマル前にやるべきだと要求していました。東電は、高経年化対策の報告に、高経年化を考慮した耐震安全評価がごっそり抜けていることを認めたうえで、これの新指針による見直しをプルサーマル実施前に行うつもりはないと回答しました。しかし、5月31日の福島県技術連絡会で、福島県も同じ問題について、評価を行うよう注文を出しており、何かしらの対応を行ってくるのではないでしょうか。

■耐震安全評価

 福島第一3号機のバックチェックの中間報告結果について説明がありました。質疑では、制御棒挿入性能の判断基準となる試験が、水平動の正弦波でしか震動させていないことから、これでは不十分ではないかという指摘がでました。

 国の特別な措置による確認作業は、耐震構造ワーキングという審議会で行われています。審議会はもう一つ、地震・津波・地質・地盤のワーキングがあるのですが、こちらで審議する様子はありません。東電は、基準地震動が代表号機の5号機と同じなので、地震動についての検討は不要だとしました。しかし浜岡原発での新知見などを考えると、地震動についても改めて検討が必要になると思います。この点についても国、県にも迫っていきましょう。

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