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2010/08/18

【公開質問状】プルサーマル実施受け入れを表明したことに関する公開質問状

2010年8月16日
福島県知事 佐藤雄平様

事前了解なしのプルサーマル実施は安全協定違反
「県民の安全・安心を最優先に」、「国の政策に単に追従することなく」としながら
プルサーマル実施受け入れを表明したことに関する公開質問状

「沈黙のアピール」他(21団体)

 私たちは、福島第一原発3号機のプルサーマル実施について、知事が6日の記者会見で発表された「プルサーマル実施受け入れについて」を読むにつけ、多くの疑問がわいてきます。
 そこでは、まず最初に「私は、原子力政策については、県民の安全・安心の確保を最優先に真剣に向き合い、慎重に対応してまいりました」と述べられています。そして最後は、「国の政策に単に追従することなく、立地自治体としての立場を堅持してまいります」と述べ、「引き続き、国や東京電力の取組みについて、厳しい目線で確認し、申し上げるべきことはしっかりと申し上げるなど、今後とも、県民の安全・安心の確保を最優先に、慎重に対応してまいります」と結ばれています。
 「県民の安全・安心を最優先」にし、「国の政策に単に追従することなく」、「国や東京電力
に言うべきことははっきりと言う」と述べられているのに、なぜ、プルサーマルを受け入れ
られたのでしょうか。安全協定に基づく事前了解の手続きについても疑問があります。
 私たちは、8月3日に参議院議員会館にて行われた国(資源エネルギー庁、原子力安全・保安院)が出席した交渉において明らかになったことをお伝えすると同時に、知事に以下のことをお尋ねします。
 8月19日までにご回答いただき、説明の場を設けてください。また、広く県民に説明し、
県民の声を聞く場を設けてください。少なくともそれまでは、MOX装荷を認めないでくだ
さい。

1.県民の声を聞く場をもつべきではありませんか
 プルサーマル実施3条件(耐震安全性、高経年化対策、長期保管MOX燃料の健全性)の検討は、十分に時間をさくこともなく、今回の定検にねじ込むようにして進んでいきました。
 県技術連絡会は、慎重、反対の立場で発言する委員はおらず、県民は一方的に聞くだけで、意見を表明する場は与えられませんでした。県の説明も広報誌7万部だけでは全く不十分です。
 県エネルギー政策検討会の「中間とりまとめ」に際しては、「県民の声を聞く会」が各所で
開催されました。柏崎刈羽原発の耐震安全性を検討する新潟県の技術委員会では、技術委員会としての県民説明会が開かれています。、宮城県ではプルサーマルに関して4箇所で説明会を、石巻市も対話フォーラムを開いています。
 多くの県民や国民がとまどいと不安を強める中で、県民の声を直接聞くこともなく、県民
説明会を開くこともなく、知事は6日に受け入れを表明されました。「県民の安全・安心が最
優先」という言葉が真実ならば、MOX燃料の装荷前に、県民の声を聞く場を設けるべきで
はありませんか。

2.事前了解なしの実施は安全協定違反ではありませんか
 プルサーマル実施について、事前了解は2002年に白紙撤回され、県議会の意見書も出ています。事前了解なしにプルサーマルを実施することは安全協定に違反しますが、8月6日の知事の「プルサーマル実施受け入れについて」は、その前提となる事前了解を欠いたものになっています。
 2002年の事前了解撤回以降、東京電力から事前了解願いは提出されましたか。事前了解がない状況でプルサーマルを実施することはできないのではないですか。

3.使用済MOX燃料の「処理の方策」が決まっていないことについて
 使用済MOX燃料の「処理の方策」は、原子力政策大綱で2010年頃から検討を開始す
ると書かれています。もう2010年ですが、まだ検討は開始されていません。このことは
8月3日の交渉で国が認めました。検討の前提となる六ヶ所再処理工場は、ガラス固化で行き詰まっています。
 「処理の方策」さえ決まっていない使用済MOX燃料を生み出すプルサーマルを認めるこ
とは、「県民の安全・安心を最優先」にすることに反するのではないですか。

4.再処理の相手先を具体的に示せず、法律に違反していることについて
 原子炉等規制法は、使用済燃料の「処分の相手と方法」の明記を要求し、処分の目途がない使用済燃料の発生を禁じています。東京電力は処分の相手を、「国内で委託する再処理事業者」としていますが、これは実体のないもので、影も形もありません。国がこのような申請に許可を出しているのは違法行為ではないでしょうか。
 知事は、このことを見過ごすことなく、東電と国に対し厳しくその責任を問い、許可を撤
回させるべきではないでしょうか。

5.使用済燃料の原発プールでの保管が「処分の方法」だという東電の法律をねじ曲げた解釈について
 東京電力は、使用済燃料の燃料プールでの保管が、原子炉等規制法で定められている「処分の方法」にあたるとしています。しかし、8月3日の交渉で国は、プールでの保管は「処分の方法」にあたらないと明言しました。東京電力は、明らかに法律をねじ曲げた解釈を行っています。
 知事は、東京電力に対し厳しくその責任を問い、見解を撤回させるべきではないでしょう
か。このような東京電力の見解を放置している国に追従するのではなく、国に対しても抗議
の意思を表明するべきではないでしょうか。

6.「プルサーマルの開始と使用済MOX燃料の処分問題は別」とする国の見解について
 8月3日の交渉で国は、「プルサーマルの開始と使用済MOX燃料の処分問題は別問題」と明言しました。これは、使用済MOX燃料の「処理の方策」も「処分の方法」も決まってい
ないうちから、プルサーマルを推進する国の姿勢を端的に表した言葉です。
 このような無責任な国の見解について、知事の判断を示してください。

7.このままでは、故郷が核のゴミ捨て場になり、深刻な環境汚染がおこる危険性について
 米国では、使用済燃料の搬出先がなく、原発サイトに使用済燃料が溜まり続け、その安全性が大きな社会問題になっています。燃料プール水が大量に喪失する事例、プール水が循環しない事例が何件も起きていて、あわや大惨事になる事例もあったことを、来福された米国の市民団体ビヨンド・ニュークリアのケビン・キャンプスさんは具体的に教えてくれました。
 県民の中に、使用済MOX燃料が地元に超長期に渡って据え置かれ、故郷が核のゴミ捨て場となり、米国で起きているような深刻な環境汚染を引き起こすことを心配する声があることはご存じでしょうか。その声にどう答えますか。

8.プールの高経年化技術評価がなされていないことについて
 福島第一原発3号機のプルサーマル実施により生じる使用済MOX燃料が超長期に渡って保管されるであろう福島第一原発の共用プールの高経年化対策については、具体的な技術的評価がなされていないことが、8月3日の交渉でも明らかになりました。
 このような状況で使用済MOX燃料を生み出すプルサーマルを認めることは、「県民の安
全・安心を最優先」にすることに反するのではないですか。

9.事故続きの東電の安全管理に疑問
 知事は、プルサーマル受け入れに際し、国と東京電力に対し、今後も耐震安全性確保や原子炉の運転技術向上など3項目に取り組むよう求めましたが、それはいずれもプルサーマル実施前に行うべきものではないでしょうか。東京電力の安全管理のずさんさは、第一原発2号機で発生した外部電源全喪失事故からも明らかではないでしょうか。また、つい先日12日には、第一原発1号機で、高圧タービンの下から放射性物質を含む水が床に漏れているのが見つかりました。同じ12日には、第一原発で昨年10月に起きた放射性物質の漏出の原因は、4年に1度点検することになっていたフィルターを9年間も放置していたことと、発表されています。
 これら事故の解明や東京電力の安全管理能力の検討を優先すべきではないでしょうか。

10.「沈黙のアピール」を続ける私たち県民に対して
 子や孫達に故郷のすばらしい自然を残したいという思いから、県庁前で「沈黙のアピール」を続けている私たちの姿が見えますか。
 私たちの声を直接聞いてください。

以上

提出団体
「沈黙のアピール」、STOP プルサーマル!ふくしま、ふくしまWAWAWA-環・話・和-の会、脱原発福島ネットワーク、ストップ!プルトニウム・キャンペーン、銀河のほとり、NPO 百笑屋敷、癒し系食糧危機対策委員会、盆踊り研究会、粉もの研究会、ともかふぇ、みちくさ研究所、福島県自然保護協会、みどりの未来・ふくしま、魅力的な都路をみんなで考える会(MMMの会)、止めようプルサーマル!三春ネット、福島原発30キロ圏ひとの会、福島老朽原発を考える会、ストップ・ザ・もんじゅ東京、東京電力と共に脱原発をめざす会、空と海の放射能汚染を心配する市民の会

連絡先 080-5563-4516 佐々木慶子

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