【福島原発震災(9)】避難範囲を拡大せよ!最悪の事態を想定し対策を根本的に見直せ!
福島原発震災について
政府は避難範囲を拡大せよ
最悪の事態を想定し対策を根本的に見直せ
2011年3月17日
福島老朽原発を考える会
放射能汚染の破局的危機が迫っている。既にこれまで、建屋の爆発、火災、格納容器の破損が続く中で、大量の放射能が放出された。しかし全面的な炉心溶融による大量の放射能放出が発生すれば、その被害はこれまでの比ではない。そこにいれば短時間でも致死量の放射線を浴びる「死の放射能雲」が風下に流れる。
政府はいま、国民の安全と健康を守ることを最優先に行動すべきである。最悪の事態を想定し、それを国民に語り、放射線モニタリングと避難について、あらゆる対策について根本的に見直すべきである。放射能による被害を防ぐ最大の対策は避難である。避難区域を広げ、首都圏を含む広域の避難を直ちに検討し、実行すべきである。とりわけ、放射線に弱い乳幼児や子供、妊婦の避難を最優先に行うべきである。
事態は日ごとに悪くなっていている。福島第一原発1~3号機の炉心は、燃料がむき出しとなり、部分的に溶融している。消防ポンプによる給水でかろうじて急激な悪化を食い止めているが、いつまで持ちこたえることができるのか。2号機では格納容器が破損し、放射能が筒抜けの状態となっている。給水に失敗すれば、部分的な炉心溶融から全面的な炉心溶融にいたり、圧力容器を突き破り、地下水に触れて大爆発を起こす最悪の事態となる。
また、格納容器の外にある使用済み燃料プールでも深刻な事態が生じている。4号機ではプール水が沸騰し、露出した燃料棒から水素が発生し、爆発して建屋が炎上した。3号機も同様の状態である。プール水がなくなり崩壊熱を奪うことができなければ、むき出しの状態となったプールでの燃料溶融という、これまた最悪の事態となる。1~6号機のいずれも同じ危機がある。5・6号機でも既に温度上昇が報告されている。
フランスやポーランドなど各国は自国民に対し、日本からの出国ないし東京以南への避難を勧告している。大使館を東京から大阪へ避難させている。米軍は被災者支援のために太平洋沖に展開していた第七艦隊を引き上げ、風下の日本海へ移動した。米国や韓国は自国民に対し、原発から80㎞圏内からの避難を勧告した。外国メディアは連日、原発事故をトップで詳しく伝え、最悪の事態を指摘している。
日本はどうか、政府の避難指示は20㎞圏内にとどまり、東京電力も原子力安全・保安院も実態を伝えず、首相官邸は、「観測された放射能は直ちに健康被害をもたらすものではない」とオウムのように繰り返すだけで、最悪の事態に至る可能性について一切語らない。マスコミでは「御用学者」らがレントゲンとの比較を繰り返し、内部被曝の危険、放射能雲の危険について何も語らない。急性被曝の危険だけを問題にして晩発性被曝の危険には頬かむりしている。日本国民だけが、差し迫る危険に対し、正しい情報を知らされず、準備もできずにいる。いい加減にして欲しい。
政府は避難範囲を拡大せよ。最悪の事態を想定し対策を根本的に見直せ。住民の避難手段、避難先を確保せよ。
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