【福島原発震災(8)】4号機の使用済燃料プール…むき出しの原子炉状態
使用済み燃料プールの問題について特に4号機が深刻になっている背景に、4号機は定期検査中で、炉内の燃料が一時的に移設されていることがあります。
東電のHPによると4号機が定期点検を始めたのが11月30日でした
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi0b10-j.html
その後、炉心燃料が使用済み燃料に移送され、現在原子炉と同じ危険にさらされています。その危険性については、米国UCS(憂慮する科学者同盟)の最新のレポートにもあります。
http://allthingsnuclear.org/
一時的に移設されたものも含めると、使用済み燃料の量は以下のようになります。
もともと入っていた 783体
炉心燃料を移送したもの 584体
合計 1367体
プール管理容量 1540体
プールの全容量 2124体
管理容量=全容量-1炉心分 1炉心分=584体
1体=0.172トンウラン
UCS(憂慮する科学者同盟)のページのReactor Core Coolingというレポートにあるグラフ(Fig2)に崩壊熱の変化があります。グラフは30日までしかなくて、崩壊熱は30日で約44%になります。横軸が片対数なのでわかりにくいのですが、このまま延長すると100日で約23%となります。今日は定期検査開始から107日目です。
23%でも熱が冷やすことができなけば温度が上がり、時間が経てば危険な状況になります。圧力容器もなにもないので放射能はそのまま出てきます。使用済み燃料プールにむき出しの原子炉が出現してしまったのです。
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崩壊熱による、連鎖反応停止後の熱出力の時間変化について
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kid/safety/decayhea.htm
にもデータがありますが、これは、1日で1%以下となっています。上記のキジと何が条件が違っていいるのか、整合性はあるのでしょうか?
投稿: 関戸 | 2011/03/18 00:08