【福島原発震災(2)】福島第一2号機で冷却危機
2号機について13時26分に冷却機能を失ったとのことです。
2号機は当初は、1号機や3号機よりも早く炉心溶融の可能性があるとされていました。
官邸資料の時系列や新聞報道から推測すると、地震の約50分後の11日15:40頃に津波に襲われ、非常用ディーゼル発電機が機能を失いました。それでも2号機は、電源喪失でも動くタービン駆動の原子炉隔離時冷却系ポンプが地震時に自動停止したときから動いており、注水が継続しました。
問題は20:30にM/C(主分電盤)が水没したことにあるようです。これによりポンプの駆動状況や原子炉水位などが確認できなくなりました。暗闇で手探り状態の事故収集となったのです。
この事態を受けて、20:50に福島県が半径2kmの避難指示を出しました。国も3kmの避難指示10kmの自宅待機の指示を21:23に出しましたが、これは県の対応の後追いでした。
東電・保安院はポンプが止まっているとした場合の予想を21時と22時に行っています。22時の予想では、22:50燃料露出、24:50燃料溶融、27:20格納容器ベントなどとなっています。燃料露出、燃料溶融といった恐ろしい単語が並んでいます。27:20格納容器ベントというのは、12日午前3時20分には格納容器を守るために放射能を含むガスを外部に放出(ベント)せざるをえないことを意味します。
仮設電源により21:54に水位がL2(低低)レベルにあることを確認しましたが、この電源もすぐに切れることから、電源車の接続により電源を確保することを試みました。しかし電源車が着いても繋ぐことになかなか成功せず、溶融予想時刻も格納容器ベント(外部への放射能放出)予想時刻もむなしく過ぎてしまいました。
しかし実際には炉心溶融は起こらず、原子炉隔離時冷却系ポンプは動いていました。それを確認したのは格納容器ベントの予想時刻の13分後でした。その後も注水は継続しました。その間に事態が深刻になっていたのがポンプが動いていなかった1号機でした。関心は1号機そして3号機に移りました。
今になって2号機が問題になってきたのは、その原子炉隔離時冷却系ポンプ機能が低下し、炉内の圧力が上がり、水位が低下してきたのです。保安院は、格納容器ベント(外部への放射能を含んだ空気の放出)により圧力を低下させ、ポンプの機能を復活させたいとしています。水源を海水に切り替えるのは、格納容器内のサプレッションプールの水をなるべく失いたくないからでしょう。
2011年3月14日18:00
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