【福島原発震災(1)】福島第一3号機も建屋爆発
さきほど福島第一原発3号機の建屋が爆発しました。
テレビで映像が何度も流れましたが、赤い光のあと黒い煙が上に、白っぽい煙がまわりにひろがるという形状で、一昨日の福島第一原発1号機と同様に見えますが、炉が1号機よりも大きいせいか明らかに規模は大きいものです。
枝野官房長官は、1号機の爆発と同様に格納容器と建屋の間にたまった水素が爆発したものであること、現地の所長に確認したところ、格納容器は健全であることを確認したと言っています。
事故はこれで収まったわけではありません。原子炉の冷却を続けなければなりません。
3号機は昨晩から、消火ポンプを使った海水注入を続けており、格納容器からの放出(ベント)も行っていますが、炉内の水位が燃料が2メートル露出している状況が一向に改善されない、かといって燃料が加熱して炉内圧力が上昇する事態が起こってはいないという、不気味な平衡が続いていました。1号機も同様です。炉心が露出していることから、溶融が起きているとすると、3号機はプルサーマル炉(MOX燃料は32体で全体の5%)ですからプルトニウムも溶融している恐れがあります。
計器の故障の可能性が指摘されています。水位系が壊れていて実は水位が保たれているというのであれば幸いですが、海水が実際には注入されておらず、炉内はむき出しの燃料が蒸気でかろうじて冷却されているという状況かもしれません。ただ、さきほど、海水のピットが空になり、別のピットを使うためにポンプを一旦止めたところ、格納容器の圧力が上昇したとの情報がありましたから、海水注水は行われているということでしょう。
水素が出たとすれば格納容器の上部にも圧力容器の上部にもたまっているはずです。スリーマイル原発事故では、圧力容器内の水素をどうやって抜くのかが最後まで問題になりました。これに引火するようなことがないようにしなければなりません。
20km圏内で屋内退避指示、けが人がでたとの情報も出ています。爆発によって放射能が放出されたように報道されていますが、今後は格納容器から漏れ出す放射能があるでしょう。また断続的に行われているであろう格納容器からの意図的な放出(ベント)の際も出てきます。これは意図的に行われているので、どのタイミングでっどの風向きで放出するのか、きちんと周辺住民に知らせる必要があります。
いずれにしろ国も東電も何がわかって何がわからないのか、どのような可能性を想定して動いているのか、放射能の観測値、放出のタイミングなど随時明らかにすべきです。
2011年3月14日12時05分
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