【110】6・26福島行動報告(その1) 生活村
■雨天の中、大挙福島へ
フクロウの会は、総勢18名が車と新幹線に分かれ福島市に集合し、午前中に行われた「生活村」イベントの取材、および午後の集会とハンカチパレードに参加しました。運動の中では常々実感することですが、福島市の方々の思いを肌で感じることができたことはとても強い刺激になり、私たちの今後の運動に勇気と力を得ることができました。
■「生活村」イベント ~運動と市民の結びつきの場に~
現地に到着後、午前中には「AOZ(アオウゼ)ふくしま」で行われた「生活村」のイベントに参加・取材を行いました。
生活村の会場は活気に満ちていました。会場には地元福島の方々を中心に2~300人の人たちで会場はところ狭しという雰囲気。
会場ではB1版に大きく印刷された放射能汚染の広域マップの展示がまず目を引きました(http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-397.htmlを参照下さい)。
福島全体がかなり高いレベルに汚染されている状況の中で、当然のことながら「生活村」に足を運んで来た方々の関心は、生活をどのようにしたらよいのか、除染ができるのならどのようにすればよいのか、避難はどのようにすれば良いのかに集中していたようです。内部被爆を解説したパネルを真剣にメモする方も見受けられました。内部被爆については、今後もわかりやすく知らせていくことが必要と感じました。
放射能汚染の現実、市民の不安はそれほど深刻な問題になっていることが強く感じられるイベントでした。会場前のロビーでも、若い母親たちが子どもをいつ避難させるかをめぐって話し込んでいました。避難したくても補償を期待することもできず、住宅ローンを抱え、ずっと「思考停止」状態だった方の中には、被害を最小限に防ぐために生活を見直すことを考え始めるなど大きな変化も現れ始めているようです。
福島県と首都圏で結びつき、協力して進んでいるこの間の運動は市民レベルにも少なからず力を伝えることができているようです。「私達は声が上げられないから、東京の方々が声を上げてくれるのはありがたい…」との話に私たちも力づけられました。フクロウの会など、東京からも大挙行動に参加をしているという話を紹介すると、感激して泣いてくださる方もいたそうです。
準備されていた「生活村」イベントは、そのような期待に応える企画が大部分で、「子どもネット」の各プロジェクトの成果も展示・資料配布が行われていました。また、映画村で上映された小出さんや矢ケ崎さんの話には、満席・立ち見の状態で多くの方々が熱心に見入っている様子が見られました。山下氏解任を求める県民署名の呼びかけへの反応もとても良かったとのことです。
中には、山下氏解任署名について「長崎大で原爆のこともあるから間違ったこと言うわけないんじゃないの?」、「せっかく来てもらってるのに、解任というと強すぎて抵抗がある」などの意見もありましたが、このような反応も福島で行動を行って初めて得られる市民の複雑な思いだと感じます。
福島市において市民の不安に的確に応えていた「生活村」、参加した私たちも福島市民の複雑な不安や思いを感じることのできた「生活村」、この企画は今後の運動の課題を示し、また運動と市民の結びつけ方を具体的な形にした、有意義な企画であったと思う。
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