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2011/07/30

【127】除染活動と避難はセットで行うべき

除染活動と避難はセットで行うべき
「官製」除染活動を住民の「避難防止」の手段にさせてはならない

  

福島県や市が始めた除染活動

 福島県や福島市は最近になって放射能除染活動を積極的に始めたかのような動きがあります。福島県は除染アドバイザーの任命や地域での除染活動を行う団体への資金助成を行う事業を始めました。また福島市は学校や児童センターなど建物や校庭除染の計画を発表しています。従来より高汚染が指摘されている渡利地区では市の計画で住民ら3900人を動員して大規模な除染活動を実施しています。

 一見、県や市が住民の要望に応え除染活動に積極的に取り組み始めたようにも見えますが、ここには注意しなければならない問題点が潜んでいます。

  

【除染へ専門家助言】2011年07月23日 朝日新聞     

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001107230004

 ●県、5人「アドバイザー」委嘱
 子どもたちの生活環境から放射線量を減らすため、県は22日、放射線防護や放射性廃棄物処理の専門家5人を「除染アドバイザー」に委嘱したと発表した。任期は来年3月末まで。
 アドバイザーは、元原子力委員会委員長代理で、放射線防護を専門とする田中俊一・放射線安全フォーラム副理事長ら5人。県一般廃棄物課によると、効果的な除染の方法などについて、県に助言する。
 県は、通学路や側溝、公園などの除染活動をする町内会、PTA、ボランティアといった団体を対象に、線量計や高圧洗浄機、清掃用具などの購入費に関し、50万円を上限に補助する事業をはじめた。
 県内の各市町村が今月末以降、除染活動をする団体を募集することから、こうした団体にも、アドバイザーが助言するという。
 ほかのアドバイザーと専門分野は次の通り。
 井上正・電力中央研究所研究顧問(放射性廃棄物処理)▽田中知・東京大大学院工学系研究科教授(放射性廃棄物管理)▽藤田玲子・東芝電力・産業システム技術開発センター技監(放射性廃棄物処理)▽石田順一郎・日本原子力研究開発機構福島支援本部上席技術主席(放射線防護・安全管理)

  

福島市、市内全域の除染方針固める(2011年7月12日19時02分  読売新聞)  

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110712-OYT1T00853.htm

 福島県内で自治体が全域の除染に乗り出す方針を決めたのは伊達市に次いで2番目。

 福島市は今年度分の「ふるさと除染計画」を8月上旬までに策定する。策定に先立ち、放射線量の高い渡利、大波の両地区で先行して除染作業を実施。建物に高圧洗浄機を使用するほか、地面の表土除去などを行う。

 市内全域の除染には、数年から十数年かかる見通し。公共施設や農地、河川、山林を主な対象とし、線量の高さや住民の利用度などに応じて優先順位を付ける。民家についてはマニュアルを配布し、市民自らの手で行ってもらうことも想定している。

 費用は一時的に市が負担するが、最終的には国や東電に支払いを求める方針。同市では、同原発から半径20キロ圏の警戒区域以上に放射線量の高い地域が確認されており、住民に不安が広がっている。

  

子どもを避難させないための除染活動にしてはならない

 その第1点目は、このような活動を大々的に宣伝することで放射能が低減して子ども達が避難しなくても「安全」が確保されるかのような雰囲気が作りだされる危険性です。産経新聞の報道では渡利地区の除染活動について「『避難が不要になるように』福島市の住宅地 住民ら3900人が除染」などと見出しを付けて報じています。

 

「避難が不要になるように」福島市の住宅地 住民ら3900人が除染2011.7.24 産経  

http://sankei.jp.msn.com/region/news/110724/fks11072418470002-n1.htm

 福島市中心部に近く、放射線量が局所的に高い「ホットスポット」の懸念が高い渡利地区で24日、放射性物質の除染作業が行われた。

 市職員ら約400人と住民約3500人が参加。住民らは側溝の泥をスコップで取り除き、雑草を取った。渡利小などの通学路は路面清掃車が洗浄した。住民によると、毎時10マイクロシーベルトだった放射線量が除染後、約半分に下がった側溝もあったという。

 渡利地区は福島県庁から約1~3キロ。東京電力福島第1原発から約60キロ離れているが、6月の市の空間放射線量測定で毎時3・83マイクロシーベルトを計測した。国は近く、同地区で特定避難勧奨地点の指定を検討する詳細調査を行う。

 同地区の舟場町内会長、小平準之助さん(77)は「子供がいる世帯の転居が増えて寂しくなった。避難が不要になるよう今後も除染を続ける」と話した。

 
 しかし、生活圏の放射線被ばく量を下げるためには、学校、公園等だけではなく、住宅、道路、側溝、田畑、森林、河川などその地域全体の除染をしなければなりません。長期間にわたる取り組みが必要です。

 子ども達を放射能から守る福島ネットワークでいち早く除染活動に取り組んできた「子ども福島」の河原田氏はこの点を指摘して、除染と避難はセットで行うべきだと述べています。

 「(校庭除染などでは)敷地全体における環境放射線量が大幅に下がることはありません。これは周囲の汚染から発する放射線量が大きく、限定された土地の表土除去をしただけでは、子どもたちの置かれた環境を安全なものにすることは不可能であることを示しています」「子どもたちは24時間休むことなく被曝し続けています。これから除染が完了するまでには一体どれだけの時間がかかるのでしょうか。除染が完了するまでの間、少なくとも、子どもたちや妊婦・若い女性他、被曝感受性の高いといわれる住民を放射能汚染の無い安全地域へ避難させるべきではないかと思います」(7月19日「対政府交渉in福島」での除染活動報告)。

 地域の除染活動を自治体が住民と共に進めることは大事ですが、それは放射線に敏感な妊婦、胎児、子どもの避難とセットで行われるべきです。住民とくに妊婦、子どもを汚染地域か避難させないための「言いわけ」として除染活動が使われてはならないと考えます。

  

除染方法にも問題が - 自治体の除染マニュアル

 自治体が進める除染方法についても問題があります。その第1点目は家屋、コンクリート表面などの高圧水を用いた洗浄です。高圧洗浄機での洗浄では洗浄に使った水はたれ流され、放射性物質を移動しただけにすぎず汚染の拡散をしているにすぎません。
 前述の「除染活動報告」でもこの点を指摘しています。「注意深く『集める』という作業を行わないと二次汚染の可能性を否定できません」。自らの手で除染活動を行ってきた河原田氏のこの指摘は重要なものだと考えます。

 また、汚染物の最終処分の問題があります。福島県が作成した除染マニュアルでは刈草、落葉等は一般の可燃ごみと同様に焼却処理をとしていますし、土砂等については地域で一時保管場所への保管としています。汚染物の最終処理が決まらない限り全て暫定の処置です。この点についても「除染活動報告」では「東京電力はもちろんのことですが、原子力開発を国策として進めて来た国の責任として、この問題を早急に解決して下さい」と指摘しています。

  政府と東電に対して廃棄物最終処分施設を至急明確化するように求め、除染に伴う汚染物の受け入れ管理を要求してゆくことも重要な課題です。

  

「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」除染活動報告

(7月19日 対政府交渉in福島で発表した文書)

はこちらからダウンロードできます。

「jyosen_houkoku_2011_0719.pdf」をダウンロード

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コメント

福島県が委嘱した5人の除染アドバイザーは、 驚くことに全員が、原発村本丸のド真ん中の住人なんですね。
福島県民は、なんでこんな連中に「先生、先生」と頭を下げて、 「教え」を請わなくてはならないのでしょうか?

▽田中俊一・放射線安全フォーラム副理事長 元原子力委員会委員長代理
▽井上正・電力中央研究所研究顧問(放射性廃棄物処理)※電力中央研究所は東電など電力会社の研究所
▽田中知・東京大大学院工学系研究科教授(放射性廃棄物管理)※東京大学工学部原子力工学科卒業
▽藤田玲子・東芝 電力・産業システム技術開発センター技監(放射性廃棄物処理) ※東芝は原発の設計と製造
▽石田順一郎・日本原子力研究開発機構(元原研) 福島支援本部上席技術主席(放射線防護・安全管理)

田中俊一氏は一時、発災後福島第一原発の対応や、原子力安全委員長班目春樹氏の不作為を批判していましたが、それは「原発村による国民支配」の構図が崩れるのを怖れたもの。

その後氏が除染活動に入れ込んだのは、「避難」という選択肢をなんとしても妨げたかったからでしょうか。
その除染指導内容は、河原田さんによる批判そのもの。

除染土壌の廃棄方法と場所のアドバイザーに京都大学、中部大学の先生をお願いします。

 ni0615 様コメント:”福島県が委嘱した5人の除染アドバイザーは、 驚くことに全員が、原発村本丸のド真ん中の住人なんですね。福島県民は、なんでこんな連中に「先生、先生」と頭を下げて、 「教え」を請わなくてはならないのでしょうか?”

 県費の大無駄ですから、きっぱりと拒否しましょう!
 京都大学の小出先生と中部大学の武田先生にお願いします。
 そろそろ(何れ)福島の各地で政府(県)の除染が始まるでしょう。
 その膨大な土はどこに持っていくのが一番良いのでしょうか?
 溜まっているところはもう溢れそうになっています。
 京都大学のあの先生は同じ原発村所属で放射性廃棄物処理や安全な廃棄方法研究の専門家として長年(~40年)研究をされているそうで、論文も一杯書いておられるので、きっと、今回の除染方法と除染土壌の廃棄場所についても最も安全で的確な場所を教えて頂けるものと思います。
 中部大学のあの先生は同じ原発村本丸所属で確か化学(ウラン濃縮)の先生と聞いています。当然濃縮の逆の除染の専門家でもあるでしょうから、合法的かつ安全に放射能を除去ないし消去してもらえるかもしれません。
 是非、ご依頼(の運動)をよろしくお願いします。

被災地の住民の放射線汚染から身を守る運動に感動しています。
汚染地区の土壌除染の問題が出ていますが、粘土による除染方法も研究されていますね。


http://www.lab.toho-u.ac.jp/sci/chem/sakutai/research/copy_of_clay_yamagishi.html

沖縄にもクチャというシルト粘土の細かい粒子の吸着性が研究されています。
素人ながら、お役に立つかと思い紹介します。
ご参考になれば幸いです。

http://mactreat.com/?mode=f3

http://okijoho.heteml.jp/mactreat/macdaub_pic.html

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