【119】千葉県北西部のホットスポット 毎時0.65マイクロシーベルトでも「安全な数値」??
首都圏の「ホットスポット」に位置する千葉県北部では住民が早くから働きかけを行い、野田市においては対策を行う「独自基準」として毎時0.19マイクロシーベルトを設定するなど前向きな対応を引き出してきました。
しかしながら、今回の「協議会」における確認事項は事実上の「安全宣言」であり、前向きな動きに対する強力な巻き返しとも言えるものです。
以下、その概略について報告します。
■千葉県北部6市「協議会」がホットスポットに「安全宣言」!
■毎時0.65マイクロシーベルトでも「安全な数値」?!?!
それにも関わらず「協議会」は,7月8日に会合を開催し,「安全な数値」であることを確認しました.これは事実上の「安全宣言」であり,ホットスポットにおける汚染の実態を全く無視していると言わざるを得ません(報告はこちら)(新聞報道はこちら).
■年間20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)が基準?!?
報道にもあるように,「協議会」は「毎時3.8マイクロシーベルトを上回る地点は確認されなかった」とし,「安全宣言」のための基準として文科省が福島県に適用した毎時3.8マイクロシーベルトを使用しています.これは「ホットスポット」の危険性を過小評価するための重大な粉飾です.
毎時3.8マイクロシーベルトは年間20ミリシーベルトという非常に高い被ばく量を基礎に算出されたものであり,国があくまでも福島県に対して通達した「暫定基準」です.この基準は国際的にも批判にもされ、子どもネット福島や私たちの撤回要請行動の中で文科省も「20ミリで良いとは思っていない」「1ミリを目指す」と認めたものです。
このような基準を関東のホットスポットに適用することはもってのほかであり,国の法律である年間1ミリシーベルトの基準を厳密に適用させなければなりません.
また,「文部科学省の試算」にならって被ばく線量を算定した結果,「1ミリシーベルトを超過しない結果となった」としています.しかしながら,算定の数式や算定結果については示されておらず,具体的な確認は何らできないものとなっています.
「協議会」で見解を求められた専門家(中村 東北大学名誉教授)は,毎時1マイクロシーベルトの場合を例に年間5.2ミリシーベルトになるとの試算を行っています(ただし,中村氏はむしろ年間5ミリシーベルトまでは許容されると強弁しています.).
よって「協議会」に招かれた専門家自身が現状では年間1ミリシーベルトを超えることは必定であることを明らかにしているのです.
■被ばく基準の緩和に反対し,年間1ミリシーベルトの法定基準を堅持させましょう!
年間1ミリシーベルトは国の法律で定められた基準であり,関東のホットスポットにおいてはこれ以外の基準はありません.なし崩し的な被ばく基準の緩和を許さず,線量低減のための措置を求めることが重要となっています.
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コメント
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0.65×24h×365日=5694マイクロシーベルト÷1000=5.694ミリシーベルト、国際基準1ミリシーベルト
を超えている数値ですね。
外部被ばくでこの数値なら内部被ばくを加味するとこの3倍となりますが、安全とはいいがたいです。
投稿: yachinn | 2011/07/16 10:18
なぜ福島原発から遠くはなれた地域にこの高い数値を示すホットスポットがあるのか?という疑問に答えないで
安全かどうかみたいなことので、コメントを公募しても意味がないのではと思います。
そもそも福島原発3号機の水素爆発の映像がWEB上消されていたりして、政府、東電、電通以下マスコミ各社の作為をかんじています。
投稿: yachinn | 2011/07/16 10:29