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2011/08/05

【130】自主避難も賠償対象へ-原子力損害賠償紛争審査会の合意を歓迎

原子力損害賠償紛争審査会ー能見会長発言

「いままで人の健康そのものの問題を後回しにしてきたが、これからは切り込んでいきたい」

本日、第13回の原子力損害賠償紛争審査会が開催されました。

自主避難の問題は、中間指針には盛り込まれませんでしたが、合理的だと判断される範囲において賠償の対象とすることが、ほぼ合意に達しました。能見会長は、「いままで人の健康そのものの問題を後回しにしてきたが、これからは切り込んでいきたい」と述べました。

この間、委員に対しては、個別に要請書・アンケート・手紙を送るなど、かなりはたらきかけをしてきました。今日の議論では、複数の委員が私たちの情報提供などを参考にして意見を述べていました。


<「自主」避難者への賠償について~中間指針に盛り込む必要性とその根拠>
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110801.pdf

一方で、難しい問題だからといって後回しにして、中間指針に盛り込まなかった
ことは問題だと考えています。また、今後の賠償基準についての議論において、文科省側からの巻き返しもあるでしょう。 

今回は、委員を励ます意味も込めて、前向きな議論を歓迎するような以下のような声明を出しました。

==========================================================
2011年8月5日
<共同声明>
自主避難も賠償対象へ
原子力損害賠償紛争審査会の合意を歓迎
~今後の議論に期待~
==========================================================

 本日8月5日第13回原子力損害賠償紛争審査会が開催されました。中間指針にこそ盛り込まれませんでしたが、審査会において、区域外避難者・自主避難者に関しても、合理的と考えられる一定の基準のもとに賠償の対象とされるべきことが確認されました。

 私たちは、いままで置き去りにされてきた自主避難の問題が、ようやく審査会で議論され、補償の対象とされることが合意されたことを歓迎します。委員の多くが、自主避難者や自主避難をしたいが経済的な理由により避難できないでいるご父母の声、また、この現状を懸念し自主避難に対して正当な賠償を求める市民団体の声を真剣に受け止めてくれたことに感謝致します。

 私たちとしては、自主避難された方々の判断の「合理性」を考える上で、以下の点について、改めて注意を喚起したいと思います。

1.既存の法令を重視すべきである
・放射線管理区域は年5.2ミリシーベルト:放射性管理区域では、労働法規により、18才未満の労働は禁じられている。放射能マークを掲示し、子どもを含む一般人の立ち入りは禁じられ、厳格な放射線管理が行われ、事前に訓練を受けた者だけが立ち入ることのできる区域である。
・法令による公衆の年間の線量限度は1ミリシーベルトである

2.国際的な経験を参考にすべきである
・例えば、チェルノブイリ原発の周辺国は、チェルノブイリ原発事故による避難基準について、年5ミリシーベルト(セシウムによる土壌汚染555キロベクレル/平方メートル)以上を移住の義務ゾーン、年1~5ミリシーベルト(セシウムによる土壌汚染185~555キロベクレル/平方メートル)を移住の権利ゾーンに定めている。

3.子ども、乳幼児、妊婦は、放射線に対する感受性が高く、リスクが大きい

4.水素爆発直後の避難の判断の合理性
・福島第一原発の水素爆発の直後、福島市や郡山市など、中通り地域の線量は急上昇し、福島市では20マイクロシーベルト/時を観測している。いつ次の爆発が起きてもおかしくなかったこの時点で、自主的に避難を決断した住民の判断はきわめて合理的である。

別添:「自主」避難者への賠償について~中間指針に盛り込む必要性とその根拠

http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110801.pdf

以上

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

問い合わせ先:
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)090-8116-7155(阪上)
国際環境NGO FoE Japan 090-6142-1807(満田)

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コメント

東京電力最大のユーザーであり、最大の株主である、東京都に対策費用を出させるべきです。現職の知事は原発推進と核武装を高らかに宣言し、福島の災害をだしにしてオリンピック誘致に莫大なお金をかけようとしています。政府は当然として、首長の悪意に満ちた思想性と無責任を糾弾する意味でも、ぜひ、東京都都知事と交渉してください。

生協のパルシステムで子供が被爆する


(まず、以下は生協のパルシステムについての生協自体のホームページの記載事項です。読者の方からのご連絡です。)

「暫定規制値を下回る基準を独自に設定することは、長年培ってきた産直産地との関係を否定しかねず、日本の農業に大きな打撃を与えることが懸念されます。

パルシステムは、産直産地との長年の取り組みを通じて、日本の農業を応援し食料を自給できる国にすることをめざしてきました。とりわけ東日本には多くの産地が集中しています。問題の長期化が確実となっている中で、

暫定規制値を下回る独自基準を導入することは、品種によっては取り扱う商品がなくなってしまうことも想定しなければなりません。こうした事態は、地域の農業・経済に壊滅的な打撃を与えることとなってしまいます。

またパルシステムとして、国の暫定規制値より低い数値の独自基準を設定し、この基準を超えた食品を制限する場合、国の措置ではありませんので、公的な生産者への経済的な補償は行われません。

また、パルシステムが単独で補償をおこなうことも困難です。」

・・・・・・・・・

このことと、政府が決めている暫定基準値が、「内部被曝 年間20ミリシーベルト」になっていること、20ミリシーベルトとは胸のレントゲン400回分であり、子供も同じだけ被曝する可能性があることを考え合わせてみます。

・・・・・・・・・

生協が言っていることは「お客さんが法律で決めた値以上の被曝をしても仕方が無い。1年400回のレントゲンと同じ被曝をお客さんの子供たちが浴びても仕方が無い」と言っています。

ただ、自らを正当化したいので、法律のことも、400回のレントゲンのことも一切、触れず、ただ「政府が」、「お金が」と言っています。でも生協の食材でガンになる子供はどうなのでしょうか? それはこの理屈で覆すことができるのでしょうか?

生協を信頼し、生協で食材を買い、そして若くしてガンになった人が、「補償できないから」ということで納得するでしょうか? 生協の人はもう一度、原点に返り、理屈ではなく「誠」で考えてください。


「takeda_20110807no.48-(5:05).mp3」をダウンロード


(平成23年8月8日 午後2時 執筆)
///////////////////////////////////
生協の皆さん、組合員の皆さん、生協で働いている皆さん、生協を組合員ではないけれど、利用したことのある皆さん。
武田さんの言うとおり、今日、生協は、安全をかなぐり捨てる姿を示しています。食品、内部被曝などの問題について、子供たちの被曝について、政府の言いなりと言えます。良心的生協のみなさん、ぜひ、こんな生協を変えましょう。


武田邦彦


ちょっと間違いました。武田さんの署名は、(平成23年8月8日 午後2時 執筆)の次です。済みません。

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