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2011/08/30

【141】県民健康管理調査に関して、福島県に要請

共同プレスリリース
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan
  

---------------------------------------------------
県民健康管理調査に関して、福島県に要請
~低線量被ばくの影響を軽視した調査手法に警鐘
被ばくの実態の把握と低減を目的とした調査を求める~

-----------------------------------------------------
  

報道関係各位

本日、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japanは、福島県との交渉を行い、①県民健康管理調査の目的を、県民の「不安解消」ではなく、被ばくの低減と健康被害の最小化のためとすること、②低線量被ばくによる影響を重視し、影響があることを前提にした調査とすること、③尿検査やホールボディカウンターの検出限界値を下げ、低線量被ばくによる影響を把握し、被ばくを避けるための予防措置がとれるようにすること――などを求める要請書を提出しました。

  

県は、「調査の目的は県民の不安をかきたてないような表現とした。検出限界値の問題は、調査を実施した放射線医学総合研究所、放射線影響研究所にきいてほしい」と回答しました。

  

主催団体は、「今の検出限界値は、たとえば尿検査については、実際に市民団体による調査で検出されたセシウムの濃度の10倍以上となっている。これでは、低線量被ばくの状況が把握できず、被ばく低下の対策もとれない」と述べました。
  

参加者からは、「県民を守るための、県民が信頼できるような調査をしてほしい。尿検査を実施してほしい」などの意見が出されました。

  

交渉に先立って、①「山下俊一氏の罷免を求める県民署名」(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)6,662筆、②「避難・疎開の促進と1ミリシーベルトの順守を」49,775筆(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、グリーン・アクション、美浜の会、グリーンピース・ジャパン)を提出しました。

  

添付資料:県民健康管理調査に関する要請書
「youseisyo_Fukushima_pref_20110829.pdf」をダウンロード

署名の文面は下記から
1.山下俊一氏の罷免を求める県民署名
http://fk-m.com/re-yama
2.「避難・疎開の促進と1ミリシーベルトの順守を」
http://www.foejapan.org/infomation/news/110610.html

問い合わせ先:
福島老朽原発を考える会 阪上 090-8116-7155
国際環境NGO FoE Japan満田(みつた):090-6142-1807

2011/08/28

【140】文科省・学校利用基準見直しに関する声明

子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、グリーン・アクション、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの6団体は、8月26日付の文部科学省の通知「福島県内の学校の校舎・校庭等の線量低減について」に関し、下記の声明を発出致しましたのでお知らせします。

==========================================================
2011年8月27日
【文科省・学校利用基準見直しに関する声明】
http://dl.dropbox.com/u/23151586/110827_statement.pdf
-----------------------------------------------------------
校庭の新「目安」毎時1マイクロシーベルト(年間約9mSv)は高すぎる
放射線管理区域(毎時0.6マイクロシーベルト)よりも高い「目安」
学校給食の放射能測定を行い、内部被ばくを評価すべき
「学校内」に限定せずに、トータルな被ばく管理が必要
子どもたちを守るために、法定1ミリシーベルトの順守と避難・疎開の促進を
-----------------------------------------------------------

  

8月26日、文部科学省は、「福島県内の学校の校舎・校庭等の線量低減について」を発出し、校庭・園庭の使用目安を1マイクロシーベルト/時とすることを福島県等に通知しました。

  

私たちは4月19日に、同省が校庭等の使用基準3.8マイクロシーベルト/時(年20ミリシーベルトより算出)としたとき以来、この非常に高い基準について撤回を求め、署名・交渉・要請行動などの活動を行ってきました。今回の通知によって3.8マイクロシーベルト/時(年20ミリシーベルト)は正式に廃止されることになりました。これは、あまりに遅すぎたものの、福島県内をはじめ、全国の市民の声および国際的な批判に応えざるを得なくなったためです。

しかし、新たな「目安」にも以下の大きな問題があります。

  

1.依然として高すぎる「目安」
放射線管理区域(注1)は、毎時0.6マイクロシーベルトです。新「目安」の毎時1マイクロシーベルトは依然としてそれをはるかに超える値です。これを「目安」とする場合、年約9ミリシーベルトにもなります。

  注1)放射性管理区域では、労働法規により、18才未満の

 労働は禁じられている。放射能マークを掲示し、子どもを含

 む一般人の立ち入りは禁じられ、厳格な放射線管理が行わ

 れ、事前に訓練を受けた者だけが立ち入ることのできる区

 域である  (電離放射線障害防止規則など)。

  

2.学校外の被ばくを除外
「年1ミリシーベルトを目指す」としつつも、学校外の被ばくを除外しています。
子どもたちが学校で過ごす6.5時間だけを対象にして、通学時の被ばくなどは含まれません。

  

3.「内部被ばく」を考慮の対象としているが、給食の放射能測定はしない
内部被ばくを考慮するとしたことは、一歩前進といえます。一方で、学校給食の放射能測定は基本的に行わず、一部の自治体による取組みに任されています。これでは内部被ばくを考慮したことにはなりません。既に、子どもたちの尿から放射能が検出され、内部被ばくに対する不安が高まっています。実際に食材の放射能測定を行わず、計算だけで内部被ばくを考慮しても、子どもたちを守ることはできません。

  

4.「目安」を超えても、野外活動を制限することもしない
今回の文科省の通達では、校庭で1マイクロシーベルトを超える箇所があることを認めています。それに対しては、「除染などの速やかな対策が望ましい」と一般的に語り、「仮に毎時1マイクロシーベルトを超えることがあっても、野外活動を制限する必要はありません」としてしまっています。単なる「目安」であり、子どもたちを放射能から守る実行力ある措置を伴わないものです。これでは子どもたちは守れません。

  

福島の子どもたちを守るためには以下が必要です。
・法定1ミリシーベルトの順守。線量が高い地域を「選択的避難区域」(注2)
に設定し、住民が自らの判断で避難できる環境をつくること
・サテライト疎開(注3)など、あらゆる知恵を動員して、抜本的な被ばく回避
を行うこと
  

・学校内外および実際の内部被ばくも含めた形で、子どもたちの被ばく管理を行うこと
  

・内部被ばく低減を実現するために、給食の放射能測定を行うこと。食材の産地公表を行うこと

  

  注2)住民が自らの判断に基づき避難を行うことを、正当な
  賠償の支払いや行政措置などにより保証していくこと
  

  注3)学校や支所などを核とする疎開者コミュニティの形成
  により、福島県人として疎開地で福島人として暮らすこと

  

◆参考 チェルノブイリ原発の周辺国の避難基準
○移住の義務ゾーン
・セシウムによる土壌汚染:555キロベクレル/平方メートル以上
・積算線量:年5ミリシーベルト以上
○移住の権利ゾーン
・セシウムによる土壌汚染185~555キロベクレル/平方メートル
・積算線量:年1~5ミリシーベルト
※「移住の権利ゾーン」の住民は、避難するか、とどまるかを選択することがで
きました。避難する住民には、補償、移転先の住居、医療サポートが提供されました。

以 上

  

子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
グリーン・アクション
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

連絡先:
福島老朽原発を考える会 阪上武 090-8116-7155
国際環境NGO FoE Japan 満田夏花 090-6142-1807

2011/08/27

【139】長期的に正しい選択を今しなければいけない時

長期的に正しい選択を今しなければいけないとき

ー 8月25日政府交渉に参加して

  

                           交渉の前に 「避難・疎開の促進と法定1ミリシーベルトの順守」の緊急署名を提出した。

0825004

8月25日に「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」の問題点、そして避難区域の設定のあり方、子どもの被ばく限度20ミリシーベルトの見直しなどについての対政府交渉が行われました。以下は参加者からの報告です。

  

事前打ち合わせが9時半から始まり14時前に終了と長時間に渡りましたが白熱した時間となりました。市民側の熱い思いに応えてくださった実のある回答が少なかったことは本当に残念でした。途中で市民の側から「3月11日以前と同じ対応はしないでほしい。いつまでも平行線をたどっている場合ではない。今日、実質的な進展をしなければならない。いま、この段階でも、住民は被ばくし続けているという現実を踏まえて対応しましょう」という切実な訴えがありました。私たちが責め立てたいわけではなくて、一緒に努力していきたいのだということをぜひわかっていただきたいと思いました。

  

0825013

  

食品の暫定規制値について厚労省、食品安全委員会との交渉においては食品安全委員会の生涯100ミリシーベルトというリスク評価について生涯が具体的に何年かということについては管理側が決めることなので委員会では決めておらず、均等に割り振ることも考えていない、年々被ばく量が減っていくように描かれているイメージ図についても物理的な減もあるがイメージ図が現実を示しているわけではないとのこと。これでは間違ったイメージ図で現実を誤認させ高い被ばくを容認させるための基準値のように思えます。

  

参加者からの数々の低線量での被害の実例の指摘があったように100ミリシーベルト以下では健康被害が出ないかのような扱いにも納得できませんでした。また参加者からだされた放射性物質以外の他の食品の有害物質に対するリスク評価の際には実際に危険だとされる量にさらに100分の1とか1000分の1とかの係数をかけて値を出している、そして1日の摂取限度を示しているのに放射性物質だけそういった係数をかけることもせず、1日ではなく生涯でというこの差は何かという質問に対しても100ミリシーベルト以下や短期間の影響についてはでは科学的に有効な知見が得られない、というそれまでの主張を繰り返すだけでした。

  

子どもへの影響についても具体的には示していないのに、より影響を受けやすい可能性について言及しているだけで、あとは管理側が決めることだからと責任逃れのように聞こえました。

  

避難の基準について原子力災害対策本部・原子力安全委員会との交渉では2ヶ月も高線量の地域が放置されていることや、特定避難勧奨地点の指定をめぐってコミュニティどころか家族が分断されている話・優先されるべき方が考慮されていない話など具体的な現実についての回答が全く言葉遊びのようなことに終始してしまって残念でした。

  

福島県の県民健康管理調査については、内部被ばくで1ミリシーベルト以上かどうかをみるためのもの、ということでそれ以下のものについて把握する必要はないということでした。そもそも目的として被ばくを最少限にとどめるということがあるはずですからこの対応はおかしいと思いますし改めていただきたいと思いました。

  

学校の基準について主催団体、参加者の「子どもたちを守るため、学校外も含めてトータルで年1ミリシーベルトという基準とすべき」という要請について、文科省の方がその基本姿勢について認めてくださったことについては期待しています。新しい基準は近く発表されるとのことなので子どもたちのための基準を期待して待ちたいと思っています。

  

既にある現実は大変なものですがなんとかここ数年だけごまかしてしのいでいこうということではなく長期的に正しい選択を今しなければいけない時だと思います。そのために一緒に努力していきたいと思っています。

  

お読みになった皆さまの次回交渉へのご参加をお待ちしています。

  

フクロウの会/M.O

2011/08/26

【138】8月29日福島県庁交渉・山下解任署名も提出します

福島県との交渉日時が決まりました。今回は石原議員に仲介してもらいました。

  

「30年間追跡調査=30年間被ばくモルモット」にならないため、「健康被害なし」の結論ありきにならないため、県の考えを質したいと思います。
山下解任要求署名も提出します。
みなさんご参加ください。(中手)

  

日時:8月29日(月)
集合13:00 福島県庁・西庁舎2階県民ホール
開始13:30 本庁舎・商労文教委員会室(~15:00)
内容:県民健康管理調査について
県側からは保健福祉部・小谷主幹らが出席します。


【138】8月25日厚労省、食品安全委員会、文科省らと交渉

子どもたちを放射能から守る福島ネットワー、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、グリーン・アクション、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの6団体は、下記のプレスリリースを発出しましたので、お知らせいたします。

=================================================================
共同プレスリリース
2011年8月25日
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NGO6団体、厚労省、食品安全委員会、文科省らと交渉


食品安全委員会の「生涯100ミリシーベルト」は事故後の高い被ばくを容認するもの、
求められる「年1ミリ」の順守
特定避難勧奨地点について「地域としての指定」を強く要請
------------------------------------------------------------------

上記6団体は本日8月25日、参議院議員会館(東京都千代田区)で厚生労働省、食品安全委員会と交渉。続けて、原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チーム、原子力安全員会、文部科学省と交渉を行い、「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」の問題点、そして避難区域の設定のあり方、子どもの被ばく限度20ミリシーベルトの見直しなどについて問いただしました。

 

現在の食品の暫定規制値は、年間最大17ミリシーベルトの被ばくを許容する可能性があり、きわめて高い規制値となっています。現在、この見直しの前段階として、食品安全委員会が策定した「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」が今月27日まで、パブリック・コメントにかけられています。しかし、この評価(案)は、「100ミリシーベルト未満については、現在の知見では健康影響の言及は困難」であることを理由にして、100ミリシーベルト以下の健康被害への影響がでないかのような扱いとなっています。

 

交渉で明らかになったのは、この評価案は生涯について何年とは決めずに評価をしていることです。これではリスク評価にさえもなりません。年々被ばく量が低下するというイメージ図については、低下する具体的根拠を示していません。生涯100ミリシーベルトは、1年ごとに割り振ることはなく、事故直後の高い被ばくを認め、また、子どもや乳幼児が高い被ばくを受けることを許容しています。
  

これは、年1ミリシーベルトという現在の公衆の被ばく限度を取り払ってしまうものです。さらに、100ミリシーベルト以下は健康影響なしとして、直線閾値なしというICRPと日本政府の規制の基本的な概念をも「採用していない」と明言しました。これは、現在の国内の放射線防護に関する規制を踏みにじるものです。
  

100ミリシーベルトを事実上閾値としています。統計の信頼性に問題があると自らが勝手に判断し、子どもの影響については、具体的には何も示していません。

 

参加者は、100ミリシーベルト未満で起こったチェルノブイリの健康被害の例、積算5.2ミリシーベルトで労災の認定がおりていること、原爆被爆者の低線量での認定の実態をあげて、なぜ、これらを無視するのかと問いただした。また、同評価案で「生涯100ミリシーベルト」を基準としたことについては、極端に高い被ばくを許容することにもなりかねず、「年1ミリシーベルトを守るべき」と強く要請しました。

 

原子力災害対策本部・原子力安全委員会との交渉では、特定避難勧奨地点を指定中の伊達市霊山で、霊山からの参加者が、一つの敷地に、親世帯、子世帯が住んでおり、片方が指定、片方が指定されなかったという事例が報告され、0.1マイクロシーベルトの違いで親子が分断されている事態の解消を求めました。また、世帯ごとの指定は非現実的であるとして、区域としての指定を求めました。これについて対策本部は、回答を持ち帰る旨答えたため、主催団体が、事実確認と改善を求め、文書による回答を求めました。

 

福島市大波、渡利については、6月20日から高い線量を示していたため、主催団体が繰り返し地元での説明会を求めてきた。この問題については、未だ「検討中」という回答でした。

 

「いつまでも平行線をたどっている場合ではない。今日、実質的な進展をしなければならない。いま、この段階でも、住民は被ばくし続けているという現実を踏まえて対応しましょう」と市民側は強く求めました。

 

避難の基準となる積算線量の算出について、原子力安全委員会は、内部被ばくも含めるべき、また、解析ではなく実測に基づいた評価を求めるとの見解を示していましたが、これまで対策本部は、実測に基づいて評価をしていませんでした。

 

主催団体、参加者は、対策本部に、原子力安全委員会と同じ見解であることを確認し、今後は内部被ばくについて実測に基づいて積算線量を算出するよう求めました。

 

福島県の県民健康管理調査については、WBCおよび尿検査の検出限界値は、非常に高い(注)という指摘に対して、原子力対策本部は、「これは、内部被ばくで1ミリシーベルト以上かどうかをみるものであって、具体的に個人が何ミリシーベルトの被ばくを受けたものかを調査したものではない。高いと言われている検出限界値はおよそ、0.2ミリシーベルトに相当し、検出限界以下であれば、『県民の安心のため』という調査の目的は果たせる」と述べました。被ばくの実態を明らかにし、影響を最小限に抑えるための調査ではなく、実態を隠した「県民の安心のための」調査にすぎないことが明らかになった。これでは県民の健康を守ることはできない。

 

注)先行調査のWBCの検出限界は、320Bq(CS-134)、570Bq(Cs-137)となっている。日本成人男性で平常時セシウム体内量は30Bq程度、核実験による汚染がひどかった1964年で530Bq程度というデータ(Cs137のみ)がある。また、尿検査の検出限界13Bq/Lは、市民団体によって検出されたセシウム量の10倍である。

 

最後に、学校暫定目安として20ミリシーベルト/年、3.8マイクロシーベルト/時の見直しに関しては、学校内1ミリシーベルトとし、内部被ばくも、従って給食も含めることが確認されました。主催団体、参加者は、「子どもたちを守るため、学校外も含めてトータルで年1ミリシーベルトという基準とすべき」と要請し、文科省は、その基本姿勢については認めました。

 

参加者からは、「食品の規制値については、厚労省は現在の事態を深刻に受け止めて、子どもや乳幼児に対して厳しい規制をするべきだ。英知を集めて子供たちを被ばくから守らないといけない」、「生涯100ミリではなく、年1ミリシーベルト以下にすべき」。さらに、「自主的避難に関しては、経済的支援を行い、放射線量が高いところは集団疎開を行い、除染が終わって安全が確保されたら戻るように支援してほしい」などの声が続きました。

 

上記6団体は交渉に先立ち、放射線量が高い地域からの避難や、子どもを含む県民の内部被ばく検査の実施、法令1ミリの遵守とそのための食品規制値の見直しを求める「福島の子どもたちを守るための緊急署名」49,775筆を、原子力災害対策本部長、福島県知事、文部科学大臣、厚生労働大臣宛てに提出しました。

 

<本件に関するお問い合わせ>
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)阪上武 090-8116-7155
国際環境NGO FoEJapan 満田夏花090-6142-1807

2011/08/20

【137】福島の子どもたちを守れ!25日に行われる対政府交渉にご参加ください

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対政府交渉 子どもたちを守れ!~食の安全と「避難の権利」確立を
8月25日9:30~14:00@参議院議員会館101
http://www.foejapan.org/energy/news/evt_110825.html
=============================================================

 主催6団体は、7月19日に福島市で、原子力災害現地対策本部と交渉を行いました。福島県民を中心に130人が集まり、「子どもの被ばく低減のため、選択的避難、サテライト疎開を含むあらゆる手だてを」と要請しました。

  

  しかし、いまだに要請は実現しておらず、深刻な課題が残っています。また、現在の食品の暫定規制値は、非常に高い値が設定しており、食の安全性に対する懸念も高まってきています。

  

 7月26日、食品安全委員会は「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」をとりまとめ、8月27日を期限としたパブリックコメントを実施していますが、この評価(案)と、「公衆の被ばく限度:年1ミリシーベルト」との関係、今後の食品の規制値への反映方法などについて多くの疑問があります。

  

 今回は、こうした課題について明らかにし、日本政府に、「避難の権利」確立とトータルな被ばく低減策を求める要請を行います。ぜひ、みなさんもご参加ください。

  

◆日時:2011年8月25日(木)9:30~14:00 
※9:00~10:30までロビーで入館証を配布します
9:30-10:00  市民の事前打ち合わせ
10:00-11:00 テーマ(1): 食品暫定規制値と生涯100ミリ
相手方: 厚労省、食品安全委員会(内閣府)、原子力安全委員会
11:15-13:15 テーマ(2): 学校20ミリ、避難区域、給食
相手方: 原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チーム、原子力安全委員会、文部科学省
13:15-13:45 事後集会

  

◆場所:参議院議員会館 101会議室 (東京都千代田区永田町1-7-1)
 最寄駅:東京メトロ・永田町、国会議事堂
◆資料代:500円
◆申込み:人数を把握するため、なるべく下記サイトからお申込みいただければ幸いです。https://ssl.form-mailer.jp/fms/763c910e159862
◆主催:子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、グリーン・アクション、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、国際環境NGOグリーンピースジャパン
◆問合せ:福島老朽原発を考える会 阪上  携帯:090-8116-7155
     国際環境NGO FoE Japan 満田(みつた) 携帯:090-6142-1807

  

>事前質問事項はこちら
テーマ(1):食品暫定規制値と生涯100ミリ[PDF]
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110825_3.pdf
テーマ(2)避難区域、学校20ミリ、給食、県民影響調査など[PDF]
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110825_2.pdf

>「対政府交渉 in 福島」フォローアップ会合 報告
http://www.foejapan.org/energy/news/110815.html
  

◆フォローアップ会合(8月8日)で明らかになったこと
・原子力安全委員会は、「緊急時被ばく状況、現存被ばく状況のどちらであっても、内部被ばくも含めるべきである。吸引・食物などすべての経路についての被ばくを考慮すべきである」と発言。しかし、これについては、実際は、避難区域の設定や解除には考慮されていない。

  

・日本政府は、ICRPの勧告に従って避難区域の設定などを行っている。原子安全委員会としては、伊達市、福島市や郡山市では、(1~20mSv)が適用されるべきであり、参照レベルとしては、下方(lower part)が採用されるべきと発言。

  

・給食の食材の産地公表については、原子力安全委員会より、7月19日付けで、要請があれば積極的に対応するよう文書を出している。

  

・県民健康調査におけるWBC、尿検査について、あまりに検出限界が高すぎることについて(尿検査については、フクロウの会等の調査により実際に検出した値の10倍以上を検出限界としている)は、災害対策本部は、「詳細を確認し回答する」とした。市民側は、県民健康調査が、被ばく量の低減を目的とするよりも「問題がないこと」を言うために実施されているのではないかという懸念を表明した。

  

・内部被ばくを外部被ばくの約1割とした政府の当初の試算は、食品と土壌からの再浮遊の取り込みだけで、放射能雲(プルーム)からの直接の吸引は含まれていないことが明らかになった。

2011/08/18

【136】北海道知事の泊3号本格運転再開の了承に抗議する

抗議声明

多くの反対の声を踏みにじり

ありもしない「安全委員会によるダブルチェック」にしがみついた、

北海道知事の泊3号本格運転再開の了承に抗議する
          

 北海道の高橋はるみ知事は、本日17日午後、泊3号の本格運転再開を了承すると表明した。これによって、海江田経産大臣は泊3号の定期検査終了を認め、北海道電力は本格運転を再開しようとしている。私たちはこれに強く抗議する。

  

 福島第一原発事故後に初めての本格運転となる泊3号の運転再開について、北海道内はもとより、全国から反対の声が、知事や道議会議員及び泊原発周辺町村にFAXやメール等で届けられた。

  

 北海道の市民は、道庁前で連日の座り込み、デモ、ビラまきなどで反対を訴えた。福島第一原発事故によって北海道に避難されている人々も加わった。

  

 10km圏外の蘭越町、ニセコ町、余市町等は、知事から情報さえ伝わってこないことに強く抗議してきた。知事は本日の了承表明にあたっても、泊など地元4町村以外のこれら町村の声を聞くことさえしなかった。

  

 昨日の道議会特別委員会は深夜に及び、議員からは早期の運転再開について知事への批判が相次いだ。

  

 全国の人々は、福島第一原発の事故の実態も明らかにならない現状で、事故の検証も終わっていない中、事故の教訓が何ら活かされることなく、これまでの原子力安全・保安院の検査だけで運転再開することに強い抗議の意思を示した。事故後、設置許可の前提となっている安全設計審査指針が誤りだったことは、原子力安全委員会自らが認めていた。

  

 高橋知事は、これら全ての声を踏みにじって、運転再開を了承した。

  

 知事は安全性の判断について、最終的に「原子力安全委員会によるダブルチェックによって安全性が確認された」ことを根拠にした。8月11日に開催された安全委員会の実態は、広く報道などで知らされていた。泊3号の運転再開に関する議論はわずか15分で、班目委員長は、安全委員会としての判断はしないとはっきり公言した。「定期検査は原子力安全・保安院でしっかりやってもらうことになっている」「保安院が報告したいと言ってきたので議題にあげただけだ」。安全委員会は、
抗議の高まりの中で、当日の記者会見さえ開くことはできなかった。

  

 ありもしない「安全委員会によるダブルチェック」という「神話」にただひたすらしがみつき、泊3号の運転再開了承など、断じて許されない。
  

 泊3号の本格運転再開を直ちに中止するよう要求する。

  

2011年8月17日

  

提出団体:
Shut泊
グリーン・アクション
国際環境NGO FoE Japan
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

2011/08/15

【135】福島の子どもたちの声を届ける院内集会(17日15時から)

<拡散希望>

福島から子どもたちがやってきます。山本太郎さんもかけつけます。政府側は、
菅直人首相、高木文科大臣の出席を要請しています。ぜひ、ご参集ください!

==================================================
福島第一原発事故の一番の被害者は?
子どもたちって。この事故の事をどう考えているんだろう?
そんな思いで、かねてより募集していました、子どもたちからの生の声を。
「えらい人に」届けにいきましょう。!

>>福島の子どもたちの声を届ける院内集会<<

◆日時:8月17日(水)15時から

 15:00~16:00:院内集会(30分前から入館証を配布します)
 16:00~16:40:子どもたちから意見を政府に聞かせる会合
 16:40~17:10:記者会見

◆場所:衆議院第一議員会館 多目的ホール

◆主催:子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
◆協力:福島老朽原発を考える会
     国際環境NGO FoE Japan

2011/08/14

【134】泊3号の営業運転再開は認められない

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、国際環境NGO FoE Japan の3団体は、8月11日11時から行われた泊3号本格運転再開をめぐる政府交渉、および、同日14時から行われた原子力安全委員会の臨時会議を踏まえ、以下の緊急報告を発出しました。
=============================================================
2011年8月11日

緊急報告:

原子力安全委員会の二重チェックは嘘だった「保安院が報告させてくれ」と言ったから議題にのせただけ~泊3号の営業運転再開は認められない~
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本日、泊3号の営業運転再開をめぐる政府交渉が開かれました。

  

交渉の席上、原子力安全委員会は、泊3号の営業運転再開に関して保安院と安全委員会による二重チェックが行われるとされていることに関して、「原子力安全委員会は、法的に、判断する立場にはない」と発言しました。

  

14時から開催された安全委員会においては、泊3号については、保安院からの総合負荷性能検査について15分ほどの説明が行われ、その後、10分程度、簡単な質疑が行われただけでした。5名の委員のうち、一言も発言しない委員もありました。斑目委員長は、「泊3号の安全性、定期検査については、保安院がしっかりとやるものです。今日の議題にあげたのは保安院が報告したいからと言ったからです」と述べました。傍聴人からは、「安全委員会は、きちんと審議して見解を述べるべき」「二重チェックではない」「こんなお手軽な会議で、泊を動かしてよいのか」「道民はこれでは納得できない」などの怒りの声があがりました。3時頃、委員長が休憩と宣言し、3時40分ごろに再び委員長が登場し、「今日はこれで閉会とします」と述べて閉会となりました。

  

その他、本日の政府交渉により、以下が明らかになりました。
  

・7月8日、保安院は、泊3号の最終検査を受けるよう北海道電力を指導した。このことは、経産省の緊急安全対策だけでは「十分な理解が得られているとは言い難い状況にある」との政府見解と食い違うものである。

  

・調整運転を行っているにしろ、定期検査中である泊3号は、他の定期検査で停止中の原発と同じであるのにもかかわらず、泊3号だけは、通常の定期検査のみで他の停止中の原発よりもはるかに軽い条件で運転再開をするのはなぜかという質問に、保安院は明確な答えを示さなかった。

  

・原子力安全保安院は、「北海道の了承なしに、泊3号を動かすことはない」と発言した。

  

市民側は、「北海道の市民に説明会を開くこと」「原子力安全委員会の冒頭に、原子力安全委員会の議論は、“チェック”ではないことを委員長が明確に述べること」「泊3号を停止させること。本格運転再開を認めるべきではないこと」を要請しました。

  

このような状況の中で、泊3号の本格運転の再開など、許されるものではありません。

以上

2011/08/13

【133】東電は、自主避難者にも正当な賠償を支払うべき

東京電力に、自主避難者・避難予定者の請求書を提出

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japanは、下記のプレスリリースを発出いたしましたので、報告もかねてお知らせします。
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プレスリリース
2011年8月12日

東京電力に、自主避難者・避難予定者の請求書を提出~東電は、自主避難者にも正当な賠償を支払うべき~
http://www.foejapan.org/energy/news/p110812.html
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 本日、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japanは、東京電力に対して、自主避難者、避難予定者からの請求書411通、自主避難者に正当な賠償を支払うべきという要請書、および自主避難者・避難予定者の声(「私たちの声をきいて下さい」)を手渡しました。

  

 請求書は、福島第一原発事故により、水素爆発の直後、その後広がった放射能汚染により、避難を強いられた人々、これから避難を予定している人々から寄せられたもので、請求総額は、10億9270万2194円(一人あたり約293万円)にのぼります。こうした人たちは、避難区域の外であるというだけで、避難は自己責任と認識されてしまい、正当な賠償や行政的なサポートが得られる保証がなく、職場や学校の理解も得ることができません。また、仮払い金も支払われていません。

  

 現在、原子力損害賠償紛争審査会において、福島原発事故に関する賠償の指針が議論されていますが、先般まとまった中間指針には、自主避難に関する賠償は盛り込まれておらず、今後の審議にゆだねられています。

  

 主催団体は、「自主避難をしている人、避難を予定している人は、原発事故さえ起こらなければ、故郷を離れることもなく、被ばくのリスクにさらされながら、不安や恐怖に満ちた日々を送ることもなかった。彼らを現在の苦境から救うためには、一日も早く、自主避難者に正当な賠償がなされることを、東京電力が責任をもって明言するべき」と、話しています。

  

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan

  

(連絡先)
弁護士 福田健治(福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN))
   Tel: 03-3234-9145 / Fax: 03-3234-9134 / E-mail:
fukuda@surugadai.org
国際環境NGO FoE Japan 満田(みつた)
携帯:090-6142-1807 / E-mail:
finance@foejapan.org

  

別紙1:請求書の概要
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110812_1.pdf
別紙2:東京電力宛要請書 「自主」避難者に、正当な賠償をお支払いください
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110812_2.pdf
別紙3:「私たちの声をきいてください」
http://dl.dropbox.com/u/23151586/voices.pdf

2011/08/10

【132】 泊原発3号機の運転再開を許すな!

泊原発3号機の運転再開を許すな!皆様へのお願い

 以下を国の各所と北海道庁に送りました。
 みなさんからも泊原発3号機の営業運転再開を許さないために、今、緊急に抗議の声を、菅総理大臣、北海道電力社長、海江田経産大臣、北海道知事、枝野官房長官、細野原発担当相等に送ってください。

※宛先はこの記事の最後にあります。
  

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泊原発3号機の運転を止めてください

  

 佐賀でも新潟でも福島でも、県民の命をあずかる知事の意向は、いざとなれば原発を止めるほどの力を発揮してきました。今回、北海道知事の意向を無視しての泊原発の運転再開が進もうとしていることに対し、高橋知事は「地元軽視だ」と批判しています。泊原発については運転差止訴訟が提起されるなど、道民の中に運転再開反対の強い意思があります。なぜ今回は、知事の意向を無視するのでしょうか。他県と比べても北海道民に対しては、聞く耳を持つ必要はないということでしょうか。それは道民を馬鹿にした行為だと思います。北海道庁には断固たる姿勢をとっていただきたいと思います。

  

 それでなくても、一連のやらせ問題で、経済産業省、とりわけ原子力安全・保
安院に対する信頼は失墜しています。原発推進に肩入れする監督官庁に安全確保の期待などできようもないことは自明のことです。その監督官庁が下す定期検査合格証にどんな意味があるのでしょうか。

  

 原子力安全委員会にしてもしかりです。斑目委員長は、現行の安全審査において、長期にわたる電源喪失についての想定がないことを誤りだと認めました。長期にわたる電源喪失を想定した場合、炉心溶融を防ぐための注水ポンプは、タービン駆動の補助給水ポンプ1台しかありません。これだけで多重防護はくずれています。福島第一原発事故でも、電源が喪失した中で、タービン駆動の給水ポンプによる給水が行われました。しかし結局は、電源喪失のためにこのポンプの制御ができず、蓄電池が切れると止まってしまったのです。配電盤が水没し、制御系が麻痺した状況では駆けつけた何十台もの電源車は全く役に立ちませんでした。

  

 現実に起きた事故により、安全審査の基礎が崩れたのです。電源車配備など小手先の緊急対策は全く立たないというのが福島第一原発事故の教訓です。原子力安全委員会は、全ての原発を止めるよう指示すべきです。なぜ黙っているのでしょうか。

  

 泊原発3号機の運転再開しないでください。直ちに止めてください。

  

福島老朽原発を考える会 阪上 武

******************

  

みなさんからも泊原発3号機の営業運転再開を許さないために、今、緊急に抗議の声を、菅総理大臣、北海道電力社長、海江田経産大臣、北海道知事、枝野官房長官、細野原発担当相等に送ってください。

  

◆菅直人首相
[国会事務所](FAX) 03-3595-0090 (TEL) 03-3508-7323
[首相官邸] (TEL) 03-3581-0101 (意見を伝えることができます)
[ご意見募集]
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
[官邸災害ツイッター] @Kantei_Saigai

  

◆海江田万里経産相
・国会事務所 
(FAX) 03-3508-3316  (TEL) 03-3508-7316
(E-mail)
office@kaiedabanri.jp

  

◆枝野幸男官房長官
・国会事務所
(FAX) 03-3591-2249 (TEL) 03-3508-7448

  

◆細野豪志原発担当相
・国会事務所
(FAX) 03-3508-3416  (TEL) 03-3508-7116

  

◆経済産業省
・原子力発電立地対策広報室
(FAX) 03-3580-8493  (TEL) 03-3501-1511

  

◇高橋はるみ北海道知事
(FAX) 011-232-0162  tel  011-231-4111 (北海道庁)

  

◇北海道庁・原子力安全対策課
(FAX) 011-232-1101 (TEL) 011-204-5011
(E-mail)
somu.genshi1@pref.hokkaido.lg.jp

  

◇北海道電力株式会社 代表取締役社長 佐藤 佳孝 殿
(FAX)011-210-9586 tel 011-251-1111
〒060-8677 北海道札幌市中央区大通東1丁目2番地

2011/08/09

【131】8・12(金)15:30 東電前行動「自主避難にも賠償を!」

(拡散希望)
8・12(金) 15:30~16:30 東電前行動
「自主避難にも賠償を!」 東京電力に請求書を届けて「避難の権利」を実現しよう!!

  

  

 「原発事故さえなければ、故郷を離れることもなく、こんな思いをすることもなかった」。

  

 水素爆発の直後、いつ次の爆発がくるかわからない状況下で、自宅の中ですら1マイクロシーベルトを超える状況下で・・・。自分と家族、とりわけ子どもたちを守るために自主避難に踏み切った人がたくさんいます。それ以上に、避難したいが、経済的な困難で避難に踏み切れない人がたくさんいます。

  

 原発事故の結果生じた費用は、東京電力に請求できることになっています。しかし、現在のところ、いわゆる「自主避難者」(=政府指示区域等以外からの避難者)に賠償が支払われるかどうかは、はっきりとしていません。

  

 私たちは、避難をした方や避難を検討している方の声を、請求書という形で東京電力に届けることにしました。

  

 自主避難した人、これからする人の「避難の権利」を守るため、みなさん、8月12日、集まってください。みなさんの怒りを東電に、暖かい励ましを自主避難者や、これから避難する人に届けてください!

  

日時:8月12日(金)15:30~16:30
スケジュール:集合    15:30
      請求書提出   16:00
場所:東電本社前
   (千代田区内幸町1-1-3)
※終了後、17:00から弁護士会館にて記者会見を行います。

※「東電 請求書キャンペーン」については、こちらをご覧ください。
http://www.foejapan.org/energy/news/110804.html

  

【問い合わせ先】
福島老朽原発を考える会(フクロウの会) 
 阪上武 携帯:090-8116-7155
国際環境NGO FoE Japan
 満田夏花(みつた・かんな)携帯:090-6142-1807
E-mail: finance@foejapan.org

2011/08/05

【130】自主避難も賠償対象へ-原子力損害賠償紛争審査会の合意を歓迎

原子力損害賠償紛争審査会ー能見会長発言

「いままで人の健康そのものの問題を後回しにしてきたが、これからは切り込んでいきたい」

本日、第13回の原子力損害賠償紛争審査会が開催されました。

自主避難の問題は、中間指針には盛り込まれませんでしたが、合理的だと判断される範囲において賠償の対象とすることが、ほぼ合意に達しました。能見会長は、「いままで人の健康そのものの問題を後回しにしてきたが、これからは切り込んでいきたい」と述べました。

この間、委員に対しては、個別に要請書・アンケート・手紙を送るなど、かなりはたらきかけをしてきました。今日の議論では、複数の委員が私たちの情報提供などを参考にして意見を述べていました。


<「自主」避難者への賠償について~中間指針に盛り込む必要性とその根拠>
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110801.pdf

一方で、難しい問題だからといって後回しにして、中間指針に盛り込まなかった
ことは問題だと考えています。また、今後の賠償基準についての議論において、文科省側からの巻き返しもあるでしょう。 

今回は、委員を励ます意味も込めて、前向きな議論を歓迎するような以下のような声明を出しました。

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2011年8月5日
<共同声明>
自主避難も賠償対象へ
原子力損害賠償紛争審査会の合意を歓迎
~今後の議論に期待~
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 本日8月5日第13回原子力損害賠償紛争審査会が開催されました。中間指針にこそ盛り込まれませんでしたが、審査会において、区域外避難者・自主避難者に関しても、合理的と考えられる一定の基準のもとに賠償の対象とされるべきことが確認されました。

 私たちは、いままで置き去りにされてきた自主避難の問題が、ようやく審査会で議論され、補償の対象とされることが合意されたことを歓迎します。委員の多くが、自主避難者や自主避難をしたいが経済的な理由により避難できないでいるご父母の声、また、この現状を懸念し自主避難に対して正当な賠償を求める市民団体の声を真剣に受け止めてくれたことに感謝致します。

 私たちとしては、自主避難された方々の判断の「合理性」を考える上で、以下の点について、改めて注意を喚起したいと思います。

1.既存の法令を重視すべきである
・放射線管理区域は年5.2ミリシーベルト:放射性管理区域では、労働法規により、18才未満の労働は禁じられている。放射能マークを掲示し、子どもを含む一般人の立ち入りは禁じられ、厳格な放射線管理が行われ、事前に訓練を受けた者だけが立ち入ることのできる区域である。
・法令による公衆の年間の線量限度は1ミリシーベルトである

2.国際的な経験を参考にすべきである
・例えば、チェルノブイリ原発の周辺国は、チェルノブイリ原発事故による避難基準について、年5ミリシーベルト(セシウムによる土壌汚染555キロベクレル/平方メートル)以上を移住の義務ゾーン、年1~5ミリシーベルト(セシウムによる土壌汚染185~555キロベクレル/平方メートル)を移住の権利ゾーンに定めている。

3.子ども、乳幼児、妊婦は、放射線に対する感受性が高く、リスクが大きい

4.水素爆発直後の避難の判断の合理性
・福島第一原発の水素爆発の直後、福島市や郡山市など、中通り地域の線量は急上昇し、福島市では20マイクロシーベルト/時を観測している。いつ次の爆発が起きてもおかしくなかったこの時点で、自主的に避難を決断した住民の判断はきわめて合理的である。

別添:「自主」避難者への賠償について~中間指針に盛り込む必要性とその根拠

http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/110801.pdf

以上

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

問い合わせ先:
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)090-8116-7155(阪上)
国際環境NGO FoE Japan 090-6142-1807(満田)

2011/08/04

【129】ホットスポットにおける低線量被ばく・内部被ばくの危険性

ホットスポットにおける低線量被ばく・内部被ばくの危険性

村田医師講演会に200人以上の市民が参加 - 三郷市で

  

 7月31日に三郷市文化会館で「ホットスポットにおける低線量被ばく・内部被ばくの危険性」というテーマで村田医師の講演会が行われました。

 講演会前の三郷駅前での案内では、多くの人が「ホットスポット」「内部被曝」の文字を見てぎょっとした顔をしているのが印象的でした。なかには「どちらの団体が主催しているのですか」と質問してくる人もおり、ホットスポット「現地」の関心の高さを認識させられました。

 講演会は放射能から子ども達を守ろう みさと(SCR Misato)、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japanの3団体の主催で行われたものです。

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                      開場時間には満席で急きょ椅子を追加した

 

 首都圏でのホットスポットの一つともいわれる三郷周辺の人々は関心も高く子ども連れの方もたくさん参加していました。

    

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                子ども連れのためにユースト中継が見られる部屋も用意された。

   

 講演者の村田三郎医師(阪南中央病院副院長、内科医)はこれまでも広島・長崎の原爆被ばく者の健康診断や診療、実態調査をおこなってこられました。また原発の労働者被ばくの問題にも長年関わり、被ばく労働に関する労災認定に尽力されてきました。

 

 

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                            講演中の村田三郎医師

   

 村田医師の講演で印象的だったのは、原発労災訴訟と福島を結びつけたお話でした。原発労災訴訟で、裁判所は「白血病と被曝の因果関係を裁判所として認めたわけではないが、労働者保護の立場から労災認定する」とのことでした。福島でも「住民保護の立場から」認定する論理に立つべきだ、というお話でした。

 質疑応答では、「子どもが転んで擦り傷を負っても大丈夫か」「避難したほうがいいのか」など、子どもをもつ親の切実な質問が多くありました。


 「ここまでは安心です」「こうすれば安心です」と言ったことが言いきれないなかで村田医師が住民の人々の不安に寄り添いつつ、応えられるところまで誠実に答えていたのが印象的でした。

 講演会の最後に、越谷など各地で子どもを放射能から守るための活動を行っているグループからの発言がありました。越谷では市議会で放射能対策を求める請願が採択され、教育委員会の後援を得て崎山比早子さんの講演会を行うなど、運動が広がっています。

 

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                        講演会後のロビーでは多くの方が署名に協力

 

 講演会終了後の懇親会でもさまざまな情報交換が行われました。お母さん、お父さんから、孫をもつおじいちゃんまでいらっしゃいました。ガイガーカウンターの使用法についても情報交換が行われた。玄関先の雨どい下で4.5マイクロシーベルトを検出したという話には驚かされました。

 三郷の地元のことではありませんが、山谷の活動をしている方の報告も重要でした。現在深刻な問題になっている下水処理施設の放射性汚泥ですが、その処理作業に山谷から多くの人が集められており、健康調査すらない状況だというのです。どうにか山谷で民間の医療施設のようなものを作りたいのだがどうすればいいか、という質問に、被曝労働問題を重視する村田医師は、あとでまた連絡をください、と積極的に応じていました。処理施設の被曝労働という、事故前は想像もしなかった問題が、今後ますます大きくなっていくことを予感させられるものです。

 現在各地で、地元の行政に放射能測定や汚染対策を求める親たちを中心にした運動が広がっています。それらが、福島の親たちの運動とつながっていけば、もっとも過酷な状況におかれた福島の子どもたちを放射能から守るための、大きな力になるのではないでしょうか。

   

報告;N.K

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