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2011/10/06

【158】渡利地区における土壌調査-5箇所中4箇所で、チェルノブイリの「特別規制ゾーン」

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)および国際環境NGO FoE Japanは、福島市・渡利地区の土壌汚染に関して、本日下記のようなプレスリリースを発出しましたので、お知らせします。
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2011年10月5日
福島市渡利地区における土壌中の放射能調査(概要)5箇所中、4箇所

で、チェルノブイリの「特別規制ゾーン」、1箇所で「移住の義務ゾーン」に
匹敵

http://dl.dropbox.com/u/23151586/111005_watari_soil.pdf
福島老朽原発を考える会
国際環境NGO FoE Japan
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1.背景
現在、福島市の渡利・小倉寺・南向台で、特定避難勧奨地点に関する検討が行われています。

福島市渡利では、福島市が実施した調査により、高い線量が面的な広がりを持って存在することが明らかだったのにもかかわらず、説明会も開催されないまま、何か月も放置されてきました。

8月下旬、渡利の一部の地域において、原子力災害現地対策本部および福島県による詳細調査が実施されましたが、詳細調査が実施されたのは一部の地域にすぎませんでた。
また、詳細調査は、空間線量の測定にとどまり、深刻な土壌汚染の状況が、特定避難勧奨地点の検討には考慮されない恐れがありました。

このままでは、特定避難勧奨地点の指定からもれた地域の住民が、避難にあたっての賠償を受け取れない等の弊害が生じることが懸念されます。

このため、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、FoE Japan(フレンズ・オブ・ジ・アース・ジャパン)は、神戸大学の山内知也教授(放射線エネルギー応用科学)に依頼し、9月14日に渡利地区の放射能汚染調査を実施しました。

 

2.結果概要
・渡利・小倉寺の5ヶ所で採取された土壌のセシウムの放射能濃度を平方メートル当たりに換算したところ、換算係数を控えめに20とした場合でも、5ヶ所中4ヶ所において、チェルノブイリの特別規制ゾーンに相当し、残り1ヶ所も移住の義務ゾーンに相当するという驚くべき調査結果となりました。

表 測定結果およびチェルノブイリの避難ゾーン(注1)との比較

○小倉寺稲荷山 239,700Bq/kg(測定値)
                           4,794kBq/m2(換算係数20)
→特別規制ゾーン(1,480kBq/m2以上)に相当

 

○八幡神社 157,274Bq/kg(測定値)
                              3,145kBq/m2(換算係数20)
→特別規制ゾーン(1,480kBq/m2以上)に相当

 

○渡利小学校通学路雨水枡   98,304Bq/kg(測定値)
                                                 1,966kBq/m2(換算係数20)
→特別規制ゾーン(1,480kBq/m2以上)に相当

 

○薬師町内の水路 307,565 Bq/kg(測定値)
                                             6,151kBq/m2(換算係数20)
→特別規制ゾーン(1,480kBq/m2以上)に相当

 

○薬師町内民家の庭 38,464Bq/kg(測定値)
                                               769kBq/m2(換算係数20)
→移住の義務ゾーン(555kBq/m2以上)に相当

 

(地図は略)

 

・小倉寺では6月の調査と同じ場所の土壌を採取したが、6月よりも放射能濃度が大きく上がっていた。これは、周囲を山林で囲まれた地形の特性から、雨により放射能が拡散する効果は期待できず、逆に周囲の山林から、常に放射能を含む土壌が供給され、それが集積することによるものと思われる。渡利の他の測定点でも、同様にして放射能濃度が高まっていったと考えられる。

 

・通学路脇の雨水枡周辺、乾いた水路、神社の境内など、子どもたちが通ったり、遊び場にしたりする場所において、チェルノブイリの特別規制ゾーンに相当する土壌汚染が見つかった。

 

・上記の通学路脇の雨水枡周辺は、福島市が除染モデル事業を行った通学路であり、泥すくいが行われた側溝の反対側であった。

 

・小倉寺を除く4ヶ所は、国が特定避難勧奨地点の検討に際して詳細調査を行った区域の外であった。

 

3.要請
以上のことから、私たちは改めて以下のことを国、福島市、福島県に求めてい
きたい。

 

1)子どもたちを取り巻く環境中で高い土壌汚染が見つかった。周囲を山林で囲まれた地形の特性から、放射能が拡散する効果は期待できず、逆に常に放射能を含む土壌が供給されることによって、放射能濃度が上がり続ける環境では、側溝の泥すくいといった除染は一時しのぎに過ぎない。以上から、除染について十分な効果がでるまで、子どもたちを優先して避難させること

 

2)渡利地区では、土壌汚染が地区全体に広がっていると思われる。チェルノブイリの経験も踏まえ、避難勧奨の指定に際しては土壌汚染についても基準に加えること

 

3)周囲の山林の汚染土壌が雨のたびに流れ込み、汚染のレベルが上がると
いうこの地域の特性を考慮し、渡利地区全体を一括して特定避難勧奨「地区」
として指定すること

 

4)最後に、現在の特定避難勧奨地点設定の基準(年間20ミリシーベルト)は、
日本の既存の法令と比較して(注2)、あまりに高すぎる基準であるためこれを
見直し、住民が避難にあたって賠償や行政サポートを受けられる地域を幅広く設けること

 

注1)チェルノブイリの避難基準
        土壌汚染/     被ばく量
        セシウム(kBq/m2)  
特別規制ゾーン:1480以上
移住の義務ゾーン:555以上     5ミリシーベルト以上
移住の権利地域:185~555     1ミリシーベルト以上
徹底的なモニタリングゾーン:37~185

 

注2)たとえば、放射線管理区域の基準(年間5.2ミリシーベルトに相当)の
4倍近く、公衆の被ばく限度(年間1ミリシーベルト)の20倍。

 

※山内教授によるレポートはこちら
http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/111005_houkokusyo.pdf

<連絡先>
福島老朽原発を考える会 阪上武 090-8116-7155
国際環境NGO FoE Japan 満田夏花 090-6142-1807

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