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2011/10/02

【155】日弁連が会長声明 - 自主避難者への損害賠償を求める

日弁連から会長声明が出ました。自主避難を行った日付で賠償の可否を決めようとしている原子力損害賠償紛争審査会の不当な動きに対抗して明快な要求をあげています。自主避難者や避難区域にとどまって生活する側の立場に立った声明ですので紹介します。

要求のポイントは以下の3点です。

  

(1)年間5.2mSv、毎時約0.6μSvを超える放射線が検出された地域から避難した住民に対しては、避難費用・精神的損害について、原子力損害の範囲に含めるべきである。

(2)年間1mSvを超える放射線量が検出される地域から避難した者についても、少なくとも子どもとその親及び妊婦については、避難費用・精神的損害について、原子力損害の範囲に含めるべきである。

(3)避難区域等にとどまって生活を続けてきた住民も将来の健康上の不安などを抱えて生活することを余儀なくされているのであるから、このような生活を強いられていること自体を精神的損害として原子力損害の範囲に含めるべきである。

  

東京電力福島第一、第二原子力発電所事故における避難区域外の避難者に対する損害賠償に関する会長声明

  

原子力損害賠償紛争審査会(以下「審査会」という。)は、本年9月21日に行われた第14回審査会において、政府等によって避難区域や特定避難勧奨地点に指定された地域以外における避難者(いわゆる自主的避難者)の避難費用や精神的苦痛等に対する損害賠償について、次の2つの場合を検討した。

① 事故当初避難者が事故の置かれている状況について十分な情報がなかった時期として、4月11日(枝野幸男内閣官房長官〔当時〕が計画的避難区域及び緊急時避難準備区域の設定について発言した日)又は同月22日(屋内待避指示が解除され、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域が設定された日)までの避難

② 事故後一定の期間が経過してからの避難

 

本来ならば8月5日に策定された「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定に関する中間指針」において、避難区域等以外の避難者の損害賠償についても盛り込まれるべきであったところ、この点について具体的検討を始めたこと自体は評価できる。

  

しかし、審査会の検討方針は、年間20mSvの被ばくに満たないと政府が判断した場所以外は本来避難の必要がないということを出発点にしていること自体に根本的な問題がある。

  

(1) 政府は、当連合会のみならず、多くの民間団体も繰り返し包括的なモニタリングを求めているのにもかかわらずこれを行わないまま避難区域等を設定しており、この避難区域等以外の地域であれば避難の必要がないということ自体に十分な科学的根拠が認められない。

また、現在においても、3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「本件事故」という。)の収束のめどは立っておらず、長期間にわたり放射性物質が外部に出され続け、汚染は拡大している。また、より深刻な事故に発展するおそれもいまだ否定できない状況にある。その上、汚染の状況は、風向や雨などの影響により常に変化し得る。福島県はもとより、宮城県や関東各地でもICRPの勧告する一般公衆の年間被ばく限度である年間1mSvに相当する線量率を超える放射線量が検出される状態が続いている。そのような状況下で、4月に避難区域等と設定された地域以外に健康被害をもたらす放射線被ばくの危険があると考えて避難などの行動をとることは決して不合理とはいえない。

  

(2) そもそも当連合会が繰り返し指摘しているように、放射線の人体や環境に対する影響は科学的に十分解明されているわけではなく、しかも、低線量被ばくによってもがんなどの発症リスクが高まる可能性は否定されず、特に子どもが成人に比べて放射線感受性が高いことに鑑みると、子どもとその親や妊婦が年間20mSv未満の被ばくに対しても不安を感じることは十分に理由のあることである。

  

また、日本の法規制上も、3月当たり1.3mSv(年間5.2mSv、毎時約0.6μSv)を超える放射線が検出される場所は、電離放射線障害防止規則により管理区域とされ、同区域には、必要のある者以外は立ち入ってはならない(同規則第3条第1項第1号、第4項)、原則として放射線測定器の装着が義務付けられ、外部被ばく及び内部被ばくの線量を定期的に測定して管理する仕組みになっている(同規則第8条)、18歳未満の者は、同区域で労働してはならない(年少者労働基準規則)など、同区域における活動は厳格に制限されている。

  

よって、当連合会は自主的に避難した者と健康不安を持ちながら避難していない者の損害賠償について以下の3点を求める。

  

第1に、少なくとも3月当たり1.3mSv(年間5.2mSv、毎時約0.6μSv)を超える放射線が検出された地域から避難した住民に対しては、避難費用・精神的損害について、原子力損害の範囲に含めるべきである。

  

第2に、5月27日には文部科学省が「学校において、当面、年間1ミリシーベルト以下を目指す」という方針を示している。今まで一般人の放射線被ばくの限度とされてきた、ICRP勧告の一般公衆の被ばく限度量である年間1mSvを超える放射線量が検出される地域から避難した者についても、少なくとも子どもとその親及び妊婦については、避難費用・精神的損害について、原子力損害の範囲に含めるべきである。

  

第3に、避難区域等にとどまって生活を続けてきた住民も、原子力発電所事故に伴う社会的混乱の中で多くの生活上の不利益を受け、また、放射性物質により汚染されている可能性のある地域で将来の健康上の不安などを抱えて生活することを余儀なくされているのであるから、このような生活を強いられていること自体を精神的損害として原子力損害の範囲に含めるべきである。

  

2011年(平成23年)9月30日

  

日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児

日弁連の声明のページはこちら

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コメント

立ち寄った者です。
教えてください。
報道では、福島の人は、これまでの調査では、殆どの人が1ミリシーベルト以下、
ごく少数の人が、数十ミリシーベルト以下と報告されています。
それ以上の人はいないそうです。
これで何人の方が将来がんで死ぬと予想されるのですか?
是非、教えてください。

殆どの人が1ミリシーベルト以下とおっしゃっていますが、本当でしょうか? 内被爆も考慮した数値なのでしょうか? 下記の記事には、以下のように、説明されていますが。。。。
http://www.asahi.com/national/update/1208/TKY201112080763.html
。。。福島県民の外部被曝(ひばく)線量について、。。。平均1ミリシーベルト強だったことが県の解析でわかった。今回の対象は、飯舘村など比較的、空間線量が高い3町村の住民だが、約半数の住民が4カ月間で平常時の年間限度1ミリシーベルトを超える被曝をしていた。。。。。 ----------------------------------------------------------
(小出先生によると) 
1 ミリシーベルト/年 がんが一〇〇〇〇人に一人
5ミリシーベルト/年 がんが5000人に一人
------------------------------------------------
外被爆線量1ミリシーベルト以下であっても、安心できません。 外被爆は、ガンマ線を放射する放射能のみを検出する。  したがって、汚染された食べ物、水から、または、汚染されたほこりを、吸うことによって、体内に取り入れられた放射性物質―セシウム134,137からベーター線を放出、また、ストロンチウム、プルトニウムから、アルファ線が、放出されて、体内の染色体を傷つける。 その内被爆量は、ホールボデイカウンターで、ある程度、検出可能になるが、周りの数値が高いと、正確な数値がでにくく、尿や便なども、計って、より、正確な数値を検出させなければいけないらしいです。 
この場をかりて、つけくわえますが: 測定のしかについてですが、南相馬市で、子供のセシウムを測ったとき、80%の子供に、古いホールボデイカウンターを使い、2884人中、6人しかセシウムを検出されなかったと発表していますが、実際には、微妙な被爆量が検出可能の新しい機械で、計った20%の子供にはその半分以上に、セシウム検出されました。 おかしいと思いませんか? そして、甲状腺検査で、ヨードは8日が半減期なのに、検出が1/5に減ってしまうような時期に、ND値(検出限界値)をあげて、計かり、わざと、低く検出させようとしました。 こんな巧妙なデータ工作、許せないです。 「検出されない、数値が低い」というのを、鵜呑みにせず、その計りかたを、しっかり、把握する必要があるようです。  最近は、関東もそうらしいですが、医者は、「放射能のせい」とは、いえないことになっているらしいですね。 相談されるとしたら、野呂美加さんが、いいと思います。 チェルノビルの子供を助けるボランテア活動をされているし、放射能との因果関係をきちんと理解されているお医者さんも知っています。 NPO法人チェルノブイリへのかけはしTEL/FAX(011)511-3680
余談も交えて、かなり、長くなりましたが、皆さん、参考になれば、嬉しいです。

どうも有り難うございました。一寸よそに行って居りましたので。

(小出先生によると) 
 1 ミリシーベルト/年 がんが10000人に一人
 5ミリシーベルト/年 がんが5000人に一人

そうなんですか。以外と少ないのですね。いつ死ぬんでしょうか?
ガンだからすぐではないですよね。どの位でしょうか?
あ、どうも、表現が大変きつくて済みません。

(小出先生によると)となっていますが、この先生は、どういう方ですか。お医者さんでしょうか?
それから、国の発表はないのでしょうか?その方が権威があってよいような気がするのですが?
済みません。

意外と少ないとおっしゃっていますが、子供の場合は4倍危険です。 小出先生は、数値については、アメリカのジョン・ゴフマンさん(科学者、医師、医学者)の数値を引用しています。 

国は、4月に、内閣官房参与の小佐古氏(放射線安全)が「20ミリシーベルト」に抗議して辞表を出したのに引き続き、国内外の批判を受け、「1mSv/年を目指す」と宣言したのにもかかわらず、事故後9ヶ月たっても、いまだに20mSv//年。  国民、特に子供の命を守ることを無視し、効果のあまりない除染に大金を投入し、東電の下請け会社や政府・電気会社と癒着関係にある建設会社に、除染を依頼している。 さらに、東電の救済に、数兆円を払う国。  

そういう「国」の発表を権威があるような気がするというのなら、ご自分で、いろいろお調べになったら、いかがでしょうか? 

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