【219】第2期ぽかぽかプロジェクトへ向けて熱心な議論-4・15東京報告集会
4月15日都内で「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」主催による、東京報告集会が開かれました。
わたり土湯ぽかぽかプロジェクトは3月末に第1期を終了し、のべ355家族1,640人の方々の参加を得ました。5月連休明けから第2期をスタートするにあたり、これまでの成果を確認するとともに、反省点もしっかり確認して課題として活かすためにこの集会が持たれました。
集会には、ぽかぽかプロジェクトへの寄付者や賛同者など各地から約40名の参加がありました。
集会では先ず、FoE Japanの満田氏から、ぽかぽかプロジェクト発足に至る経緯の説明と第1期のぽかぽかプロジェクトの状況の説明がありました。
続いて、渡利の子どもたちを守る会の安部氏から、渡利地域の住民の一人として「守る会」へ参加するに至った経緯や、ぽかぽかプロジェクトの経験のお話がありました。安部氏からのお話は以下のようなものでした。
昨年3月の原発事故後しばらくして平穏な生活が戻りつつあった時期に、NHKのテレビ番組で自分が通勤時に通るコンビニの映像が出てきて線量が高いことを知り衝撃を受けたこと。それから実際の測定や勉強をはじめて自分たちで何とかしなければと活動を始めたこと。地域での行政の説明会や国会での対政府交渉などでも子どもたちを避難させる具体的な動きが進まず、ぽかぽかプロジェクトの開始に至ったこと。渡利地域の除染は市の計画から大きく遅れて、進んでいないこと。除染の処分土の行き先が決まらないために除染した土をまたその家の庭に穴を掘って埋めていること。等など。
安部氏は最後に、大飯原発再稼働が問題になっていることにも触れ、「物事の順番がおかしい」と強調されました。放射線に弱い妊婦・子どもたちがそのままにされ除染はなかなか進まない、福島の事故原因の分析も終わっていないのに再稼働を急ごうとしている。物事の順番が大事だとして、除染が進まないなかで妊婦・子どもを避難・保養させるためのぽかぽかプロジェクトを進めてゆく意義を説明されました。
次にフクロウの会の阪上氏から、ぽかぽかプロジェクト第2期にあたっての課題と具体的な進め方の提案がありました。その後、集会参加者も含めて今後の進め方についての議論となりました。議論の中では、実際に宿泊してみて、旅館を利用した形態が避難・保養の形から大きく外れている、という厳しい指摘もある一方で、福島の現状が情報格差などにより放射能被害の深刻さがまだまだ認識されていない状況をどう打開すべきか、という提起がなされるなど大変真剣で白熱した話し合いとなりました。議論のポイントは下記のようなものでした。
・ 週末の短期滞在中心からより長期の本格的な保養、避難へどのように結び付けるか。
・ 福島周辺で放射能被害の深刻さを感じていない人や不安を抱えつつも良く分からない状況で動いていない人たちに情報を伝えて考えてもらうことの重要性。
・ ネットなどを使わずテレビ・新聞からの情報を頼りにしている多くの人たちにどのように伝えてゆくか、紙媒体での情報伝達の重要性。
短い時間ではありましたが密度の濃い議論が行われました。これらの意見を活かして第2期のプロジェクトをより効果的なものしたいと考えています。
【当日配布資料】
「別紙1:ぽかぽかプロジェクトに至るまでの経緯」をダウンロード
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