【226】福島市渡利―依然として続く高濃度汚染―場所によっては昨年よりも更に上昇
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)と国際環境NGO FoE Japanは福島市渡利地域の放射能汚染について継続監視を行っています。
このたび渡利地域の5か所について土壌の放射能分析を行いました。
その結果、全てのサンプルから再び高濃度のセシウムを検出し、渡利地域が依然として深刻な状況にあることを確認しました。
場所によっては昨年の9月よりも更にセシウム濃度が上昇している場所があります。
※24万Bq/Kg(2011年9月)→33万Bq/Kg(2012年3月)へと上昇(小倉寺稲荷山)。
一方で、国や福島市が進めると宣言してきた除染が進んでいない実態も明らかになってきています。「まず除染を行う」とした国、福島県、福島市の計画は全く破たんしています。
私たちは国、福島県、福島市に対して、あらためて一時避難、保養、疎開など子どもたちの放射線被ばくを最小限化するための措置をとることを訴えます。
私たちは少しでも子どもたちへの被ばく影響を少なくするため、引き続き福島ぽかぽかプロジェクトを推進しています。多くの方々へこちらへの協力も訴えます。
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福島市渡利地域の土壌測定結果について
2012.5.11
福島老朽原発を考える会
国際環境NGO FoE Japan
(参考)2011年10月5日付け報告書(pdf)をダウンロード
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1. 測定結果
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)と国際環境NGO FoE Japanは3月18日、福島市渡利地域の土壌の放射能分析を実施した。その結果、大変高い汚染結果を検出した。
※1 測定機器はフクロウの会所有の放射能分析器AT1320A(ベラルーシATOMTEX社製)による。該当機器は仏NGO-ACROとクロスチェックを実施して誤差範囲20%以内であることを確認している。
※2 表の見方:xx±yy はxxが中央値であり、yyは誤差範囲である(信頼区間95%)。
2. 考察
(1) 最高値は小倉寺稲荷山で333,000Bq/Kgであった。この地点は継続監視しており2011年6月46,540Bq/Kg、同9月238,700Bq/Kgよりもさらに上昇している。雨水による土の流れと集積によるものと考えられる。
(2) 渡利薬師町の水路も125,000Bq/Kg~205,000Bq/Kgと高い値を示した。この場所は2011年9月の測定結果(307,565Bq/Kg)よりは低いとはいえ依然高濃度に汚染されている。
(3) 弁天山駐車場(南、東)は16,900Bq/Kg~26,600/Kgでありこの汚染レベルは政府が決めた焼却灰等の埋め立て基準(8,000Bq/Kg)をはるかに上回る。
3. 結論
(1) 「フクロウの会」、「国際環境NGO FoE Japan」、「渡利の子供を守る会」は昨年9月以来、福島市渡利地域について特定避難勧奨地域への指定を要請してきた(別紙「福島市渡利地区における土壌中の放射能調査(概要)2011年10月5日付け」参照)。2011年10月5日付け報告書(pdf)をダウンロード
しかし国、福島県、福島市は「先ず除染を行う」として、避難勧奨地域への指定も住民が要求してきた全世帯の詳細測定も行っていない。
(2) 福島市は2012年1月10日町会長向け説明会で、小倉寺/南向台/渡利6町会724世帯の除染を2012年3月末までに実施すると説明した。しかし除染の実績は2012年2月現在で7世帯であり、計画通り進んでいない。除染土は各家庭の庭で保管することになっている。
(3) 行政は、少なくとも除染期間中の避難・疎開や、子ども・妊婦の短期保養などへの支援を行うべきである。
(4) 「まず除染を行う」とした国、福島県、福島市の計画は全く破たんしている。一時避難、保養、疎開など子どもたちの放射線被ばくを最小限化するための措置をただちに検討し実施すべきである。
※ 本件についての問い合わせ先:
福島老朽原発を考える会代表 阪上武 fukurounokai@gmail.com TEL/FAX 03-5225-7213
国際環境NGO FoE Japan 満田夏花 090-6142-1807
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