【259】甲状腺検査結果の情報開示で福島医大山下俊一氏に要望書提出
7月23日、「ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会」、「生活クラブふくしま生活協同組合」、「福島老朽原発を考える会」他9団体※で甲状腺検査の情報開示の問題について、福島医大山下俊一氏、佐藤雄平福島県知事に要望書を提出しました。
※今回の要望を行ったのは以下の団体です;hand to hand project kawamata、
安全・安心・アクションIN郡山、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会、みどりの未来・ふくしま、わいわい市民政治@ふくしま、生活クラブふくしま生活協同組合、福島老朽原発を考える会、FoE Japan。
福島県民を対象とした県民健康管理調査の一環で、18歳以下の子どもの甲状腺検査が実施されています。
しかし、その検査結果の通知やその後の対応について下記のような問題点が指摘されています。
・ 被験者のうち35.3%にあたる子どもに5ミリ以下の結節、20ミリ以下の嚢胞が発見された(3月末まで)が「A2」判定として、2014年度以降に次なる検査を予告しているだけで、それ以上の結果詳細は被験者に知らされていない。
・ 発見された比率は他地域と比べてどうなのか、福島県内の地域的な偏りはないかなど、統計的なデータが開示されていない。
・ A2判定された子どもは、次回検査まで2年以上も待たされることになり成長の早い子どもを抱える保護者としては不安になる。
・ 山下俊一氏が甲状腺学会に対して、事実上セカンドオピニオンを禁止すると読み取れるような文書を配布(2012.1.16)しており、実際に個人的に検査を受けようとして、山下氏の文書を提示され断られた事例もある。
福島医大では山下俊一氏に代わり放射線医学県民健康管理センター広報部門長の松井史朗氏が対応しました。松井氏は、私たちの要望書に対して7月中に文書で回答すると約束しました。
要請時の面談の様子
広報部門長松井史朗氏(左側手前から2人目)
以下は、面談時の松井氏からの応答のポイントです。
(かっこ内は要請者からの質問)
・ 検査結果の開示方法についてはより詳細な内容が分かるよう改善している。さらに詳細が伝わるよう改善も計画中である。
・ 情報開示請求の簡略化については本人確認などプライバシーの問題もあり難しい。
・ 結節、嚢胞の出現頻度のマッピングについては将来的には考えている。(具体的にいつか?)→わからない。
・ (5ミリ以下の結節を2年間見なくても大丈夫だとする根拠は?)医学的根拠は答えられない。
・ 甲状腺がんは予後が良い。ほとんど死なない。(苦しみが問題では?)2年間ではがん化しない。何もしないとは言っていない。
・ (検査にあたって同意書をとるのはなぜか?保護者は不信感がある)同意書をとった目的について別途文書で回答する。
・ 山下氏の甲状腺学会への文書はセカンドオピニオンを阻害する意図のものではない。(そのことを明示する文書を出して欲しい)難しい。
一同はその後、福島県庁の秘書室尾形課長を訪問し、要望書を提出しました。
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