【276】9・5規制庁準備室と交渉⇒14時30分緊急屋外集会
■9月5日、13時から:規制庁人事問題で規制庁準備室と交渉を行うことになりました。
この間政府交渉を拒み続けてきた規制庁準備室との会合が明日9月5日
(水)13時から行われることになりました。ここで質問要請書に対する回
答をききます。大部屋での交渉を要求しましたが、今回は先方の都合により少人
数での会合となりました。こちらからは、服部良一議員、市民団体の代表、弁護
士、福島から森園さん、長谷川さんが参加する予定です。交渉はIWJ5チャンネル
で中継されます。交渉は13:00からです。是非ご覧下さい。
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
■規制庁準備室との交渉後の緊急屋外集会
・9月5日(水)14:30~15:30
・合同庁舎4号館角(財務省上交差点)4号館は総務省のある建物です
FoE Japan、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、eシフトなどの市民団体
および脱原発弁護団連絡会などの弁護士グループは、原子力規制委員会人事案に関して、本日、野田総理大臣、細野原発担当大臣、森本英香・原子力安全規制組織等改革準備室長あてに、下記の質問要請書を提出しました(この記事の下の方に全文掲載しました)。
質問要請書では、現在の規制委員会人事案は、原子力事業者の委員長・委員への
就任を禁じる原子力規制委員会設置法第7条7項3号、7月3日付政府ガイドラ
イン(注1)に違反しているなどの指摘があったが政府はこれに答えていないこ
と、国会は開かれているが、国会議員からの疑問の声が強いため人事案を本会議
にかけることができない状況が続いたことをあげ。この状況下で、設置法の例外
規定(注2)を適用することはできず、野田総理は委員の任命を行うべきでない
としています。
また、日本原子力研究開発機構(JAEA)、日本アイソトープ協会について、原子
力事業者の委員長・委員への就任を禁じる原子力規制委員会設置法7条7項3号
の規定、および政府が同法に上乗せして定めた、過去3年間にさかのぼっての原
子力事業者であったものの委員・委員長への就任を禁じる7月3日付ガイドライ
ンとの関係性を問うています。
なお、現在の人事案が設置法第7条第7項3号および7月3日付政府ガイドライ
ンに反していることについては、日弁連が会長声明を出しているほか、脱原発弁
護団全国連絡会が声明を出しています。
市民団体らは、明日(9月5日)、13時から、原子力安全規制組織等改革準備室と
会合を持ち、この質問要請書の回答を得ることとなっています。
※インターネット中継予定:IWJ 5ch
<問い合わせ先>
国際環境NGO FoE Japan 満田夏花(みつた・かんな)/090-6142-1807
福島老朽原発を考える会(フクロウの会) 阪上武/090-8116-7155
(注1)
原子力規制委員会設置法7条7項3号では、「原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再
処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者」は委員長・委員には就
任できないとしている。
また、7月3日付政府ガイドライン(平成24年7月3日付内閣官房原子力安全
規制組織等改革準備室「原子力規制委員会委員長及び委員の要件について」)で
は、法律上の欠格要件に加えて、「就任前直近3年間に、原子力事業者等及びそ
の団体の役員、従業員等であった者」を欠格要件としている。
(注2)原子力規制委員会設置法附則第二条第3項
この法律の施行後最初に任命される委員長及び委員の任命について、国会の閉会
又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、第七条第
三項及び第四項の規定を準用する。
原子力規制委員会設置法第7条第3項:
委員長又は委員につき任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉
会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総
理大臣は、第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、
委員長又は委員を任命することができる。
---------------------------------------------------------
2012年9月4日
内閣総理大臣 野田 佳彦殿
原発担当大臣 細野 豪志殿
原子力安全規制組織等改革準備室室長 森本 英香殿
原子力規制委員会人事案に関する質問・要請書
原子力規制委員会の人事案に関して、多くの市民が署名や官邸前行動などで反対
の意思を示しています。また、民主党などからも反対の声があがっていることな
どの理由により、今国会における採決は見送られ、野田総理による委員の任命が
行われる方向であることが報道されています。
本人事案に関しては、市民・弁護士・国会議員から①原子力規制委員会の設置法
の趣旨に反すること、②同法7条7項3号に定める欠格条項、7月3日付政府ガ
イドラインの欠格条項に該当すること、③委員長候補の田中俊一氏は、原子力委
員会の委員長代理時代に秘密会合に参加するなど、福島原発事故を引き起こした
原子力推進行政の責任があること、④田中俊一氏・中村佳代子氏は、低線量被ば
くの影響を軽視するなど、委員候補の資質に疑問があること――などの疑問が呈
されてきました。これらの疑問については、何ら説明がなされていない状況です。
総理による委員の任命は、原子力規制委員会設置法附則第二条第3項に定められて
いますが、これはあくまで、「国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同
意を得ることができないとき」であり、現在のように国会は開かれているが、本
会議にかけることができない、あるいは採決することができない状況、市民・弁
護士・国会議員からの疑問に政府が答えていない状況下で、この規定を適用する
べきではありません。
以下、質問します。
■質問事項
I. 原子力規制委員会設置法および政府ガイドラインとの関係について
8月28日、中央合同庁舎4号館前路上における準備室回答は以下の通りでした。
① 日本原子力研究開発機構(以下JAEA)は、原子力規制委員会設置法7条7項3
号で欠格とされている「原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の
事業を行う者、原子炉を設置する者」に該当する。
② JAEA現職の更田豊志氏は、就任時に退任するため、原子力規制委員会設置法
違反とはならない。
③ 一方、JAEAは、7月3日付け政府ガイドライン(平成24年7月3日付内閣
官房原子力安全規制組織等改革準備室「原子力規制委員会委員長及び委員の要件
について」、以下政府ガイドライン)「要件」(※)にある「原子力事業者等」
に該当しない。
※ 政府ガイドラインでは、法律上の欠格要件に加えて、「就任前直近3年間に、
原子力事業者等及びその団体の役員、従業員等であった者」を欠格要件としてい
る。
1.「原子力事象者等」に関しては、原子炉等設置法58条1項、および「原子
力損害の賠償に関する法律」第2条第3項に定義がある。
7月3日付け政府ガイドライン「要件」にある「原子力事業者等」は、原子炉等
規制及び原子力損害の賠償に関する法律にある「原子力事業者等」と同じ定義か。
違うとすれば、あえて法律と違う定義にした理由について、明らかにされたい。
2.原子力規制委員会第7条第7項3号の「原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再
処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者」は、原子炉等規制法に
ある、「原子力事業者等」及び原子力損害の賠償に関する法律にある「原子力事
業者」と同じ定義か。
3.JAEAが、7月3日付け政府ガイドライン「要件」にある「原子力事業者等」
に該当しない理由について、再度、ご教示頂きたい。
4.設置法により、原子力規制委員会の委員長及び委員については、第11条第3
項において、兼任が禁止されている。よって、原子力事業者の雇用者や役員も退
職すれば第7条第7項3号に抵触しないということであれば、第7条第7項3号
はその意義を失うと考えられるが、いかがか。
5.日本アイソトープ協会は、研究系・医療系の放射性廃棄物の集荷・貯蔵・処
理を行っている。原子力規制委員会第7条第7項3号の「原子力に係る製錬、加
工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者」に該当す
ると考えられるが、いかがか。該当しないとすれば、その理由は何か。
6.原子力規制委員会発足後、放射性廃棄物処理業務の安全基準の設定、許認可
を行う機関はどこか。
7.少なくとも田中俊一氏、更田豊志氏、中村佳代子氏の三氏の人選については、
原子力規制委員会設置法の趣旨である、「利用と規制の分離」「原子力安全規制
に対する国民の信頼を得る」「原子力ムラからの影響排除」のいずれにも反して
いる、準備室の見解を伺いたい
II. 現在の候補者の資質について
1.田中俊一氏は8月1日の衆議院議運における所信聴取において、原子力委員
時代に、いわゆる秘密会議に参加していることを認めた。
1)いつ、どのような会議に参加したのか。
2)この件について追加調査の状況を明らかにされたい。
2.政府は、田中俊一候補について、「原子力に責任のある専門家として国民に
深く謝罪するとともに、原子力安全のあり方を訴えた。また、福島県における放
射能除染活動に自ら先頭に立って取り組んでいる。事故を踏まえた強い反省に立
って安全規制の改革に取り組む明確な姿勢を示している。」などとしているが、
現実には以下のように問題があり、原発事故被災者をはじめ、多くの国民から批
判、不信、怒りの声があがっている。
① 2011年4月1日の田中俊一氏の謝罪に関して「国民に深く謝罪する」とは、何
を謝罪しているのか内容が明らかではない。また、田中氏が、原子力推進を中枢
で進めてきたことについては言及していない。これについて、政府・準備室とし
てのお考えはいかがか。
② 田中氏は事故後、伊達市と飯舘村に入り、除染事業を行った。飯舘村の長泥
地区では区長の家で除染を強行したが、線量は下がらず、家の中でも毎時3~4
マイクロシーベルト程度であった。田中氏は大量の汚染土を置き去りにして村を
後にした。のちに長泥地区は帰還困難区域とされ、立ち入り禁止状態となった。
それでも田中氏は除染の限界を認めず、さらなる除染が必要だと繰り返し述べて
いる。およそ科学的な判断ではない。これについて、政府・準備室としてのお考
えはいかがか。
③ 原子力損害賠償紛争審査会では、自主的避難者への賠償に真っ向から反対し
た。そして帰還基準を避難基準と同じ年間20ミリシーベルトとした。これを少し
でも下回れば、1ヶ月程度で賠償を打ち切り、帰還を促すよう主張した。所信聴
取では、避難者への賠償に反対した理由として残留者との不公平を挙げていたが、
田中氏は実際には、審査会が、自主的避難者にも残留者にも同額の賠償を行うこ
とを決めた後でも反対しており、所信聴取での発言は事実ではない。これについ
て、政府・準備室としてのお考えはいかがか。
④ 田中氏は、2011年8月23日第32回原子力委員会で「100mSvというのは健康に大
きな影響がないということ。このあたりをどう今後住民に、折り合いをつけてい
ただくかということが大変大事」と述べている。100mSvは健康に影響がないとい
うのは、日本の放射線防護法体系やそれが参考にするICRPの諸原則(公衆の線量
限度は年1mSv、低線量であれば影響がないという閾値は存在せず、できるだけ線
量を低くすべき)に反する考えであり、それでもって、住民に被ばくを強いても
構わないとしている。これについて、政府・準備室としてのお考えはいかがか。
⑤ 田中氏は同じ会合で、以下のようにも述べている「この状況のままで今後の
原子力の再生は非常にもう、個人の考えですけれども、絶望的です。とにかく何
らかの形で除染をしてきちっと行い、避難住民が帰ってこられるような状況をつ
くり出されない限りはこれからの原子力発電を含めてそういったものはどう政策
を進めていいかわからないなということがありましたので、私自身はそういう思
いもあります」すなわち、彼が、除染と帰還、住民に被ばくを強いてまで「福島
を元に戻すこと」にこだわっているのは、原子力推進政策の再生を望んでのこと
である。事故後の発言である。これについて、政府・準備室としてのお考えはい
かがか。
3.中村佳代子氏は、「低線量被曝では子供と大人で発がんリスクに差がなく、
原発事故による住民の被曝線量も十分に低い」(読売新聞 2012年7月22日)とし
ている。また、ストレスの方が健康に悪いという発言もしている。このように低
線量被ばくのリスクを軽視する人材を、原子力規制委員会の委員とすることは不
適切と考えるがいかがか。
III.野田総理による任命について
報道によれば、民主党の輿石幹事長は、今の国会中に、衆・参両院で同意が得ら
れなかった場合には、野田総理大臣が委員を任命することで対応すべきだという
考えを示している。
原子力規制委員会設置法附則第2条第3項:
この法律の施行後最初に任命される委員長及び委員の任命について、国会の閉会
又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、第七条第
三項及び第四項の規定を準用する。
原子力規制委員会設置法第7条第3項:
委員長又は委員につき任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉
会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総
理大臣は、第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、
委員長又は委員を任命することができる。
1.現在のように、人事案が議運にかかっているのにも関わらず、本会議にかけ
られていないのは、議運における野党側の質問および要請に政府側が十分な回答
をしていないこと、および与党・民主党からも現在の人事案に対する懸念や反対
があがっていることによる。
設置法の附則第二条第3項でいう「国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の
同意を得ることができない」こととは異なる状況であると考えるが、いかがか。
2. 政府が、人事案について議運における野党側の質問および要請に応えられて
いない現状、人事案について設置法や政府ガイドライン違反、および法の趣旨に
反するという指摘がでている現状を踏まえれば、野田総理による委員の任命を行
うべきでないと考えるがいかがか。
3.9月1日付日経新聞で、「法律上は、原発事故に伴う原子力緊急事態宣言が出
ている現状が続くなら、国会の同意がなくても人事の撤回は迫られない」と報道
されているが、これは事実か。事実とすれば、その法的根拠は何か。
■要請事項
1.原子力規制委員会人事に関しては、多くの国民が懸念を抱き、疑問を感じて
います。上記の質問の一つひとつについて、公開の場で説明して下さい。
2.私たちは、4万筆以上の署名を添え、下記の要請を複数回にわたり提出して
います。これに関しても、責任のある回答をお願いいたします。
1) 現在の人事案を白紙撤回し、原子力ムラの影響を完全に排除した案に差し換
えること。
2)選定基準、選定に当たった内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室の体制、
政府による選定プロセスを明らかにすること。
3)国民の意見をきくためのプロセスを設けること。パブリック・コメントを設
けること
3.野田総理は、現在の人事案について、政府が今国会の議運での野党側質問に
答えられていない現状、与党・民主党内からも疑問や反対の声が上がっているこ
とを重く受け止めるべきです。
このような状況での総理による任命は、設置法附則第2条第3項の定める、「国会
の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないとき」には
該当しません。改めて、人事案の白紙撤回を求めます。
以 上
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan(フレンズ・オブ・ジ・アース・ジャパン)
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
福島原発事故緊急会議
再稼働反対!全国アクション
原発を考える品川の女たち
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
グリーン・アクション
プルトニウムなんていらないよ!東京
脱原発弁護団全国連絡会 共同代表 河合弘之
同 海渡雄一
事務局長 只野 靖
<弁護士有志> 福田健治、河崎健一郎
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