【FFーTV特集】福島県健康管理調査-密室で何が話し合われていたのか-削除された議事録から
【FFチャンネル特集】紹介
県民の健康よりも「安心」を優先 福島県健康管理調査
密室で何が話し合われていたのかー削除された議事録から
11月28日 FFチャンネル特集で放送した内容をプレゼン資料とともにウエブ上で紹介します。
音声・映像品質が悪いので採録画中です。
プレゼン資料はこちらから(ファイルが大きいので2つに分割してあります)
※以下の紹介文はプレゼン資料の補足説明です。番号はプレゼン資料のページと合わせてあります。プレゼン資料と合わせて読んでいただければ理解しやすいです。
1. 表紙
県民の健康よりも「安心」を優先 福島県健康管理調査
密室で何が話し合われていたのかー削除された議事録から
2. 「秘密会」の存在に続き議事録の一部が削除されていたことが明るみに
毎日新聞11月20日付け報道で、4月に公開された県民健康調査の検討会議事録(1-3回)の内容が大幅に削除されたものであることが報道されました。
その、削除された部分とは尿検査と内部被ばくをめぐった生々しい議論の部分であることが分かったのです。
3. 削除された部分はどのようなものだったのか。
議事録の削除された部分は黄色のマーカーで示した部分です。いかに大量の部分が削除されていたか、一目でわかります。
※黄色マーカー部(「議事メモ」から事務局修正案作成時2012.4に削除された部分)
※黄色コメント部(同上追記された部分)
※オレンジ色マーカー部(事務局修正案を検討委員に確認依頼する伺い時に削除された部分)
※オレンジ色コメント部(同上追記された部分)
しかもその内容をみると、内部被ばく調査と尿検査の取り扱いをめぐる生々しいやりとりの部分が大半です。
その他にも重要な部分が削除されていました。
4. 議事録の改変過程全ての開示にいたる流れ
議事録が大幅に削除されたことが判明したいきさつは以下の通りです。
(1) 4月3日に郡山の市民が1-3回の議事録の情報開示請求を行った。
(2) 4月17日に福島県は情報開示を行いそれをHPにも開示した。(実はこの公開議事録が内容が大幅に削除されたものでした)
(3) 10月3日に毎日新聞が「秘密会」の存在をスクープしました。
(4) これを受けて、4月に開示請求を行った市民が、1-3回の議事録にも問題ありとにらんで、議事録の作成から開示にいたる一連の事務手続き全ての開示請求を行ったのです。
(5) 私たちフクロウの会も福島県の「秘密会」調査委員会の報告を読み込んで、「秘密会」で尿検査の議論が行われた形跡があり、検討会でもうやむやにされた、と発表をしました。
(6) こうした動きに追い詰められた福島県は、なんと、4月に開示した議事録は手続き上間違っていたので、開示取り消しをすると通知してきたのです。
(7) 議事録開示の一連の手続きの開示請求により、福島県は「議事メモ」から正式議事録開示の一連の文書を開示せざるを得なくなりました。つまり、削除した部分を含めて、全て開示しなければならなくなったのです。
5. 議事録の開示請求をした市民から、そのいきさつと感想を聞きました
- 略 - FFチャンネルの録画でご覧下さい。
6. 福島健康管理調査 密室で何が話し合われていたのか 削除された議事録の核心部分
削除された部分は、当局にとって都合の悪い部分です。ここには、内部被ばく検査と尿検査をめぐる委員間のなまなましいやり取りがありました。
7. 第2回 内部被ばく調査をめぐるやりとり
佐藤委員は福島県の健康福祉部長です。県民の健康や安全を考えているのではなく、とにかく「安心」を確保したい、との姿勢がはっきり出ています。
山下座長が「住民の1割をやらないと」と聞いているのは、福島県側から高汚染地域の住民からの要求が強く、1割程度はWBC検査をやらざるを得ないとの県側の意見を受けての発言です。
8. 第2回 内部被ばく調査をめぐるやりとり(続き)
西本氏が「カットオフ値」と言っているのは、それ以下では問題ないから測らない、という足切りの基準値のことです。
9. 第2回 内部被ばく調査をめぐるやりとり(続き)
明石委員は足切り値を決めれば、「一日何十人でもパカパカ行ける」と言っています。
WBCでの検査は大変なので、県民を安心させるためなら、適当に足切り値を決めれば良い、ただし県民を納得させる「合理的説明が大事」だというのです。
10. 第3回 内部被ばく調査をめぐるやりとり
第3回では、放医研の明石委員が109人の人を対象にWBCと尿検査で内部被ばく調査をした資料を提示しています(本プレゼンの13,14ページ参照)。
明石委員はここで、尿検査で尿中にセシウムがほとんど出なかったことについて、「感度の問題ではなく、検体が(尿の)1回量ですくないことによる」と言っています。
別の場所で尿のサンプル量は100ccであることを述べています。この量では、尿の検出限界が13ベクレル/Lと極めて高く(14ページ参照)、ほとんどの人が不検出(検出限界以下)となるのは当然のことです。
また、WBC検査を受けられない人に尿検査でスクリーニングとも言っていますが、これは前述の13ベクレル/Lの検出限界を前提としているでしょう。
これでは、効率は上がる(パカパカできる)でしょうが、本当に内部被ばくの実態を調べることになるのでしょうか。
11. 内部被ばく測定・尿検査をめぐる議事録改変の構図
福島県も山下俊一座長も、放医研・放影研の委員も内閣府の委員も、「県民の不安解消、100ミリシーベルトまでは影響なし、今回のレベルでは影響は出ない」という前提で議論をしています。
「安心」のためにカットオフ値(足切り値)を決めて、WBCや尿検査でパカパカ(効率よく)検査をすることを議論しているのです。
低線量被ばくの危険性を考え、将来にわたる県民の健康を考え、内部被ばくの実態をどうしたら測れるか・・・などという議論をしているのではないのです。
12. 内部被ばく測定・尿検査をめぐる議事録改変の構図(続き)
結局、WBC、尿検査で足切りする、たいしたことはないと立証する、そのために議論をしていると言えます。
県民の健康影響・精度の問題はそっちのけです。
13. WBCでの先行調査の結果
WBCの検出限界も320-570ベクレル/bodyと高めです。
14. 尿検査での先行調査の結果
尿検査は13ベクレル/Lと極めて高めです。
相関図としては意味をなさない(有効なデータが少ない)このグラフは、足切り値をいくらにしたらよいか、という関心から測定した、と解釈すれば良く理解できます。
17. 座長の山下俊一氏は福島県放射線健康リスクアドバイザーでもある。
- 県の意向を汲み取って、県と一体となり福島県立医大、放医研、放影研へ指示を出しリードしています。
18. 山下俊一氏は健康管理調査の基本的性格についてチェックを入れている。
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