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2013/02/25

【健康管理問題】傍聴・抗議を!規制委員会の暴走ここでも!

中村佳代子座長 - 検討チームを無視して勝手に総括・勧告の動き

 

みなさまへ

福島原発事故の健康管理問題で原子力規制委員会を舞台にゆゆしき事態が進行し
ています。

 

第5回の検討チームにおいて、規制委員会が福島県の健康管理調査を持ち上げる
総括案を提示しました。甲状腺検査の範囲を限定する記述もあります。検討チー
ムでそのような議論は一切出ていません。

 

その場でも外部有識者から批判が出たにもかかわらず、強引に検討を終わらせ、
さらに、最終的な「勧告」を、検討チームには一切はからずに、規制委員だけで
決めてしまおうとしています。

甲状腺検査については、3名にガンの確定診断、7名に強い疑いが出ていますが、
検討チームではこの件は、一切議論されていません。

 

この件は規制委員だけで議論できるものではありません。担当は中村佳代子氏で
す。全く意味の無いものですし、やり方も間違っています。

 

おかしなやり方をやめるよう、甲状腺検査結果の深刻な結果について対応を検討
するよう、勧告案を検討チームで検討するよう、被災者からのヒアリングを含め
広く意見を求めるよう、電話やFAXをお願いします。また、来週の水曜日27日の原
子力規制委員会でこの案件が係ります。是非傍聴に行って声をあげて下さい!

 

原子力規制庁監視情報課 TEL 03-5114-2125 FAX 03-5114-2185

 

またこの件で、先ほど規制庁の担当部署に電話を入れました。それも含めて以下
に経緯を記します。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

<経緯>***********************

原子力規制委員会に設置された福島原発事故による健康管理に関する検討チーム
が先日5回目の会合を開き、議長を務める中村佳代子規制委員は、総括案を提示
しました。総括案は、福島県の健康管理調査を持ち上げるものでした。

 

これに対し、検討チームの外部有識者で福島県医師会の木田氏やオブザーバーで
参加していた医師会系の研究員の人が、このような意見はだれも言っていないと
総括案を批判し、木田氏の意見書が反映されていないのはなぜだ詰め寄りました。

 

中村氏は、木田氏の意見書は総括案にそのまま添付すると述べ、その上で、総括
案を検討した上で、勧告をまとめるとも。検討チーム抜きで、規制庁、規制委員
会側で勝手につくるということです。会場から密室で決めるなと抗議の声があが
りました。

 

県民健康調査において、甲状腺検査は生涯にわたり行うことになっていますが、
総括案には、「甲状腺検査の実施期間は、外部/内部被ばく線量の推計や過去の
知見に基づくリスク程度に基づき、対象地域や対象年齢を基に判断すべきであ
る。」とあり、打ち切りを勧めているようにも見えます。そのあたり、20日付
の朝日新聞が書いています。

 

<規制庁に電話>*********************

規制庁原子力規制庁監視情報課サガラ氏に電話しました。<03-5114-2125>

 

規制庁)総括案を原子力規制委員会に提示し、そこで検討したものを勧告なり提
言にまとめる。その日のうちにまとまるということはないだろう

こちら)検討チームで検討しないのか?

規制庁)委員会で委員に検討してもらう

こちら)甲状腺打ち切りの話は?

規制庁)将来何か知見が出て、あるいは内部被ばくの評価が出て、この地域はこ
れ以上必要ないといったことがあるかもしれない。今のところそのような知見は
ないので、検査は継続になるだろう

 

<朝日新聞記事>*********************

20日付朝日新聞記事
http://apital.asahi.com/article/story/2013022000012.html

福島の子、甲状腺検査の短縮検討 規制委「地域や年齢で」

 福島県の子ども約36万人対象の甲状腺がん検査について、原子力規制委員会
の検討チームは19日、被曝(ひばく)線量や居住地などにより実施期間の短縮
も検討すべきだとする総括案を出した。東京電力福島第一原発事故の影響を調べ
るため、全員、生涯にわたり検査する計画だった。県関係者からは反発の声も出
ている。
 県は現在、事故当時18歳以下だった子ども全員を対象に甲状腺の超音波検査
を行っている。
 検討チームは検査実施期間について、被曝線量が低いと推計されるか、線量が
低いとみられる地域の子どもは、検査を途中で打ち切ることも検討すべきだとし
た。総括案は近く規制委員会に報告され、同委員会は提言を出す予定だ。
 検討チームの一員、木田光一・同県医師会副会長は「甲状腺被曝の実態も低線
量被曝の健康影響も不明だ。生涯、検査し、安心につなげるという枠組みを崩す
ことはおかしい」と批判。今回の内容は過去4回の会合で議論していないという。
甲状腺検査などを実施する山下俊一・同県立医大の副学長は「健康を生涯にわた
り見守る方針に変化はない」と話す。(大岩ゆり)

(朝日新聞 2013年2月20日掲載)

 

<総括案>*********************

規制委員会総括案
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kenko_kanri/data/0005_01.pdf

「甲状腺検査の実施期間は、外部/内部被ばく線量の推計や過去の知見に基づく
リスク程度に基づき、対象地域や対象年齢を基に判断すべきである。」

【緊急院内セミナーのご案内】どうする? 放射線による健康被害への対応-市民・専門家による提言

日時:3月7日(木)12:30~15:30 
会場:衆議院第一議員会館 多目的ホール(190名)
                            ※12:00からロビーにて入館証を配布します。
資料代:500円

※どなたでも参加できます。

 

福島の子どもたちから新たに甲状腺がんが見つかりました。甲状腺がんと診断さ
れたのは、これで2011年度中に受診した原発周辺13市町村の3万8114人中、
3人となり、他に7人が甲状腺癌が疑いがあるとされています。福島県側はいち
早く福島原発事故との因果関係を否定。しかし、これでよいのでしょうか。

現行の福島県県民健康管理調査は、目的が「不安解消」、放射線影響は「極めて
少ない」ことが前提となっているのにくわえ、小児甲状腺がん以外の疾病がわか
るような項目となっていないこと、対象範囲が狭いこと、本人への情報開示や説
明、議論や結果の透明性や開示が十分でないことなどが指摘されています。

このたび、「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」で
は、健康管理のあり方に関する緊急提言を策定しました。
提言の内容に関して紹介し、政府との対話を行うための院内セミナーを開催しま
す。

 

★第一部 セミナー:放射線による健康被害~現状把握と対応 
12:30~14:00
(各15分くらいずつ~すべて予定)
・最新情報の共有
・国における取組/政府関係者(予定)
・県民健康管理調査の問題点/島薗進(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
・健康相談会から見えてきたもの/山田真(子どもたちを放射能から守る全国小
児科医ネットワーク代表)
・低線量被ばくの影響/崎山比早子(高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士)

<質疑応答>

 

★第二部 対話セッション 14:10~15:30
(環境省・復興庁などと交渉中)
・緊急提言の内容の紹介
・政府・専門家・市民による対話セッション

要申込:https://pro.form-mailer.jp/fms/895f73f939369
主催:放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
協力(調整中):原発事故子ども・被災者支援法 市民会議
連絡先:
放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会事務局
国際環境NGO FoE Japan/tel: 03-6907-7217(日中・昼間のみ)

2013/02/21

【監視する市民の会】原子力規制委員会傍聴報告

2月20日(水)10:30~11:30 原子力規制委員会の傍聴報告

東京電力福島第一原子力発電所原子炉施設の設置、運転等に関する事項を定める
告示(仮称)についてのパブコメ(これについては1ヶ月かけてやる)や三菱原
子燃料株式会社への燃料体検査における不適合事象に対する対応が議題でした。

 

法令で今年12月18日が期限とされている試験炉・研究炉や加工施設の新安全基準
について、そろそろ作業を始めなければという話が出てきて、その流れで、それ
よりも法令で今年7月18日期限になっているもののうち、軽水炉は進めているが、
「もんじゅ」と40年廃炉問題は手が付いていない、どうするのかという議論に。

 

田中氏は「今検討している新安全基準に付け足しでできないか」更田氏「「もん
じゅ」よりも軽水炉が優先、場合によっては7月以降にも検討が必要」田中氏
「法令の期限はあるのでなんらかのものは出さないといけないのでは」…といっ
たやりとりがありました。要は、7月にとても間に合わないけどどうしようと
いうことだと思います。結局事務方に対応の仕方について案を出して欲しいと投
げて終わりました。期限の問題は、いまパブコメ中の軽水炉の新安全基準の検討
の仕方にも影響するのではないかと思います。

 

40年廃炉問題について田中氏は、一般的にバックフィットが適用されるとか、一
律20年延長でいいのかといった話をして、昨夏に国会で40年廃炉をと言っていた
のに比べると後退していました。大学の実験炉については、学生のためにもいつ
までも止めておくわけにはいかないとも。

 

終わりがけに、島崎氏が東通原発の活断層評価について報告、田中氏は途中で遮
って中身については話さず、中村氏が、健康管理検討会について、5回で終わり
総括案について修正案を外部有識者に確認してもらっているところだと報告、次
回には勧告案が出てくるようです。次回は防災指針のパブコメの検討も予定され
ています。

 

阪上 武

原子力規制を監視する市民の会のブログはこちら

2013/02/08

【名雪事件】規制庁の原子力ムラ体質は許せない!署名提出と政府交渉の報告

2月5日10時より、名雪審議官が日本原電に敦賀原発活断層調査をめぐる公表前の文
書を渡していた問題について、緊急署名提出と政府交渉がありました。

福島みずほ議員(社民党)、平山誠議員(みどりの風)が参加されました。市民
側は、美浜の会、グリーン・アクション、原子力規制を監視する市民の会のメン
バーが参加。政府側は、原子力規制庁総務課課長補佐(総括担当)の金指壽氏が
対応しました。

署名は36時間の超緊急署名でしたが、3602筆が集まり、冒頭提出しました。その
後、名雪事件について、やりとりがありました。

◆原電は、名雪審議官と8回会ったということが新聞でも報じられています、そ
の内容について質しました。規制庁は、8回会っていたということを含めて把握
いていないし、把握するつもりもない。内規ではもっとも重い訓告の処分をくだ
しているのでその必要はないと回答しました。

◆問題の資料は原電が要求したのか、それとも名雪氏が渡したのかについては、
渡した事実を確認すれば十分だ、アポをとって審議官室で会った、資料は審議官
室にあったとの回答、もし原電側が要求し、それに対する見返りがあれば大問題
なので調べる必要があると、再三詰め寄ったのですが、回答は変わらず、再発防
止対策の検討を行っていると繰り返していました。

◆儀礼的挨拶の実態について調査したのかについては、過去について把握するす
べがないと。しかし、来客リストなど記録があるはずで、これについては資料開
示を行うことにしました。

◆名雪氏が原電と会った翌日に、不自然にも告白をしている件については、翌日
になって、儀礼的挨拶の範囲を超えたため記録が必要だと思い、記録をつくって
いるうちに資料を渡したことが問題だと認識し、告白したとの説明でした。なぜ
渡した時にそう思わなかったのでしょうか。

◆また、原電に会ったのが1月22日、23日に告白していたのに公表が2月1日と遅く
なった件については、調査と処分の決定に時間がかかった、規制委員長には適宜
報告しているとの回答、しかし一人の聞き取りに1週間もかかるはずはなく、再稼
働の新安全基準の骨子案の目処が立つのを待った疑いが残ります。

◆最後に、大飯原発の破砕帯で、規制委員会の検討が行われる直前に、地域安全
統括管理官と大飯原発規制事務所所長が関電の大飯原発所長と会っていた件につ
いて、公表されている記録では、意見交換としかなく、内容が不明である点を質
しました。これについては、検査官事務所に電話して確認することを約束しまし
た。

規制庁は、再発防止や信頼回復と繰り返し言いながら、それに不可欠なはずの今
回の名雪事件の真相解明、さらには規制庁幹部と電力幹部との秘密裏の情報交換
の実態について、解明する姿勢がまったくみられません。規制庁に対する不信を
ますます高める結果となりました。交渉後、追加の質問を出すことと、超党派の
議員で、再度の交渉を含め、継続してこの問題を取り組むことにしました。

******************

追加質問事項
・今日提出した緊急署名にある要請項目4項目について回答すること
・原電と8回会った会合について調べて公開すること
・なぜ破砕帯の未公開資料を渡したのかその理由を明らかにすること
・原電が自ら要求した語っているが真相はどうか
・儀礼的挨拶等面会の記録(来客リスト)を公開すること
・儀礼的挨拶の位置づけを明らかにすること
・大飯の意見交換について、検査官事務所に電話して確認するということだがそ
の結果について明らかにすること

**********************
規制庁の原子力ムラ体質は許せない!緊急署名

◇敦賀原発の断層調査情報提供は 原子力事業者への利益供与
◇名雪事件の真相と、規制委員会としての責任を明らかにするよう求めます
◇名雪氏が関与した再稼働のための新安全基準策定作業の中止を!
**********************

原子力規制委員会委員長 田中俊一 様

要 請 事 項

1,名雪元審議官が関与した敦賀原発の断層調査情報提供事件に関して/原子力規
制委員会として責任を明確にすること。そのために第三者機関を設置して、調査
し公表すること。

2,規制委員会・規制庁と原子力事業者との「あいさつ」「面談」について ・こ
れまでの「あいさつ」「面談」の詳細資料を公開すること。「あいさつ」も含め
て、原子力事業者との面談については詳細な議事録や録音・録画を公開し可視化
すること。

3.名雪元審議官が関与した、「地震・津波の新安全設計基準」、「再稼働の新
安全基準」骨子の策定作業を全て中止すること。 新安全基準策定等の各種検討チー
ムの委員について、利益相反が明確な委員を解任すること。批判的専門家等を採
用して議論をやり直すこと。電中研の職員・OB等の意見を参考意見として採用
することをやめること。

原子力規制を監視する市民の会
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

[署名の趣旨]
今回発覚した、名雪元審議官による日本原電への敦賀原発断層調査の情報提供は、
原子力事業者への利益供与に他なりません。中立性と独立性を謳う原子力規制委
員会の事務局でこのような事件が発覚したことは、いまだ、原子力ムラの体質が
なんら変わっていないことを端的に示すものです。

2月1日の原子力規制庁の森本次長の緊急記者会見では、今回の事件の真相は全
く明らかになっていません。規制庁は、名雪元審議官がなぜこのようなことを行
ったのかも調べず、日本原電への調査さえ行わず、名雪氏個人の「内規違反」に
とどめようとしています。他方、日本原電は同日の記者会見で、昨年12月から
名雪氏と5回「面会」したと発表していますが、その内容も闇の中です。
 このような中で、原子力事業者への利益供与は本当に今回だけだったのかとの
不審が大きくなっています。事件の真相を明らかにし、規制委員会としての責任
を明確にすべきです。今回の事件を含め、原子力事業者への利益供与等の実態を
解明するために、第三者機関を設置し、調査内容・結果を公表すべきです。

今回の事件は「儀礼的あいさつ」という名目で、しかし実態は電力会社に未公表
の資料を提供するという密室から始まりました。まず、これまでの「あいさつ」
「面談」の詳細な資料を公開するべきです。さらに、今後このような不正をなく
すためには、少なくとも、「あいさつ」も含めた原子力事業者との面談について
は詳細な議事録や録音・録画の公開等で可視化し、社会的監視が実行できるよう
にするべきです。
規制委員会ホームページに掲載されている「面談」資料では、内容が全く分かり
ません。例えば、1月16日14時から行われた大飯原発断層調査の第3回評価
会合直前の、13時20分から、大飯原発内で大飯発電所長との面談を行い、
「各電所で行われている破砕帯等調査について意見交換を行った」とだけ記載さ
れています(※1)。これでは面談の内容が確認できません。

さらに、名雪氏は、大飯・敦賀・東通の活断層調査、地震・津波の新安全基準策
定に直接関与し、審議官という重責にありました。1月22日に情報提供を行い、
そのことを翌日23日には規制庁が把握していながら、事件の公表は10日後の
2月1日です。これは、再稼働のための新安全基準骨子案の議論を済ませてしま
うまで、意図的に事件の公表を遅らせたとしか考えられません。名雪氏が基準骨
子案の策定に関与し、規制庁としてそのことを隠蔽してきたことからして、新安
全基準の策定作業は全て中止すべきです。6日の原子力規制委員会本会議で、
「地震・津波の新安全設計基準」と「再稼働の新安全基準」の骨子案を確定し、
わずか2週間のパブコメを実施しようとしています。骨子の策定作業を全て中止
すべきです。

また、新安全基準策定等の各種検討チーム等の委員について、利益相反が明確な
委員を解任し、批判的専門家等を採用して議論をやり直すべきです。電中研(電
力中央研究所)の職員・OB等の意見を参考意見として採用することもやめるべ
きです。

(※1)

http://www.nsr.go.jp/disclosure/meeting_operator/data/20130116_01giji.pdf

2013/02/02

【尿検査パンフレット】新たに90件のデータ、ハウスダスト調査結果も含め Vol.3発行

シリーズ - 子どもたちの尿検査から見えて来たもの Vol.3  のご案内

フクロウの会で継続している子どもたちの尿検査結果や、それを通して見えてきた内部被ばくをめぐる問題について、新たなパンフレットを発行しました。

前編以降、新たに検査した約90件近くの尿検査データに加え、2011年11月、2012年11月と2回にわたり継続調査したハウスダスト分析の結果も含んでいます。

 

Vol3_2シリーズ - 子どもたちの尿検査から見えて来たもの Vol.3
福島県「健康管理調査」で子どもたちの健康は守れない
継続検査で内部被ばく低減を
2013年1月28日
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)発行
A4版 全45ぺージ カンパ500円

※入手ご希望の方には1部500円+送料実費でお送りします。

パンフレット(第3編)希望と書いて、冊数、送付先(郵便番号、住所)、氏名をこちらまでメールして下さい。代金は振り込み用紙を同封しますので受け取り後振り込んで下さい。

尚、2012年4月発行の続編、2011年11月発行の初編もあります。私たちの尿検査の目的、続けるなかで新たに判明したことなどの全体像を理解するうえでは初編、続編を合わせてお読みいただくことを薦めます。
ご希望の方はそれぞれ「続編」「初編」と書いて同様に申し込んで下さい。

 

********** 「はじめに」より抜粋 ***********

本パンフレットは、「福島の子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2011年11月発行)、「続・子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2012年4月発行)に続く第3弾です。私達はこのパンフレットを継続して発行する必要があると考え、今回、シリーズとして第3部を発行することにしました。

 

 (中略)

 

事故後、私達の目の前で起こっている被ばく状況に対して何か私達でできることはないか、という思いからスタートした尿検査ですが、それを継続することで、具体的に問題を考えることができます。

 

チェルノブイリ事故後の実態と比べて今の福島の状況はどうなのか。チェルノブイリ事故後のベラルーシやウクライナでの健康被害の実態はどのようなものか。チェルノブイリ事故後、IAEAやWHOはどのようにふるまってきたのか。そして福島原発事故後、日本政府や福島県、IAEA、WHOはどのようにふるまっているのか。

 

自ら測定することは、放射能による健康被害の問題を考え行動する上で、さまざまな資料やデータ、書物を読み解き、それらを理解し、今の日本の状況を考える上で、とても大事な導きの糸となっていることを実感しています。このことをより多くの人々に共有していただき理解してもらうために、本パンフレットを発行することにしました。

 

================ 目 次 ===============

はじめに 削除された議事録-密室で何が話されていたのか

第1章 うやむやにされた内部被ばく調査と尿検査 

第2章 福島県の健康管理調査では原発事故被災者の健康は守れない

第3章 定期的な尿検査で子どもたちの内部被ばくの低減

第4章 吸入にも注意-ハウスダスト検査から見えてきたもの

第5章 内部被ばくは何をもたらすか-子どもたちの内部被ばくレベル

第6章 測定することで分かって来た尿検査の有意性 

資料-1 尿検査結果一覧表(2012年2月27日~12月28日検査分)
資料-2 ハウスダスト検査結果一覧表(2012年11月実施分)
資料―3 MONDAL3を用いたWBC、尿検査の検出限界比較

========================================

■初編 「福島の子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2011年11月発行)の紹介ページはこちら

■続編 「続・子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2012年4月発行)の紹介ページはこちら

 

 

【規制庁監視】監視する市民の会・新安全基準プロジェクトによる記者会見

【記者会見報告】原子力規制を監視する市民の会・新安全基準プロジェクトによる記者会見

2月1日午後、衆議院議員会館において、原子力規制を監視する市民の会新安全基
準監視プロジェクトにより、原子力規制委員会の新安全基準検討チームによる骨
子案と検討のあり方について批判する記者会見が行われました。

 

新安全基準監視プロジェクトについてはこちら

 

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まず、監視する市民の会として阪上から、当日発出した声明に即し、検討が余り
に拙速であること、原子力関係者だけで検討しており、批判的な専門家が排除さ
れ、住民や被災者の意見を聞く場もないこと、一方で電力からのヒアリングは実
施し、便宜を図っていること、内容的にも、格納容器の設計上の欠陥について検
討がないこと、時間のかかる恒久施設は後回しで、すぐにできる可搬施設で再稼
働を許すものになっていること、それが役に立たないことは電力自身が吐露して
いること、放射能放出が避けられない「ベント」を対策の要に使おうとしている
こと、特定安全施設はテロ対策とし、肝心の地震や津波に対応することを求めて
いないことなど、総じて、再稼働については、大飯原発の再稼働時と同様に、付
け焼き刃的な対応でよしとしている点に問題があるとの指摘がありました。

 

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続いて元ストレステスト意見聴取会委員で東大名誉教授の井野博満さんから、可
搬施設による対応の批判、そして、外部電源の信頼性を高めるために、送電設備
についても耐震性を上げるべきであるとの指摘がなされました。

元東芝の原子力技術者でやはりストレステスト意見聴取会委員であった後藤政志
さんからは、格納容器の構造上の欠陥が事故を引き起こした可能性があるのに、
これに手をつけないことは問題であること、航空機衝突などで、確率論で逃げる
ようなやり方は許されないとの指摘がありました。

青木弁護士からは、立地審査指針の見直しの必要性、単一故障の前提では不十分
であり、共通要因故障を前提とした設計にすべきだとの指摘がありました。

原子力規制委員会の検討チームの外部有識者に利益相反が問題となる学者が含ま
れており、実際に電力会社に有利な発言をしている点について、杉原さんから指
摘がありました。

 

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会見場には報道関係、また監視する市民の会新安全基準監視プロジェクトの専門
アドバイザーを含め30名ほどが詰めかけました。

最後に、来週以降予定されているパブリックコメントについて、各所から批判的
な意見を集中し、拙速な検討にストップをかけようという呼びかけがなされまし
た。

以下に、監視する市民の会による声明を付けます。

阪上 武

 

*******************************

2013年2月1日
原発「新安全基準」の検討について[声明]
原子力規制を監視する市民の会

 

【声明】「原発『新安全基準』の検討について」をダウンロード

 

 

 原子力規制委員会は、「発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム」
等において、原発「新安全基準」の策定作業を急いでおり、昨日には骨子案を固
めた。来週にも2週間という非常に短い期限のパブリックコメント実施が予定され
ている。
 「新安全基準」は、原発再稼働の前提となるものであり、住民や一般市民の命
や生活に関わる非常に重要なものだ。しかし、利益相反が問題となっている学者
や原子力関係者の非常に限られた数人の間だけで検討され、しかも議論が煮えき
らないうちに議事を次々と進め、結論を急いでいる。「本来5年はかかる」(更田
委員)ものをほんの数ヶ月の検討で骨子案をまとめるという強行スケジュールだ。
骨子を急ぐのは、電力会社が改造工事にとりかかれるようにする措置ともいわれ
る。現に東電などは、柏崎刈羽原発において、フィルタ付ベントの工事を進めて
いる。
 検討の過程で批判的な専門家は排除されており、住民や福島原発の被災者から
のヒアリングもない。その一方で、電力会社からのヒアリングだけは実施し、実
質的な事前審査の場となった。問題が配られる前に、答え合わせするというサー
ビスぶりだ。このような検討のやり方は直ちに改めるべきだ。また、私たちが住
民への説明会を求めると、原子力規制庁から、議員には説明するが市民に説明す
るつもりはない旨の回答があった。許されざる姿勢だ。原子力規制委員会・規制
庁は説明責任すら果たしていない。
 骨子案の中身についても問題だらけだ、福島原発事故の検証が不十分な状況で、
設計には手をつけず、シビアアクシデントに対しては、移動式(可搬式)の施設
による対応で再稼働を許すなど、大飯原発の再稼働のときと同様に、時間のかか
る方策を後回しとし、電力会社に都合がいいものとなっている。
 福島原発事故における格納容器の破損状況が不明な状況で、特に沸騰水型原子
炉の格納容器について、容量、強度が小さい、圧力抑制プールの容量が小さいな
ど、事故以前から指摘されていた設計上の構造的欠陥について、検討の対象にす
らしていない。
 特定安全施設については、航空機テロ対策とされ、肝心の地震・津波への対応
は、目的から外された。事故時にすぐに必要な高圧注水系はなし、耐震も本体並
みということになってしまった。原子炉本体から100メートル以上離すことにより、
配管が長くなり、地震・津波時には全く使えないおそれもある。しかもこの施設
の設置は後々でよいという。福島原発事故の教訓はどこへいったのか。
 地震・津波は原則可搬施設で対応するというが、可搬式の冷却装置などは接続
に10時間もかかり、役に立たないことは、ヒアリングの際に電力会社自身が吐露
している。委員からも何度も指摘があったが無視されている。
 フィルタ付ベントについて、電力会社はベントの効果を強調する。ベントは圧
力、熱、水素を逃がす上で都合のいい装置かもしれない。しかし、本来穴があっ
てはならない格納容器にわざわざ穴を開けるもので、フィルターをつけたところ
で、放射能の大量は避けられないものだ。設置したとしても、これに期待するよ
うな対策であってはならない。
 新安全基準については、以下に具体的に挙げるように、その検討のあり方につ
いても中身についても問題があり、検討を一からやり直すべきである。

 

1.検討の進め方があまりに拙速である。一旦検討を止め、検討状況や論点につ
いて説明の場をもち、時間をかけて広く専門家および国民の意見を聞く機会を設
けて検討すべきである。

 

2.利益相反が問題となっている専門家を外部有識者から解任すべきである。検
討チームのほぼ全員を原子力関係者と利益相反が問題となる専門家で占めている
という状況は問題があることから、構成メンバーを見直すべきである。

 

3.新安全基準の検討の前提となる福島原発事故の検証が不十分であることから、
基準の策定よりも、地震による影響、溶融燃料の状況、格納容器破損の状況など
を把握し、事故の全容を解明することを優先すべきである。

 

4.格納容器の大きさや強度、圧力抑制プールの容量などについて、設計変更の
必要性についても検討すべきである。

 

5.従来の設計事象だけでなく、シビアアクシデントについても、設計事象に含
め、設計基準として対処してすべきである。

 

6.可搬施設は、接続に時間がかかる、地盤の変形により移動ができなくなる可
能性がある、地震や高線量下で作業が困難となる可能性がある等の問題があるこ
とから、代替設備については恒久施設を必須とし、更に信頼性を向上させるため
に可搬施設を要求すべきである。

 

7.フィルタ付ベントについて、これの使用は放射能の大量放出を伴うことから、
これを使わないことを前提に事故対応をさせるべきである。

 

8.特定安全施設については、地震・津波への対応について検討し直すべきであ
る。耐震性が本体施設と同等では意味がない。

 

9.福島原発事故レベルの事故だけではなく、それを超える事故についても想定
すべきである。シビアアクシデントの六大事故について、全電源喪失下での冷却
剤喪失事故など、同時に複数の事故が進行する可能性についても考慮すべきであ
る。

 

10.火災対策について、可燃性ケーブルの使用状況を確認し、使用の疑いがあれ
ば直ちに運転を止めさせるべきである。

 

11.多重性について、平成2年以前の炉に対して多重性の不備を容認する例外規
定を外し、稼働中の大飯3・4号機については、直ちに対処させるべきである。

 

12.外部電源の信頼性確保のため、変電所や送電線設備の耐震クラスをクラス1に
引き上げ、変電所の耐震性や送電線鉄塔の地盤変形による倒壊の可能性について
も確認すべきである。

 

13.現行の指針の原則となっている単一故障の想定では不十分である。共通要因
故障の想定を原則に対策をとらせるべきである。

 

14.立地審査指針について、具体化した上で法制化を検討すべきである。集団被
ばく線量を放出放射能の総量で置き換えるようなことはやめるべきである。

 

連絡先 090-8116-7155 阪上(原子力規制を監視する市民の会)

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