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2014/02/27

【汚染水問題】福島原発汚染水対策WGからみえる状況

来週3月4日13時~参議院議員会館にて汚染水と再稼働で政府交渉があります。よろしくお願いいたします。

汚染水問題について24日に開かれた原子力規制委員会の汚染水対策WG(ワーキンググループ)をネット傍聴しましたので感想を含めて報告します。
汚染水対策WG資料


福島第一原発・汚染水対策WGからみえる状況
2014年2月27日
阪上 武(福島老朽原発を考える会)


◆H6タンクから100トン(全ベータ約23兆ベクレル)の漏えい
・H6タンクからの漏えいについては、報道されているように、人為的な弁操作がなされていました。別のEタンクへ汚染水を移送中に、汚染水をH6の既に満水状態だったタンクへ流す弁操作が行われ、発覚前に戻す操作が行われていました。

・東電は作業員らにヒアリングを行っていますが、いまのところ弁操作を行った人は特定できず、意図的に行われたのか、ミスによるものかも不明です。

・汚染水WGでは、その場合でも、100トンもの大規模な漏えいは防げたはずだとして、①警報がなったのにポンプを止めず、警報の誤作動と判断したこと、②移送先の水位が上がっていないことを確認してポンプを止めていれば漏えい拡大は防げたのではないか、③弁が三重になっているうち二つは常に開けていたこと、などが問題になりました。他に、漏れていた時期に行われた弁にタグを付ける作業との関係についても質問がでました。

・①の警報がなったのに対処できなかった件については、移送元でも移送先でもないタンクの警報だった、14時の警報後、15時と15時半に見回りをしたが、漏えいは見つからなかったので警報の誤作動と判断した、との回答でした。これに対して、規制庁側からは、タンクの周辺だけではなく、上部もみていれば見つかったのではないかという指摘がありました。

・警報が鳴ったのにポンプが止まらなかった件については、東電から、タンクは、まず95%で最初の警報が鳴り、ポンプは自動的に止まる、その後、手動でさらに継ぎ足し、98%で次の警報が出る手前まで汚染水を入れる運用をしていたという説明がありました。今回は98%の警報が出たのですが、この警報ではポンプは自動的に止まるようにはなっていなかったとのことです。それだけタンクが逼迫していた時期があったということです。規制庁は95%での運用はできないのかと指摘していました。

・②の移送先の水位監視ですが、水位が上がりすぎたらポンプを止めるという監視しかしておらず、水位が上がらない場合の対処はなかったという回答でした。

・③の弁の運用については、弁が一つのタンクもあり、移送作業の効率を考えて、三重のものも2つは開けて、1つの操作で済むように運用していたとの回答でした。

・WGでは、最後に、更田委員が東電に対し、リソース(人的資源)は足りているかと質問する場面がありました。東電は、タンクについては人員は足りているが、福島事故以降緊急状態がずっと続いていると述べました。他では足りていないところもあるとも。大変な状況での作業が続いており、人員は足りていないのではないでしょうか。分社化を控え、柏崎刈羽にも人を割かなければならず、それをはっきりと言えないのだと思います。国が乗り出すというのであれば、国の管理下において、作業者を公務員にして身分と給料を補償して必要な人員を確保するようにすべきだと思います。

・この場面で更田委員は、何かあったらきちんと悲鳴を上げて欲しいなどとと言っていましたが、問題は規制委・規制庁側にあるのではないでしょうか。国が乗り出すといいながら、作業はすべて東電任せで、たまに開くWGで上から注文をつけるだけです。リソースが足りていないのは規制委・規制庁の側です。そもそも再稼働の適合性審査できゅうきゅうの更田委員がこのWGを仕切っていることも問題です。汚染水問題だけで頭をつかう委員が誰もいないのです。再稼働審査を中断して、規制委・規制庁のリソースを汚染水問題に投入すべきだと思います。


◆護岸付近の汚染状況

・特に1・2号機のタービン建屋より海側護岸の地下水で、非常に高い放射能濃度が続いています。1-16という地下水の測定点では、11月くらいから上がりはじめ、12月に全ベータで1リットルあたり100万ベクレル、正月あけに200万ベクレル、2月には300万ベクレルとなっています。他の測定点でもトリチウムの値が上がり続けているところがあります。

・東電はここを水ガラス(土を科学的に固めて壁にする)で囲み、アスファルトで覆う作業を続けています。しかしその外側の北側でも、トリチウム濃度が上がっているところがあります。

・汚染源は、地下のトレンチに事故時にたまった超高濃度の汚染水だと言われています。6千トンあるとのことです。これがタービン建屋とつながっており、あらたな汚染水が供給されている可能性もあるということです。これに対処するために、いま、トレンチにコンクリートを流して漏れを止める作業と、タービン建屋との接続部を氷で塞ぐという作業が行われています。

・東電は、1~4号機の海側に遮水壁をつくり、間を埋め立てる作業もしています。もう4号機側を少し残すだけとなっていますが、2~4号機では、地下水が水ガラスの上端よりも高く、水ガラスを乗り越えて海に注いでいるため、完全にふさいで埋め立ててしまうわけにはいかないという状況になっています。シルトフェンスを通していますが、これでは十分に除去できません。

・最終的には6千トンの超高濃度汚染水を汲み上げるということですが、これをそのままタンクに入れてしまうと、周辺の空間線量が上がってしまう(それほどの濃度!)ので、即アルプスにかけなければいけない、しかしアルプスの能力が耐えられるのかどうか、という議論が行われています。アルプスについては福島での別の会合で4つの核種で、濃度基準をクリアできないという報告もあります。


◆ストロンチウムと全ベータの放射能測定値が誤っていた件
・全ベータ線の放射能の内訳は、ストロンチウムとイットリウムが約1:1(定常状態)という関係ですので、全ベータの約半分がストロンチウムになるのが自然です。ところが昨年6月以降、ストロンチウムの値が全ベータよりも大きくなる逆転現象がおきるようになったということです。どちらかの値が誤っていることになります。

・結論的には試料によっては、どちらの側にも誤りがありました。ストロンチウムについては、5・6号機の試験室で行われた測定値に誤りがありました。全ベータについては、濃度が高い試料について、放射線の数え落としにより過小評価が出ることがあったということです。これらが明らかになったのは今年2月になってからのことです。全ベータの誤りは、濃度を下げてから測るようになった昨年10月までは可能性があったということです。

・ところが、東電は、原因がわかる前から、一方的にストロンチウムの測定だけに誤りがあると決めつけ、逆転現象がみつかって以降は、値が小さい、全ベータの値しか公表しませんでした。

・8月に測定した地下水のデータで、ストロンチウム1リットルあたり500万ベクレル、全ベータ90万ベクレルというものがありました。東電は全ベータの90万ベクレルしか公表していませんでした。しかし実際には、ストロンチウムの値が正しく、ストロンチウムが500万ベクレル、よって全ベータは1000万ベクレルだったのです。およそ10分の1の過小評価でした。

・8月19日には、大問題になった300トンのH4タンクからの汚染水漏れが発覚していますが、このときの測定値も間違っていました。これは汚染水WGの後に報道されていますが、漏えいした水の測定値が、当時1リットルあたり8000万ベクレルと公表されましたが、実際にはこれの10倍の8億ベクレルだったということです。300トンでは、240兆ベクレルとなります。

・この300トンの汚染水については、8月23日にタンク内の汚染水も測定されています。当時2億ベクレルと発表されていましたが、汚染水WGの資料によると、後に3億2千万ベクレルに訂正されたようです。これがもし本当は10倍だったということになればとてつもない数値になります。

・タンクからの汚染水は、溝を通って直接湾外に出ます。広島原爆で放出されたストロンチウムよりも遙かに多い量が放出されたのです。安倍首相の「ブロックされている発言」について、改めて問題にしたいですね。

以上

2014/02/24

3/4【政府交渉】福島第一原発の汚染水と原発再稼働問題で政府交渉を行います!どなたでもご参加できます!

みなさまへ


3月4日に汚染水と原発再稼働をテーマに政府交渉を行います。



福島第一原発の汚染水は深刻な状況が続いています。タンクからの漏えいが絶えず、護岸の地下水の放射能濃度も上昇を続けています。放射能測定のミスが指摘されていますが、測定も原因究明も東電任せの状況が続き、原子力規制委員会は再稼働審査にどっぷりつかっています。一方で経産省側の委員会では、処理水の意図的な放出について検討が続いています。

政府交渉では、汚染水の深刻な現状を明らかにするとともに、東電任せではなく、国が直接的に対応に動くよう、放射能の放出によりこれ以上海洋汚染を進めることがないよう、求めていきたいと思います。汚染水国際署名の提出も行います。

また、原発再稼働審査については、再稼働審査よりも汚染水対策を優先するように求めながら、新規制基準において、汚染水事故の想定がないこと、地震動の二重基準の問題が未解決であることや解析のチェックが行われていないこと、十分な防災計画が立てられない状況あることから、とても審査を終える状況にはないことを明らかにしていきたいと思います。

交渉にはどなたでも参加できます。是非ご参加ください!


<汚染水と原発再稼働問題についての政府交渉>
◆3月4日(火)13:00~15:40
   事前集会 13:00~14:00
   政府交渉 14:10~15:40
◆参議院議員会館B109(12:30~ロビーで通行証配布)
◆資料代:500円
◆呼びかけ:グリーン・アクション/FoE Japan/グリーンピース・ジャパン
 おおい原発止めよう裁判の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
 /原子力規制を監視する市民の会/福島老朽原発を考える会
◆問合せ:090-8116-7155(阪上)


提出している質問事項は以下です(PDFファイル)

「政府交渉質問事項」をダウンロード

2014/02/20

【FoEが緊急声明】 安全神話の押し付けに懸念:政府発表の「帰還に向けた放射線リスクコミュニケーション」

FoE Japanの満田です。
昨日、復興庁などの11の省庁が、帰還に向けた放射線リスクコミュニケーション
に関する施策パッケージを発表しました。

http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/20140217175933.html

これは、「不安」を払しょくすることを目的に新たな放射線の安全神話を構築し
ようというもので、ここに予算を投入し、帰還促進に舵を切っています。

地域の実情に応じたキメ細かな情報普及に力を入れるということで、地元の人材
を活用し、一対一や車座による「リスク・コミュニケーション」を強化すること
が書かれています。日本版の官制エートス運動とも呼べるものです。

さらに初等教育にまで徹底して、放射能安全教育をやろうとしています。

マスコミはこれに無批判なままです。

OurPlanetTVの報道では、福島の地元紙の記者が、「これによって、被ばくを我
慢しろというのか」「健康への不安を抱えて生きるのはバカだと言いたいのか」
と追及したそうです。このような記者がまだいることに一抹の希望を感じます
(批判的な記事を書いてくれたのであればよいのですが…)

FoE Japanは下記の緊急声明を発表しました。
ぜひ広めていただければ幸いです。

--------------------------------------------
【緊急声明】 安全神話の押し付けに懸念:
政府発表の「帰還に向けた放射線リスクコミュニケーション」と
「放射線リスクに対する基礎的情報」に問題提起

http://www.foejapan.org/energy/news/140219.html
--------------------------------------------
2014年2月19日
>PDF版はこちら

http://www.foejapan.org/energy/news/pdf/140219.pdf

2月18日、復興庁など関連省庁は、「帰還に向けた放射線リスクコミュニケーショ
ンに関する施策パッケージ」 (※1)を発表。早期帰還促進に向け、住民の放射
能に対する不安をやわらげるため、きめ細かな情報発信を図っていくとしました。
このため、2014年度予算案に数十億円を計上しています。

また、あわせて、リスク・コミュニケーションを行う際のツールとして、「放射
線に関する最新の知見をわかりやすく盛り込んだ」とする「放射線リスクに対す
る基礎的情報」を発表しました。

しかし、この「施策パッケージ」および「放射線リスクに対する基礎的情報」に
は下記のように大きな問題があります。

1.「帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッケージ」
①「帰還」を前提としたものであることはおかしい。避難し続ける選択肢も尊重
されるべきであり、どちらを選択しても、住民への経済的・社会的支援が保障さ
れるべき 。(※2)

②「不安払しょく」を目的としている情報発信が主体。放射線リスクに不確実性
が伴うことが国際的な通説であるのに、低線量被ばくのリスクはない、もしくは
気にする必要がないという考え方を押しつけていることは問題である。

③被ばく管理の責任を個人に負わせるべきではない。「個人線量計」配布自体は
有意義であるが、そのことにより「帰還」を促進すべきではない。個人の行動は
千差万別であり、放射線に対する感受性もさまざまであることに留意すべきであ
る。
「場の線量」は依然として重要であり、「場の線量」が下がるまで帰還を促進す
べきではない。国連人権理事会の特別報告者アナンド・グローバー氏は、「「健
康に対する負の影響の可能性に鑑みて、避難者は可能な限り、年1mSvを下回って
から帰還が推奨されるべき。避難者が、帰還するか留まるか自ら判断できるよう
に、政府は賠償および支援を供与し続けるべきである」(※3) という勧告を
行っているが、これを重く受け止めるべき。

2.冊子「放射線リスクに対する基礎的情報」
①以下を含む、放射線被ばくのリスクに関する多くの重要な情報が記載されてい
ない、もしくは無視されている。
・子どもの放射線の感受性の高さ。
・個人により感受性が違うこと。
・従来の放射線防護の政策と規制。例えば、放射線管理区域(3か月で1.3mSv)
における規制の内容とその意味。

②放射線リスクを示唆する情報が、掲載されていない。
たとえば、p.10でWHOの「2011年東日本大震災後の原発事故に関する予備的被ば
く線量推計に基づく健康リスクアセスメント」を紹介しているが、同報告におい
て、「最も汚染が高い地域」「その次に汚染が高い地域」における癌のリスク増
加を数値評価しているが、これについてはまったく触れていない 。(※4)

③根拠が公開されていないUNSCEARレポートを前面に出している。  
2013年10年に国連に提出されたUNSCEARレポートの「将来にも被ばくによる健康
影響の増加が認められる見込みはない」とする結論のみが紹介されているが、こ
のレポートの根拠となるデータは公開されていない 。(※5)

④医療被ばくとの比較、生活習慣や飲酒などとのがんリスクと比較しているが、
非常にミスリーディングである。そもそも個人でコントロールできる習慣と、現
在、住民が置かれている、個人には何のメリットも生み出さない、強いられた被
ばくを比較することはおかしい。

⑤チェルノブイリ原発事故の影響については、小児甲状腺癌の影響以外について、
UNSCEARやIAEAは「放射線被曝を起因とする公衆衛生上の大きな影響があったと
いう証拠はない」としているが、基本的にはこの見解を単純化してくれかえして
いる。

しかし、UNSCEAR等のこの見解に対しては、ベラルーシとウクライナからは、
「UNSCAERは当事国の科学者のロシア語やウクライナ語による膨大な報告を無視
したり、解釈を歪曲したりしている」というUNSCEARの報告書に対する強い批判
がなされた 。(※6)

チェルノブイリ原発事故後、甲状腺がん以外にも、甲状腺機能低下、白内障、心
臓や血管の疾患、免疫・内分泌の障害、糖尿病など、子どもたちの疾患が増加し、
現場の医師たちから警告の声が発し、またウクライナ政府が公式に報告書を発表
するなど、多くの研究や報告がある。

本冊子ではこのような状況をまったく無視している。

3.結論
政府は、被ばくリスクに関する安全神話を押し付けるべきではなく、現在、避難
を継続している住民の方々および帰還を選択された住民双方に対して、「原発事
故・子ども被災者支援法」に基づく十分な支援を行うべきである。

以 上

※1)復興庁 帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッ
ケージ(2014年2月18日発表)

http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/20140217175933.h
tml

※2)現在のところ、避難区域解除後、一定期間後に賠償は打ち切られ、避難継
続への支援は主として帰還困難区域のみなど限定的である。
※3) 「到達可能な最高水準の身体、及び精神の健康を享受する権利に関する
調査報告書」(2013年5月、国連人権理事会に報告)
※4)最も汚染が高い地域」で固形ガン全体では小児期に被曝した女性ではリス
クが約4%増加、「次に汚染が高い地域」ではリスク増加はその半分等と評価し
ている。

http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2013/fukushima_report_20130228/
en/index.html

※5)国連科学委員会(UNSCEAR)に対する声明(2013年10月24 日):「日本の
市民社会は、国連科学委員会の福島報告の見直しを求める」
ヒューマンライツ・ナウ、 FoE Japan など。

http://hrn.or.jp/activity/topic/post-235/

※6)吉田由布子「チェルノブイリの文献紹介と解説~『チェルノブイリ-今も
続く惨事』(国連人道問題調整事務所、2000年)~」 2014 年 1 月「『市民研
通信』 第 22 号」

◎関連記事
巨額投入の日本版官制エートス?
…放射線リスク、国が初の冊子 避難住民の不安軽減へ(避難の権利ブログへ)

http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-12a9.html

※関連報道:
放射線リスク、国が初の冊子 避難住民の不安軽減へ
朝日新聞デジタル:2014年2月18日18時50分

http://digital.asahi.com/articles/ASG2K6TZYG2KUTIL066.html?iref=comkiji_txt_
end_s_kjid_ASG2K6TZYG2KUTIL066

「日本版エートス」本格始動へ~帰還促進に向けリスコミ強化
OurPlanet-TV 2014年2月18日

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1729

ぜひご一読を。

<問い合わせ先>
国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
満田夏花/090-6142-1807
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203
tel: 03-6907-7217 fax: 03-6907-7219

2014/02/15

原発再稼働審査…重大事故時に基準が禁じる水素爆轟(ばくごう)が起こる可能性あり!

1月29日に行われた原子力規制庁との交渉で、原発の再稼働審査において、原発重大事故の際に、新規制基準が禁じている「水素爆轟(ばくごう)」が生じる危険性があることが明らかになりました。交渉後の追加質問の回答を含めて以下にまとめました。



******************************
原発重大事故評価において「水素爆轟(ばくごう)」の可能性否定できず
JNESによるクロスチェック解析の実施を
-1月29日交渉及び再質問への2月5日回答を踏まえて-

 重大事故の有効性評価において原発新規制基準は、炉心溶融により発生する水素によって、格納容器内の水素濃度が、水素爆轟(ばくごう)の恐れのある13%を超えないことを要求している。しかし、大飯原発や玄海原発の申請書では、水素濃度が12.8%に至る解析結果が出ており、水素爆轟の基準に肉薄している。しかも解析で用いられている解析コードは、ただ一組(MAAPとGOTHIC)が使われているだけで、不確かさが考慮されておらず、JNES(原子力安全基盤機構)によるクロスチェック解析も実施されていない。

 解析コードの不確かさについては、適合性審査会合(第29回2013年10月8日)の場で、更田委員も「これだけ不確かさの大きなシーケンスを追っているときに、一例を捉えて13%に達しないという結論が得られましたと言われても」と述べ、関西電力浦田氏は「非常に不確定性の大きな事象になっております。それは十分承知をしておりまして、一つのツールとしてMAAPを使った解析の結果、13%に至ることはなかったということで、すべての蓋然性をもってそれが担保されるというつもりはございません」と回答している。

 1月29日の規制庁交渉の場で、市民側の専門家から、事業者ヒアリングに提出された資料から、GOTHICの不確かさは約2.4%とする文書が提示され、水素濃度の評価値12.8%の2.4%は、約0.31%であり、この不確かさを考慮すれば、水素濃度の評価値は最大で約13.1%になり、水素爆轟(ばくごう)の基準を超えるとの指摘があった。

 交渉の場で規制庁は、検討中と繰り返すだけで、この指摘に対する回答はなく、追加質問を行った。クロスチェック解析については、これまでも実施したりしなかったりで、必要が認められたら実施するという回答であった。今回は重大事故についてはじめての評価であることやJNES側で解析コードの整備を行っていることからも実施して当然であり、この点についても追加質問を行った。

 回答は、「審査にあたっては、JNESや国際的な知見等も踏まえ検証を行っているところであり、その判断をする上で、必要に応じ解析を実施することとしています。これらについては、現在審査中であり、個別の状況について申し上げることは差し控えさせていただきます。」というものだった。これで水素爆轟(ばくごう)の恐れを払拭することはとうていできない。審査は基準に不適合とすべきである。

 交渉では、水素濃度が13%未満であっても、爆発的な燃焼(爆燃)は発生しうるが、申請書では、水素燃焼による静的な圧力変化しか検討されていない点についても問題にした。明確な回答がなかったため、爆発による動的な影響評価について実施させるつもりはあるのかと追加質問したが、基準の文言を繰り返すだけで、回答はなかった。

2014/02/13 1月29日政府交渉連絡先団体
グリーン・アクション/美浜の会/原子力規制を監視する市民の会
[新宿区下宮比町3-12明成ビル302 TEL:03-5225-7213 FAX:03-5225-7214]

2014/02/05

【第4弾発行しました】パンフレット-シリーズ「子どもたちの尿検査から見えてきたもの」Vol.4

お待たせしました!パンフレットの第4弾が出来上がりました。

フクロウの会で継続している子どもたちの尿検査やそれを通して見えてきた内部被ばくをめぐる問題についてまとめたものです。

 

前編に引き続き、新たに検査した約90件近くの尿検査データに加え、継続調査しているハウスダスト分析の他、今回あらたに衣類の汚染状況やその評価なども含んでいます。また福島県健康管理調査の問題点や課題、「除染から帰還」の動きが進む中で、福島周辺の汚染状況の実態をどうとらえれば良いかなど関連の報告を含んでいます。

Vol4r_2シリーズ - 子どもたちの尿検査から見えて来たもの Vol.4
低線量被ばくによる健康被害を防ぐために
予防原則にたった健康管理体制の充実を
2014年1月31日発行
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)発行
A4版 全39ぺージ カンパ500円

※入手ご希望の方には1部500円+送料実費でお送りします。

 

パンフレット(第4編)希望と書いて、冊数、送付先(郵便番号、住所)、氏名をこちらまでメールして下さい。代金は振り込み用紙を同封しますので受け取り後振り込んで下さい。

 

私たちの尿検査の目的、続けるなかで新たに判明したことなどの全体像を理解するうえでは初編(2011年11月発行)、続編(2012年4月)、第3編(2013年1月)を合わせてお読みいただくことを薦めます。ご希望の方はそれぞれ「続編」「初編」「第3編」と書いて同様に申し込んで下さい。

 

********** 「はじめに」より抜粋 ***********

 一連のパンフレットを見ていただければ判るように、これらのパンフレットは測定結果やデータを並べたものではありません。私達が行ってきたさまざまな測定活動は、人々、特に子どもたちの被ばくを最少化するための取り組みの一環です。測ることは実態を知るための手段です。被ばくを最少化し健康被害を予防するための手段なのです。このパンフレットは被ばく被害を最少化するための私達の活動報告となっています。

 ・・・

 政府、行政の施策を監視するために、住民の被ばく最少化の視点で市民自らが測定をすること、測定することで生まれた疑問に応えるために調査し研究すること、調査研究をもとに政府や行政に要請や交渉を行うこと、これらは政府や行政が目先の経済的利益や利権のための施策ではなく住民の健康被害防止のための施策をとらせるための、私達の活動の重要なサイクルとなっています。
このパンフレットが福島原発事故による健康被害を最少化し将来の健康被害を最少化する一助になること、そして再びこうした深刻な事故を引き起こさせないため、すべての原発を廃炉にする取り組みの一助になることを願っています。

 

================ 目 次 ===============
はじめに
第1章 福島県「県民健康管理調査」の現状と課題 
第2章  「特定避難勧奨地点指定」を外された伊達市の実態
コラム「衣服の汚染状況を調査する」   
第3章 吸入による内部被ばくに注意-各地のハウスダスト汚染の実態
第4章 長期にわたる放射能汚染と向き合うために-尿検査の重要性

 

資料-1 注目に値する津田敏秀岡山大学教授の警告   
資料-2 各地のハウスダスト測定結果
資料-3 衣服の汚染による外部被ばく線量の推計   
資料―4 尿検査結果一覧表(2013年1月~12月)

=======================================

 

初編 「福島の子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2011年11月発行)の紹介ページはこちら

続編 「続・子どもたちの尿検査から見えてきたもの」(2012年4月発行)の紹介ページはこちら

第3編「シリーズ-子どもたちの尿検査から見えて来たものVol.3」(2013年1月発行)の紹介ページはこちら

 

 

 

 

 

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