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2014/08/29

【賛同急募】緊急要請:火山検討チームへ>川内原発火山審査は白紙に!

<緊急>みなさまへ<拡散希望>

 

賛同急募【緊急要請】川内原発火山審査は白紙に!
<緊急要請書全文> 
緊急要請全文(pdf版)をダウンロード

 

<団体・個人賛同署名フォーム>http://nazr.in/Cvn

 

原子力規制委員会は火山の専門家を集めて検討チームを設置し、第一回の会合が
8月25日に開かれました。その中で、東大名誉教授で火山噴火予知連絡会会長
の藤井敏嗣氏から、川内原発の火山評価について、九州電力の申請書の前提条件
を掘り崩す事実が明らかになりました。

 

しかし原子力規制庁は、検討チームは川内原発の審査とは別だとし、9月2日の
第二回目の会合で「基本的考え方」を取りまとめて、一旦議論を終わらせようと
しています。これでは、検討チームは、火山学者の単なるガス抜きの場となって
しまいます。許されないことです。

 

そこで、鹿児島、佐賀、関西、首都圏の9市民団体の連名で8月30日に、原子
力規制委員会及び火山活動のモニタリングに関する検討チーム宛てで、川内原
発・適合性審査火山影響評価に関する緊急要請書を提出しました。要請項目は以
下の3つです。

 

一.川内原発の火山影響評価はこれを白紙とし、審査を一からやり直すこと。火
山審査に際して、火山学者を検討の場に加えること
一.検討チーム第一回会合における指摘事実から、九州電力の申請はその根拠が
失われ、火山ガイドの要求も満たさないことが明らかになったことから、これの
許可をしないこと
一.9月2日に「基本的考え方」をまとめるのはやめ、第一回会合での指摘事項
について、火山検討チームでさらに検討を続けること

 

この緊急署名については、団体・個人の賛同を広く募り、次回の検討チームが開
かれる9月2日(火)午前9時30分から、原子力規制委員会のある六本木
ファーストビルの玄関前にて、直接手渡しで再提出したいと思います。是非以下
のフォームからご署名ください。団体でも個人でも可能です。

 

<団体・個人賛同署名フォーム>http://nazr.in/Cvn

また、9月2日は是非傍聴をお願いします。当日は検討チーム会合の前の午前9
時からと会合終了後に、ビルの前でアピール行動を行う予定です。こちらにもご
参加ください。よろしくお願いいたします。

 

 

傍聴申込み(原子力規制委員会HP)
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kazan_monitoring/data/0002_00.pdf

 

問合せ
原子力規制を監視する市民の会 阪上 武 090-8116-7155

2014/08/27

【市民・専門家委員会】環境省の「住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」に意見

【プレスリリース】
環境省「専門家会議」に要請書~恣意的な議論・運営を改め、省庁横断的な取組

「08.25環境省専門家会議への意見及び要請.pdf」をダウンロード

 

------------------------------------------------
2014年8月25日
環境大臣 石原伸晃様
環境副大臣 井上信治様
環境大臣政務官 浮島智子様

 

「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」御中

 

「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する
専門家会議」の議論の進め方に対する意見ならびに要請

 

放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会

 

「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(以下「専門家会議」と呼ぶ)は、「子ども・被災者支援法」(東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」)第13条に基づき設置が策定され、これまで9回の会議が行われてきました。未曽有の原子力災害により国民の多くが長期にわたって無用な被ばくを強いられる事態が生じているということは、国の保健対策を抜本から構築しなおさなければならないほどの課題であり、この「専門家会議」の責任は重大なものです。であるにもかかわらず、その議論は線量評価を中心とした狭い範囲に終始してきました。さる8月5日の第9回会議開催日には井上環境副大臣、浮島環境省政務官あてに市民団体より「長瀧座長解任を求める要請」が出されるに至りました。このような由々しき事態に至ったのは、「専門家会議」の議論の方向性やまとめ方を含む、座長と事務局の会議運営のために多々の問題が噴出しているからです。
あらためて「子ども・被災者支援法」の理念に立ち返り、福島県内に留まらず、福島第一原発事故により無用な放射線を被ばくし、今度も被ばくし続ける可能性のある住民の健康支援のありかたを、予防原則にもとづき論議されますよう、以下の点を要請いたします。

 

1. あらためて「子ども・被災者支援法」の理念に立ち返り、福島県民にとどまらす、住民の健康支援のあり方を予防原則に立って検討すること。未曽有の原子力災害に対応するには、抜本から国の保健対策を構築しなおすほどの課題であるということを認識して論議していただきたい。
2. 現時点での線量把握・評価の不確実性と限界性を認め、不確実な線量評価に基づいた健康リスク評価を強引に推し進めないこと。存在の可能性が指摘されている初期の被ばく線量に関わるデータや情報の収集と分析に努める体制をつくること
3. 「専門家会議」座長と事務局による恣意的な議論のまとめと運営を改めること

 

以下、各項目に関する意見および要請を申し述べます。
1. あらためて「子ども・被災者支援法」の理念に立ち返り、福島県民にとどまらす、住民の健康支援のあり方を予防原則に立って検討すること。未曽有の原子力災害に対応するには、抜本から国の保健対策を構築しなおすほどの課題であるということを認識して論議していただきたい。

 

「健康管理のあり方に係る各論点に関するこれまでの意見(概要)」(第9回会議・資料3)に関連して、次のような点が指摘できる。
・ 放射線被ばくと健康管理のあり方について政府の基本的考え方といえる「被爆者援護法」の健康管理に関する施策(総合的保健・医療・福祉政策)を参考に議論すべきである。被爆者援護法では周知のとおり「被爆者健康手帳」を所有する人は全国どこででも無料で健康診断ならびに無料で医療を受けることができ、種々の要件を満たせばそれに該当する手当が支給される。国の推定で1mSvをはるかに下回る被ばく線量でも被爆者健康手帳交付例は存在する 。
・ 資料3では、福島県民健康調査の甲状腺以外の項目について「調査項目や調査結果について、被ばくと健康リスクの関係からは、委員からの特段の指摘はない」とされているが、石川委員は「原爆被爆者検診等を参考に、今回の事故の特殊性に基づく検査項目を設定してもらいたい」(第7回)と発言している。
・ 第7回会議で外部専門家(木村真三氏、菅谷昭氏)から現在のチェルノブイリの住民の健康状態の報告があった。長期慢性的被ばく下での健康管理についてすでに28年以上取り組んできたチェルノブイリの具体的対策(健診、医療、保養、補償、研究など)についても検討を尽くすべきである。チェルノブイリにおける健診は「被災住民の健康状態の科学的観察、病気の早期発見、診断を確定し、治療を組み立てる基盤情報、病気の発症や悪化のリスクのある人の発見、予防的またリハビリや健康増進的手段の実施基盤的情報とする」といったことが目的として構成されている(20周年および25周年ベラルーシ・ナショナルレポート)。
・ 健康管理のあり方に関して要望を出している被災者団体や自治体のヒアリングを行うべきである。復興庁が「子ども・被災者支援法」基本方針策定の際に実施したパブリックコメント(第4回会議、崎山比早子氏提出資料のひとつ)に対応するものとして本「専門家会議」が開催されるに至っていることを踏まえれば、当然の手順とすべきである。ICRPのPub.111は、原子力事故後の現存被ばく下においては政策決定において利害関係者などステークホルダーの役割を重要視している。第5回会議外部専門家の甲斐倫明氏もICRPの考え方として様々な計画策定のときにステークホルダーの関与が望ましいことを述べている。
・ 「検診をすることが最善の回答か十分な検討が必要(第7回鈴木委員)」「検診項目を増やすことで不安を増長させるおそれもあり、むやみに項目を増やすべきではない(第1回祖父江委員)」という意見が挙げられているが、最善か否か、何によって不安が増長するのかは他人が決めるべきことではない。なお長崎大学は原爆被爆者の健康診断について、その意義を認める研究報告を行っている 。
・ 外部専門家からも健康管理のあり方についての意見が表明されている。
「福島県以外でも被ばく線量年間1mSv以上の地域の住民に対し、健康に対する権利が保障されるべき。日本医師会の提案のように厚生労働省に一本化して、体系的な検診体制を整えるべき」(第4回崎山比早子氏)
「住民の健康管理は国の直轄事業と位置づけ、国による健診事業の一元管理をすべき。ある一定の線量超えた部分については、やっぱりきちっとフォローアップしていくという体制が必要」(第8回木田光一氏)
「甲状腺被ばく量に関連して事故直後の高校生など呼吸量の差異について検討すべき。大人への甲状腺検診も充実すべき。」(第8回木村真三氏)
「甲状腺癌にのみ対応した健診ではなく、幅広い疾病に対応したもので、長期にわたる検査をすべき」(第8回菅谷昭氏)
「県内各地域の比較においても甲状腺がんの多発が観測されていることを前提に今後の対策を検討すべき」(第8回津田敏秀氏)
・ 福島県県民健康調査の甲状腺検査について、福島県立医大からも「当初3年で一巡してその後は20歳まで2年に1回、20歳以降は5年に1回と決めていたが、本当にそれでいいのか、3年間の検証をして、今後どういうふうにすれば一番県民のためにいいのかを議論していただければいい」(第9回阿部委員)との再検討の発言も出されている。

国民はこの事故によって無用な被ばくを強いられたのであり、今後も強いられることになる。その責任は国と東京電力にある。被害者が健診を望む限り、それに応える義務が国と東京電力には存在している。国民の多くが今後も無用な被ばくを強いられる事態が生じているということは、国の保健対策を抜本から構築しなおさなければならないほどの課題である。原子力事故のもたらす健康への影響は非常に幅が広いものであるから、予防原則に立ち、健康管理の対象も癌や遺伝的影響という狭い範囲にとどまらず観察し、時宜に応じた対策を講じていく必要がある。環境省だけでは対応しきれる問題ではない。厚労省をはじめとする省庁横断的な取り組みが必要である。

 

2. 現時点での線量把握・評価の不確実性と限界性を認め、不確実な線量評価に基づいた健康リスク評価を強引に推し進めないこと。存在の可能性が指摘されている初期の被ばく線量に関わるデータや情報の収集と分析に努める体制をつくること

 

「中間とりまとめに向けた線量評価部分の要点(案)」(第9回会議・資料1)の中の線量把握・評価については、現時点でのデータの不確実性・限界性を明示したうえで判断すべきという指摘が委員からも表明されている。さらに、そうした限界性がありながら、「専門家会議」は評価にとって重要な情報収集の努力を怠っている。
・ 甲状腺被ばく実測データは、いまだ被検査者の行動調査との突合もないなどデータの検証の問題、個人間のばらつき、被検査者の代表性の問題など、いくつもの不確実性・限界性を有している。前提条件や限界性を明示したうえでの評価となっていないなど科学性に乏しいことが委員からも指摘されている。
・ 「一般からの情報提供窓口は設置されているか」という質問(第4回春日委員)について事務局および長瀧座長は、この会議が「専門家会議であり、専門家としての議論をしていだたく」として、「情報提供窓口」の設置に関してなんら答えていない。しかし、「さまざまな個人や団体が測定したデータや未公開データの存在の可能性」(第9回森口祐一氏)が指摘されている。実際、厚労省研究班のみならず民間団体が測定した母乳汚染データ、尿検査データなどが存在している。不確実性を少しでも小さくするためにはさまざまなデータの突合が不可欠であるが、「専門家会議」はそうしたデータを積極的に収集し評価しようという姿勢がなく、真実に近づくための科学的態度を有しているとは言えない。
・ 現在も続く線量評価、とりわけ初期甲状腺被ばく線量評価の混乱は、1080人で検査を打ち切った政府の不作為による責任であることを自覚して、環境省自らが各方面に呼びかけ、さらなる情報の収集にあたり、初期の被ばく線量に関わるデータや情報の収集と分析に努める体制をつくるべきである。

「健康リスク評価の各論点に関するこれまでの議論」(第9回会議・資料2)に関連して、次のような問題点が指摘できる。
・ 健康リスク評価についてWHO報告やUNSCEAR報告が挙げられているが、たとえばWHO報告の「「線量の最も高かった地域では、ベースラインの発病率に対する生涯リスクは、小児期に被ばくした男性で白血病が7%増、小児期に被ばくした女性で乳がんが6%増、小児期に被ばくした女性ですべての固形がんが4%増、小児期に被ばくした女性で甲状腺がんが約70%増」といった箇所は示さず、被ばく線量が最も高かった地域の「外側や近隣県」のがんの罹患リスクが小さいことを強調する表現になっている。
・ 環境省などが主催し本年2月21-23日に実施された「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」において、放射線影響研究所のShore博士は、「10歳時の被ばくで60歳までの甲状腺がんのリスクは20mSvまで確認され(20mSv未満では不確か)、がんのリスクは50年以上継続する」と報告している。20mSvのレベルは実測1080名中でも数名に認められた数値であり、この報告についてヒアリングすべきである。
・ 健康リスクについて「放射線の影響でがんになったかどうかという議論は決着がつかない(第5回鈴木委員)」と記されているが、「決着がつかない」ということは、現在の科学ではわからないという、現状の科学の限界性を述べているに過ぎない。またそのことはがんが「増えない」と同義ではない。この限界をどのように克服していこうとするのか努力の方向すら示すことなく「決着がつかない」「検出できない」として切り捨てるのであれば、専門家としての責任放棄でしかない。
・ チェルノブイリ事故の健康影響評価において、どの国際機関も、日本の専門家も、子どもたちの甲状腺がんの激増について予測しえず、ほぼ10年後にいたるまで放射線の影響を否定し続けてきたという歴史的経緯を振り返れば、福島事故においても先入観に基づき安易に楽観的推測を述べることは慎むべきである。
・ 福島事故発生後に発刊されたウクライナ放射線医学研究センターと長崎大学によるHEALTH EFFECTS OF THE CHORNOBYL ACCIDENT: a Quarter of Century Aftermath は、チェルノブイリ事故における健康影響について、がんおよび非がん疾患も含め25年間の研究成果を示している。序文において長崎大学の山下俊一氏は、本書がチェルノブイリ周辺で発見された疾患の因果関係の詳細を明らかにするほど十分あるいは包括的なものとはいえないものの、それはチェルノブイリ事故が「あらゆる年齢層の数百万という人々の被ばくをもたらしたため、健康と放射線環境に関する結果は、比較的短期間の間に信頼性をもって評価することはできなかった」ためであると述べている。チェルノブイリ事故による慢性的被ばくの健康影響はがんに留まらず、さらなる研究が進められている。福島においても長期的視点に立った健康評価の体制を構築することが必要である。

 

3. 「専門家会議」座長と事務局による恣意的な議論のまとめと運営を改めること
  

・ 市民団体が長瀧座長解任を求めた理由については要請文 の通りであり、ここでは繰り返さないが、そのほかにも問題となる発言がなされている。
・ 長瀧座長は健康診断、とりわけ子どもの甲状腺スクリーニング検査について個人的な予断をもって議事の進行を図っていると思われる。同氏の2013年の講演では「甲状腺がん検診を行えば微小がんが発見され、微小がんの手術をすれば最終的に人口の10%になるまで微小がんが増加する」「福島で3万人になるまで毎年甲状腺がん患者が増加する」といった持論を展開している (添付資料)。
 第7回会議においては、被災者の不安を払拭するためにも「検診の体制と補償の体制を実現したい」(石川委員)との意見と対比させる形で「がん検診の利益と不利益」と題した祖父江委員の報告が行われた。その意図は「ゆっくりしたがんでは過剰診断の不利益というものが大きいということを指摘するため」(祖父江委員)であった。長瀧座長は「検査をすればそれでいいのかというと、そうでもない」と述べている。
 さらに座長は、第9回会議外部専門家の宮内明氏(甲状腺専門医)に対し、「スクリーニングをすれば必ず癌が見つかる」「全部取って、最終的には福島県の10人に一人、あるいは100人に一人は甲状腺の手術をしたということであっても、安心であればそれでもいいのではという考え方があるとしたらどう思うか」と質問した。宮内氏はこの数値に関し「ちょっと極端な数字かと思います」としたうえで、福島県民健康調査甲状腺健診では50の手術例のうち7割は1㎝以上かリンパ節や肺などの転移を認める症例であり、残り3割程度は1㎝以下の微小がんであるものの反回神経や器官に接しているなど、同様にリスク症例であったとの福島医大の報告を紹介した。同時に甲状腺の微小がんが発見された場合、同氏が所属する隈病院では、経過観察を選択する例が最近では8~9割に増えてきていることも紹介した。
座長の予断に基づく議事運営は明らかである。
・ 「外部の専門家の意見を聞く」として何人ものヒアリングのために招請しているが、外部専門家の意見が「議論のまとめ」に登場したのは第2回栗原氏と第3回新山氏だけであり、そのほかの専門家の意見とそれに対する「専門家会議」の意見は「議論のまとめ」に反映されていない。
・ 傍聴者に対する規制は異常なほどで、度を過ぎている。
 「専門家会議」の傍聴者に対する環境省職員の対応は異常なものである。席を指定し、傍聴席の周囲を職員が歩き回り傍聴者をチェックし、その意に沿わない者は次回から傍聴も制限するというのは行き過ぎである。座長は審議の最中に何度も「被災者に寄り添って」とか「被災者のために考える」といった発言をするものの、実際の運営は事務局ともども被災者の心情を逆なでするような対応を続けている。
    
上述した例は一部を抜粋したに過ぎない。こうした運営を進めてきた座長は自ら退かれるべきであり、「専門家会議」事務局は恣意的な「議論のまとめ」を行うことなく、また市民や被災者敵視とも言える、傍聴者に対する態度をただちに改めていただきたい。

 

以  上

 

要請者
青木一政     福島老朽原発を考える会(フクロウの会)事務局長
崎山 比早子 高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士
阪上 武   福島老朽原発を考える会
島薗 進    上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長
高橋 誠子  福島市民
中手 聖一  原発事故子ども・被災者支援法市民会議 代表世話人
西尾正道   北海道がんセンター 名誉院長
満田夏花   国際環境NGO FoE Japan 理事
山田 真   子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表
吉田 由布子 「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク 事務局長


  放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
事務局 〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203
国際環境NGO FoE Japan 内
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219

(添付資料)
長瀧重信氏の発表資料より(平成25年2月1日)抜粋
下図は、同発表資料の65枚目/66枚のスライド
(図は略)

【川内原発】火山専門家会合で川内原発火山審査の前提が崩壊:審査は白紙に

みなさまへ<転載歓迎>

原子力規制委員会は「原子力施設における火山活動のモニタリングに関する検討
チーム」を設置し、8月25日に第一回の会合が開かれました。委員には、この
間、規制委員会による川内原発の火山審査に異をとなえてきた火山学者が含まれ
ています。この間、私たちは火山専門家会合の開催を何度も求めてきました。こ
の会合はこの間の取り組みの大きな成果だと思います。

FFTV:http://www.ustream.tv/recorded/51878615
http://twitcasting.tv/fukuroufoe_tv/movie/94249240
http://twitcasting.tv/fukuroufoe_tv/movie/94258618

 

規制委員会は形式上、会合を川内原発の審査と切り離し、「運用期間中にカルデ
ラ噴火に至るような状況ではないと判断している」とした上で、「事業者が行う
モニタリングによって万が一異常な状況が認められた場合、原子力規制委員会と
して安全側に判断するというスタンスに関し、基本的にどういう考え方で進めた
ら良いか」について意見を聞く場だとしています。

しかし、会合は、実質的に専門家による川内原発の火山審査の場と化し、批判的
な意見が続出しました。特に東大名誉教授で火山噴火予知連会長の藤井氏は、カ
ルデラ噴火の可能性及び兆候の把握について、九電の申請及び審査書案を根底か
ら覆す批判を行いました。これに対し、他の委員からも規制庁からも明確な反論
はありませんでした。

 

規制委・規制庁は、兆候把握時の対処については、九州電力が保安規定に書き込
むでしょうと逃げた上で、来週早々?に行われる次回には中間とりまとめをし
て、川内原発の火山審査に関わる問題は終わらせてしまおうとしています。

とてもまとめを行うような状況ではありません。川内原発の火山審査のやり直し
を求めていきましょう。是非規制委や規制庁に対して、電話、FAX、メールなど
で批判の声を寄せてください。

 

藤井氏のプレゼンについて紹介します(規制委のHPにある動画では開始37分
くらいから)。彼が取り上げたのは、2012年の「ドルイット論文」です。こ
れは、ギリシャのサントリーニ火山で3,500年前に発生したミノア噴火とよ
ばれる噴火の岩石学的調査から、噴火直前の100年程度の期間に、マグマが急
速に供給されたという知見です。

 

この論文の位置づけですが、藤井氏がプレゼンの冒頭で的確に述べていたよう
に、九電及び規制委・規制庁が以下の主張を行う根拠となっています。
(1)原発の運用期間中に巨大噴火が発生する可能性は十分に小さい
(2)巨大噴火について兆候の把握が可能である
(3)しかも核燃料の搬出に間に合わせることができる

逆に、九電及び規制委・規制庁の立場からみれば、この論文の結論を一般化し、
九州のカルデラに適用することでしか、申請を出すことも通すこともできないと
いう状況にあります。このことは、審査書案が出た7月16日の規制委の定例会
合での島崎氏のコメントに表れています(島﨑氏はAについては一つ証拠があり
Bについては証拠がない場合、Aをとるのが合理的だが、それが完全ではないこ
ともある…などと謎めいたことを言っていますが、その先のコメントから、A:
兆候の把握は可能、一つの証拠:ドルイット論文を指すものだとわかります:動
画では27分あたり)。特に(1)については、可能性が十分に小さいといえな
ければ即「立地不適」と火山ガイドに明記されています。

 

これに対し藤井氏は、以下の3点を指摘しました。

(1)まず、ミノア噴火の一事例にすぎず一般にカルデラ噴火について述べたも
のではない、という点です。藤井氏はこれを、論文を書いたドルイット氏本人に
確認したといいます。論文はあくまで、サントリーニ火山のミノア噴火におい
て、約35~50立法キロのマグマがたまっていたところ、噴火直前の100年
程度の間に、地下から約5~10立法キロのマグマが供給されたという知見に過
ぎず、カルデラ噴火一般について述べたものではないと。本人に確認したという
のは強いですよね。

九電はミノア噴火の事例を姶良(あいら)カルデラに思いきり適用しています。
>100年で5~10立法キロ→年間0.05~0.1立法キロ→現在は年間
0.01立法キロと見込まれているから、マグマの供給(地殻変動に比例すると
みなす)が現在の5倍になったら警戒体制に入る。
>現在このような急速なマグマの供給は見られないことから、今後100年の間
は、巨大噴火が発生する可能性は十分に小さい。
>兆候を把握してから数十~100年程度あれば、核燃料の搬出等も可能。
といった具合です。

 

(2)これはドルイット論文に書いてあるこということですが、マグマの供給速
度が上がったとしても、それがそのまま地面の隆起につながるとは限らないとい
うことです。マグマだまりが下に沈降する場合もあり、その場合は、GPSでみて
もわからないことになります。

 

(3)岩石学的調査による知見は、検証が難しく、50年後に書き換えられると
いうことが珍しくない。すぐに反論がないからといって、それが正しいとみなす
ことはできないとのことです。ドルイット論文はわずか2年前の2012年のも
のです。

これにより、九電の申請と規制委の審査の前提はガラリと崩れました。これに対
し、誰も何も反論できない状況です。改めて、審査の前提が崩れた以上、一旦白
紙にもどして検討しなおすべきだと思います。

阪上 武

2014/08/14

【個人賛同募集中】個人線量計での被ばく管理に異議! 目標値の堅持と除染以外の手段での被ばく低減を

「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」は、11日、除染の目標値の堅持と、除染以外の被ばく低減措置を求める要請書を、環境省、復興省、福島市、伊達市、郡山市、相馬市に提出しました。

この中で、「個人の被ばく線量」重視の考え方は、場の線量の管理を行う行政の責任をおろそかにするとともに、実質的に個人に被ばく管理の責任をおわせるものであり、基準値の緩和につながるとし、0.23μSv/時の目標値を堅持した上で、避難・移住や保養参加への支援など、除染以外の被ばく低減措置を求めています。

同委員会メンバーは、18日に環境省を訪問する予定になっています。

要請書pdf版をダウンロード

 

※18日の環境省への訪問に向け、下記から個人賛同を募っています。ぜひご協力ください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/36d661ea63542

--------------

2014年8月11日
環境大臣 石原伸晃殿
復興大臣 根元匠殿
福島市長 小林香殿
郡山市長 品川萬里殿
相馬市長 立谷秀清殿
伊達市長 仁志田昇司殿

                       除染目標の見直しに関する要請書

放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
(要請者については末尾に記載)

 

環境省、復興庁および福島市等4市は8月1日に「復興の加速化に向けた国と4市の取組」中間報告を発表しました。この中で、「個人の被ばく線量に着目した放射線防護」を打ち出し、空間線量率が0.3~0.6μSv/h程度の地域において年1ミリシーベルトが達成できるとしました 。

 私達は「個人の被ばく線量」重視の考え方は、場の線量の管理を行う行政の責任をおろそかにするとともに、実質的に個人に被ばく管理の責任をおわせるものであるという危惧を抱いています。

 従来の大気汚染や水質汚濁などの規制においては、大気や水質などにおける環境中の汚染物質の濃度の基準である環境基準が大きな役割を果たしてきました。それなのに、なぜ、放射性物質においては「個人」の被ばく量を前面に打ち出すのでしょうか。

さらに、今回の中間報告は、これまで実質的な除染の目標値とされていた0.23μSv/h の達成が困難な状況のもとで、除染基準の切り上げにつながるのではないかとの危惧を抱いています。

よって、環境省、復興庁、4市に対して以下の要請をするものです。

 

[要請項目]

 (1) 政府の除染対策地域の指定基準および除染目標として、少なくとも空間線量率0.23μSv/h基準を堅持すること。 

(2) 除染により0.23μSv/hが容易に達成できないのであれば、住民の健康リスクを極力低減させるために自主避難者への支援、移住の支援、保養推進、保養計画への援助、検診の充実などあらゆる取り組みを充実すること。 

(3) 「場の線量」と「個の線量」の二重の防護の考え方の堅持。ガラスバッチ配布による個人線量重視の被ばく防護の考え方は取らないこと。 

 

[要請の理由] 

(1) ガラスバッチによる個人線量測定結果にもとづく除染基準の見直しは被ばくの過小評価の危険性がある。 

① 今回の除染基準の見直しは4市で行ったガラスバッチによる測定結果を平均化した値がその根拠になっています。しかし、個々人の生活パターンにより被ばく量は大きく異なります。

(伊達市のガラスバッチ調査結果でも約5万3千人中3mSv以上の人が657人、5mSv以上の人が76人います。「ファクトブック」データより計算) 

どのような生活パターンであってもその個人の追加被ばくが年間1mSv以下となるような環境を作り出すことが大前提です。そのためには従来どおり空間線量率による除染の目標を堅持すべきです。 

② ガラスバッチは放射線業務従事者が放射線管理区域内での被ばくを測るためのものであり、体の前面からの照射を前提としています。放射能が環境中に拡散しており全方位から照射される場合にはガラスバッチの測定結果は過小評価となります。この場合は約3割過小評価であるとの報告があります。

(参照:「放射線防護に用いられる線量概念」平山英夫高エネルギー加速器研究機構他 日本原子力学会誌2013.2) 

③ ガラスバッチは成人作業者の胸部に着けることで正確な値が計測されるよう設計されています。装着忘れや不適正な装着方法などにより過小評価の危険性があります。なにより原発事故被害者である住民にガラスバッチ装着を求めその結果により被ばく量を住民に管理させることは人権上の問題でもあります。

 

(2) 被ばくリスク低減のためのあらゆる施策を考慮すべき。 

報告書の中でも認めているように除染により0.23μSV/hを達成することが困難であるならば、そうした地域に住む住民には被ばくリスク低減のための、考えうるあらゆる方策を取るべきです。被ばくリスクを減らす手段としては除染だけでなく自主避難・移住希望者への住宅、生活、就職支援、保養の推進、健康診断の充実などさまざまな手段が考えられます。 

今回の報告書が実質的に除染基準の切り上げとリスクコミュニケーションと称した一方的、一面的な情報周知以外に具体的内容がないのは住民の被ばくリスクを低減する立場からは極めて妥当性を欠いています。

 

(3) 「個の線量」を重視した管理は放射線業務従事者よりも高いリスクを住民に要求するものである。 

労働安全衛生法・電離放射線安全規則では放射線業務従事者の被ばく防護のために「場の線量」と「個の線量」の二重の被ばく低減策を取ることを事業者に求めています。すなわち、事業者は年間5mSv以上(空間線量)となる恐れのある場所を放射線管理区域として指定し労働者がみだりに立ち入ることが無いよう管理することを求め、その上で業務の都合上一時的に立ち入る場合にその労働者個人の被ばく量(個人線量)を管理することを求めています。つまり「場の線量」と「個の線量」の二重の方策で安全対策を取るように規定しています。 

(日本原子力研究開発機構・核燃料サイクル工学研究所放射線管理部の百瀬琢磨部長は2014年4月19日の個人線量計での調査結果報告会で放射線管理は一貫性が必要であり、個人被曝線量は「場の管理」には使えないと説明しています。) 

 中間報告では「個の線量」に注目してガラスバッチ配布による「被ばく量把握」と除染基準の見直しを提言しています。これは被ばくによるなんのメリットも持たない一般住民に対して、放射線業務従事者よりも実質的に高いリスクを取ることを求めるものです。 

 「法の下の平等」を求めた憲法14条からも、倫理的にも住民に放射線業務従事者よりも高い被ばくリスクを求めることは許されないことです。 

以上 

 

[要請者]

島薗進/上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長
崎山比早子/高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士
西尾正道/北海道がんセンター名誉院長
山田真/小児科医、子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表
村田 三郎/阪南中央病院 副院長
高松勇/小児科医・医療問題研究会
吉田由布子/「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク
高橋誠子/福島市民
満田夏花/国際環境NGO FoE Japan理事
青木一政/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)事務局長 

 

放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会事務局
国際環境NGO FoE Japan内 

携帯:090-6142-1807 
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203

 

2014/08/12

【原発の避難問題】政府交渉 (8月21日13時~@参議院議員会館)

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原発の避難問題に関する 政府交渉 (8月21日13時~@参議院議員会館)
http://www.kiseikanshishimin.net/2014/08/12/140821/
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鹿児島県の伊藤知事は、「10km圏外の要援護者の施設の避難計画は必要ない」という趣旨の発言をしました。これを援護するように、原子力規制庁は、5km圏外の要支援者の避難先は事前にきめなくても、調整する枠組みさえ決まっていればよいという方針を打ち出そうとしています。

しかし、福島原発事故の場合、発災の翌日には、20km圏内に関して避難指示が出されました。要援護者も含むすべての住民が避難を強いられました。避難先も見つからずに、やむをえず体育館に避難し、命を落とした方もいらっしゃいます。
国のこの方針は、いまなお続く福島原発事故による被災者の痛みを踏みにじるものではないでしょうか?

8/21に原発の避難問題で政府交渉を実施します。川内原発を焦点としますが、すべての原発にも関係することです。
鹿児島から、佐賀から、関西から、避難問題に取り組んできたみなさまがかけつけます。
お誘いあわせの上、ぜひ、ご参加ください。

【日時】:8月21日(木)13:00~
13:00~14:30 事前集会
14:30~16:00 交渉(相手方:内閣府、規制庁、経産省。調整中)
16:00~17:00 事後集会
※12:30から参議院議員会館のロビーにて入館証を配布します。
※政府がでてこなかった場合は、集会に切り替えます。

【場所】:参議院議員会館講堂 (最寄駅:東京メトロ・永田町、国会議事堂前)

【内容】①原発再稼働の判断および責任について
②原子力防災計画・避難計画に関する国の責任について
③避難計画の実効性(風向き、スクリーニング、複合災害…)について
④要援護者の避難について
⑤川内原発ワーキングチーム(国・自治体から構成)での議論について
⑥地元同意の範囲について
【資料代】:500円 (遠方のみなさまのために、カンパ歓迎!)
【呼びかけ】:反原発・かごしまネット、玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会、グリーン・アクション、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、福島老朽原発を考える会、原子力規制を監視する市民の会、FoE Japan

【問い合わせ】 FoE Japan 満田 (携帯:090-6142-1807)

※遠方からのみなさまのためのカンパ歓迎!※
通信欄に「8・21政府交渉カンパ」とお書きください。
★金融機関名:ゆうちょ銀行
★口座名称: 原子力規制を監視する市民の会
(ゲンシリョクキセイヲカンシスルシミンノカイ)
■ゆうちょ銀行以外からの振込口座
・受取口座: 店名(店番) 〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)
・預金種目: 当座
・口座番号: 0449670
■ゆうちょ銀行からの振込口座
・口座記号番号: 00140-5-449670
・加入者払込・払出店: 新宿神楽坂

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