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2015/04/18

【20ミリ基準撤回訴訟】 「私たちは、子どもたちの未来のためにも負けるわけにはいかない」

みなさま(重複失礼・拡散歓迎) 転載です。
https://www.facebook.com/minamis20wg

FoE Japanの満田です。連投&複数のMLへの投稿、大変失礼します。

本日、特定避難勧奨地点の解除は違法だとして、国を相手取り、福島県南相馬市
の同地点と周辺の住民132世帯534人が、東京地裁に提訴を行いました。
経済産業省前でアピール、東京地裁に訴状の提出、そして司法記者クラブで記者
会見を行いました。
南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会の菅野会長が、「日本は民主主義の
国。にも関わらず、国は住民の意見を無視して、解除した。私たちは、子どもた
ちの未来のためにも、負けるわけにはいかない」と述べたのがとても印象的でし
た。
原告のみなさん、徹夜で訴状を準備された弁護団のみなさん、本当にお疲れ様で
した。また、かけつけてくださった支援のみなさん、ありがとうございました!

経済産業省前の抗議行動および記者会見の模様は、とりあえず、ちょっと画像が
あらいですが、下記からみることができます。

<記者会見>冒頭5分くらいからはじまります。
http://twitcasting.tv/fukuroufoe_tv/movie/161233146
<経済産業省前アピール>こちら冒頭10分後くらいから南相馬のみなさんのスピーチです。
http://twitcasting.tv/kannamitsuta/movie/161220692

ニュースがこみ合っていた日ですが、NHKなど多くのメディアが報じました。

避難勧奨地点解除は不当と提訴 福島・南相馬の住民|共同
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041701001518.html
特定避難勧奨地点の解除取消求め提訴
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150417/k10010051861000.html
福島・南相馬市の住民、特定避難勧奨地点解除取り消し求め提訴|FNN
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00290552.html
「国の避難勧奨解除は違法」 南相馬の住民ら提訴|朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASH4K5G48H4KUTIL03G.html

おどろくべきことに、まだ訴状を提出するかしないかの12:08、まだ訴状を見も
しないうちに、に国(原子力災害現地対策本部)が司法記者クラブにファックス
をいれ、国としての見解をメディアにばらまきました。
曰く、「南相馬市の特定避難勧奨地点については、除染の結果、指定時と比して
線量が大幅に低下し、国際的・科学的知見を踏まえて決定された年間20mSvを十
分に下回っている」「解除に当たっては、丁寧に住民の理解を得るべく、昨年10
月と12月に計4回、住民説明会を行ったほか、戸別訪問、相談窓口の開設、線量
測定および清掃などの取り組みを行っている、などと書かれていました。(訴状
への反論には何ひとつなっていません)

通常は、国は記者に聞かれて、「訴状をみないうちはコメントできない」などと
言うものですが、この過剰な反応は何を表しているんでしょうか?

訴状については、近日中にどこかしかるべきところに公開されると思いますので、
少々お待ちください。
今回の訴訟の概要について、FoEのページにアップしていますので、ご覧くださ
い。
http://www.foejapan.org/energy/action/150416.html

また、下記にHsinkの水谷さんが「支援の会準備会」のフェイスブックページを
開設してくださいました! これからどんどん情報をアップしていきます。
ぜひ、「いいね!」をお願いします。
https://www.facebook.com/minamis20wg

☆<応援署名>現在、1282人
署名は応援メッセージとともに、南相馬の地点解除訴訟の原告のみなさんにおわ
たしします。以下のChange.orgのページから署名できます。
http://goo.gl/JDohtr

-----------------------------------------------------------
南相馬の地点解除訴訟(「20ミリ基準撤回訴訟」)を応援する全国集会 in 東京(5/9)
http://www.foejapan.org/energy/evt/150509.html
-----------------------------------------------------------

南相馬の原告団、福島各地から、弁護団がかけつけます。
ついに支援の会が立ち上がります!

◆日時:2015年5月9日(土)18:30~20:30
◆場所:文京区男女平等センター(東京都文京区本郷4-8-3)
https://www.bunkyo-danjo.jp/access.aspx
◆参加費:500円
◆内容(予定):
「私たちは、なぜ訴えざるをえなかったのか」…南相馬の原告のみなさんから
「南相馬特定避難勧奨地点解除の違法性」…弁護団から
「南相馬だけの問題ではない! 国の避難指示解除の強引さ」…福島各地から
「南相馬を応援しよう!」
…南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会(仮)から
◆主催:南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会準備会
(Hsink 避難・支援ネットかながわ、福島老朽原発を考える会、FoE Japanなど)
◆問い合わせ先:FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン) 
携帯:090-6142-1807 Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986

2015/04/17

【高浜仮処分決定】誤認しているのは規制委・規制庁側

みなさまへ

高浜仮処分決定について、4月15日の原子力規制委員会の定例記者会見で、田
中俊一委員長が挙げた事実誤認のすべての指摘について、誤認しているのは
規制委側であることをまとめてみました。誤認があれば?お知らせください。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

*********************************************
高浜原発運転差止仮処分決定について
事実誤認は原子力規制委員会・規制庁の側
http://kiseikanshi.main.jp/2015/04/17/gonin/
*********************************************

 原子力規制委員会田中俊一委員長は、4月15日の定例記者会見において、高
浜原発3・4号機運転差止仮処分決定について、「この裁判の判決文を読む限
りにおいては、事実誤認、誤ったことがいっぱい書いてありますので」(速記
録より)と述べ、決定を批判している。安倍首相は、事実誤認があると田中氏
が述べていると、国会での答弁でとりあげている。しかし、以下から明らかな
ように、誤認しているのは、田中氏や原子力規制庁の側である。

 

◆使用済燃料プールの冷却設備の耐震重要度分類について
<4/15定例記者会見>
○田中委員長  私も細かいことを全部調べているわけではありませんが、耐
震重要度分類で給水設備はBだと書いてありますけれども、これはSクラス
です。
〇田中委員長 (略)プールの水がなくなるというのは非常に重要なことです
から、そうならないようにということで、プール自体も、プールに給水すると
ころも、あるいはプールの水を監視する水位計等も、みんな耐震上はSクラス
にしています。

<決定P42>
「債務者は、電源を喪失しても使用済み核燃料プールに危険性が発生する前に
確実に給水ができると主張し、また使用済み核燃料プールの冷却設備は耐震ク
ラスとしてはBクラスであるが(別紙3の別記2の第4条2二参照)、安全余
裕があることからすると実際は基準地震動に対しても十分な耐震安全性を有し
ているなどと主張している」

<新規制基準>(別紙3の別記2の第4条2二)
二 Bクラス
 安全機能を有する施設のうち、機能喪失した場合の影響がSクラス施設と比
べ小さい施設をいい、例えば、次の施設が挙げられる。
 ・使用済燃料を冷却するための施設

→田中俊一委員長は、使用済燃料を冷却するための施設について、Bクラスで
はなく、Sクラスだと言うが、これは、新規制基準の記載にも、決定文に記さ
れた債務者(関電)の主張にも反する。

→決定は、使用済燃料を冷却するための施設はBクラスだが、Sクラスと同様
の扱いをしているとの関電の主張をそのまま記載しており、そのことを前提に
して書かれている。何ら誤認はない。

 

◆外部電源の耐震重要度分類について
<4/15定例記者会見>
〇田中委員長 (略)外部電源のところですけれども、外部電源について、SBO
を防ぐということで、我々は非常用発電機とか、いわゆる電源車とかバッテリ
ーとか、いろいろな要求をしております。外部電源は商用電源ですからCクラ
スですけれども、非常用電源についてはSクラスになっています。ですから、
ざっと見ただけでも、そういった非常に重要なところの事実誤認がいくつかあ
るなと思っています。

<決定P19>
(債務者の主張)「ウ 主給水ポンプ、外部電源は発電所の通常運転に必要な
設備であって、安全保持のために不可欠なものではないから、基準地震動Ss
に対して耐震安全性を要求されていないのに、これを安全上重要な設備とする
のは原子力発電所の設計上、各設備に期待されている役割や機能を理解しない
ものである。」

→外部電源については、決定によると債務者(関電)は通常運転に必要なもの
であってSsに対して耐震安全性を要求されていない、すなわちSクラスでは
ないと主張しているとし、田中俊一氏も外部電源は商用電源なのでCクラスだ
と述べている。非常用電源について述べているわけではなく、何ら事実誤認は
ない。

 

◆入倉レシピは地震の平均像を描くもの
<4/15定例記者会見>
○渡辺安全規制管理官(地震・津波担当)付補佐 原子力規制庁の地震・津波
担当の渡辺でございます。 今、ツカハラさんから御指摘がありましたけれど
も、我々、基準地震動に関しては、特に地震の平均というわけではないと思っ
てございます。原子力施設の周辺で、地震が起きるメカニズムとか、地質学的
な調査をちゃんとやった上で、不確かさも十分に考慮して、敷地において起こ
り得るような最大級の地震を考えるというものでして(略)
○田中委員長 判決の中では平均でやっているということで、入倉先生の引用
がありますけれども、入倉さんはそんなことはありませんということを他で語
っているようですので、それも先ほど申し上げた事実誤認ですね、1つの。

<決定P19>
「活断層の状況から地震動の強さを推定する方式の提言者である入倉孝次郎教
授は、新聞記者の取材に応じて、「基準地震動は計算で出た一番大きな揺れの
値のように思われることがあるが、そうではない。」「私は科学的な式を使っ
て計算方法を提案してきたが、平均からずれた地震はいくらでもあり、観測そ
のものが間違っていることもある」と答えている(甲111)。確かに、証拠
(甲225、乙13)によれば、本件原発においても地震の平均像を基礎とし
てそれに修正を加えることで基準地震動を導き出していることが認められる。」

→入倉教授による入倉レシピについて、決定が地震動の平均像を基礎としてい
ると指摘しているのに、原子力規制庁渡辺氏は、基準地震動は平均ではないと
話をすり替えている。

→入倉レシピについては、例えば入倉氏による「強震動予測レシピ」に、
「『レシピ』は同一の情報が得られれば誰がやっても同じ答えが得られる強震
動予測の標準的な方法論を目指したものである。」とあるように、標準的な方
法論を目指したものであり、最大級の地震動を導き出すことを目的にしたもの
ではない。計算過程では、地震モーメントと断層面積の経験的関係やアスペリ
ティ総面積と断層面積の経験的関係など、いくつかの経験的関係から経験式を
導出し、それを用いているが、いずれも、経験値をグラフ上にプロットした上
で、その平均値から経験式を導き出している。初期条件が同一であれば、同じ
平均的な結論が得られるものであり、ばらつきにより最大どの程度になるのか
といった考慮はない(もしそうであれば同じ答えなど得られない)。

 4/15記者会見速記録 http://www.nsr.go.jp/data/000104036.pdf
仮処分決定 http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/15-04-14/ より
入倉氏「強震動予測レシピ」
 http://www.kojiro-irikura.jp/pdf/kyoushindouyosoku_recipe.pdf

 

2015.4.17
原子力規制を監視する市民の会 阪上 武

【高浜差止仮処分】緊急院内集会<4月17日(金)13:30~衆議院第二>

首都圏のみなさまへ(重複ご容赦:拡散希望)

高浜仮処分の決定よかったですね!
明日原告が上京されて報告集会が行われます!
是非ご参加ください。

以下主催者のお知らせを転載させていただきます。

 

********************

 高浜原発差止仮処分緊急報告集会のお知らせ

********************

4月14日、福井地裁において、高浜原発3・4号機の運転差止仮処分決定が下
されました。
原発の基準地震動について、「その実績のみならず理論面でも信頼性を失って
いることになる」、「新規制基準は緩やかにすぎ、これに適合しても本件 原
発の安全性は確保されていない」として、新規制基準が安全を保障しないこと
を明確に断じました。つまり、今回の決定は,高浜原発3・4号機のみ ならず、
全国のすべての原発の安全性にレッドカードを突きつけたものといえます。

 

この決定の意義と全国の脱原発訴訟の動きなどを多くのみなさんに知っていた
だくために、院内集会を開催します。なお、集会では、仮処分の申立人から原
子力規制庁への申し入れも行います。

ぜひ、たくさんの方にご参加いただきたいと思います。

●日時:4月17日(金)13:30~17:30 (13:15から通行証を配布します)
●場所:衆議院第二議員会館 多目的会議室          
大飯・高浜原発差止仮処分申立団、福井から原発を止める裁判の会:水戸喜代
子、松田正、奥出春行
大飯・高浜原発差止仮処分弁護団:河合弘之、海渡雄一、笠原一浩、中野宏典
●発言:鎌田慧(ルポライター)、国会議員、他
原子力規制庁担当者出席予定   終了後は官邸前抗議行動へ!

●共催:大飯・高浜原発差止仮処分弁護団、脱原発弁護団全国連絡会 TEL
03-5511-4386

http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/15-04-16/


よろしくお願いいたします。

2015/04/14

【南相馬避難指定解除問題】ついに提訴へ!~南相馬の地点解除

【転載です】

みなさま(重複失礼・拡散歓迎)
FoE Japanの満田です。連投&複数のMLへの投稿、大変失礼します。

 

1.特定避難勧奨地点の解除は違法だとして、福島県南相馬市の同地点と周辺の
住民132世帯535人が、近く東京地裁に提訴します。

政府はずっと住民や国民を無視して、帰還促進政策を一方的に決めてきました。
すでに伊達市、田村市都路、川内村などが、住民の反対にもかかわらず、避
難指示が次々に解除されていきました。多くの方々が避難を継続する困難に直面
し、被ばくを避けて暮らす権利を奪われています。
今後もこの流れは続くでしょう。

国の一方的な避難指示解除に、はじめて司法の場でのたたかいを挑んだ南相馬の
皆さんを、孤立させてはなりません。全国から応援していきましょう!

この訴訟を大きな社会のうねりにつなげていきましょう。あなたのお力をお貸し
ください。

この訴訟に関して、応援署名とメッセージの募集を開始しました。
署名は応援メッセージとともに、南相馬の地点解除訴訟の原告のみなさんにおわ
たしします。以下のChange.orgのページから署名できます。
http://goo.gl/JDohtr

ぜひ、署名および拡散にご協力ください。

 

2.「20ミリ基準の撤回を! 帰還の強要に反対!」経産省前アピール

特定避難勧奨地点の解除は違法だとして、福島県南相馬市の同地点と周辺の住民
132世帯535人が提訴します。住民の意思を無視した強引な解除の指揮をとったの
は、実際は(加害者である)経済産業省です。
提訴当日、南相馬の住民たちが、経産省前で、最後のアピールを行います。
ぜひ応援に駆けつけてきてください!

・日時:2015年4月17日(金) 10時~11時
・場所:経済産業省本館前
・呼びかけ:南相馬・避難勧奨地域の会
                   南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会
                   南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会準備会
問い合わせ先:090-6142-1807

 

3.南相馬の地点解除訴訟(「20ミリ基準撤回訴訟」)を応援する全国集会 in 東京(5/9)
「帰還促進政策に異議!」「被ばくを避ける権利を!」
http://www.foejapan.org/energy/evt/150509.html

南相馬の原告団、福島各地から、弁護団がかけつけます。
ついに支援の会が立ち上がります!

◆日時:2015年5月9日(土)18:30~20:30
◆場所:文京区男女平等センター(東京都文京区本郷4-8-3)
https://www.bunkyo-danjo.jp/access.aspx
◆参加費:500円
◆内容(予定):
「私たちは、なぜ訴えざるをえなかったのか」…南相馬の原告のみなさんから
「南相馬特定避難勧奨地点解除の違法性」…弁護団から
「南相馬だけの問題ではない! 国の避難指示解除の強引さ」…福島各地から
「南相馬を応援しよう!」
…南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会(仮)から
◆主催:南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会準備会
(Hsink 避難・支援ネットかながわ、福島老朽原発の会、FoE Japanなど)
◆問い合わせ先:FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン) 
携帯:090-6142-1807 Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986

2015/04/13

【美浜原発破砕帯評価】有識者の検討内容をねじ曲げる規制委の茶番

みなさまへ<転載歓迎>

<美浜原発破砕帯評価>有識者の検討内容をねじ曲げる規制委の茶番

原子力規制委員会田中俊一委員長は、4月8日の定例会合の予定議題終了後に、
美浜原発3号機の破砕帯評価について、話をはじめ、専門家による評価が継続中
であるにもかかわらず、その検討内容をねじ曲げた上で、具体的な審査に入ると
しました。

これは有識者による検討をないがしろにするばかりでなく、「活動が否定できな
ければ活断層」すなわち「疑いあらばクロ」と定めた新規制基準にも反するもの
です。

 

4月8日の原子力規制委員会定例会合では、田中俊一委員長と断層評価を担当し
ている規制委員の石渡氏とのあいだで以下のやりとりがありました。

◆田中委員長◆「美浜発電所敷地内破砕帯有識者会合をYOU TUBEで見ましたが、み
なさんの見方が一定の方向でまとまったように感じましたけれど、石渡委員に説
明をお願いしたいと思います」

◆石渡委員◆「はい。一昨日に第4回の評価会合を実施しました。4名の有識者が
それぞれの意見を述べられました。その結果、個々の破砕帯の活動性につきまし
ては、後期更新世以降に活動したというような明確な情報はないという点につい
ては、4人の方々で大きな隔たりはございませんでした。一方で調査データの不
足が若干あるとの指摘がございまして、今後対応していく必要があると考えてお
ります。」「いずれにしましても、有識者の見解に一定の方向性が出たというこ
とで、次回の評価会合では評価書案を提示した上で議論を目指していくというの
が基本的な方針でございます」

◆田中委員長◆「美浜3号炉についてはすでに適合性審査が開始されているところ
でございます。いま石渡委員からご説明がありましたように、敷地内破砕帯評価
につきましては、Sクラスの施設の下に当面活動するような破砕帯はないという
理解でよろしいですか」

◆石渡委員◆「そうですね、そういう後期更新世以降の活動を示唆するような明確
な情報はなかったという点については一致したということは事実でございます」

 

まるで、有識者会合で、美浜原発の重要施設直下に活断層はないとの意見で一致
したかのようです。しかしこれは事実に反します。ここで問題になっている4月
6日の美浜発電所破砕帯評価会合第4回会合では、有識者のプレゼンを受けて、
石渡委員は以下のようにまとめています。

◆石渡委員◆「以上で4人の先生方のプレゼンテーションを一通り終わったのです
が、だいたい先生方のご意見はあまり隔たっていないように感じました。つまり
後期更新世以後にこれらの破砕帯が動いたという明確な積極的な証拠というもの
はないと、では後期更新世以降はそれらが絶対に動いていないか、それを否定す
るような根拠というものも残念ながらない、という点ではみなさん一致している
のではないかと思います。」

 

石渡氏は、原発直下の破砕帯が活断層である証拠もないが、それを否定する証拠
もないという点で意見が一致したと述べていたのです。規制委員会定例会合で
は、後半の「否定する証拠もない」との一致点を意図的に外しています。

 

これは大きな問題です。というのは、新規制基準の断層評価に関する審査ガイド
では、活断層の定義を「将来活動する可能性がある断層等は、後期更新世以降
(約12~13万年前以降)の活動が否定できないもの」としています。すなわち、
原発直下の破砕帯の判定は、活断層である証拠の有無ではなく、それを否定する
証拠の有無によるのです!

その上、美浜原発については、破砕帯の上にあった地層が工事ではぎ取られてし
まっており、後期更新世以後の地盤がないのです。後期更新世以降に破砕帯が動
いた証拠がないのは当たり前のことであり、それでは基準を満たさないので、関
電は、後期更新世以降の活動が否定できないことを示すのに必死になっているの
です。それでもデータが不足しており「否定する根拠はない」というのが、委員
の一致した見解なのです。

これをねじ曲げて、肝心な部分をカットすることにより、まるで破砕帯の活動性
はないことで一致したかのように話を持って行っているのです。茶番です!

有識者会合の検討をないがしろにし、検討結果をねじまげ、自ら定めた基準を踏
みにじるようなやり方は絶対にゆるせません!

2015/04/03

【政府交渉速報】原子力災害対策指針<パブコメ4・3まで>

<転載歓迎>

今日の政府交渉の速報です。のれんに腕押し状態でなんとも煮え切らない交渉
でしたが、パブコメは明日が締め切りです。まずはパブコメでぶつけましょう。
誤認や追加等ありましたらお知らせください。

原子力規制を監視する市民の会 阪上 武

 

*********************************
原子力災害対策指針改悪についての政府交渉

 

規制庁側は、原子力防災担当の若い係長、やや年配の課長補佐と専門官の3名
でした。市民側は30名ほど。岐阜から兼松さん、井戸川さん、崎山さん、福
島みずほ議員も参加されました。

若い係長はモニタリングの担当でしたが、質問に答え切れず、他の2名が主に
対応していましたが、他人事のように公式見解を繰り返すばかりでした。

主に議論になったのは、SPEEDIについて、安定ヨウ素剤の配布について、1日
待って避難の3点です。

 

<SPEEDIについて>

SPEEDIの扱いについては、こちらから、福島の経験を踏まえて、より活用する
方向で検討すべきではないかと質すと、とにかくSPEEDIは不確実でだめだと、
ソースタームがあったとしても、気象の拡散予測が信用ならないと全否定して
きました。

 

それは福島事故とは関係ないでしょうと問うと、事故前から見直しの議論はあ
ったと。福島事故時のSPEEDI予測については、あれは逆解析だから合うのは当
たり前だと。では事故発生直後に逆解析を行いそれを使えばよいではないか、
今回の指針改定で削除となったところにも逆解析を行うと書いてあったと指摘
しましたが、とにかくSPEEDIは不確実だからダメだと繰り返すばかりでした。

 

兼松さんからは、岐阜県が設置した外部専門家会議で、委員から、SPEEDIを使
わないことに対する批判が出たことの指摘がありました。新潟県も予測に基づ
く避難を求め文言を削除しないようにとのパブコメを出しています。SPEEDIの
活用について再検討を求めました。

 

<安定ヨウ素剤について>

安定ヨウ素剤について、プルーム対策として、30km圏外でも配布すべきではな
いかと質しました。規制庁は、プルーム対策は屋内退避が基本だ、ヨウ素剤は
タイミングが難しくプルーム通過の後では意味がない、タイミングや範囲の予
測が困難が困難だと回答。

それでは、UPZ内はどうなっているのかと聞くと、備蓄して配布することにな
っていると。プルームに間に合うのかと聞くと、間に合うかもしれないし、間
に合わないかもしれないと。UPZ外も同じではないか。なぜ配布しないのかと
聞くと、プルームは30kmしか届かないと言い始めました。

 

その根拠となっているシミュレーションがあるのですが、事故の規模を福島事
故の100分の1程度のセシウム100テラベクレルの条件なのです。これは、重大
事故対策の安全目標であり、ここまでの事故しか起こりませんよというもので
はない、避難の想定で使うのはおかしい、少なくとも福島事故規模を想定すべ
きだと主張しました。規制庁は、福島事故を超える事故でも対応できるように
すると言いながら、安全目標を想定に使うので問題はないと矛盾した回答を繰
り返していました。

 

ヨウ素剤配布については、UPZ内について、プルーム通過に間に合うように配
布しろと指針に書くべきではないか、そのために事前配布が必要ならそうすべ
きだ、UPZ外についても同じだ、福島では甲状腺がんが多発しており事故との
関係について検証が必要な状況だ、福島事故の際に、50km圏の三春町では配布
された、今回の改訂は後退ではないかと主張し、UPZ外のヨウ素剤配布を削っ
たことについて撤回を求めました。崎山さんからは、ヨウ素剤は早めに飲める
ようにしておけばよいとのコメントがありました。

 

規制庁は、屋内退避でよいのだと繰り返しました。三春町の件は自治体が独自
でやったもので、今後も規制庁が止めることはないとの回答でしたが、そんな
ことはどこにも書いていません。

 

<OIL2一日待っての避難>

今回、一時移転の判断基準であるOIL2について、基準値の1時間あたり20マイ
クロシーベルトという通常の400倍程度の放射線量を観測してもすぐには避難
できず、一日待ってまだ20マイクロシーベルトを超えたらようやく避難開始と
なるとの文言が加わりました。即時避難の判断基準であるOIL1は毎時500マイ
クロシーベルトであるので、事故により、毎時490マイクロシーベルトが観測
されてもすぐには避難できず、そのまま線量が下がらなくて恐ろしく高い線量
が続いたとしても一日待たないと避難できないことになります。

 

一日待ての指針が高いレベルの被ばくを住民に強いることになるのではないか
と質しました。規制庁は、いや実際にはきめ細かく測って対応するだろうから
そんなことにはならないはずだと涼しい顔。だったらそのように書き直せと、
一日待てについても撤回するように求めました。

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