【尿検査】被災地で広がる尿検査ネットワーク
被災地で広がる尿検査ネットワーク
(フクロウの会/放射能測定プロジェクトと連携して尿検査を推進するチャイるのネットの皆さんより)
第5期までにいただいた寄付金はお陰様で総額83万4858円に上り、福島県、宮城県、栃木県のお子さんの検査を行っています。
栃木県塩谷町へ行ってきました
2月14日、栃木県塩谷町に伺いました。宇都宮から東北本線で北に四つ目の駅で下車し、車で15分ほどの場所で学習会が行われました。前回の学習会の後に、尿検査を行った方を主に対象として、検査結果表の読み方の説明をするためです。駅から会場まで車で案内していただく道すがら、美しい山並みをバックに一面田んぼが広がり、塩谷町が日本の食を支える生産地であることを感じました。一方、沿道には放射性廃棄物最終処分場建設に反対するのぼりや看板がいたるところに立っており、町を挙げて反対運動を行っていることがわかりました。前回訪れたメンバーから聞いてはいたのですが、実際に現地に行ってみることでその切迫度が肌に伝わってきました。
尿検査についての現地学習会
学習会には現地の大人の方7名、お子さん3名、こちらからはちくりん舎理事の青木一政さん、チャイるのネットからは2名が参加しました。
青木さんのお話のあと、参加者の方から活発な質問がされました。そのうち、食品については「子どもに豆乳を毎日飲ませているが、心配です」、「玄米と白米ではセシウムの検出度に違いがでるのでしょうか」などの質問が出され、また、健康影響については「肺に放射性物質が蓄積される場合、どのように身体に影響がでるのでしょうか」などの声があがりました。その一つ一つに対して、青木さんの長年取り溜めたデータや経験をもとに、詳しい説明がされました。どの質問にも、いのちを守りたい、という強い想いが感じられました。
尿検査結果の地域による違いのグラフでは、これまでちくりん舎で扱った検査検体のうち、福島県、栃木県のセシウム検出者の割合が高いことが示されました。貴重なデータを見つめる皆さんの眼差しが鋭くなったように感じました。
参加された一人の女性は、「知人の子どもさんの就職がきまり喜んでいたところ、除染の仕事だということがわかって心配しています、若い人に健康不安を押しつけてよいのでしょうか」と心配そうに話されていました。
被災地での尿検査ネットワークを
会の終わり、参加者の方から、今日の学習会は参考になったので関心のある人にもっと聞いてもらいたい、そのためには口コミや何かの媒体で宣伝してみてはどうか、などの感想が出されました。こちらからは、同じ思いを持つ人たちが繋がりを持てるネットワークが作れたら、との提案が挙がりました。
塩谷町は生産地であるため、食物や土壌の心配を声に出しにくい事情があります。そのなかで、お会いした皆さんは、自ら学び、発言し、根気強く行動しておられます。学びを怠ってはいけない、と身が引き締まると同時に、ひとたび事故が起こると、誰も関わりたくないような諸々の途方もない問題を抱えてしまうことを再認識しました。
塩谷町を見守る山並み、水、大地、その恵み、放射能の問題、そのもとで暮らしておられる皆さんからたくさん教わった一日でした。(T・Y)
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