2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

« 2016年10月 | トップページ | 2017年1月 »

2016/11/24

事故から5年半―帰還困難区域の深刻な汚染状況

2016年10月に帰還困難区域内の調査を行なう機会がありました。福島県浪江町津島地区から避難されている方からの依頼があり、ご本人が自宅へ訪れる機会に同行させていただき周辺の調査を行ないました。

原発事故後極めて高線量のため通常は立ち入りが禁止されている帰還困難区域-浪江町津島地区は事故後5年半経過した現在でも凄まじい放射線量です。

 

Dscf9794

 

しかし、政府は今年8月にこの帰還困難区域も今後5年間で避難指定解除を目指して「復興拠点」の整備を行う方針を発表しています。

「帰還困難区域の取り扱いに関する考え方」(原子力災害対策本部)資料はこちら

 

すでに除染の限界はあきらかです。またこの不十分な効果しか挙げられない除染でさえ、そこから生じた大量の廃棄物の処分が深刻な問題となっています。福島県だけでなく、周辺の県においてもその最終処分地の解決の目処は立っていません。このような状況で、新たに帰還困難区域で除染を行って避難指定解除を目指すというのは全く異常です。この現状を明らかにするために、空間線量率、土壌汚染分析などを行ないました。

 

 また今回の調査のもう一つ狙いとして事故直後に家屋内に侵入したセシウムの濃度を屋内に堆積したホコリから推定することがあります。事故直後から家屋を締め切り、その後避難していて閉め切られた屋内にどの程度の放射能が侵入したかを測定することは大きな意味を持ちます。政府は原発の過酷事故の場合に屋内退避を計画しています。しかし今回の調査結果からは、築後8か月の高気密住宅の屋内でさえ高濃度のセシウムが侵入していることが明らかになりました。このことはいったん原発の過酷事故が起これば周辺の住民は被ばくを避けられないことを示しています。

 

ちくりん舎の学習会で使用した資料をもとに調査報告をまとめましたので紹介します。(ファイルが大きいので3つに分けてアップします)

 

「kikannkonnan-01.pdf」をダウンロード 

「kikannkonnan-02.pdf」をダウンロード 

「kikannkonnan-03.pdf」をダウンロード

 以下、資料の要点です

 

5年半後の浪江町津島K氏宅周辺の汚染状況

・浪江町津島K氏宅周辺では椚平馬場牧場付近で4.34μSv/h、 大柿ダムまんまや前で5.98~11.98μSv/h、椚平B氏宅入口で4.77μSv/h(いずれも地上1m)である。屋外で24時間滞在を仮定すると38~105mSv/年間の被ばく量に相当する極めて高い線量である。

・椚平馬場牧場付近では地上1cmで3.51μSv/h、1mで4.34μSv/hと線量率の逆転状況がある。これは地表面(道路側溝)の汚染よりも周辺の森林からのガンマ線の影響が大きいことを示しており、道路、側溝、住宅周辺の除染のみでは線量低下は期待できないことを示している。

・まんまや前駐車場には黒い物質が存在し、サーベイメータは振り切れ(地上1cm)30μSv/h以上であった。

・イトヒバの木の根元の土壌汚染は286万Bq/平方メートル(換算係数65)に相当し、チェルノブイリ事故の基準では「特別規制ゾーン」に相当する。(K氏宅は2011年12月~2012年2月に国によるモデル除染実施済みである)

・K氏宅の屋内リビング、寝室では0.36~0.55μSv/h(1m高)、0.27~0.40μSv/h(1cm高)であった。1cm高より1m高の方が測定値が高い。これは床や床下からの影響よりも屋根や周辺の森林などからの影響を受けていると考えられる。

・K氏宅周辺と室内の空間線量をもとに文科省が被ばく計算に用いている屋外8時間、屋内16時間滞在を仮定して被ばく量を計算すると年間21mSv程度の被ばく量となる。(屋内0.55μSv/h、屋外6.0μSv/hで計算)

  

屋内に侵入した空気中の放射能推定結果についての考察

・天板4か所のホコリからはいずれも高濃度のセシウム134,137を検出した。この汚染は事故直後に屋内に侵入したものが大部分であると想定できる。再浮遊がないものとして計算すると、屋内に侵入したセシウム濃度は10~490Bq/m3(2011年3月時点推定)である。

・この家屋は2016年3月12日の屋内退避指示により、締め切り換気扇も停止している。それでもこれほど高濃度のセシウムが屋内に侵入していることが明らかになった(K氏宅は事故8か月前に新築した高気密住宅である)。原発の過酷事故後の「屋内退避」は、現実には吸引による内部被ばくを避けられないことを示している。

・今回の4か所の測定結果の推定は大きくばらついている。面積当たりで9倍、体積当たりでは約50倍の差がある。

・ばらつきの大きな要因として拭き取り効率の違いが想定される。スチール天板と冷蔵庫は塗装した鉄板であるが、土間板とリビングテーブルは木材である。ATOMTICAによると、スミヤ法の拭き取り効率では非浸透性材料で50%、浸透性材料で5%となっており、10倍程度の違いはあり得る。http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-06-04

・その他の要因として、屋内空気の対流や風の流れによる再拡散と移動の可能性が考えられる。今後さらに同様なデータを収集して実態を明らかにしてゆく必要がある。

 

結論

・事故後5年6ヶ月経過した現在においても、今回調査した地域の汚染状況は極めて高い。今後もセシウム137の汚染が長く続く。

・空間線量は森林汚染からの影響が大きく除染は極めて困難である。

・これまでの各地での除染結果から、すでに除染の限界は明らかである。また不十分な効果しか挙げられない除染による廃棄物ですら最終処分地の解決の目処は立っていない。

・帰還困難区域に「復興拠点」を設けて除染や指定解除をする政府の政策は無意味である。除染や「復興」に当てる財源は被害者への賠償と生活再建に回すべきである。

・原発過酷事故後の「屋内退避」は屋内に侵入するセシウムをはじめとして希ガスや微粒子状の放射性物質の吸引による内部被ばくを避けられない。

・一たび原発事故が起これば広い範囲での住民の被ばくと地域の長期間にわたる深刻な汚染は避けられない。原発再稼働を止め直ちに脱原発の方向へ政策を改めるべきである。

 

2016/11/23

【院内集会&政府交渉】11/28は参院議員会館へ<院内集会&政府交渉>原発は地震に耐えられるのか?

みなさまへ

11月28日(月)は参議院議員会館へ!(拡散希望)
よろしくお願いいたします。(阪上 武)

*************************
<院内集会&政府交渉>原発は地震に耐えられるのか?
原発再稼働と地震/火山/電気ケーブル劣化/避難計画
http://kiseikanshi.main.jp/2016/11/22/1128kosyo/
*************************

 福島県沖で大きな地震があり、津波も発生しました。地震が起こるたびに原発
は大丈夫かと心から心配になります。熊本地震は、原発の地震動が過小評価であ
ること、原発の耐震評価ではくり返しの揺れが考慮されていないこと、屋内退避
を基本とした避難計画が逆に危険性を高めることを明らかにしました。また、火
山灰の評価が違反状態であることも明らかになっています。このような状況で原
発再稼働を進めては、とても命と暮らしを守ることはできません。
 原発の地震動・耐震評価・火山灰再評価、電気ケーブルの劣化による絶縁問題
ならびに避難計画をテーマに、院内集会と政府交渉を実施します。鹿児島、佐賀、
関西など、各地から参加されます。どなたでも参加できます。ぜひご参集くださ
い。原発部品の強度不足問題について、同じ会場で11時20分から政府交渉がもた
れます。合わせてご参加ください。
 
■日 時:11月28日(月)14:00~17:40
■場 所:参議院議員会館B109
■スケジュール
 13:30 通行証配布開始(参議院議員会館ロビー)
 14:00~15:00 院内集会
 15:10~16:30 政府交渉(地震・火山・ケーブル劣化)
 16:40~17:20 政府交渉(避難計画・避難訓練)
 17:20~17:40 まとめ集会
■主 催:川内原発30キロ圏住民ネットワーク/玄海原発プルサーマルと全基を
みんなで止める裁判の会/避難計画を案ずる関西連絡会/グリーン・アクション
/美浜・大飯高浜原発に反対する大阪の会/国際環境NGOグリーンピース・ジャ
パン/国際環境NGO FoE Japan/福島老朽原発を考える会/原子力規制を監視す
る市民の会(調整中)
■資料代:500円
■問合せ:090-8116-7155 阪上まで

【政府交渉】原発部品の強度不足問題
■日 時:11月28日(月)11:20~13:30
■場 所:参議院議員会館B109
■主 催:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン/もっかい事故調/原子力規
制を監視する市民の会(問合せはグリーンピース・ジャパンまで)

2016/11/16

【共同抗議声明】美浜原発3号炉の運転期間延長認可に抗議する

先ほど、規制委定例会合で、美浜3号炉の運転期間延長認可が決定しました。
認可に抗議して共同抗議声明を発出しました。

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2016/11/%E6%8A%97%E8%AD%B0%E5%A3%B0%E6%98%8E11.16.pdf

http://kiseikanshi.main.jp/2016/11/16/kogi-5/

*********************************

抗 議 声 明

美浜原発3号炉の運転期間延長認可に抗議する

 原子力規制委員会は、本日11月16日、関西電力美浜原子力発電所3号機の
40年超運転延長を認可した。安全に関わる多くの問題を置き去りにしたまま、
法的期限を優先し、結論ありきで認可を下したことに、私たちは強い憤りをもっ
て抗議する。

 至近に活断層が複数存在する美浜原発3号機は、当初から耐震性に余裕がなく、
認可基準を満足できるかどうかが危ぶまれていた。ところが原子力規制委員会は、
審査での判断に必要な試験の先送りを容認し、厳格であるべき法的手続きを、再
びないがしろにした。福島第一原発事故の教訓から法制化された「原発の運転期
間40年」という原則は、もはや完全に空文化している。
 半世紀も前の設計で造られ、取り替えられない圧力容器や電気ケーブル等が劣
化した老朽炉をこの地震列島で稼働させるのは、あまりに無謀と言わざるをえな
い。

 しかも、この半年余りの間に明らかになった新たな問題は放置されたままだ。
 熊本地震で起きたような、繰り返しの強い揺れによる原発機器への影響は考慮
されておらず、美浜原発3号機では疲労破壊が懸念される箇所も存在している。
基準地震動についても、現在採用されている計算式では著しい過小評価になると
指摘されているが、全く見直されていない。

 原子力規制委員会が審査の対象とするのを避けた住民の避難計画にも、大きな
問題を抱えている。熊本地震では、原発震災が起きた場合、避難手段やルートの
確保は難しく、被ばく防護の手段と考えられた屋内退避そのものが新たなリスク
となることも判明した。また、重大事故を想定した福井県と京都府の防災訓練は、
福島原発事故の反省もリアリティも欠如し、原発災害対策の困難さ、行政の能力
の限界を浮き彫りにした。福島原発事故から5年余が経過し、小児甲状腺ガンを
はじめとする健康被害が明らかになりつつある中で、必要とされる安定ヨウ素剤
の事前配布も全くできていない。

 原子力規制委員会は、このように山積する問題に蓋をして、強引に美浜原発3
号機の延長運転を認めた。福島原発事故の教訓はどこに行ったのか。

 美浜原発は琵琶湖に最も近い原発であり、ひとたび重大事故が起きれば、風下
に位置する中京圏の被害は甚大となるだけでなく、関西圏1400万人の命の水源を
放射能汚染で失うであろう。自分たちの命の問題について、黙っているわけには
いかない。
 私たちは、福島原発事故の悲劇を二度と繰り返さないために、これからも美浜
原発3号機をはじめ危険な原発の廃炉を求めて訴え続けていくことを抗議ととも
に宣言する。

2016年11月16日
「老朽原発美浜3号も廃炉へ!11・13集会実行委員会」
[ふるさとを守る高浜・おおいの会/ 原発反対小浜市民の会/ グリーン・アクシ
ョン / 原発なしで暮らしたい丹波の会/ ネットワークあすのわ/ よつ葉デリバ
リー京滋/ 美浜の会/ 避難計画を案ずる関西連絡会 / さよなら原発・ぎふ/ 高
浜原発40年廃炉 ・名古屋行政訴訟を支える市民の会/ 国際環境NGO FoE Japan/
グリーンピース・ ジャパン/ 福島老朽原発を考える会/ 原子力規制を監視する
市民の会]

連絡先 原子力規制を監視する市民の会 東京都新宿区下宮比町30-12-302
    TEL:03-5225-7213 FAX:03-5225-7214 
    グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103
    TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
    E-mail:
info@greenaction-japan.org

2016/11/15

【緊急行動】11月16日10時◆美浜3号・老朽炉の寿命延長認めないで!規制委前アピール行動

みなさまへ<拡散希望>

◆美浜3号・老朽炉の寿命延長認めないで!規制委前アピール行動
http://kiseikanshi.main.jp/2016/11/14/mihamaencho/

40年を超える美浜原発3号炉の寿命延長審査について、原子力規制委員会・規
制庁は11月16日にも認可を下そうとしています。地震活動期に入る中、40
年ルールを破っての運転延長認可は許されません。危険な老朽炉に鞭打つ再稼働
に反対し廃炉を求める署名は2万5千筆を超えました。署名は15日に滋賀県他
に提出し、規制委にも提出します。16日の当日は会合前に規制委前で寿命延長
を認めないよう求めるアピール行動を行います。是非ご参加ください。

日 時 11月16日(水)10:00~10:20
場 所 原子力規制委員会前(六本木ファーストビル)六本木一丁目駅5分
主 催 原子力規制を監視する市民の会
問合せ 090-8116-7155阪上まで

引き続き10:30からの規制委員会定例会合の傍聴ができます
規制委への署名(目録)提出は前日の15日にFAXにて行います

阪上 武

« 2016年10月 | トップページ | 2017年1月 »