原発の火山灰濃度規制がパブコメに
みなさまへ
◆原発の火山灰濃度規制について
https://www.nsr.go.jp/data/000203731.pdf
https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000270.html
原発の火山灰濃度規制強化の件で、本日9月20日の原子力規制委員会定例会合
において、規則等の一部改正案が承認され、一か月のパブリック・コメント期間
に入りました。
<火山灰濃度基準が従来の100倍規模に>
原発の火山影響評価で用いる火山灰濃度について、富士宝永噴火のシミュレーシ
ョンなどの新知見により、現状で用いられている数値が過小評価であることが明
らかになり、専門家を交えた検討チームでの検討を経て、7月19日に濃度基準
を従来の100倍規模に引き上げることを決めていました。
<現状では対応できず全電源喪失の危険>
濃度が100倍規模であがると、現状では対応できず、非常用ディーゼル発電機
のフィルタの目詰まりにより全電源喪失に至る可能性があります。また、現状で
電力会社は、2台ある非常用ディーセル発電機を片方ずつ止めて交換を繰り返す
ことを前提としていました。これは、単一故障の仮定を要求する基準に反します。
<直ちに稼働を止めるべき>
よって、私たちは、既に許可済みの原発や運転中の原発について、直ちに運転を
止めるよう求めてきました。今回の規則案については、改定後約1年間の猶予期
間を設けることになっていることとしています。これではその間の安全性が守ら
れないことになります。
<新しい濃度基準で風向きの不確かさを考慮しない抜け道>
さらに、新しいの濃度については算出方法が二つあり、シミュレーションにより
風向きについての不確かさを考慮するやり方は、一方だけにあるのですが、今回
の規則案では、どちらか一方でやればよいことになっており、風向きについての
不確かさを考慮せずにすむ抜け道があります。保守性を考慮するのであれば、両
方で算出してより厳しい値を採用すべきです。
<濃度に加えて厚みについても再評価が必要>
加えて、濃度について、シミュレーションでは風向きの不確かさの考慮を要求し
たわけですから、火山灰の厚みについても、同様の考慮が要求されてしかるべき
です。濃度と厚みは密接に関連し、一方があがればもう一方もあがる関係にあり
ます。厚みの値は、建物や設備が水を含んだ火山灰の重みに耐えられるかという
評価にもかかわってきます。濃度だけでなく、厚みについても再検討、再評価を
求めなければなりません。
東海第二原発の審査では、風向きのほんの僅かな違いで、23センチになったり
49センチになったりという状況でした。結局より保守的な後者を採用し、想定
する基準火山灰による厚みは50センチを用いることにしました。
阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)
« 原発の火山灰濃度規制についての政府交渉報告 | トップページ | 10/4★柏崎刈羽原発の審査書案に抗議アピール★規制委前12時 »
「原発再稼動問題」カテゴリの記事
- 5/1<院内集会&政府交渉>むつ核燃料貯蔵施設・柏崎刈羽原発の稼働中止を求める(2024.04.16)
- 明日の14時から 連続オンライントーク第1回 能登半島地震からの警告(2024.03.27)
- 能登半島地震と原発周辺の活断層の過小評価(2024.03.17)
- 1/31<要請行動>「原発動かさないで」能登半島地震で露呈した原子力防災指針の欠陥(2024.01.28)
- <抗議声明>柏崎刈羽原発の運転禁止解除に抗議する(2023.12.28)
« 原発の火山灰濃度規制についての政府交渉報告 | トップページ | 10/4★柏崎刈羽原発の審査書案に抗議アピール★規制委前12時 »
コメント