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2018/01/26

<政府交渉報告>原発の火山審査を問う/中間貯蔵/避難計画

みなさまへ(転載歓迎)

24日に行われた原発と火山他いついての院内集会と政府交渉について簡単に報
告させていただきます。中間貯蔵の項は美浜の会の小山英之さん、避難計画の項
は美浜の会の島田清子さんからの報告を挿入しました。

約50人の方にご参加いただきました。ありがとうございました。

院内集会は、広島高裁で伊方原発差止の決定をえた仮処分の申立人のひとりであ
る小倉正さんから挨拶からはじまり、差止の決定を拍手でみなで喜び合いました。
鹿児島、佐賀、関西からも参加があり、新潟から小木曽茂子さんも参加されまし
た。国会議員は、福島みずほ議員が参加されました。

原発の火山審査、使用済核燃料の中間貯蔵、原発の避難計画のそれぞれについて
情報共有を行い、その後、政府交渉(規制庁と内閣府が出席、エネ庁は欠席)を
行いました。

後藤政志さんが発言されていたように、規制庁の姿勢は、専門家の指摘も受け入
れず、危険かどうかはっきりしないから動かすというもので、安全が確認されな
い限り運転を認めないとの基本を放棄したものでした。

◎原発の火山審査について(相手方:原子力規制庁)

冒頭で佐賀の永野浩二さんから、玄海原発の再稼働中止をもとめる要請書の手渡
しが行われました。

◆破局的噴火の可能性については従前の説明を繰り返すだけ

・火砕流が原発に到達するような破局的噴火の可能性については、広島高裁のみ
ならず、これまで、火山に関する5つの決定のうち4つで、電力会社や規制庁の
主張は退けられています。
・これは司法と専門家の総意であるとして、規制庁に見直しを求めました。規制
庁は、噴火ステージ論やマグマだまりの状況などから、破局的噴火が発生する可
能性が十分に小さいとする主張を繰り返しました。規制庁が挙げた根拠は、こと
ごとく専門家から否定され、否定されたことを裁判所が認定したものです。市民
側は改めて、審査の見直しを要求しました。
・玄海原発から30キロ地点で10メートル以上の火砕流の痕跡があることが、
審査の最終日に報告され、火砕流が原発に到達した可能性について検討すること
なく、報告を受けたその日に審査を終えていた件については、九州電力がモニタ
リングを自主的にやるので、確認する必要がなくなったと回答し、到達可能性に
ついて検討していないことを認めました。

◆大山噴火による大飯原発の火山灰評価は過小評価が明らかに

・規制庁の委託研究による山元孝広氏の論文が、関電による大飯原発や高浜原発
の火山灰評価の過小評価を指摘している件ついて議論しました。関電が検討対象
としていた大山生竹噴火(DNP)について、山元氏が再評価した結果、原発周
辺で30センチの規模となりました。大飯原発の火山灰の想定は現状で10セン
チです。
・規制庁で火山担当の安池氏は、山元さんは30センチの露頭が京都で確認され
たとの論文を使っているが、山元さん自身がこの露頭を見ているわけではないと
し、だから6月14日の規制委会合で、関電に露頭を調査するように指示したと
説明しました。12月13日には中間報告が出ているということでした。安池氏
は、もし30センチの露頭が見つかり、それがDNPであることが確認されれば、
再評価のスタート地点となると述べました。
・市民側は、火山灰の大幅な過小評価により、危険な状況にあるかもしれないの
で、再稼働が迫る大飯原発について、再稼働を止めて審査をやり直すよう要求し
ました。
・のちほど12月13日の関電による中間報告を確認しました。(非常にわかり
にくい場所にあります)以下です。
 
http://www2.nsr.go.jp/disclosure/meeting/DR_ETS/index.html
 http://www2.nsr.go.jp/data/000214222.pdf
 http://www2.nsr.go.jp/data/000214221.pdf
・関電は京都市右京区越畑地点で露頭を確認していました。スケッチ図をみると、
火山灰の厚さは最大26センチとあります。関電は今後組成などを調査し、最終
報告はまとまり次第報告とありますが、スケジュール表には1月下旬とあります。
・山元論文は、DNPよりも噴火規模の大きいDKP(大山倉吉噴火)について、
関電が特殊なものとして検討対象から除外したことについて、除外する理由はな
くなったとしています。DKPについて再評価を行った場合、火山灰の厚さは5
0センチを超えると思われます。これについては時間切れで議論できませんでし
た。

◎中間貯蔵施設に関して(相手方:規制庁[エネ庁は欠席])

◆貯蔵期間は何年か…変更申請により50年を超える貯蔵も可能

・貯蔵期間は法的には決められていない。
・キャスクの「設計貯蔵期間」も決められていない。
・むつの施設の場合は、50年で申請が出されており、50年を超えて貯蔵すること
はない。「設計貯蔵期間」も50年。
・パブコメへの回答で、具体的な貯蔵期間自体を規制要求とはしていなくて、検
査などの結果に応じて決めるものというのは、50年の範囲内で、検査等の結果に
よってはより短くなることもあり得るという意味だ。50年を超えることはない。
・50年を超えて貯蔵する場合は、変更申請が出され、それを審査することになる。

◆貯蔵終了後の行き先として「別途中間貯蔵」とはじめて言及

・(1)と(3)は資源エネ庁の領域なのでそちらに聞いてほしい。
・(2)貯蔵終了後の返還の相手方としては、再処理するためという前提で、契
約先つまり東電と日本原電に引き渡すとなっている(これは経産省の審査書に書
かれているのと同じ内容)。
・そこから先にどの施設に行くのかはわからない。どの再処理工場に行くのかわ
からない。これは政策的な問題なので資源エネ庁に聞いてくれ。

質問:再処理施設等ということだが、「等」とは具体的に何を指すのか(資料に
付けた経産省の審査書に「貯蔵された使用済燃料集合体は再処理等を行い」と書
かれている)。

回答:審査の中で事業者は行き先として一つは再処理工場を挙げている、もう一
つは「別途中間貯蔵」を挙げている。

すなわち、いわば第2中間貯蔵施設をつくりそこに運ぶことも考えているという
こと。その場合は「設計貯蔵期間」50年を超えて貯蔵することになる。 

福島議員のまとめ:50年終了した後どうなるか、どこの再処理施設に行くのかは
資源エネ庁に聞けという態度では中間貯蔵施設の安全性は担保されない。全体的
な政策の合理性を明らかにすべきだ。それができるまでは、むつの施設のゴーサ
インを出すべきではない。

結論:貯蔵期間は法的には決まっていなくて、むつの場合は50年となっているが、
その後の行き先施設またはどの再処理工場かは定かでなく、第2中間貯蔵施設を
つくってそこに行くこともあり得るが、その場合は設計貯蔵期間を超えることに
なる。どこにも行き先がなければ、最初の中間貯蔵施設に居座ることになりかね
ない。

◎避難計画について(相手方:規制庁・内閣府)

◆高浜と大飯の同時事故を想定した避難計画はまだ作っていない。「なるべく早
く」(内閣府)というだけ

内閣府は、同時事故時の避難計画については、今年1月に作業部会を初めて開
き、それぞれの避難計画をベースに作れるので、全く新しいものではないと語り
ました。「いつまでに作るのか?」の質問に対しては、「なるべく早く」としか
答えませんでした。

事故時に対策本部を置くオフサイトセンターですが、高浜と大飯のどちらに置く
のかは
・先に事故が起きた方に
・同時に事故が起きた場合は、避難道路の状況等を見て、「その時になって決め
る」というだけでした。これは全く意味不明です。

・現在の避難計画でも要援護者の避難手段等は具体的になっていません。大飯の
避難計画では、ストレッチャー等をピストン輸送することになっています。これ
について、内閣府の橋本氏は「30km圏内全員が避難することを前提にピンスト
ン輸送としている。しかし、全員が避難することはあり得ない」などと発言。勝
手に甘い想定で「全員の避難はあり得ない」と判断するなど許せません。福島事
故の避難を経験した菅野さんは、規制庁のこのような姿勢を厳しく批判されまし
た。

◆「毎時91マイクロシーベルトより高い測定値はある」(規制庁)「関電の説
明は間違っている。間違ったままで通さないようにしたい」(規制庁)

関電が、京都・滋賀の住民説明会等で、福島事故時の周辺の「最大」空間線量が
毎時91マイクロシーベルトと、2011年4月29日の数値を使って説明している問題
です。

規制庁は、91より高い測定値があることは認め、例えばとして、文科省の3月
15日モニタリング、浪江で330があると答えました。

住民説明会で、このような関電の説明をなぜ黙って聞いていたのか?については、
説明会は、関電や規制庁、内閣府等がそれぞれの説明を行う場で、反論する場で
はないため、と回答。これに対して、関電のウソの説明を放っておくのか、関電
に謝罪して訂正させるべき等々、参加者から批判が起こりました。

やりとりの中で
「周辺(5km圏外)で福島事故後の最大値が毎時91マイクロシーベルトという
関電の説明はまちがっている」「間違ったまま通さないようにしたい」と確認し
ました。

住民説明会に同席していた、規制庁福井担当の地域原子力規制調整官の西村氏
は、最初に京都で関電がこの話をしたときに、少しおかしいという風に思った
と、広報の担当の馬場氏は話していましたが、公に批判することもしていないた
め、関電はその後もこのウソの説明を話続けたのです。
「間違った説明のまま通さないように」具体的に関電を指導するように求めまし
た。規制庁がどのように対応するのか、監視しましょう。

虚偽の説明を関電に撤回させるべき、再稼働を認めないようにという質問につい
ては、担当ではないので答えられないと。この点については、再度担当部署から
回答を得る必要があります。

今回確認した点を、関西・福井の市民や自治体に伝え、ウソの説明を繰り返す関
電の再稼働を止めるために、頑張りましょう。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

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