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2019/08/29

南相馬20ミリ裁判報告集会で尿検査結果の中間報告

2019年8月28日、東京地裁で南相馬避難20ミリ基準撤回裁判の第16回期日がありました。
東京地裁には雨の中多くの支援者が傍聴に参加されました。

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裁判では原告側弁護人から準備書面(24)として、原告に対して行ったアンケートをもとに本件解除で原告が帰還を余儀なくされた実態の説明がありました。また準備書面(25)の「不溶性放射性微粒子による被ばく  リスク」についての説明がありました。

裁判終了後の報告集会では、ちくりん舎の青木から、特別報告として、南相馬の原告の方々の尿検査の結果(中間報告)を行いました。

ちくりん舎では南相馬20ミリ裁判の原告の皆さんの尿検査による内部被ばく調査を行っています。それと合わせて比較のために、グリーンコープ生協さんのご協力で、西日本在住の方々の尿検査を行っています。今回の中間報告でも、西日本在住の方々は17人全員、不検出(検出下限0.06Bq/kg) にもかかわらず、南相馬在住の方では、不検出はわずか20%弱にすぎず、多くの方がセシウムを体内に取り込んでいる状況が説明されました。

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当日の説明資料はこちらからダウンロードできます。

南相馬20ミリ裁判原告の方々の尿検査結果(中間報告)

 

2019/08/15

六ヶ所再処理施設の審査会合で渡辺満久さん指摘の六ヶ所断層に関する議論

みなさまへ(転載歓迎)

8月9日の原子力規制委員会の六ヶ所再処理施設の適合性審査において、渡辺満
久さん指摘の六ヶ所断層に関する議論がありました。誤認等あればご指摘くださ
い。補足をぜひお願いします。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

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六ヶ所再処理施設の審査は、昨年末に事実上終了し、審査書作成にとりかかった
のですが、今年3月になって規制委側が、航空機衝突、火山灰評価、そして六ヶ
所断層に関して再検討を行うよう指示を出し、再審査状態になっていました。特
に六ヶ所断層に関するものは、審査が長引くとされています。

渡辺さんの指摘は、六ヶ所再処理施設周辺には、表面に撓み(たわみ)があり、
これが地下の撓みとつながっている。これを六ヶ所撓曲としたうえで、この撓曲
をつくる断層が地下にあり、表面の撓みの年代から活断層であるというものです。

さらにこの六ヶ所断層は、下北半島の東の沖合海底に100キロ以上連なる海底活
断層の一部をなしているとも指摘しています。

渡辺さんはこれらを査読付きの論文にまとめていましたが、規制委はこれを新知
見とは認めず、審査で無視してきました。それが一転して、検討するよう指示を
出したのです。

原燃は、表面にみえるのは撓みではなく段丘であり、地下にみられる斜めの断層
(向斜構造)とは無関係であるとしています。その根拠として向斜構造の上にあ
って水平にみえる約100万年前の砂子又層をあげています。今年3月の規制委の
指示には、渡辺論文とならんで、原燃が砂子又層だと主張する地層について、年
代を特定するようにというものも含まれていました。

原燃は、敷地周辺で再度の調査を行った上で結果をまとめ、7月23日の事業者
ヒアリング(非公開)を経て、8月9日の適合性審査会合に臨みました。

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8月9日に原燃が出した資料が2つあり、一つ目(資料1-1)が出戸西方断層の
北方と南方の境界についてのもの、二つ目(資料1-2)が渡辺さんの論文に対す
る反論でした。

原燃は二つ目の報告で、渡辺さん指摘の撓曲について、勾配を算出すると、渡辺
論文とは違う値となり、異常に傾斜するような撓曲変形は認められないなどとし
ています。しかしこの資料に対して、規制委側から質問は全く出ませんでした。

質疑で問題になったのが、出戸西方断層の資料についてで、渡辺論文に関係する
のが、南方の境目についてでした。

原燃は、従来説明に使っていた露頭の説明では、渡辺論文の反論ができないと考
えたのか、再度探してみたら近くに新たな露頭が見つかったとし、これまでの審
査資料で根拠としていたのとは別の露頭について説明しました。

原燃によると、新たに見つかった露頭は、傾斜した地層の上に水平な地層があり、
年代を調べると約38万年前であったしています。約100万年前の砂子又層とは年
代がずれているのですが、原燃は「砂子又層上部」という言い方でごまかしなが
ら、あくまで砂子又層だと言い張っていました。

規制委は、原燃側の話は聞いたとしたうえで、新しく見つかった露頭を含めて、
規制委として9月か10月をめどに現地調査を行うとしました。

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規制委側の対応は、渡辺論文に即して検証しようというものではありませんでし
た。原燃の二つ目の論文については、既にヒアリングで聞いたという姿勢ですし、
現地調査も新たに見つかった露頭についてしか話が出ませんでした。下北半島の
海底活断層については決着済みという姿勢です。

昨年末に審査を事実上終えた段階で根拠にしていた露頭については、原燃が砂子
又層であると主張していた地層について、「年代測定は困難」と一言いうだけで
した。本来ならこれでアウトのはずです。

いずれにしろ、渡辺論文について指示を出しながら、肝心の六ヶ所撓曲について
検証しようとしないというのは問題だと感じました。

それから、原燃側で対応したのは、原燃の社員でしたが、後ろから口を出すのが
あの電中研の佐々木氏でした。佐々木氏は関電の大山火山灰の評価について、関
電側に立って京都越畑地区の火山灰層で厚みの評価は困難と主張しつづけ、石渡
委員と対立し結果的に論破されたその人です。今度は原燃の側に立って偉そうに
講釈を垂れていました。

8月9日 適合性審査資料
http://www2.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tekigousei/nuclear_facilities/2000080096.html

8月9日 適合性審査動画
https://www.youtube.com/watch?v=NUkaBcSlcKU

20190628
UPLAN 渡辺満久「六ヶ所再処理工場周辺の活断層評価への疑問」
https://www.youtube.com/watch?v=4EuD6qPvhE8

2019/08/06

地元では訴訟を準備―田村市バイオマス発電第2回学習会

8月4日田村市大越町行政局にて「第2回木質バイオマス発電を考える学習会」が開かれました。昨年9月につづき2回目の開催です。

第2会大越学習会チラシ

田村市大越町では既に田村バイオマスエナジ―㈱(以下田村BE)の基礎工事が進んでいます。

 

田村BEの予定地ー既に基礎工事が始まっている

 

学習会は、報告1としてちくりん舎の青木より「放射能汚染林と木質バイオマス発電」と題して講演がありました。講演内容では、今年4月に行われた第1回地域協議会で田村バイオマスエナジー㈱(以下田村BE)が説明した資料をもとに、田村BEのバイオマス発電計画の問題点の指摘が具体的に行われました。

 

学習会報告1での講演のようす

 

問題点の指摘の第1は、田村BEが放射能を「厳格に管理」するということへの疑問点です。受け入れ木材は空間線量計で「周辺の放射線量と変化がないこと」としているが、これでは事実上無チェックにちかいことが指摘されました。また第2の点として「安全安心のためバグフィルターの後段にHEPAフィルターを設置する」としていますが、計画図ではこれが信頼できるものではないことが具体的に指摘されました。

プレゼンの録画はこちらから(約55分)

プレゼン資料はこちらからダウンロードできます

つづいて特別講演として東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宜弘教授より「民有林・国有林の『盗伐』合法化のねらい」と題して講演が行われました。

 

鈴木先生のお話は、バイオマス発電事業に木材を安価で大量に供給できるようにする法律改悪が進められていること、それらは安倍政権のもとで進められている農業や漁業への大資本の進出を促すような一連の法律改悪の一環であることが説明されました。先生のお話は深刻な問題をユーモアたっぷりに説明し聴衆を引き込むものでした。

学習会の最後に「大越町の環境を守る会」の皆さん、「放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会」の和田央子さんからお話がありました。そのお話の中で、HEPAフィルターの虚偽説明による公金支出を問題として田村市に対して行政訴訟を考えていること。その準備段階として行政監査請求を行っていることが紹介されました。

大越町の環境を守る会、ふくしま連絡会、ちくりん舎などが中心となり既に「田村バイオマス訴訟支援の会」が作られています。訴訟支援の会への寄付、会の宣伝などよろしくご協力をお願いします。

 

FBページはこちらです

メールはこちらから tamurabaiososyou.sien@gmail.com

田村バイオマス訴訟支援の会チラシ

田村バイオマス訴訟支援の会への寄付はこちらへおねがいします。

ゆうちょ振込口座:00270-8-106485

口座名称:田村バイオマス訴訟支援の会(タムラバイオマスソショウシエンノカイ)

 

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