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2023/02/16

<傍聴報告>石渡委員「炉規法は規制委が守るべき法律」と反対貫く・令和2年見解に疑義

みなさまへ(転載歓迎)
〇石渡委員「炉規法は規制委が守るべき法律」「科学的技術的でなく安全側でもない変更をすべきではない」
〇石渡委員「運転期間は利用政策判断」との文章の作成経緯に疑問。「金科玉条のように使うものではない」
〇山中委員長「石渡委員は根本的に異なる『心情』をお持ちだ」
報道にもあるように、昨日の原子力規制委員会の定例会合で、最後は4対1の多数決で、運転期間の定め(40年ルール)を炉規法から外し、60年超運転を認める変更が了解・決定されました。石渡委員は最後まで反対を貫きました。討論では4人の委員を圧倒していたと思います。
第72回原子力規制委員会臨時会議動画 2023年02月13日
石渡委員が一貫して主張されていたのは、炉規法を改定する積極的な理由がないということです。これに対し、山中委員長はいつものように令和2年7月29日の文書の「運転期間の定めは利用政策判断であり規制委が意見を述べるべき事柄ではない」との文言を持ち出します。
●石渡委員はこの文書の作成経緯を具体的に問題にしました。
石渡委員は、文書は表題にあるように「運転期間延長認可と長期停止期間中の原発の経年劣化との関係に関する見解」であり、規制委員会の場でもそのようなものとして出てきた。議題も「経年劣化管理に関わるATENA(原子力エネルギー協会:事業者団体)との実務レベルの技術的意見交換会の結果を踏まえた原子力規制委員会の見解(案)について」というものであった。意見交換会の6回議事録を全てみたが『原子力規制委員会が関わるべき事柄ではない』といった議論はなかった。どういう経緯でこの文書のこの部分が入ったのか、非常に疑問をもっている。規制委が議論を重ねて作られたものではない。などと述べました。
 
その場で石渡委員が他の委員に、「委員の中で一部でも執筆した人はいるか?」と聞きましたが誰も手を上げず。そのうえで、この文書を金科玉条のように使って、原子力規制委員会の全体の意思として、確固として決定された、というものではないのではないか。と述べました。さらに、これを根拠にして例えば炉規法の40年ルールをなくしてもいいとか、そういう議論にはならないのではないか。とも述べました。
 
山中委員長は様々な場での議論をまとめたものだとだけ述べました※
●また、石渡委員は(伴委員も同調したのですが)60年超の安全規制を具体的にどうするのかも決められずに60年超運転を許していいのかとも発言されました。事業者ではなくて、規制委の側の問題として、審査しきれるのかとの問題提起をされたのだと思います。
 
山中委員長は、50年目までは従来のもので問題ない、60年の審査については時間があるのでその時までに検討すればよいと逃げました。中性子脆化などが問題になるが、60年までは実機による試験結果と予測式による評価があるので問題ないとも。しかしこの問題では、予測式による評価結果と試験結果が合わず、評価結果に信頼性がないことが問題になっています。
 
●さらに石渡委員業は、審査を丁寧にやって長引くことにより、運転期間が延長され、高経年化したより危険な原発が動くことになる矛盾について、特に、不祥事などでやむなく審査を中断して検査になる場合があるが、その期間がさらに延長できることになる。具体的にはデータ改ざんがあった敦賀や不祥事で運転禁止が出た刈羽崎刈羽のことを指しているのだと思われます。事業者側の責任で生じた問題で審査を中断して不本意ながら検査を行ったがその分運転期間を延ばしてもいいよとなれば、審査をする人間としてはとても耐えられないとも。
★最後に石渡委員が以下のように述べました。
「炉規法は原子力規制委員会設置法とペアの形でそのときに制定されたと理解している。炉規法というのはしたがって、原子力規制委員会が守るべき法律である。科学的技術的な理由、より安全側にかえる、そういうはっきりした理由があればこれを変えることにやぶさかではないが、今回のこの変更はそのどちらでもない。」
 
石渡委員は、原子力規制委員会の委員として課せられた責務に照らして、当然のしかし重要な指摘をされたのだと思います。
 
これに対し山中委員長は「根本的に異なる『心情』をお持ちだ」とし、これを多数決で退けました。石渡委員の発言は個人的な心情などではありません。山中委員長は「炉規法は規制委が守るべき法律」とは異なる意見をお持ちのようですが、そのような人に規制委員会の委員長を務めさせてよいのでしょうか。
 
******************************
 
★★今回の動きは経産省エネ庁が規制委を飲み込む構図だと思いますが、そこに山中氏が深く関わっているようにもみえます。
 
山中委員長は、①「炉規法の運転期間に関する定めは安全規制ではなく利用政策判断だった」との虚構と、②「運転期間の定めは利用政策判断であり規制委が意見を述べる事柄ではない」との虚構に基づく決めつけにより反対意見を封じたうえで、③利用政策側で運転期間を定める方針が出たので規制法からは削除する、との理屈で今回の変更を正当化しています。
 
①については、政府見解として、炉規法改正の国会審議で科学的技術的観点から検討されたことを認めざるをえなくなっています。また。規制庁が2月3日に公表した内閣法制局による炉規法改正の立法趣旨について解説した文書には明確に「安全上のリスクを低減する趣旨で運転期間を制限する」と書いてあります。本来ならこれだけでアウトのはずです。
運転期間の見直しに係る経緯
①炉規法の運転期間に関する定めは安全規制である、②運転期間の定めは規制委が順守しなければならない、③利用政策側で運転期間を定めることはできない、というのが筋です。
しかし山中委員長は、②「運転期間の定めは利用政策判断であり規制委が意見を述べる事柄ではない」が記された規制委見解を盾に議論をさせずに押し通します。②の文言ですが、もとになっている6回の意見交換会では、運転期間について規制委が意見すべきかどうかなどという議論はありません。意見が出たのは、これが令和2年7月22日の規制委の定例会合で報告されたときです。発言したのは当時は委員の一人であった山中氏でした。
 
報告の中でございましたように、CNO会議の中でこの長期運転停止期間を運転期間延長認可制度に加味するべきであるという議論がございました。しかしながら、現行の運転期間延長認可制度の40年という期間は、科学的あるいは技術的な観点から定められたものではなくて、政策に基づいて決定されたものであると考えますので、運転期間延長認可制度の期間について、経年劣化などの科学的・技術的議論とは切り離して判断すべきものであると考えます。つまり、運転期間延長認可制度の期間については原子力規制委員会が議論すべき問題ではなく、加えて長期運転停止期間をそれに含めるかどうかについても原子力規制委員会が判断すべき事柄ではないと考えます。
 
令和2年7月22日規制委定例会合議事録
https://www.nra.go.jp/data/000320904.pdf
 
昨日の臨時会合の場で山中委員長は、CNO会議(意見交換に先立つ会合)の中で運転期間についての議論が出たように言っていましたが、上記を読むとわかるように、CNO会議では長期停止期間をカウントしないで欲しいとの事業者側の意見が出ただけでした。「しかしながら」と続けて「私のコメント」が展開され、そこで②が展開されます。翌週の令和2年7月29日の規制委定例会合に提示された規制委見解(案)に「運転期間の定めは利用政策判断であり規制委が意見を述べる事柄ではない」との記載が入り、山中氏は「私のコメントを3.、6.にまとめていただいた」と述べています。
令和2年7月29日規制委定例会合議事録
 
昨日の臨時会合後の記者会見でも、この5年かけて事業者とも協議を重ねながら進めてきたとの発言がありました。計画的に進めてきた?可能性もあると思います。
 
原子力規制委員会臨時記者会見動画 2023年02月13日
阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

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