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2023/08/10

東海第二原発はもう圧力容器の監視ができない・運転延長認可は見切り発車

みなさまへ (必要な方に転送してください)

 

  • 東海第二原発はこれ以上原子炉圧力容器の脆化の監視ができない
  • 監視試験片は残存片が入れてあるだけ・再生試験片はつくれない
  • 40年目の運転延長認可は見切り発車・いますぐ取消しを!

 

GX法の国会審議において、老朽炉の危険性として、原子炉圧力容器の中性子照射脆化について、監視試験片が足りず、今後の監視ができない問題が明らかになりました。また先ごろ、政野敦子さんの取り計らいで阿部知子議員へのレクの形式で、専門家の服部成雄さん、井野博満さんらを交えて、規制庁との意見交換会がもたれました。それらを参考に、東海第二原発に即して問題点をまとめてみました。

 

*****

 

〇東海第二原発(1978年運転開始)は、運転開始時点で監視試験カプセルが4つ(うち加速照射1)入れられた。1回目に自主的に入れた加速照射カプセルを取り出し、2回目以降は電気協会規格JEAC4201の指標に従って取出し、運転開始36年目に4回目を取り出し、当初入れた監視試験カプセルはすべて取り出した。4回目の試験結果が40年目の運転期間延長認可の審査に用いられた。

 

〇電気協会規格JEAC4201-2007(いま審査で用いられているのは2007年版)は、設計寿命40年を想定しており、運転開始から40年(稼働率80%で定格負荷相当年度32年)までで監視を終える計画となっている。

 

〇現行の運転期間延長認可制度において、運用ガイドは監視試験片の取出しについて、「運転開始後30年を経過する日から10年以内のできるだけ遅い時期に取り出し」及び「運転開始後40年を経過する日から10年以内の適切な評価が出きる時期に取り出し」を要求している。東海第二の場合、4回目の取出しが、電気協会規格の最終回と運用ガイドの前半の要求を同時に満たすものとなっている。

 

〇今後の取出しについては、3回目と4回目に取り出した後、破壊試験で半分になった残存片(再生試験片ではない)をそれぞれ炉に戻していて、3回目と4回目の試験後に戻したものを、5回目と6回目として取出し、それぞれ再生試験片を作成して試験を継続するとしている。

 

東海第二発電所 劣化状況評価(中性子照射脆化)補足説明資料(原電作成:40年目の審査資料)の13頁に以下の記載 。

https://www.nra.go.jp/data/000241219.pdf

 

第5回監視試験の取出時期は,今後の原子炉の運転時間・照射量を勘案して,運転期間50年を迎える前の適切な時期に実施する。第3回試験済試験片セットは炉内に再装荷しており,また,第4回にて試験した試験済試験片セットは,今後再装荷することとしている。第3回,第4回のどちらの試験片でも対応可能であることから,次回取出前までに決定することとしている。

 

今後,第5回及び第6回の監視試験を実施するに当たっては,「共同研究報告書

運転期間延長許認可制度に対応したRPV監視試験方法の開発に関する研究」において再生試験片の製作方法を開発中である。2016年度に非照射材を用いた確証試験が完了し,現在,照射材を用いた確証試験を実施している段階であり2019年度に完了予定であることから,将来的に2回分の監視試験片を確保することは可能である。

 

〇監視試験片のうち、シャルピー衝撃試験用の試験片については、母材、溶接金属、熱影響部の3つの部位がある。母材については、残存片から再生試験片をつくる技術は確立しているが、専門家の指摘によると、溶接金属と熱影響部については再生が困難(熱影響部については不可能)である。また、再生試験片についての規格が定まっていない。

 

〇規制庁は、現在JEAC4201の改定作業中で、改訂版において再生試験片についての記載がされると説明している。しかし、国会審議において、熱影響部は5ミリほどしか幅がなく再生試験片の作成はできないのではと問われた規制庁は、今年1月に事業者から、試験片の再生が困難な場合があると説明を受けたと答弁している。

 

〇今年1月に行われた規制庁と事業者との意見交換において規制庁は、「(昨年12月に)事業者のほうからの説明として、原子炉圧力容器の溶接について、特に溶接幅の狭い手法を採用したプラントがあって、そういったプラントの監視試験片、再生する場合に、必要な長さが確保できずに、試験片の再生が困難な場合があるという説明を受けました。」と述べている。

https://www.nra.go.jp/data/000417271.pdf

 

〇規制庁は、東海第二原発の40年目の運転期間延長認可の審査において、残存片を入れたというだけで、再生試験片作成の見込みがないままに、また再生試験片についての規格がないままに、さらに今後の取出し計画について事業者が具体的に書かないままに認可してしまった。40年目の審査で原電が出した長期施設管理方針には「原子炉圧力容器胴の中性子照射脆化については,今後の原子炉の運転サイクル・中性子照射量を勘案して第5回監視試験を実施する」と書いてあるだけ。このような見切り発車の認可は許されない!

 

〇現行の運用ガイドに従うと、次回の取出しは、運転開始50年目となる2028年までの適切な評価ができる時期となる。評価には3年以上かかることから、2024年中には取り出さないといけないことになる。それまでに、溶接金属や熱影響部の再生試験片作成の技術が確立し、規格が定まるとはとても思えない。

 

〇規制委は、GX法成立にともない、新たな審査制度の審査基準(先ごろパブリックコメントがあった)を作成しているが、監視試験片の取出し時期について、暦年ではなく停止期間を除いた年度を用いるとの理由で、ガイドにある「運転開始後30年を経過する日から10年以内のできるだけ遅い時期に取り出し」と「運転開始後40年を経過する日から10年以内の適切な評価が出きる時期に取り出し」の要求をバッサリと削除し、代わりの要求なしにただ電気協会規格4201等に従えというだけにしようとしている。東海第二の救済ではないか。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

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