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2018/10/02

フクイチ汚染水・小委員会が公聴会後初の会合

みなさまへ(拡散希望)
http://kiseikanshi.main.jp/2018/10/02/13445/

経産省講堂にて、ALPS処理水小委員会の会合が開かれました。福島第一原発
のタンク中の汚染水について、トリチウム以外の放射能が多量に含まれているこ
とが明らかになり、また8月末の公聴会で海洋放出への批判が相次いだ後のはじ
めての会合です。傍聴してきました。今日は主にトリチウム以外の放射能の現状
について東電から説明がありました。


http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/010_haifu.html

〇ストロンチウムは出口で告示限度の最大数十万倍/タンクで約2万倍
〇東電…再度のALPS処理は環境への放出が前提
〇濃度でしか議論せず…総量をリスクとして捉えて議論すべき

会合では、公聴会で寄せられた意見のまとめのあと、トリチウム以外の放射能に
ついてタンク水の現状について東電から報告を受けました。

会合に先立って、東電は既にタンク水中のトリチウム以外の放射能について発表
しており、昨日までに、最大で告示濃度限度の2万倍のストロンチウムが含まれ
ているなどと報道されていました。

東電は会合で、放射性ヨウ素などの放射能が、告示濃度限度を超えたのは、2013
~2015年度までの時期と2017年度~の時期で、原因は、2013~の時期は、性能が
不十分であったこと、不具合があったこと、敷地境界1ミリ以下を達成するため
に吸着材の交換頻度を下げたこと、2017~の時期はフランジ型タンク内の水の処
理を急いだためにやはり吸着材の交換頻度を下げたことだと説明しました。

2014年には設備の不具合のために前処理ができずにストロンチウムがスルーした
ものがあり、出口濃度で告示濃度限度の数十万倍(資料からの読み取り)、タン
ク内で約2万倍となったものもあったと。

東電は、委員にも国民にも説明が不十分だったと陳謝しました。委員から、国民
の関心時であるのに、問題はトリチウムだけと聞かされていた、なぜ知らせよう
としなかったのかと詰め寄りましたが、東電は、関心がずれていたというだけで
した。

会合では、告示濃度限度を超えるものがタンク内に送られたことについて、規制
上の取扱いも問題になりました。会合に参加していた規制庁の今井氏は、ALP
Sの実施目的に告示濃度限度以下に低減するとの記載があり、告示濃度限度を超
える処理水が生じることは適切ではないと回答しました。委員から、であれば、
薄めて告示濃度限度以下にすればよいとの更田委員長の発言は問題ではないかと
問いましたが、今井氏は答えることはできませんでした。

また、東電は会合で、処理水の二次処理についても言及しました。放射性ヨウ素
などを告示濃度限度以下にするため、ALPSに再度通すないしは逆浸透膜装置
を通すというものですが、東電が会合で示した資料には「環境へ放出する場合は
処分前に…二次処理を実施」とあり、環境への放出が前提となっています。

委員はこの点をスルーして、処理水を二次処理してまたタンクに戻すとの意味合
いでとらえて前向きに評価し、説明にあたった東電の松本氏もそのような理解で
よいと回答していました。会場から、環境への放出を前提とするとの記載に対し
て疑問の声があがりました。

山本委員長も二次処理の方針を持ち上げて終わったのですが、不安を感じた委員
から、終了直後に発言があり、タンクの保管について今後検討することの確認が
ありました。結局、二次処理について、環境への放出を前提にするのかは不透明
なままでした。

放射能のリスクについては、濃度ではなく総量で議論すべきという意見が公聴会
でも多数でました。しかし会合では、トリチウム以外の放射能については、総量
も示されず、濃度の議論に終始しましました。それでは薄めて放出するのも二次
処理も同じことになってしまいます。ストロンチウムやヨウ素は、環境中に出る
と生体濃縮がすぐに問題になる放射能です。総量を明らかにしたうえで、総量を
リスクとして捉えないと、二次処理についての議論はできないと思います。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

2018/09/18

「HEPAフィルタ―設置」は本当か?田村市バイオマス発電計画で新たな重大疑問

情報が明らかにされないまま進められる田村市バイオマス発電計画

 

 

福島県田村市大越町では田村市と㈱タケエイが共同出資して設立した㈱田村バイオマスエナジー(以下田村BE)による木質バイオマス発電計画が進んでいます。この計画を巡っては、本田市長就任に伴い、前市長との約束であった「チップ工場はつくらない」、「(放射能汚濃度の高い)バーク(樹皮)は燃やさない」との条件が覆され、「バークも燃やす、基準は100Bq/kg以下」「チップ工場併設」に方針が変わる、地元住民に対しての十分な説明会が開かれていない、市議会での種々の質問等にも具体的な情報開示がないなどの問題点があり、地元大越町の住民を中心に計画の白紙撤回を求める運動が起きています。

 

 

 

 

HEPAフィルターを設置」するとの説明―田村市とタケエイ

 

 

このような状況の中、田村市は「木質バイオマス発電事業に関する意識調査(戸別訪問)の結果について」という文書を出し(201871日)、その中で調査結果を踏まえた対応として「より安心いただくため、バグフィルターに加え、微粒子を捕捉できる高性能フィルターを設置し、放射性物質の拡散防止対策を万全にする」との言明をしました。

 

また831日日刊工業新聞にも「タケエイ、福島でバイオマス発電」との記事で「安全と環境への配慮を徹底するため、バグフィルターでの処理後にHEPAフィルターでも処理する。これにより粉じんを99・97%以上で取り除く」との報道がありました。

 

 

大型設備にHEPAフィルター設置の実例はない

 

 従来より、各地での放射能ごみ焼却、木質バイオマス発電を巡っては、その集じん装置であるバグフィルターでは、放射能を含む微小粒子状飛灰の拡散が防げないことが問題となっています。今回の「HEPAフィルター設置」発表はこうした批判、疑念に半ば応える形で行われたものです。

 

 

しかしこの「HEPAフィルター設置」発表には重大な疑問が残ります。HEPAフィルターは原発施設内の焼却炉など小規模なもの以外では設置例がないからです。このことは環境省対策地域内廃棄物チームの検討資料でも言及されています。[i]

 

 

 

 

具体的根拠を明らかにしないままの「HEPAフィルター設置」は信用できない

 

 

そこで今回、私たちは質問状を事業者である田村BE宛てに提出し、HEPA

フィルター設置についての技術的経営的現実性を明らかにするよう求めました。しかし同社から寄せられた回答書は「発電所設備の設計ノウハウ等に関わる要素が含まれており、また事業上の重要機密事項でもあるため」として一切の情報開示を拒否するものでした。

 

私たちはこの田村BEの今回の対応が極めて不誠実なものであると考えます。住民の反対や懸念、不安に応えるために出された「HEPAフィルター設置」であれば、その技術的経営的実現性をきちんと住民に納得できる形で提示すべきです。一切の具体的情報開示を拒む田村BEの姿勢は、「HEPAフィルター設置」というリップサービスで住民をごまかして計画を進めるものではないか、との重大な疑惑も生まれます。

 

 

 

田村バイオマスエナジ―と田村市は計画の内容を明らかにする義務がある

 

 

 

 私たちは放射能拡散問題以外にも様々な問題を抱える田村市大越町のバイオマス発電計画には、基本的に反対の立場です。しかし本当に性能が保証された「HEPAフィルター設置」であれば、バグフィルターのみの設備と比べれば一歩前進した対応であるとして評価したいと考えます。

 

しかし、技術的経営的な実現可能性を一切明らかにしない「HEPAフィルター設置」の表明は、全く信用することができません。それどころか、従来から住民無視の姿勢をとる田村BEと田村市が進める木質バイオマス発電計画に、ますます深刻な懸念を深めるものです。

 

 田村BEと田村市は今回の「HEPAフィルター設置」問題を含め、これまで出されている計画について住民に情報を開示すべきです。

 

 


[i] 対策地域内に設置する仮設焼却炉の排ガス処理効果及びモニタリング方法の実験的な確認について 平成24 12 21  環境省対策地域内廃棄物チーム 

https://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/15/mat03.pdf