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2019/03/10

恐ろしい除染土輸送の実態

常磐高速道を南相馬からいわき方向へ南下すると何台もの大型ダンプトラックの車列とすれ違う。大型ダンプの正面には「環境省除去土壌等運搬車」「特定廃棄物運搬車」などの大きな緑色の看板を付けている。

http://chikurin.org/wp/?p=5301

Dscf1232

もちろん常磐道だけではない。福島県の中通り(福島、郡山、二本松など)、浜通り(南相馬、浪江、富岡など)では一般道でも普通に出くわす。

これらのダンプにはキログラムあたり10万ベクレルを超える除染土や10万ベクレルまでの焼却灰が積まれている。キログラムあたりなので、ダンプ1台で10億ベクレルという想像もつかない放射能量だ。これがなんと1日2000台程度、人が普通に住んでいる街を行きかっている。

これらの除染土運搬車の放射線防護はどうなっているのだろうか。本当に安全なレベルと言えるのだろうか。環境省発行の「除去土壌運搬ガイドライン」に沿ってみてみよう。

ガイドライン中の車両運行規則によると、なんと100μSv/hである。単純計算すると年間867mSvに相当する。公衆の被ばく限度は年間1mSvである。環境省の言い分はトラック輸送は短時間に通り過ぎるから、

から問題ない、ということらしい。

しかし、福島県中通り、浜通りでは毎日2000台のこうしたダンプトラックが行きかっているのだ。各地にある仮置き場から中間貯蔵施設に運び込むために、こんな危険な状況を作り出してよいのだろうか。

では、このトラック側面1メートルで100μSv/hという(とてつもなく緩い)基準は守られているのだろうか。ガイドラインをよく読むと、「年間200ミリシーベルトを超えるような地域から発生する除去土壌を運搬する場合には」との但し書き付きで、線量測定と100μSv/hを超えた場合の措置について書いてある。つまり、「年間200ミリシーベルト」を超えない場所からの除染土であれば、なんの検査も要らないことになる。

こうして、ほとんど無チェックでとんでもない放射線を発するダンプトラックが福島県内を毎日2000台、行きかっている。

先日、この除染土壌運搬車が国道で脱輪し3メートル下の草むらに転落するという事故が起こった。積み荷のフレコンバッグはすべて落下したという。http://ur2.link/vyMt

政府は避難指示区域を広げる代わりに、大々的な除染を推進した。その結果、中間貯蔵施設ではとても収まりきれない大量の除染土・除染廃棄物が発生。今度はその処理のため中間貯蔵施設への運搬、「リサイクル」という名の汚染土再利用、可燃性の汚染廃棄物の焼却、放射能微小粒子の空気中への拡散。高濃度に汚染した灰の輸送や廃棄、再利用と際限のない悪循環に陥っている。放射能をこねくり回してまた拡散させて人々を被ばくさせる。環境を汚染する。際限のない泥沼だ。

いったん飛び出してしまった放射能は現実には手が付けられない。その現実から出発しなければならない。

2019/02/27

汚染牧草焼却 中止を求める仮処分 「セシウム漏れ証拠」提出

汚染牧草などの焼却試験を進めている宮城県大崎市内3か所のクリーンセンター周辺でリネン吸着法による監視を続けています。

 

 

焼却試験差止を求める裁判の証拠としてちくりん舎測定のデータが提出されました。裁判長は事務組合側に本件に関して見解を求めましたが組合側は「意見無し」と反論していません。面白い展開になってきました。

 

 

本日2月27日、毎日新聞宮城版が丁寧に報じていますので、ご紹介します。新聞記事ですので冒頭部分を紹介引用します。

 

 

また、裁判証拠として提出したデータと報告書も合わせて紹介します。

 

 

東日本大震災  福島第1原発事故 「セシウム漏れ証拠」提出、
審尋で住民側 汚染牧草焼却、中止求める仮処分 /宮城
毎日新聞2019年2月27日 地方版より(部分)

 

 

 東京電力福島第1原発事故による放射性物質に汚染された牧草の大崎地域広域行政事務組合による西部玉造クリーンセンター(大崎市岩出山)での試験焼却中止を求める仮処分申し立てで、第3回審尋が26日、仙台地裁であった。非公開で行われたが、住民側は「放射性物質が漏れていることをかなり高い確度で示す証拠」として提出した、センター周辺で布をつるして大気中の微小なほこりを集める「リネン吸着法」による調査結果を説明したという。【山田研】

 

 

 調査は、NPO法人市民放射能監視センターちくりん舎(東京都)が、試験焼却に反対する住民と実施した。大崎地域広域行政事務組合が試験焼却を開始した昨年10月15日、同センターなど3焼却施設周辺の民家のベランダや畑など計29カ所にリネンをつるし、今年1月6日に回収。現在、表面に付着したセシウム137の測定を進めている。

 

 

 このうち、同センター周辺では、半径4・5キロ以内の江合川沿いの谷筋9カ所(このうち1カ所は期間中に外したため比較対象外)につるした。ちくりん舎の青木一政・副理事長によると、1平方メートル1時間当たりのセシウムの濃度は同センターから東北東側が0・02ミリベクレル、南側が0・05ミリベク レル、北西側2カ所はともに同0・09ミリベクレルだった。しかし、センターからほぼ真東の地点は0・28ミリベクレルと最高濃度を計測した。南東側3カ所はセンターから近い順に0・16~0・11ミリベクレルだった。

 

 

 一方、センターから北西へ約5キロの江合川北側にある気象庁のアメダス川渡(かわたび)で、リネン測定と同期間に観測された1時間ごとの16方向への風向を分析。無風の「静穏」を除く1671回中、東向き(西風)が最多の20・1%、東南東向きが16・6%と続く一方、南向きから時計回りに南西向きまで3方向と北西から北東向きまでの5方向の風の割合はいずれも5%未満だった。

 

 

 青木氏は、風下だった回数が多かった東や南東側につるしたリネンから検出されたセシウムの濃度が、風下の回数が少なかった南側や東北東側のそれよりも2倍以上高かったことなどから、「試験焼却の有無にかかわらずセシウムが煙突から放出された疑いが強い」としている。

 

・・・以下 同紙記事をご覧ください。

 

 

Photo

 

 

リネン吸着法による測定結果をダウンロード

 

 

裁判所へ証拠として提出した資料をダウンロード

 

 

 

 

2019/02/19

住民の疑惑に一切答えない異常な対応—田村市バイオマス発電

田村市バイオマス発電における住民だましの「HEPAフィルター設置」について公開質問状を提出したことは既に報告しました。田村バイオマスエナジ―㈱(以下田村BE)からの回答は予想通り「事業上の重要機密」を理由に無回答でした。既に公開質問状でも指摘したように、他のバイオマス発電計画では詳細仕様や図面などがウエブサイト上でも公開されており、具体的仕様を一切明らかにしようとしない田村BEの姿勢は極めて異常です。住民だましの偽「HEPAフィルター」であるとの疑念は深まるばかりです。

 

この偽「HEPAフィルター」疑惑について、その重要性を理解していただき議会での追及をお願いするため、2月15日、田村市の議員4名に対して議員レクを行いました。その時の説明資料を下記に掲載します。

 

議員レク時の説明資料

 

公開質問状(再掲)

 

当日の議員レクには田村市の議員4名の他に三春町からも議員2名と「大越町の環境を守る会」の方々も参加されました。レク資料をもとに約1時間半の説明で、議員の方々も田村BEが「安全安心のために」設置すると説明しているHEPAフィルターが、住民だましの偽「HEPAフィルター」ではないかとの技術的疑念について十分に理解していただきました。

 

HEPAフィルター問題だけではなく、「チップは100Bq/kg以下」「受け入れ時と投入時に測定」という点についても、その現実性が極めて怪しいことについて理解していただきました。

 

議論では、議会での追及と住民の運動が両輪になって、この偽「HEPAフィルター」疑惑、「チップ100Bq/kg以下」問題を当面の追及の焦点にして、しっかりと田村BEに説明を要求すること。外部有識者を含む監査が必要であり、そうした仕組みを担保すること。こうしたことができないのであればバイオマス発電の建設や運転は容認できない、議会での追及と住民の運動が連携して闘っていこうとの意見交換がなされました。

2019/02/01

田村市バイオマス発電の「HEPAフィルター設置」は住民だましではないのか?公開質問状提出

福島県田村市では市と田村バイオマスエナジ―㈱(以下田村BE)が木質バイオマス発電の建設計画を進めています。

 

本計画では福島県内の木材を燃料にする予定であり、地元の大越町などで建設反対の運動が起きています。周辺環境への放射能の再拡散など住民の不安の声が大きい中で、田村市と田村BEは昨年5月頃より、「安全安心対策」と称して「バグフィルター後段に、HEPAフィルターを設置することにより、さらに集塵効率を上昇させる」との説明を始めています。

今回、私たちは田村市から情報開示で入手した情報を、プラント技術者の会のメンバーの協力を得て分析しました。その結果、田村市、田村BEの「HEPAフィルター設置」が技術的に見て極めて怪しい住民だましのものではないか、という重大な疑念が湧いてきました。

 

そのため2月1日、大越町の環境を守る会、ちくりん舎、プラント技術者の会の個人の連名で公開質問状を出しました。私たちはここに、質問状の内容を広く公開します。

 

田村市と田村BEのこれまでの情報開示の姿勢は極めて後ろ向きです。他のバイオマス発電計画と比べても、際立って情報開示の姿勢が乏しいと言わざるをえません。この事実を多くの方に知っていただき、田村市と田村BEに対して住民が納得ゆく形での情報開示をするよう声を届ける必要があります。皆さまのご支援をお願いいたします。

 

回答期限は2月15日といたしました。回答が来次第皆さまにご紹介いたします。ご注目下さい。

 

公開質問状をダウンロード

2018年5月25日田村市議会議員向け説明資料(HEPAフィルター部分)をダウンロード

 

 

(ご参考)燃料調達計画さえのり弁状態

2019/01/08

「止めよう!放射能のばら撒き」学習交流集会のご案内

※拡散歓迎、転載はご自由にどうぞ※

学習交流集会in郡山
利権に歪められる原発事故の後始末

止めよう!放射能のばら撒き
~除染ごみ焼却と木質バイオマス発電を考える~

チラシpdf版はこちらから

Photo

●2019.2.10(日)13:30~16:30 13:00開場
●郡山市民プラザ(郡山ビッグアイ7F)
大会議室(JR郡山駅徒歩1分)
Tel:024-922-5544 郡山市駅前2-11-1
●資料代500円

●ゲストトーク 古川美穂さん
「東北ショックドクトリン」著者
●各地からの報告
放射能のばら撒きに対抗する、市民運動の現場から

●共催:NPO 市民放射能監視センター(ちくりん舎)・放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会

●開催に当たって
オリンピックを目前に控え、政府や福島県は福島原発事故を「無かったこと」にするかのように、事故の深刻な被害の隠ぺいに走っています。避難指定解除は住民の合意を得ないまま進められ、避難者はまだまだ放射線量の高い地域にやむなく「帰還」するか、賠償や支援を打ち切られるなかで経済的・社会的・精神的な困難を抱えたままの避難や移住を余儀なくされています。
膨大な予算をつぎ込んで行われた除染の後始末も同様です。環境省は膨大な量の汚染土を「リサイクル」と称して公共事業に使おうと計画しています。またどんなに高濃度であっても「燃えるものは燃やせ」が環境省の基本方針です。汚染牧草、汚染稲わらなどの焼却も進められています。また、再生可能エネルギーとして各地で建設ラッシュが進む木質バイオマス発電にも、放射能汚染木材が使われています。焼却によって生じた高濃度のセシウムを含む焼却灰は建設資材として加工され再利用が始まっています。
各地でこうした放射能ごみのバラマキに反対する声が挙がっています。本学習交流会では、こうした問題の裏側にあるものについて考え、各地での実態を共有することを通じて、放射能ごみのバラマキを止めるための一助にしたいと考えています。各地から多くの方々の参加をお願いします。

【第1 部】 放射能ごみ焼却とばら撒きを考える
●報告1 和田央子
(放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会)
●報告2 青木一政(ちくりん舎)
●ゲストトーク 古川美穂

【第2部】 各地からの報告(予定)
●長野県飯山市
(飯山市木質バイオマス発電計画を巡って)
●宮城県大崎市
(農林業系汚染廃棄物焼却について)
●福島県田村市
(大越町で計画中の木質バイオマス発電計画)
●栃木県那須町
(汚染土壌の「再利用」実証実験を巡って)
●全体討論   


ゲストトーク古川美穂さん プロフィール
1965年神奈川県生まれ。週刊誌記者を経てフリーライター。雑誌等で依存症問題などを取材。著書に『ギャンブル大国ニッポン』(岩波ブックレット)、『東北ショックドクトリン』(岩波書店)など。
【東北ショック・ドクトリン】
大災害などが発生した直後、人々が茫然自失している間に進められる急激な新自由主義的改革=ショック・ドクトリン。
東日本大震災後の東北でも水産特区、空港民営化、被災地域住民の遺伝子検査等、『創造的復興』の掛け声のもとにショック・ドクトリンが仕掛けられた。

●2月11日(月・祝)に、オプショナル・ツアーを計画中です(焼却灰最終処分場、東電廃炉資料館など)。詳しくは、ちくりん舎または、放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会へお問い合わせください。


問合せ
●ちくりん舎    lab.chikurin@gmail.com    Tel&Fax 042-519-9378
●放射能ごみ焼却を考えるふくしま連絡会     stopsyokyakuf@yahoo.co.jp 

2018/10/02

フクイチ汚染水・小委員会が公聴会後初の会合

みなさまへ(拡散希望)
http://kiseikanshi.main.jp/2018/10/02/13445/

経産省講堂にて、ALPS処理水小委員会の会合が開かれました。福島第一原発
のタンク中の汚染水について、トリチウム以外の放射能が多量に含まれているこ
とが明らかになり、また8月末の公聴会で海洋放出への批判が相次いだ後のはじ
めての会合です。傍聴してきました。今日は主にトリチウム以外の放射能の現状
について東電から説明がありました。


http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/010_haifu.html

〇ストロンチウムは出口で告示限度の最大数十万倍/タンクで約2万倍
〇東電…再度のALPS処理は環境への放出が前提
〇濃度でしか議論せず…総量をリスクとして捉えて議論すべき

会合では、公聴会で寄せられた意見のまとめのあと、トリチウム以外の放射能に
ついてタンク水の現状について東電から報告を受けました。

会合に先立って、東電は既にタンク水中のトリチウム以外の放射能について発表
しており、昨日までに、最大で告示濃度限度の2万倍のストロンチウムが含まれ
ているなどと報道されていました。

東電は会合で、放射性ヨウ素などの放射能が、告示濃度限度を超えたのは、2013
~2015年度までの時期と2017年度~の時期で、原因は、2013~の時期は、性能が
不十分であったこと、不具合があったこと、敷地境界1ミリ以下を達成するため
に吸着材の交換頻度を下げたこと、2017~の時期はフランジ型タンク内の水の処
理を急いだためにやはり吸着材の交換頻度を下げたことだと説明しました。

2014年には設備の不具合のために前処理ができずにストロンチウムがスルーした
ものがあり、出口濃度で告示濃度限度の数十万倍(資料からの読み取り)、タン
ク内で約2万倍となったものもあったと。

東電は、委員にも国民にも説明が不十分だったと陳謝しました。委員から、国民
の関心時であるのに、問題はトリチウムだけと聞かされていた、なぜ知らせよう
としなかったのかと詰め寄りましたが、東電は、関心がずれていたというだけで
した。

会合では、告示濃度限度を超えるものがタンク内に送られたことについて、規制
上の取扱いも問題になりました。会合に参加していた規制庁の今井氏は、ALP
Sの実施目的に告示濃度限度以下に低減するとの記載があり、告示濃度限度を超
える処理水が生じることは適切ではないと回答しました。委員から、であれば、
薄めて告示濃度限度以下にすればよいとの更田委員長の発言は問題ではないかと
問いましたが、今井氏は答えることはできませんでした。

また、東電は会合で、処理水の二次処理についても言及しました。放射性ヨウ素
などを告示濃度限度以下にするため、ALPSに再度通すないしは逆浸透膜装置
を通すというものですが、東電が会合で示した資料には「環境へ放出する場合は
処分前に…二次処理を実施」とあり、環境への放出が前提となっています。

委員はこの点をスルーして、処理水を二次処理してまたタンクに戻すとの意味合
いでとらえて前向きに評価し、説明にあたった東電の松本氏もそのような理解で
よいと回答していました。会場から、環境への放出を前提とするとの記載に対し
て疑問の声があがりました。

山本委員長も二次処理の方針を持ち上げて終わったのですが、不安を感じた委員
から、終了直後に発言があり、タンクの保管について今後検討することの確認が
ありました。結局、二次処理について、環境への放出を前提にするのかは不透明
なままでした。

放射能のリスクについては、濃度ではなく総量で議論すべきという意見が公聴会
でも多数でました。しかし会合では、トリチウム以外の放射能については、総量
も示されず、濃度の議論に終始しましました。それでは薄めて放出するのも二次
処理も同じことになってしまいます。ストロンチウムやヨウ素は、環境中に出る
と生体濃縮がすぐに問題になる放射能です。総量を明らかにしたうえで、総量を
リスクとして捉えないと、二次処理についての議論はできないと思います。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

2018/09/18

「HEPAフィルタ―設置」は本当か?田村市バイオマス発電計画で新たな重大疑問

情報が明らかにされないまま進められる田村市バイオマス発電計画

 

 

福島県田村市大越町では田村市と㈱タケエイが共同出資して設立した㈱田村バイオマスエナジー(以下田村BE)による木質バイオマス発電計画が進んでいます。この計画を巡っては、本田市長就任に伴い、前市長との約束であった「チップ工場はつくらない」、「(放射能汚濃度の高い)バーク(樹皮)は燃やさない」との条件が覆され、「バークも燃やす、基準は100Bq/kg以下」「チップ工場併設」に方針が変わる、地元住民に対しての十分な説明会が開かれていない、市議会での種々の質問等にも具体的な情報開示がないなどの問題点があり、地元大越町の住民を中心に計画の白紙撤回を求める運動が起きています。

 

 

 

 

HEPAフィルターを設置」するとの説明―田村市とタケエイ

 

 

このような状況の中、田村市は「木質バイオマス発電事業に関する意識調査(戸別訪問)の結果について」という文書を出し(201871日)、その中で調査結果を踏まえた対応として「より安心いただくため、バグフィルターに加え、微粒子を捕捉できる高性能フィルターを設置し、放射性物質の拡散防止対策を万全にする」との言明をしました。

 

また831日日刊工業新聞にも「タケエイ、福島でバイオマス発電」との記事で「安全と環境への配慮を徹底するため、バグフィルターでの処理後にHEPAフィルターでも処理する。これにより粉じんを99・97%以上で取り除く」との報道がありました。

 

 

大型設備にHEPAフィルター設置の実例はない

 

 従来より、各地での放射能ごみ焼却、木質バイオマス発電を巡っては、その集じん装置であるバグフィルターでは、放射能を含む微小粒子状飛灰の拡散が防げないことが問題となっています。今回の「HEPAフィルター設置」発表はこうした批判、疑念に半ば応える形で行われたものです。

 

 

しかしこの「HEPAフィルター設置」発表には重大な疑問が残ります。HEPAフィルターは原発施設内の焼却炉など小規模なもの以外では設置例がないからです。このことは環境省対策地域内廃棄物チームの検討資料でも言及されています。[i]

 

 

 

 

具体的根拠を明らかにしないままの「HEPAフィルター設置」は信用できない

 

 

そこで今回、私たちは質問状を事業者である田村BE宛てに提出し、HEPA

フィルター設置についての技術的経営的現実性を明らかにするよう求めました。しかし同社から寄せられた回答書は「発電所設備の設計ノウハウ等に関わる要素が含まれており、また事業上の重要機密事項でもあるため」として一切の情報開示を拒否するものでした。

 

私たちはこの田村BEの今回の対応が極めて不誠実なものであると考えます。住民の反対や懸念、不安に応えるために出された「HEPAフィルター設置」であれば、その技術的経営的実現性をきちんと住民に納得できる形で提示すべきです。一切の具体的情報開示を拒む田村BEの姿勢は、「HEPAフィルター設置」というリップサービスで住民をごまかして計画を進めるものではないか、との重大な疑惑も生まれます。

 

 

 

田村バイオマスエナジ―と田村市は計画の内容を明らかにする義務がある

 

 

 

 私たちは放射能拡散問題以外にも様々な問題を抱える田村市大越町のバイオマス発電計画には、基本的に反対の立場です。しかし本当に性能が保証された「HEPAフィルター設置」であれば、バグフィルターのみの設備と比べれば一歩前進した対応であるとして評価したいと考えます。

 

しかし、技術的経営的な実現可能性を一切明らかにしない「HEPAフィルター設置」の表明は、全く信用することができません。それどころか、従来から住民無視の姿勢をとる田村BEと田村市が進める木質バイオマス発電計画に、ますます深刻な懸念を深めるものです。

 

 田村BEと田村市は今回の「HEPAフィルター設置」問題を含め、これまで出されている計画について住民に情報を開示すべきです。

 

 


[i] 対策地域内に設置する仮設焼却炉の排ガス処理効果及びモニタリング方法の実験的な確認について 平成24 12 21  環境省対策地域内廃棄物チーム 

https://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/15/mat03.pdf