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2025/08/19

屋内退避により被ばくを強要する原災指針改定に反対する~屋内退避では十分な被ばく低減効果が期待できない~

みなさまへ(拡散希望)

 

屋内退避により被ばくを強要する原災指針改定に反対する

~屋内退避では十分な被ばく低減効果が期待できない~

https://kiseikanshi.main.jp/2025/08/19/2232/

 

原子力規制委員会は屋内退避の運用について、6月18日に原子力災害対策指針の改定案をまとめ、パブリック・コメントを経て9月には改定しようとしています。特徴は、これまでは避難するまでの一時的な防護措置として位置づけられていた「屋内退避」を、無条件に実施すべき防護措置とすることにあります。「避難のための屋内退避」から「避難ではなく屋内退避」への転換です。屋内に閉じ込め、住民に被ばくを強要する許しがたいものです。

 

原子力規制委員会は説明会の場などで屋内退避による被ばく低減効果を強調します。しかし、規制委が設置した屋内退避に関する検討チームの会合に提出された資料や内閣府原子力防災担当が実施した被ばく防護についての報告書などを丹念にみると、そうではないことが明らかになります。この点に着目して、3ページの図入り文書にまとめてみました(美浜の会ニュースへの投稿に加筆したものです)。ぜひご覧ください。

 

https://kiseikanshi.main.jp/2025/08/19/2232/

PDFファイルはこちら

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2025/08/okunaitaihi-koka.pdf

 

原子力規制を監視する市民の会

福島老朽原発を考える会

 

阪上 武

 

2025/07/12

7/18まで<パブコメ>屋内退避の徹底により住民に被ばくを強いる指針改正案に反対意見を!

みなさまへ(拡散希望)

 

*屋内退避の徹底により住民に被ばくを強要*

7/18まで 原災指針改定案に反対意見を出そう!

https://kiseikanshi.main.jp/2025/07/11/22224/

 

 原子力災害対策指針の改正案(屋内退避の運用)について、7月18日(金)を期限に、意見募集(パブリック・コメント)が行われています。

趣旨は、原発で事故が発生した場合に、UPZ(5~30キロ圏)の住民に被ばく防護として、避難ではなく屋内退避を徹底することにあります。

複合災害では、事前避難が必要な5キロ圏(PAZ)の住民に対しても、避難が困難な場合は屋内退避だとし、住民に100ミリシーベルトを超える著しい被ばくを強いることを容認するものになっています。

避難させない、屋内退避の間の屋外活動を認める、屋内の放射線量の測定をしない、住民の被ばく管理をしない、安定ヨウ素剤の配布・服用もせず、住民に被ばくを強いるものとなっています。

反対意見を出しましょう!

 

★意見募集のサイト

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198025104&Mode=0

★指針の改正案(原子力規制委員会資料より)

https://www.da.nsr.go.jp/view/NRA100010843?contents=NRA100010843-004-009

★避難計画を案ずる関西連絡会による指針改正案の問題点のまとめ

https://www.jca.apc.org/mihama/bousai/pubcomme20250704.pdf

 

◆複合災害時には自然災害対応を口実にPAZ(5キロ圏)の被ばく防護の放棄を容認

 

指針改定案17ページ

<改正案>

・PAZにおいては、緊急事態の区分に応じて避難の対象となる住民等について、自然災害等により避難が困難な場合又は健康状態等により避難よりも屋内退避が優先される場合の措置として、屋内退避を実施する。

<意見の例>

〇PAZ(5キロ圏)は、屋内退避では、重篤な確定的影響を回避することができないことから、即時避難が原則である。計画の段階で、放射線防護対策施設ではない自宅等での屋内退避を容認し、被ばく防護の放棄を正当化するような改定はすべきではない。

〇能登半島地震では、孤立集落が生じ、家屋が倒壊するおそれがあり、避難も屋内退避も困難な状況が生じた。指針はこうした場合でも十分な被ばく防護措置がとれる計画を要求すべきである。

〇放射線防護は人命に関わる。自然災害対応を口実に放射線防護を怠ることは許されない。被ばく防護と被ばく以外の健康影響を抑えることの両方を求める指針の基本的な考え方にも反する。

 

◆原発事故時は避難ではなく屋内退避を徹底

 

指針改正案17ページ

<改正前>

・UPZにおいては、段階的な避難やOILに基づく防護措置を実施するまでは屋内退避を原則実施しなければならない。

<改正案>

・UPZにおいては、全面緊急事態に至った時点で屋内退避を実施する。

<意見の例>

〇改正前は、屋内退避は、避難を前提とした一時的な措置として位置づけられていた。改正案では避難を前提から外し、住民を屋内に留めるものになっている。避難をさせず、無用な被ばくを強いるものであり、撤回すべきである。

〇屋内退避に関する検討チームに提出された「屋内退避について」の原子力規制庁による資料によっても、屋内退避による放射線の低減効果は、コンクリート家屋で50%低減、木造家屋では25%低減にすぎない。しかも、室内の線量は徐々に上がり、そのうち屋外よりも高くなることが知られている。このことからも、屋内退避を原則にすべきではない。

 

◆屋内退避時の屋内の線量測定なし、住民の被ばく管理なし、防護服の配布も安定ヨウ素剤もなし

 

指針改正案18・19ページ

<改正案>

・プルームが長時間又は断続的に到来し屋内退避場所への屋外大気の流入により被ばく低減効果が失われた懸念がある場合には…避難への切り替えを判断し、指示することになる。

・生活の維持に最低限必要な住民等の一時的な外出や住民等の生活を支える民間事業者等の活動は、屋内退避という防護措置の一部をなすものであり、屋内退避中にも実施できるものとする。

・原子力施設の状態が安定して一定の要件を満たし、新たなプルームが到来する可能性がないこと及び既に放出されたプルームが滞留していないことが確認できれば…屋内退避の解除を行う。

 

<意見の例>

〇屋内退避の被ばく低減効果が失われたことを誰がどうやって把握するのか。主に空間線量を測る緊急時モニタリングでは、雪や雨で屋根に積もった放射能の影響、室内に入ったほこりの影響など、屋内の状況や住民の被ばくを把握することはできない。

〇外出が防護措置の一部というのは詭弁にすぎない。住民の被ばく管理もない、マスクや防護服の配布、安定ヨウ素剤の配布・服用などの防護措置もない状況で屋内退避を強要すべきではない。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

2025/05/27

<ご報告>柏崎刈羽原発 複合災害と避難問題で院内集会&政府交渉 

誤認がありましたので訂正しました。阪上

 

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みなさまへ(拡散希望)

 

参議院議員会館にて柏崎刈羽原発の避難問題をテーマに再稼働を問う院内集会と政府交渉が開催されました。会場に40名、オンラインで90名。柏崎市から原発から3キロの宮川地区にお住いの吉田隆介さん、新潟市から桑原三恵さんが参加され、他にも新潟県内から4名が参加されました。院内集会には立憲の菊田真紀子議員(新潟)と波多野翼議員(福井)が参加、設定をお願いした福島みずほ議員も交渉の後半に駆けつけました。

 

東京新聞

https://www.tokyo-np.co.jp/article/407398

 

〇高齢者が多くバスが必要だが果たしてバスは来るのか?

〇豪雪時は除雪に時間がかかり天候回復しても避難はできない

〇放射線防護対策施設(コミュニティセンター)はあるが収容しきれない

〇取り残される不安は消えない

 

院内集会では、吉田隆介さんから、原発から3キロの集落がおかれた厳しい状況についてお話いただきました。

 

PAZ(原発から5キロ圏)内は原発事故の際に放射能放出前の即時避難が要求されるが、集落は高齢者が多く、免許を返納して車を運転をしなくなった人も多い。バスを待つしかないが、バスの運転手が確保できず、何往復もするという話を聞く。運転手も被ばくは避けたいはず。バスが来ずに置き去りにされてしまう心配がある。

 

雪が降れば除雪に時間がかかる。一昨年の大雪の積雪は70センチだったが、除雪が完了してバスが通ったのは一週間後であった。集落の高浜コミュニティセンターが放射線防護対策施設になっている。30人が3日間過ごす想定で食料が備蓄されている。被ばくを避けるにはここに入るしかないが、集落の人口は180人ほど、原発に近い大湊地区の30人もここに入るしかないが、全員が入ることはとてもできない。

 

放射能を取り除く陽圧化装置が設置され、強力なフィルターが設置されているが、放射性の希ガスは素通りして入ってしまう。事故時に装置を誰が起動するのか、市役所の職員が駆けつけることになっているが、緊急時に遠方の市役所から来ることはできるのか。建物は古く、地震に耐えられるのかという心配もある。逆にこの施設があることにより避難が後回しになり、取り残される心配もある。このような心配をしないで済むよう再稼働はしないでほしい。

 

その後、阪上よりPAZの放射線防護について、交渉のポイント解説、桑原さんより、柏崎刈羽原発の再稼働を巡る諸問題について網羅的なお話がありました。FoEの満田さんより、先ごろ新潟県が示した原発事故時の放射能拡散シミュレーションについて、想定した事故の規模が福島原発事故の1万分の1程度しかなく、これをもとに避難計画を検証すべきではないこと。そうした非常に甘い想定でもPAZの一部でIAEA(国際原子力機関)の判断基準である100ミリシーベルトを超えてしまっていること、また公衆の被ばく限度である1ミリシーベルトを超える領域が広範囲に広がることがわかるといった解説がありました。

 

〇市民側…「除雪時のPAZ自宅退避は重篤な影響を及ぼす被ばくを強要するもの」

〇内閣府・規制庁…「重篤な確定的影響(急性障害)…回避でなく最小化でよい」

〇市民側…「指針やIAEA判断基準にも反する」「被ばくの強要許せない」

 

政府交渉(内閣府原子力防災担当・規制庁)では冒頭で署名付きの要望書を提出。交渉は主に、複合災害時のPAZにおける放射線防護について議論がありました。市民側からは以下の問題提起がありました。

 

・原子力災害対策指針(指針)は、放射線防護と放射線以外の健康影響を抑えることを同時に実施することを要求している。

・放射線防護について指針は「重篤な確定的影響(大量の被ばくによる造血機能低下など急性障害)を回避又は最小化する」ために即時避難が必要な地域をPAZとし、原発から5キロと定めている。これは、指針の策定時に規制委が行ったシミュレーションにより、5キロ圏ではIAEA(国際原子力機関)が「重篤な確定的影響を回避又は最小化する」ための判断基準として100ミリシーベルト/週を超えたことによる。

・避難が困難な要支援者については、放射線防護対策施設に屋内退避することにしている。

・柏崎刈羽地域の避難計画をまとめた「緊急時対応案」には、暴風雪や大雪との複合災害について「外出により命の危険が及ぶような場合は自宅等にて屋内退避」とある。これは、「人命のリスクが極めて高い場合は自然災害対応を優先する」との防災基本計画の考え方によるものと思われる。

・しかし「緊急時対応案」には続けて「天候が回復した場合でも除雪が完了するまでは屋内退避を継続する」とある。PAZなので自宅等への屋内退避では「重篤な確定的影響を回避又は最小化する」ことはできない。計画の段階でそのような被ばくを強要する計画は指針に照らしても違反であり、了承することはできないのではないか。

 

これに対し、内閣府原子力防災担当と規制庁は口をそろえて、被ばくを低下するできるだけの措置をとるよう書いてあるので計画として問題はないとの回答がありました。逃げられなければ甘んじて100ミリシーベルトを超える被ばくを受けよと、原発至近で不安を訴える住民の前で言ってのけたのです。

 

その理屈は「重篤な確定的影響を回避又は最小化する」と指針にあるうち、「回避」と「最小化」を切り離し、即時避難により「回避」、それができなければ「最小化」でよいというのです。しかしこれは屁理屈というものです。IAEAの判断基準(これそのものが甘すぎるのですが)は「重篤な確定的影響を回避又は最小化する」ための判断基準であり、「回避」だけではありません。「最小化」するためにも最低限守らならければならない、守らせなければいけない基準なのです。

 

そもそも、規制当局が、自ら採用した判断基準をないがしろにして、計画を了承するための理屈をこねくり回すことに対して憤りを感じました。緊急時対応が、住民の重篤な被ばくを避けることはできず、指針や指針が採用したIAEAの判断基準に照らしても要求を満たすことができないことから、了承しないよう改めて要求しました。吉田さんは、頭の中で考える前に、現場に足を運んでほしいと訴えました。

 

放射線防護対策施設については、事故の初期に放出される放射性希ガスについて、フィルターでは除去できないことを確認しました。特にフィルタベント使用時には大量に生じるので問題があると感じました。再稼働させてはなりません。

 

原子力規制を監視する市民の会

阪上 武

2025/05/23

5/26<院内集会・政府交渉・緊急署名>柏崎刈羽原発・複合災害時の避難問題

みなさまへ(拡散希望)

 

再度のお知らせご容赦ください

政府交渉の事前質問を追加しました

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2025/04/shitsumon-526.pdf

 

*************************

5/26<院内集会・政府交渉・緊急署名提出>

【柏崎刈羽原発・複合災害時の避難問題】

被ばくを強要する対応(案)は指針にも反する

https://kiseikanshi.main.jp/2025/04/28/112233-3/

 

住民の不安の声をよそに、柏崎刈羽原発の再稼働の準備が進められています。新潟県知事が6月に公聴会を開催すると発表しました。 避難計画をまとめた「緊急時対応」(案)についての住民説明会も6月に予定されています。

 

避難計画については、現在、内閣府が設置した柏崎刈羽地域原子力防災協議会作業部会において、柏崎刈羽原発立地・周辺の各自治体の計画や国の対応をとりまとめた「緊急時対応」の策定作業が進められており、既に(案)が提示されています。住民説明会の後、地域原子力防災協議会が原災指針に沿っていることを確認し、最終的に、首相が議長、原子力規制委員会委員長が副議長を務める原子力防災会議において了承を受けることになっています。

 

しかし、その内容には多くの問題があり、実効性に欠くものといわざるをえません。中でも、原発事故と地震、豪雪など、複合災害が発生したときの避難の問題は深刻です。(案)では原発5キロ圏の住民が重篤な影響を受けることになり、指針にも反しています。

 

この問題で、原発から2キロの柏崎市宮川地区在住の吉田隆介さんをお迎えして、5月26日に参議院議員会館において院内集会と政府交渉を行います。交渉の際に、再稼働の前提となる「緊急時対応」の了承をしないよう求める要望書を提出することにしており、緊急の賛同署名を集めています。ご協力のほど、よろしくお願いします。

 

▼署名はこちらから

【緊急署名】柏崎刈羽原発の再稼働の前提となる緊急時対応(避難計画)を了承しないでください—避難も屋内退避もできず、住民が置き去りに

https://foejapan.org/issue/20250513/23967

 

締切:5月25日正午まで(5月26日の集会にて提出いたします。)

 

★【院内集会&政府交渉】

柏崎刈羽原発の再稼働を問う~原発事故と地震・豪雪の複合災害で避難は可能?

https://kiseikanshi.main.jp/2025/04/28/112233-3/

 

日時:2025年5月26日(月)

集会 12:30-14:00 /政府交渉(予定) 14:15-15:45

場所:参議院議員会館B104/オンライン(Zoomミーティング形式)

※会場参加の方は申し込み不要です。

12:00から参議院議員会館のロビーにて通行証を配布します。

 

お話:吉田隆介さん(柏崎市在住)

桑原三恵さん(規制庁・規制委員会を監視する新潟の会) ほか

 

交渉の事前質問事項

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2025/04/shitsumon-526.pdf

 

▼オンライン申し込みはこちらから

https://kiseikanshi.main.jp/2025/04/28/112233-3/

 

主催:

原子力規制を監視する市民の会

国際環境NGO FoE Japan

規制庁・規制委員会を監視する新潟の会

 

問合せ 090-8116-7155(阪上)

2025/04/29

<院内集会&政府交渉>柏崎刈羽原発の再稼働を問う

みなさまへ(拡散希望)

 

<院内集会&政府交渉>柏崎刈羽原発の再稼働を問う

~原発事故と地震・豪雪の複合災害で避難は可能?~

https://kiseikanshi.main.jp/2025/04/28/112233-3/

 

5月26日(月)12:30~ 参議院議員会館B104

 

直接参議院議員会館ロビーにお越しください。申し込みは不要です。

オンラインでもご参加いただけます。以下から登録してください。

https://us02web.zoom.us/meeting/register/MfeTZYUxRk2Y4fK1POVxOA

 

柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例は否決されてしましたが、 柏崎刈羽原発の再稼働について、県民の不信、不安の声はますます高まっています。

 

中でも、原発事故と地震、豪雪など、複合災害が発生したときに住民は避難も屋内退避もできず、大量の被ばくが強いられる問題は深刻です。

 

新潟から桑原三恵さんと原発から3キロ地点にお住いの吉田隆介さんをお招きし、院内集会を開催し、複合災害時の避難と屋内退避をテーマにした政府交渉(予定)を行います。どなたでもご参加いただけます。

 

お話

吉田 隆介さん(柏崎市在住)

桑原 三恵さん(規制庁・規制委員会を監視する新潟の会) ほか

 

5月26日(月)参議院議員会館B104

 12:00~ ロビーにて通行証配布

 12:30~14:00 院内集会

 14:15~15:45 政府交渉(予定)

 

オンラインでもご参加いただけます。こちらからお申込みください。

https://us02web.zoom.us/meeting/register/MfeTZYUxRk2Y4fK1POVxOA

 

主催

原子力規制を監視する市民の会

国際環境NGO FoE Japan

規制庁・規制委員会を監視する新潟の会

 

問合せ 090-8116-7155(阪上)

2025/02/07

<地震と原発>原発複合災害時の屋内退避について

みなさまへ(重複・長文ご容赦)

https://kiseikanshi.main.jp/2025/02/06/112233-2/

 

原子力規制委員会の屋内退避に関する最終報告書案

https://www.da.nra.go.jp/view/NRA100007905?contents=NRA100007905-002-002#pdf=NRA100007905-002-002

について、昨日からニュースになっていますね。原発が立地する5県が、原発事故と自然災害が同時に起きる「複合災害」への備えが不十分などとして懸念を示していることがアンケート調査でわかったとのニュースも流れています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/45f67c570f9941200e7eeb2896d7f565d35b61f2

 

◆複合災害時の屋内退避について

 

複合災害について最終報告書案は

 

【結論】原災指針は複合災害にも対応できる基本的な考え方を示しており、複合災害への対応に関して原災指針の考え方を変更する必要はない。

 

【解説】自然災害と原子力災害が同時に発生する複合災害に対しても原災指針は対応できるのかという問いがある。すなわち、屋内退避に関して言えば、家屋が倒壊すれば屋内退避はできないのではないかという問いである。…(省略)…原子力災害時には自然災害に対する安全の確保を優先するという基本的な考え方の下で、自宅での屋内退避ができない場合は近隣の指定避難所等での屋内退避を行い、地震による倒壊等の理由で指定避難所等での屋内退避も難しい場合には、UPZ

外への避難をすることとなる。

 

とあります。自宅で屋内退避、倒壊したら指定避難所で屋内退避、倒壊したら避難、指針には何も書いていないけど自分で判断して動けというなんとも無責任なものです。能登半島地震や熊本地震では、本震では倒壊しなくとも、自宅に居続けた方が余震での倒壊や山崩れなどにより亡くなったケースが多くみられました。

 

また、昨年11月24日に行われた石川県での志賀原発の避難訓練では、全面緊急事態の後、オフサイトセンターからUPZ(5~30キロ圏)に対して、「屋内退避の徹底」が呼びかけられました。屋内退避の徹底により命が失われる危険があります。

 

今年1月20日に、珠洲市から北野さんを招いて実施した「能登半島地震と原発複合災害」についての政府交渉でもこのことが問題になりました。内閣府原子力防災担当の回答は、「石川県の避難訓練は、津波もなく、自宅で屋内退避でも特に問題がないという想定で行われた」というものでした。でも実際に地震が起きたときにはそんなことは皆目わからないはずです。誰が同判断するのか問いただしましたが、回答はありませんでした。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

実は、原災指針を変更する必要はないことは、検討の結果そうなったのではなく、屋内退避の検討チームの検討開始時から決まっていました。以下の〇の二つ目です。はじめから検討する気などなかったのです。

 

原子力災害時の屋内退避に関する論点 令和6年2月14日 原子力規制庁

https://www.nra.go.jp/data/000468888.pdf

 

〇能登半島地震のような家屋倒壊が多数発生する自然災害と原子力災害との複合災害に対しては、防災基本計画にあるとおり、人命最優先の観点から自然災害に対する安全が確保された後に、原子力災害に対応することが基本である。

〇複合災害への対応について、原子力災害対策指針では、屋内退避に関する具体的な記述がないものの、住民等の被ばく線量を合理的に達成できる限り低くすると同時に、被ばくを直接の要因としない健康等への影響を抑えるとの基本的な考え方を示していることから、これを変更する必要はない。

〇原災指針は、全面緊急事態に至った時点で、PAZ内で放射線被ばくによる重篤な確定的影響を回避し又は最小化するための避難を実施するとともに、UPZ内で確率的影響のリスクを低減するための屋内退避を実施し、放射性物質の放出後には空間放射線量率等から判断して避難や一時移転を行うことを基本としている。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

◆PAZで孤立集落が発生した場合~「放射線による重篤な確定的影響」は避けられない

 

1月20日の交渉で別に問題になったのは、事前避難が必要とされるPAZ(5キロ圏)において、孤立集落が発生した場合の対応です。「屋内退避の検討チーム」ははじめから検討から除外しています。石川県の避難訓練でもそうした想定はありません。

 

緊急事態において、PAZでは、屋内退避や安定ヨウ素剤の摂取などの防護措置を取っても、被ばくにより不妊、白血球減少、脱毛、白内障など「重篤な確定的影響」が避けられないことから、放射能が放出される前に避難することになっています。

 

各地の緊急時対応によると、地震や津波で孤立した場合、道路開通に努める一方で時間がかかる場合はヘリや船舶による避難を行うことになっています。しかし、短時間での道路開通は見込めず、ヘリや船舶による避難も困難というのが能登半島地震の教訓です。そうなるとフィルターで空気を浄化する設備のある放射線防護施設に逃げ込むしかありません。

 

しかし、施設は「避難の実施により健康リスクが高まる避難行動要支援者」を対象としており、孤立集落の全員を収容することはできません。放射線防護施設がない集落もあります。また、能登半島地震で実際に生じたように、地震による損傷等により、放射線防護施設が使えないおそれもあります。

 

交渉において内閣府は、PAZで孤立集落が生じた場合は道路の開通に努める、時間がかかる場合は放射線防護施設を含む施設に屋内退避し、状況に応じて空路や海路の避難も実施すると回答しました。収容人数が足りないのではと指摘すると、内閣府は、そうした場合は一般の指定避難所に屋内退避することになると回答しました。それでは「重篤な確定的影響」を回避することはできません。規制庁にそれでよいのかと問うと、指針(原子力災害対策指針)は、原則は避難だが、避難ができない場合は屋内退避となっていると回答しました。

 

では指針には何と書かれているのでしょうか。PAZの屋内退避について、以下の記載があります。

https://www.nra.go.jp/data/000473921.pdf

 

〇本指針の目的は…緊急事態における原子力施設周辺の住民等に対する放射線の重篤な確定的影響を回避し又は最小化するため、及び確率的影響のリスクを低減するための防護措置を確実なものとすることにある。

 

〇PAZとは、急速に進展する事故においても放射線被ばくによる重篤な確定的影響を回避し又は最小化するため、EAZ(引用者注:緊急事態の進展)に応じて、即時避難を実施する等、通常の運転及び停止中の放射性物質の放出量とは異なる水準で放射性物質が放出される前の段階から予防的に防護措置を準備する区域である。

 

指針は、事前避難が必要な区域をPAZと定め、原発の場合それを5キロ圏としています。5キロとしたのは、指針策定の際に行われた評価により、セシウムで100テラベクレルの放射能放出という、福島第一原発事故の100分の1レベルの規模の小さい事故想定によって、原発から5キロ圏では、コンクリート構造物への屋内退避や安定ヨウ素剤摂取といった防護措置を施したとしても、全身100ミリ、甲状腺50ミリシーベルトというIAEA(国際原子力機関)の甘すぎる判断基準をも超えてしまう結果が出たことによります。放射能が出る前に何が何でも避難しなければならないのです。

 

◆指針によってもPAZは避難または放射線防護施設に屋内退避

交渉において規制庁が、原則は避難だが屋内退避もあると述べたのは、指針の屋内退避の措置についての以下の部分によります。

https://www.nra.go.jp/data/000473921.pdf

〇PAZにおいては、原則として…避難を実施するが、避難よりも屋内退避が優先される場合に(屋内退避を)実施する必要がある。(括弧書きは引用者)

 

しかしこれをもって、一般の指定避難所での屋内退避を許容するとは言い難いと思います。「避難よりも屋内退避が優先される場合」とはどんな場合か、指針の避難の措置の項には以下の記載があります。

https://www.nra.go.jp/data/000473921.pdf

 

〇避難を実施することにより健康リスクが高まると判断される者については、安全に避難が実施できる準備が整うまで、近隣の、放射線防護対策を講じた施設、放射線の遮蔽効果や気密性の高い建物等に一時的に屋内退避させるなどの措置が必要である。

 

〇避難が遅れた住民等や病院、介護施設等に在所している等により早期の避難が困難である住民等が一時的に屋内退避できる施設となるよう…気密性の向上等の放射線防護対策を講じておくことも必要である。

 

そのために、PAZ内及び周辺に国がお金を出して放射線防護施設を設置しているのです。すなわち指針によっても、PAZは事前避難、避難できない場合は放射線防護施設に屋内退避である。一般の指定避難所での屋内退避が余儀なくされるような避難計画は失格であり、指針に違反とみなすべきだと思います。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

2025/01/21

<交渉報告>能登半島地震から1年~原発複合災害と避難問題

みなさまへ

 

1月20日に行われた能登半島地震と原発避難問題に関する院内集会&政府交渉についてご報告します。誤認等あればお知らせください。

 

「能登半島地震から1年~原発複合災害と避難問題」と題した院内集会&政府交渉が1月20日参議院議員会館にて行われました。会場に30名ほど、オンラインで110名ほどの参加がありました。珠洲から北野進さん、石巻から日野正美さん、小浜(福井)から石地優さん、刈羽から武本和幸さんにご参加いただきました。立憲の近藤昭一議員、設定をお願いした社民の福島みずほ議員にもご参加いただきました。政府交渉には、内閣府の原子力防災担当と原子力規制庁の放射線防護グループからそれぞれ1名が対応しました。

 

院内集会では北野さんから、能登半島地震における孤立集落の状況、特に奥能登で被害が甚大で、孤立集落の把握すらなかなかできなかったこと、ヘリや船舶も使えなかったこと、石川県が強行した避難訓練は能登半島地震の現実を踏まえず、原子力防災グッズの売込みの場と化していたことなどが報告されました。

 

◆内閣府原子力防災担当は能登半島地震全体の被害実態の調査に関与せず

◆原発を動かすために地震被害を過小評価しているとしか思えない

 

政府交渉ではまず内閣府の原子力防災担当による能登半島地震の調査報告について、1.調査対象が志賀原発30キロ圏に限定されていること、2.調査項目が、・多数の道路寸断・孤立地区の発生・放射線防護施設の損傷、の3点に限られていることについて問い質しました。内閣府原子力防災担当の回答は、調査報告は志賀原発の地域協議会作業部会の検討のためのものであり、3点の事実を報道で確認したので、3点につき30キロ圏について調査した、各地の原発の緊急時対応については孤立集落対策など各地の実情に応じて行う、というものでした。

 

孤立集落は30キロ圏外の奥能登で顕著であり、能登半島地震による被害の全体を把握しないと、志賀原発を含め、全国各地の原発の避難計画に反映しようがありません。これについて聞くと、能登半島地震の被害全体の調査は、別部署の内閣府防災担当で行っていると。ではその調査に内閣府原子力防災担当は関与しているのかと聞くと、関与していないと。それでは能登半島地震の実態を反映することはできないではないかと聞くと、ご意見として伺っておきますと。北野さんは、原発を動かすために地震被害を過小評価しているとしか思えないと指摘されました。

 

内閣府原子力防災担当は、能登半島地震では原発事故は起きていないことを強調しました。だから複合災害を考慮した実態調査は不要だというのでしょうか。そうした姿勢が、福島第一原発事故による災害を拡大したのではないでしょうか。全体的な実態調査は能登半島地震の教訓を反映させるための第一歩となるはずのものです。参加者は改めて調査実施を要求しました。

 

◆内閣府「PAZ(5キロ圏)が孤立で避難できなければ屋内退避」

◆「放射線防護施設」に収容しきれない。すべての集落にない。損傷して使えない。

◆「一般施設に屋内退避」では「被ばくによる重篤な確定的影響」は回避できない

◆計画の段階で被ばく回避を放棄するのは指針に反する

◆避難計画の破綻は明確。原発は一旦稼働をとめるべき。

 

原発から5キロ圏のPAZにおいて孤立集落が生じると非常に深刻な状況となります。屋内退避や安定ヨウ素剤の摂取などの防護措置を取っても、100ミリシーベルトを超える被ばくにより「重篤な確定的影響」が避けられないおそれがあることから、放射能が放出される前に避難することになっています。どうしても避難ができない方については、放射線防護施設に屋内退避することになっています。病院や介護施設については、施設の中に放射線対策防護施設を設けています。

 

PAZで孤立集落が生じた場合、短時間での道路開通は見込めず、ヘリや海路も困難ですので、放射線防護施設に逃げ込むしかありません。しかし孤立した全員を収容することはできませんし、放射線防護施設がない集落も多くあります。また、能登半島地震ではPAZの放射線防護施設はすべて、地震による損傷等により使えなくなりました。

 

内閣府はPAZで孤立集落が生じた場合の対応について、道路の啓開に努める、時間がかかる場合は一旦、放射線防護施設を含む施設に屋内退避し、状況に応じて空路や海路の避難も実施する、と回答しました。武本さんが、柏崎刈羽のPAZは2万人いるが、放射線防護施設は2千人しか収容できない、足りないではないか、と指摘しました。内閣府は、そうした場合は一般施設に屋内退避することになると回答しました。

 

規制庁に、それでよいのかと問うと、原則は避難だが避難ができない場合は屋内退避となっていると。しかし、「それでは『被ばくによる重篤な確定的影響』を回避することはできない」「指針にある屋内退避は放射線防護施設への屋内退避を指しているのではないか」「計画の段階で被ばく回避を放棄してはいいのか」などと指摘すると、被ばくの低減と被ばく以外の健康影響を抑えることは同時にやらなければならないこと、被ばくによる重篤な確定的影響は回避しなければならないことは認めました。

 

参加者は、避難計画の破綻は明らかであり、現在の緊急時対応の承認は取り消し、いったん原発をとめたうえで検討すべきだとし、原発の稼働・再稼働をとめるよう要請して終わりました。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

2025/01/17

1/20<院内集会&政府交渉>能登半島地震と原発避難問題(オンライン併用)

みなさまへ 週明けの月曜日になります。再送させていただきます

 

能登半島地震から1年*****************

<院内集会&政府交渉>原発複合災害と避難

https://kiseikanshi.main.jp/2024/12/26/12223344-2/

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日時:2025年1月20日(月)13:30~16:30

場所:参議院議員会館B107 (オンライン併用)

 

オンライン参加の場合は、以下からご登録ください。

https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEudO-urzwvEtB4ZLmsFzTGrnoruM4o64IG

 

質問事項はこちら

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2024/12/noto-hinan-20250120.pdf

 

★各地からリアルで参加されます!

北野 進さん(志賀原発を廃炉に!訴訟原告団)

日野正美さん(女川原発再稼働差止訴訟原告団)

石地 優さん(原子力発電に反対する福井県民会議)

武本和幸さん(原発反対刈羽村を守る会)

 

能登半島地震から1年たちます。被災地域では豪雨被害も重なり、復旧がなかなか進まない状況です。石川県は、市民らの反対を押し切って、住民抜きで志賀原発の避難訓練を強行しました。能登半島地震を踏まえた訓練を行うとしていましたが、原発で炉心冷却ができなくなるなど深刻な事態が生じた際、即時避難が必要な5km圏内の地域では孤立集落は発生しない、原発の近傍や南側では道路はすべて通行可能など、甘い想定でした。

 

また、能登半島地震のときには使えなかったヘリや船舶で避難するという想定でしたが、船舶を使った訓練は、前日悪天で船が予定場所にこれなかったため、当日中止になりました。改めて、複合災害に対して全く対応できないことが明らかになりました。こうした状況で原発の稼働・再稼働を進めるべきではありません。

 

このたび、珠洲市にお住まいの北野進さんをお招きして院内集会・政府交渉(予定)を実施します。孤立集落が問題になる女川(石巻)、福井、柏崎刈羽の各地からも参加されます。奮ってご参加ください。

 

日時:2025年1月20日(月)13:30~16:30

場所:参議院議員会館B107 (オンライン併用)

 

質問事項はこちら

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2024/12/noto-hinan-20250120.pdf

 

開場 13:00(ロビーにて通行証配布)

院内集会 13:30~15:00

政府交渉(予定) 15:00~16:30

 

★各地からリアルで参加されます!

北野 進さん(志賀原発を廃炉に!訴訟原告団)

日野正美さん(女川原発再稼働差止訴訟原告団)

石地 優さん(原子力発電に反対する福井県民会議)

武本和幸さん(原発反対刈羽村を守る会)

 

オンライン参加の場合は、以下からご登録ください。

https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEudO-urzwvEtB4ZLmsFzTGrnoruM4o64IG

(メールアドレスは正確にご記入ください。参加用リンクが自動送信されます)

 

主催 原子力規制を監視する市民の会/国際環境NGO FoE Japan/志賀原発を廃炉に!訴訟原告団/女川原発再稼働差止訴訟原告団/原子力発電に反対する福井県民会議/原発反対刈羽村を守る会

 

2024/12/03

<訓練の監視と調査>能登半島地震と原発避難問題

みなさまへ 阪上です。長文ご容赦ください。

 

 11月23日~25日の日程で、能登半島地震と原発避難問題をテーマに、原子力防災訓練の監視と能登現地の調査活動を行いました。原子力規制を監視する市民の会とFoE Japanから合わせて7名、柏崎刈羽から2名が参加。現地は珠洲の北野進さんに2日間にわたりご同行・ご案内いただきました。ありがとうございました。

 

まだまとまりのない状況ですがざっと、問題に感じたことを書き出してみました。各地で原発の稼働・再稼働をとめるための材料にしていただければと思います。

 

 24日の原子力防災訓練は◆オフサイトセンター運営訓練、◆原子力防災用エアテント展開訓練、◆無人機による緊急時モニタリング訓練、◆避難退域時検査訓練、に立会いました。なお、◆船舶を使った避難訓練については、前日の荒天で船の準備ができなかったという理由で中止になりました。立会いはできませんでしたが、◆孤立集落を想定したヘリを使った訓練は実施されました。

 

 24日午後と25日の調査活動は、〇地震被害(志賀町富来地区)、〇被災した放射線防護施設(富来小学校・志賀町総合武道館)、〇地震断層(富来川南岸断層)、〇地震・津波被害(珠洲市宝立町)、〇珠洲原発予定地/地震・水害被害/隆起地形/孤立集落(珠洲市高屋地区)、〇地震・水害被害/孤立集落/隆起地形(珠洲市大谷地区)、〇5.2メートルの隆起地形(輪島市門前町深見漁港)、〇原発から1.5キロで孤立する可能性がある集落(志賀町福浦地区)、〇被災した放射線防護施設(志賀文化センター)を回りました。志賀文化センターについては施設の方に中を詳しくみせていただきました。

 

 原子力防災訓練について、地元団体は、これまでの訓練について能登半島地震を踏まえた反省がなにもなされていないことを問題にし、今年の訓練を中止するよう要望していました。しかし石川県は、住民の参加はなし、住民役を職員が行う形で例年より規模を縮小して訓練を強行しました。

 

 志賀原発周辺で震度7を観測する地震が発生し、志賀原発で放射能を放出する重大事故が発生との想定で、事前に配られた資料には、能登半島地震を踏まえ、孤立集落を想定した複合災害対応訓練も行うとし、放射線防護施設が被災して使えない想定で、原子力防災用エアテントを広げる訓練、モニタリングポストが一部使えない想定で無人航空機を用いたモニタリングを行う訓練なども行うとありました。しかし、監視した結果、能登半島地震の現実から学んでいない、ご都合主義の訓練でした。原子力防災テントや無人機の訓練に至っては、業者の売り込みの場になっていました。

 

 訓練のシナリオ

   7:00 志賀町で震度7を観測する地震発生

   8:30 高圧系注水ポンプ不可 施設敷地緊急事態 PAZ要支援者の避難 UPZ屋内退避

   9:30 低圧系注水ポンプ不可 全面緊急事態 PAZ避難 UPZ屋内退避・避難準備

  11:00ごろ 放射能放出 緊急モニタリングによりUPZも一部避難

 

★孤立集落問題(原発の近傍で孤立集落が生じる想定なし)

 

 訓練監視の一つのポイントは、奥能登の状況が志賀原発周辺で生じる想定をきちんとしているのかどうかでした。訓練は原発のある志賀町において震度7という想定になっています。能登半島地震の際、原発サイトは震度5弱でしたから、それよりも大きい想定をしなければなりません。しかし、訓練のシナリオは、原発の北10キロ弱の富来地区及びさらに北側の奥能登方面で避難が困難となる被害が発生し、原発の近傍及び南側では奥能登ほどの被害はなく、道もすべて通れるという都合のいいものでした。

 

 オフサイトセンターの運用訓練をみていると、地震発生(想定)の7時からすぐの7時10分には、原発から北側の地区の避難先が奥能登から金沢方面に変更されるのですが、原発周辺のPAZ(5キロ圏)については、8時30分の施設敷地緊急事態を受けて8時50分に開かれた最初の対策本部会議でも、道路はすべて通れるとの報告がなされていました。

 

 原発の近傍1.5キロ北側の志賀町福浦地区は海辺の集落ですが、山が海にせり出した地形で、丘の上を走る幹線道路まで少し山道を登らなければなりません。高齢者などは車がないと避難は難しいでしょう。複数のルートはあるのですが、珠洲市高屋地区では能登半島地震で海沿い、山越えの4つのルートすべてが塞がれ、孤立集落となりました。PAZの場合、事故により放射能が放出される(訓練では11時ごろ)までの短時間に避難を終えていなければなりません。

 

 地区は旧福浦小学校が一時避難所となり、そこが放射線防護施設になっているのですが、旧福浦小学校は丘の上の幹線道路沿いに立地しており、そこまでたどり着かなければなりません。また、放射線防護施設は地震により、空気を浄化するための陽圧化装置が動かない可能性があります。動いたとしても収容可能人数は93人で、地区の全員を収容することはできません。ヘリコプターが降りる場所もありません。港はありますが、都合よく船が調達できるのか不明ですし、隆起により港が使えなくなる可能性もあります。

 

 変動地形学者は、富来川南岸断層が原発のすぐ沖の海底まで伸びている可能性を指摘しています。原発敷地付近で、奥能登と同様の揺れと隆起が生じる可能性は十分にあり、そのような想定をしないと意味がないと思われます。

 

 訓練では、孤立集落対策として、原発から25キロ北にある門前高校から住民をヘリで原発の南側に搬送し、そこからバスで退域時検査所に運ぶ訓練が行われました。しかし、能登半島地震では、孤立集落にヘリが行っても降りる場所がないという状況が発生しました。また、集落全体が孤立した場合にヘリの輸送で間に合うのかといった問題があります。

 

 また、原発から9キロほど北にある富来漁港を孤立集落の港とみたて、海上保安庁の船舶で沖合の海上自衛隊船舶に乗り換え、金沢港に搬送する訓練も行われる予定でした。当日は晴天で波も穏やかだったのですが、前日が荒天で、船舶を所定の場所に移動することができず、この訓練は中止となりました。地震により、たとえ船舶が調達できたとしても、隆起により港が使えない可能性が十分にあります。

 

★全面緊急事態で「屋内退避の徹底」の指示

 

 オフサイトセンターの運営訓練は私たちは施設敷地緊急事態まででしたが、その後、監視を続けた方によると、9:30の全面緊急事態により、屋内退避を徹底するよう指示があったとのことです。しかし能登半島地震では、本震の後も屋内に留まっていた方が、余震や土砂崩れで亡くなったケースがありました。「屋内退避の徹底」が被害を拡大する可能性はないのか。

 

★放射線防護施設が使えない(原子力防災用テントの訓練は業者による売り込みの場に)

 

 避難が困難な要支援者のために設置されているのが放射線防護施設です。病院や介護施設、学校、公民館、体育館などの一部の部屋を気密化し、高性能フィルターをつけた空気浄化装置を通した空気を送って圧力を高くし、外から汚染された空気が入らないようにしています(「陽圧化装置」といいます)。特にPAZ(5キロ圏)では、通常の避難所で屋内退避をしても、非常に高い線量の被ばくが強いられるので、陽圧化装置を付けた放射線防護施設に避難しなければなりません。

 

 ところが能登半島地震では、志賀原発周辺にある20の放射線防護施設のうち、PAZにある3つの施設すべてとUPZにある一部施設が使えませんでした。PAZにある特別養護老人ホームとUPZにある町立富来病院はスプリンクラー稼働による浸水で区画への侵入ができませんでした。PAZにある志賀町総合武道館は施設の損傷により使用不可、外から見学しましたが、窓が割れ、窓枠が歪んでいたり、基礎と道路に隙間ができていたりしました。PAZにある旧福浦小学校は施設の立入りはできますが、陽圧化装置が正常に作動しない可能性があるとのことです。

 

 原発から7キロほどの志賀町文化ホールは、放射線防護施設と陽圧化装置まで案内してもらったのですが、3階の3部屋の区画が気密扉で囲われ、窓側には鉛の入ったカーテンがありました。陽圧化装置はダクトとフィルターと操作パネルがありました。フィルターは3つあり、中央は高性能のへパフィルターとなっていました。案内にあたった施設の方は、問題なく使えるはずだと言っていましたが、別の部屋は壁にひび割れがあり、施設そのものの耐震性について調査中とのことでした。

 

 電源は非常用発電機を使うとのことですが、エレベーターは使えないので、要支援者を3階までどうやって運ぶのか、また、いざというとき、誰が操作するのか決まっていないと聞きましたのでそこも問題かと思いました。100人の収容が可能で、3日間生活するための水や食料を備蓄しているということですが、孤立により100人を超える人が来た場合にどうするのか、また、3日間を超えて避難が必要になる場合にどうするのかといった問題があります。

 

 訓練では、放射線防護施設が使えない前提で、原子力防災エアーテントの展開訓練が行われました。放射線防護施設が使えない前提は、能登半島地震の現実に即したものだと感じました。訓練の会場に行くと、小学校の体育館の中で、2つの業者がエアーテントを膨らませるデモンストレーションを行っていました。30人ほど収容できるテントが瞬く間にできあがりました。そこに、簡易的な陽圧化装置を接続して、発電機で起こした電気で浄化した空気を送り続けると説明がありました。業者に話を聞くと、聞いてもいないのにもう一方の業者の製品の弱点を話はじめる始末で、現場は売り込みの場と化していました。

 

 そこに馳浩知事がやってきて、軽い調子で業者に質問。「これはいくらなの?」「テントが120万円、陽圧化装置が180万円、合わせて300万円です」「あっちは500万円だね。安いね」職員に「買ったらどお?」志賀町の職員「うちはもう買いました」…とても聞いていられない会話でした。500万円の方は三菱重工が噛んでいて、全国10自治体、25件の受注が既にあると言っていました。別に東芝も参入しているようです。放射線防護施設の陽圧化装置は1か所2億円ですので、確かに安いのですが、果たしてこれで代わりになるのか?フィルターの性能は?鉛のカーテンの代わりは?陽圧化装置の保管場所の耐震性は?収容人数が少ないのではないか?どこにどうやって運ぶのか?疑問は尽きません。

 

★無人機によるモニタリング訓練…ドローン業者によるデモンストレーションの場

 

 日本製で農薬散布に使われている無人小型ヘリコプター、ラトビア製の無人小型飛行機、中国製のドローンの実演が行われましたが、ラトビア製の無人機について、ドローン業者はイスラエル空軍が受注していることを堂々と話していました。ラトビアの会社は軍事用ドローンの製造会社でした。身の毛がよだちました。馳浩知事は、中国製のドローンが気に入らないようで、なぜ日本製を使わないのか、データが抜き取られるのではないか、人は乗れないのかなどと的外れの質問を繰り返していました。

 

★退域時検査(これで被ばくを見つけるのはとても無理)

 

 退域時検査については、すべて内閣府のマニュアル通りにやっていると説明していました。車の外からモニタリングゲートでタイヤの測定、その後、ガイガーカウンターでタイヤとワイパーの測定、基準を超えれば代表者の測定、代表者が基準を超えれば全員の測定という手順でした。車の除染はウェットティシュによるふき取りだけでした。人の測定は、別室で、服も靴もそのままでガイガーカウンターを外からあてて、基準を超えれば除染して再測定という流れですが、訓練は、手の平か手の甲のどちらかで基準を超え、その部分だけをウェットティシュでふき取り、もう一度測って基準を下回れば通過証がもらえるというものでした。

 車のタイヤとワイパーだけの測定で中の人の全員の被ばくを判断するのはやはり無理がありますし、人の測定にしても、内部被ばくの状況はとても把握できないだろうし、また、服や靴が汚染されている場合には、測定にあたる人も被ばくを強いられる流れになっていると感じました。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

★原発周辺で震度7の地震が発生しているのにPAZ(5キロ圏)では孤立集落が生じない想定…現実には原発から1.5キロ地点に孤立する可能性がある集落がある。

★海路避難…当日は晴天で波も穏やかだったが、前日の荒天で船の移動ができず、結局訓練は中止に

★空路避難…原発北側の孤立地区からヘリで原発南側に搬送する訓練が行われたが、孤立集落にヘリが下りる場所が確保できないというのが能hが使用不能となった場合の原子力防災用エアテント展開訓練…原発関連企業の売り込みの場だった。ガンマ線の遮o蔽はできない。ひとつのテントに30人ほどしか入れない。

★原発北側の地域の避難先を奥能登から金沢方面に変更…原発の近傍を通って避難しなければならない

★UPZは屋内退避のよびかけ…能登半島地震では屋内にいた方が余震や土砂崩れなどで亡くなったケースが多い

★退域時検査は車を測ってふき取り除染。車で値を超えたら乗っている人の測定を行うが、訓練では手のひらか手の甲のどちらかだけに反応。濡れティッシュで拭いたら線量が下がり退出。これで被ばくを見つけることはできない。

★被災した放射線防護施設…陽圧化装置は立派だが、誰がどのタイミングで操作するのか不明だった。隣の部屋は壁にひび割れが多数。施設の健全性に疑問がありこれを使うかどうかは検討中

★5.2メートルの隆起で漁港まるごと干上がっていた…原発があれば建屋が傾き、取水口が干上がることに

★変動地形学者が能登半島地震で連動の可能性を指摘する富来川南岸断層…北陸電によるボーリング調査が行われていた。変動地形学者はこれが原発のすぐ沖の海底まで伸びている可能性を指摘する

 

2024/05/17

<原発の避難問題・災害派遣>千葉県柏市との質疑の報告

みなさまへ(転載歓迎)

 

阪上です。福島第一原発事故によりホットスポットとなった千葉県東葛地域で活動する「エナガの会」の一員として、先日5月14日に千葉県柏市の職員と質疑を交わす場に参加しましたのでご報告します。

 

 

◆能登半島地震の災害派遣と原発事故について

 

事前質問の中に、能登半島地震での柏市からの災害派遣の状況と、原発事故との複合災害で放射能が出た場合の派遣判断について聞くものがありました。

 

柏市からは50名の事務職員や保健師が千葉県からの要請で派遣されたとのことです。

派遣は以下にある総務省の「応急対策職員派遣制度に関する要綱」に従うとのことでした。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000734707.pdf

 

しかし原発事故との複合災害については、要綱に記載はなく、被ばく基準や被ばく管理をどうするかなどは不明。実際のところどうするのか?と聞くと、ん~。派遣は同意した職員だけなので…といった回答でした。

災害派遣も放射能も人命に関わる問題です。道路を開通させるために民間人も動員されることになります。自然災害対応が優先だから原子力対応は何も変えなくてよいと簡単に言い放つ原子力規制委員会が腹立たしく感じました。

 

 

◆東海第二原発のの事故による避難所のスペース問題

 

柏市を含む東葛地域は、東海第二原発で事故が発生した際に水戸市からの避難先になっています。

 

避難所のスペースについて、茨城県は1人あたり2平米で確保していましたが、私たちは、国際基準は3.5平米であること、コロナ禍で柏市は自市の災害時には1人4平米に広げようとしており隣接する松戸市は原発の避難に際しても4平米にすべきだとしていること、などから、少なくとも4平米にすべきだと要請してきました。

 

その後、茨城県は昨年、2平米を3平米にすると決めた経緯があります。2が3になったのは1歩前進ですが、3平米は通路も含んでおり、居住スペースは2平米なのでそれでもまだ不十分だと考えています。

 

柏市に現状を聞きました。昨年のうちに、茨城県から2平米を3平米することにしたとの通知があったとのこと。避難人数が3分の2になるので、避難所を増やすか、他の自治体で避難先を確保するのかしなければなりませんが、そのあたり具体的なことは県からも水戸市からも話は来ていないとのことでした。

 

 

◆茨城県による東海第二原発での事故による被ばくシミュレーション

 

避難計画の検証のためにとして茨城県が行った東海第二原発の被ばくシミュレーションについて、柏市としてどのように受け止めているのかを聞きました。精査しているとしか回答はありませんでした。

 

シミュレーションは想定する事故の規模で結果が大きく変わります。以前茨城県と交渉した際に、茨城県は、重大事故を想定する、例えば福島第一原発の事故と言っていました。ところが今回の想定は、100分の1規模の100テラベクレルに過ぎません。避難が必要な人数は、96万人から17万人に減りました。水戸市長はこれに従う事なく、全市避難の前提は変えないとしています。

 

想定は規制委の経緯に沿ったものだと思われます。規制委は当初は、福島第一原発の事故を想定したシミュレーションを行い、UPZを30キロとしたのですが、その後、指針を具体化する過程で、想定を100テラベクレルと小さくしました。しかしそれでも、5キロ圏では、屋内退避やヨウ素剤摂取によっても、確定的影響が問題になる100ミリシーベルトを超える被ばくが想定され、だからPAZは事前避難となって、能登半島地震は、複合災害では事前避難などとてもできないことが明らかになったという関係かと思います。

 

柏市(東海第二原発から80キロ)に対しは、他人事ではない、福島第一原発事故レベルの事故により、自市が影響を受ける場合を想定して、市民をいかにして守るか、東海第二原発を再稼働させてしまってよいのか、一緒に考えて欲しいと訴えました。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)