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2023/08/02

<パブコメ>危険な老朽炉の運転に反対して老朽炉の審査基準案についてパブリック・コメントを書こう!

みなさまへ(拡散希望)

 

危険な老朽炉の運転に反対して

老朽炉の審査基準案についてのパブリック・コメントを書こう!

http://kiseikanshi.main.jp/2023/07/28/11223344555/

 

GX電源法のうち、原発の運転延長を実行するための規則案や新たな審査の審査基準案がパブリック・コメントにかかっています。危険な老朽炉の運転に反対して意見をだしましょう!

対象文書は4件ですが、原発の安全確保に関わる問題は、老朽原発の新たな審査の審査基準案である★実用発電用原子炉の長期施設管理計画の審査基準(案)に集約されています。こちらだけでもぜひ意見を出しましょう。

 

パブコメセミナーでの討論を受けて、文例集を拡充しました

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2023/07/pabukome0801.pdf

ぜひ参考にしてください。

 

締切り8月4日(金)まで

 

〇脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則等の改正案等に対する意見公募について

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198023101&Mode=0

対象文書 ★実用発電用原子炉の長期施設管理計画の審査基準(案)/実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則等の一部を改正する規則(案)/他1件

 

〇実用発電用原子炉の長期施設管理計画の記載要領(案)に対する意見公募について

対象文書 実用発電用原子炉の長期施設管理計画の記載要領(案)

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198023204&Mode=0

 

関連資料 令和5年度第20回原子力規制委員会資料1

https://www.nra.go.jp/data/000439952.pdf

問合せ 原子力規制庁原子力規制部原子力規制企画課 03-5114-2109(代表)

 

2023/06/01

#原発GX法を廃案に 原発GX法の可決に抗議する!

みなさまへ(拡散希望)

 

GX電源法(原発束ね法)が本日10時からの本会議で採決され、可決成立しました。10時に参議院前と、昨夜決めたのですが50名の方が集まり、抗議の声をあげました。

 

本会議での採決前の討論では公明、維新、国民が賛成の討論。国民の磯崎議員は、原発の運転期間を経産省が利用政策として判断することを批判したのですが、結論は運転期間制限などなくてもよいというものでした。30年目から10年毎の規制委の審査が設けられ審査がより厳しくなるのだから問題ない、そのことをもっと広報すべきだとも。しかしこれは真っ赤なウソです。

 

30年目から10年毎の審査は、高経年化技術評価として既に行われており、新しい制度では、審査の対象が長期施設管理方針から長期施設管理計画になり、規則で定められたものが法律になり、これまで添付書類として提出していた書類が本文になるだけ、これまでと変わらず、60年超の審査が必要になった分、危険性はより増えることになります。

 

反対の討論に立ったのは立憲と共産でした。しかし立憲で討論に立った連合出身の村田議員は、企業向けの電気料金もさげるべき、原発の運転期間について批判するのですが、よく聞くと、規制委が見直しを図れ、安全規制として運転延長を認めろというもので、脱原発の立場での討論ではありませんでした。

 

この法律には、原子力の人材育成を図れとか規制の審査を効率よくやれ、といったどうしようもない付帯決議が付いているのですが、立憲はこれの提案にも加わっています。厳しくこの法案を批判したのは共産の岩渕議員だけでした。このあたり、原発をめぐる私たちにとって厳しい状況があらわれていると思います。

 

原発は40年を迎える段階ですが、各地でさまざま問題が噴出しています。柏崎刈羽原発では東電の不祥事がとまりません。東電に原発を動かす資格はありません。関電や九電の原発では、火災防護について、工事計画認可に違反状態で運転が継続しています。違反が明らかになっても規制委は原発を止めようとしません。川内原発は40年超えの審査が行われていますが、圧力容器の劣化を確認する監視試験片が残り一つしかなく、監視ができなくなります。避難計画の実効性がないことが各地で問題となっており、裁判闘争も続いています。

 

原発事故が起きても国は責任をとりません。60年超運転などとんでもありません。再び原発事故により人々が苦しむことのないよう、GX法の内容を実行させないよう、原発の再稼働や再処理工場の稼働を許さず、汚染水の海洋放出を許さず、各地と連携しながら脱原発に進むとりくみを続けましょう。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

原子力規制を監視する市民の会およびFoE

Japanの2団体は、本日、以下の共同声明を発出しました。ご一読の上、拡散にご協力ください。よろしくお願いします。

---------------------

声明:GX脱炭素電源法(原発回帰の束ね法)の可決に抗議する

http://kiseikanshi.main.jp/2023/05/31/1123445/

2023/05/27

#原発GX法を廃案に!29日は拡大デー!30日の委員会採決を止めよう!

みなさまへ(拡散希望)

 

#原発GX法を廃案に

#原発GX法の廃案を

 

1.法案は30日にも参議院委員会採決の動き

2.29日夜は拡大デー!18:30参議院議員会館前に結集を!

3.国会議員会館事務所まわりのご報告

4.原子炉圧力容器の脆化「監視試験片の再生は困難と事業者から報告を受けた」と答弁

 

******

 

1.法案は30日にも参議院委員会採決の動き

 

・25日(木)の参議院経済産業委員会の参考人招致に原子力資料情報室の松久保さんが登壇されました。規制と利用の癒着ぶり、中性子照射脆化など老朽炉がかかえる劣化の具体的な問題、原発を再稼働すれば電気料金が大幅に下がるというのは事実ではないこと、など具体的に暴いていただけたと思います。お疲れさまでした。

 

・委員会の最後に、内閣委員会との連合審査を行うとのアナウンスがありました。原子力基本法が内閣府の所管であることによるものです。これで次回30日の委員会採決は見送りかなと思われました。しかしその後入った情報では、30日は、午前中に内閣委員会との連合審査、午後に首相を入れて経済産業委員会、賛否の討論から採決まで一気にやってしまうということです。福島で公聴会をとの要求も無視するやり方は許せません。

 

******

 

2.29日夜は拡大デー!18:30参議院議員会館前に結集を!

 

・前夜となる29日の夜に、参議院議員会館前で「採決するな!」との声をあげましょう。29日は拡大デーです。各地をZoomで結んでアピールしていただきます。みなさんぜひ参議院議員会館前にお集まりください。

 

◆#原発GX法を廃案に!参議院議員会館前に結集を!拡大デー

 

日 時:5月29日(月)18:30~19:30

場 所:参議院議員会館前(地下鉄永田町・国会議事堂前)

発 言:各地をZoomでつなぎます/国会議員から/主催者・参加者から

主 催:FoE

Japan/原子力規制を監視する市民の会/原子力資料情報室/さようなら原発1000万人アクション/許すな!憲法改悪・市民連絡会/Fridays

For Future Tokyo

 

******

 

3.国会議員会館事務所訪問のご報告

 

・昨日の参議院会館前行動の前に少しの時間ですが、FoEの満田さんと議員会館事務所を回りました。タイトル「GX脱炭素電源法案の慎重な審議を求めます」(1)福島で公聴会を開催してください(2)原発の運転期間の定めが「安全規制」であることを確認してください(3)原子力基本法の改定についても立法事実(改定しなければならない根拠となる事実)を確認してください、との片面1枚の簡単な要請文をつくって渡しながらお話しました。

 

・公明党の経済産業委員会の委員は2人いますが、このうち石川博崇(ひろたか)議員は秘書さんと話ができました。公明党は昨年12月に原子力に依存しない社会の実現を求める意見書を政府に提出しています。これまで一定ブレーキ役を果たしてきたが、今回は新増設も含めて全面的な原発推進であり、タガが外れている、公明党さんとしても全面的に賛成とはいかないのではないでしょうか、といったような話をしました。秘書さんは、私はよくわからないというだけでしたが、話している最中に議員本人が帰ってきてドアがあいたままの議員室に入ったので、そのまま、中にも聞こえるようにお話しました。公明党のもう一人の事務所は留守(居留守?)でした。

 

・30日の連合審査会に加わる内閣委員会の理事である立憲民主党の小沼巧議員の事務所では秘書さんと話しました。原子力基本法の改定について、原子力の活用だけを国の責務としてしまうとエネルギー政策を硬直化させてしまうといった問題についてお話しました。

 

・時間はありませんが、議員会館まわり、あるいは週末地元に帰る議員さんへのはたらきかけをお願いします。

 

******

 

4.原子炉圧力容器の脆化「監視試験片の再生は困難と事業者から報告を受けた」と答弁

 

・西村経産大臣は、劣化が進んだ原発の安全性は規制委による厳格な審査で守られるから問題はないと繰り返し答弁しています。しかしそうではないことが国会審議でも明らかになっています。

 

・特に心配されるのが、原子炉圧力容器に中性子があたって年が経つことによってもろくなる「中性子照射脆化(ぜいか)」という現象です。監視試験片を入れ、定期的に取り出し、2つに割って劣化の程度をみる試験を行っています。しかし耐用年数40年のつもりでいたので40年を過ぎて監視試験片がなくなっているのです。

 

・5月23日の参議院連合審査会で辻本清美議員がこの問題を追及しました。監視試験片の状況について、規制庁は、川内原発1号炉では6つ入れた試験片のうち既に5つを取り出した、東海第二原発では既に入れた3つの試験片すべてを取り出したと答弁しました。

 

・どうするのかと問われると、試験を行ったかけらをつかって再生試験片をつくり、再利用することを検討していると答弁しました。さらに追及して、溶接の熱影響部の試験片については、熱影響部が5ミリほどしかなく、再生試験片をつくるのが困難だと事業者から報告を受けていたことも明らかになっています。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

2023/05/10

#原発GX法を廃案に!参議院で止めよう!<参議院審議入り>

みなさまへ 拡散希望 重複容赦

 

本日(5月10日)午前の参議院本会議でGX電源法案が参議院で審議に入りました。

 

代表質問が行わましたが、岸田首相、西村経産大臣は相変わらず、エネルギー危機だ、脱炭素だ、安定供給だ、多様な電源が必要だ、などと述べ、原発、石炭など化石燃料を推進し、税金をつぎ込んで原子力・エネルギー産業を救済するこの法案の真の狙いをはずす答弁を行いました。

 

原発の運転延長についても、衆議院での議論で、運転期間の定めは安全規制であり、利用政策判断だというのが虚構であったことが暴かれたにも関わらず、「令和2年見解には運転期間は利用政策判断と書いてある」と振り出しにもどる答弁を行いました。令和2年見解の趣旨は原発停止期間分の運転延長を否定するものであり、今回の改定とは矛盾することも明確になっています。

 

原子力基本法の改定については、高市大臣が答弁に立ちました。原発の活用を国の責務に盛り込むことについて、安全性向上が目的であり、原子力産業を支援するものではないなどと答弁しました。しかし改定案には「事業者が安定的に原子力事業を行えるよう事業環境を整備する」と明確に書いています。このような法案は廃案しかありません。

 

 

★★国会前に結集しよう!参議院で止めよう!#原発GX法の廃案を!

https://foejapan.org/issue/20230510/12682/

 

■日時:2023年5月11日(木)18:30-19:30

■日時:2023年5月18日(木)18:30-19:30

 

■場所:参議院議員会館前(最寄り駅 東京メトロ永田町駅、国会議事堂前駅)

■主催:国際環境NGO FoE

Japan、原子力規制を監視する市民の会、原子力資料情報室、さようなら原発1000万人アクション、許すな!憲法改悪・市民連絡会、Fridays

For Future Tokyo

■問い合わせ:090-8116-7155 (阪上) 050-7103-6951(満田)

 

 

★★地元の国会議員に呼びかけてください。 与党(自民・公明)や賛成してしまった野党(国民・維新)にも「慎重審議を」 と呼びかけてください。

▼参議院・経済産業委員会の委員のリストはこちらから。

https://drive.google.com/file/d/1xiNRaHoSLOIs7BOAKtiZkgoB-qN9ooQY/view?usp=share_link

 

 

★★オンラインセミナー :原発回帰のGX法の問題点とは? 国会審議は尽くされたか?(5/10)

https://foejapan.org/issue/20230508/12729/

 

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

2023/04/27

#原発GX法を廃案に!<声明>原発GX法案の衆院可決に抗議する

みなさまへ(拡散希望)

 

本日午後の衆議院本会議で原発GX法案が可決してました。闘いの場は参議院に移ります。

国際環境NGO FoE Japanおよび原子力規制を監視する市民の会で以下の抗議声明を発出しました。

-------------------

声明:原発GX法案の衆院可決に抗議

福島原発事故の教訓を踏みにじり、将来に禍根を残す

http://kiseikanshi.main.jp/2023/04/27/122334455-5/

-------------------

本日、「GX脱炭素電源法案」が衆議院にて可決されました。私たちはこれに強く抗議します。

本法案は、原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措

法の改正案5つを束ねたものです。「束ね法案」にすることにより、一気に法案の審議が進められ、多くの問題が明らかになったのにもかかわらず、わずか一カ月で採決に持ち込まれました。

 

福島原発事故は終わっていない。事故原因の解明も道半ば

 

福島原発事故は終わっていません。多くの人々がふるさとを失いました。生業、人とのつながり、四季折々の自然の幸を分かち合う喜びを失いました。断腸の思いで避難を強いられ、今もふるさとに帰れない人が多くいます。

 

原発事故は、日本全国の電力供給に大きな影響を与えました。当時、街の明かりは消え、計画停電が実施されました。すなわち、電力供給の不安定化を招いたのです。原発が電力の安定供給に資するというのは大きな誤りです。原発事故に対する国および東電の責任は、あいまいにされたままです。

 

万が一次なる事故が生じたときに、原子力事業者だけは賠償金が払いきれず、再

び、国による手厚い支援が行われ、そのツケは国民および将来世代にまわされるということがくりかえされるでしょう。

 

事故当時、福島第一原発1号機は運転開始後40年の高経年化技術評価による審査

に合格したばかりでした。高線量が続き立ち入れない場所も多く、高経年化が事故の進展にどのような影響を与えたのかは不明です。私たちは、まだ原発事故に人知が及ばない部分があることを謙虚に認識すべきです。

 

国民の声が蔑ろに

 

GX基本方針は「案」が固まってから、年末年始にパブリックコメントが行われ、

3,966件が寄せられました。しかし、その内容について、GX実行会議など公式な場で検討されたわけではありません。

 

また、1月から3月にかけて、札幌、仙台、埼玉、名古屋、大阪、富山、広島、高

松、福岡、那覇で、経済産業省による「説明・意見交換会」が開催されました。参加者からは、原発推進政策、とりわけ運転期間延長に関して、批判や疑問の声があがりました。「出された意見をきちんとGX基本方針に反映してほしい」と述べた人も多かったです。

 

しかし、経済産業省は、「ここでだされた意見は、GX基本方針に反映されるわけ ではない」と発言しました。

 

また、国会審議のやり方も、今回「束ね法案」として一括して提案されました。原子力基本法のように、原子力行政にかかわる法案の大きな改定や、いままでの運転期間の規制の在り方を覆すことなど、多岐にわたる論点を束ね法案としてでは、丁寧な審議を行うことができません。

 

原子力基本法を原子力産業救済法に

 

改定原子力基本法では、「国の責務」としつつ、実際は、国民の理解の促進、地

域振興、人材育成、産業基盤の維持および事業環境整備などを含み、原子力産業を手厚く支援する内容を盛り込んでいます。

 

しかし、本来、原子力事業者が自らの責任で実施すべき内容を、国が肩代わりす

ることになり、結果的に、国民負担で、原子力事業者を過度に保護するものとなっています。

 

エネルギー安定供給、自律性の向上に資する原子力を活用としていますが、これ

は誤りです。たとえば、大規模集中型電源である原発の事故やトラブルは、電力供給に広範な影響を与えることは、現に福島第一原発事故が示している通りです。

 

また、ウラン燃料は100%輸入に依存しています。つまり国産エネルギーではあ りません。国際情勢の不安定化と無縁ではないのです。

 

運転期間制限削除には立法事実なし

 

2012年当時、運転期間上限に関する定めは、明らかに「規制」の一環として原子

炉等規制法に盛り込まれました。このことは、今国会において岸田首相も答弁している通りです。

 

2012年6月26日付内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室の資料によれば、原

子力安全規制の3本柱として、①重大事故対策の強化、②バックフィット制度、③40年運転規制の導入が挙げられています。この3つは福島原発事故の教訓を踏まえたものです。

 

その後、運転期間の上限を撤廃する理由となる、新たな事象が生じたわけではあ りません。すなわち、これを削除する立法事実はないのです。

 

政府は、運転期間の上限は「利用側の政策」として整理したと説明し、その根拠

として、原子力規制委員会の令和2年7月29日の文書(「運転期間延長認可の審査と長期停止期間中の発電用原子炉施設の経年劣化の関係に関する見解」)をあげています。しかし、当該文書の主旨は、運転期間から長期停止期間を除外することに否定的な見解をまとめたものであり、策定過程において、運転期間の上限の撤廃の可否について委員の間で議論が行われたものではありません。根拠とはなりません。

 

運転期間の上限に関する規定を原子炉等規制法から電気事業法に移すことに伴い、原発の運転期間の延長についての認可権限は、原子力規制委員会から経済産業大臣に移管されます。認可にあたっての基準も、劣化評価に基づく安全規制から、電力の安定供給を確保することに資するか、事業者の業務実施態勢を有しているか、など利用上の観点からの認可となります。

 

審査では劣化は見つからない

 

政府は、原子炉等規制法に30年を超える原発の劣化評価を規定することにより、規制は強化されるとしています。しかし、従来から、原子炉等規制法に基づく規則で、30年超の原発に対する10年ごとの劣化評価は、高経年化技術評価として行われてきました。今回、これを法律に格上げすることになりますが、基本的には、従来の制度の延長線上であり、新しい制度というわけではありません。今回の改定は、原子力規制委員会の権限を縮小し、規制を緩和するものとなります。

 

劣化に対する審査は現状でも問題を抱えています。圧力容器の劣化について予測

に基づく評価が現実に合わない事態が生じています。今年1月に発生した高浜4号機の制御棒落下事故は、関電は数か月前に特別点検を行ったのにも関わらず、劣化を見つけることができませんでした。限られた検査範囲から外れる箇所で生じた劣化による事故でした。未知なる劣化を審査により見つけることはできません。事故が起きてからでは遅いのです。運転期間の制限撤廃は原発事故のリスクをたかめ、人々の生命と暮らしを危険にさらすものです。

 

「運転停止期間の除外」には合理性がない

 

今回、電気事業法に運転期間の延長に関する認可が移管されることに伴い、延長申請の際、①関連法令の制定・変更に対応するため、②行政処分、③行政指導、④裁判所による仮処分命令、⑤その他事業者が予見しがたい事由――によって運転停止を行っていた期間については運転期間に上積みできることとしています。

 

運転停止が事業者にとって予見できない事由に起因するものであったとしても、 当然、経年劣化は進行します。

 

利用側の観点にたったとしても、運転延長を認めるか否かの判断基準は、その時

点および将来における電力の需給状況であり、過去においての運転停止の事情は、将来的な電力需給とは関係ありません。停止期間を運転期間に上積みできるという合理的な理由はありません。

 

ここにあげられている運転停止事由に関しては、当時、運転停止を命令もしくは

要請すべき社会的なあるいは法令上の要請があり、法律に基づく権限により、それぞれの行政機関あるいは司法により判断されたものです。「運転停止の必要がなかった」と経済産業省が認定することは適切ではありません。

 

GX脱炭素電源法案を国会で承認することは、福島原発事故の教訓を蔑ろにし、国

民の安全を脅かし、未来世代に大きな負担を負わせることになります。将来にわたって禍根を残します。私たちは強く抗議します。

 

 

2023/01/15

<パブコメのタネ>原発推進GXを止めよう!パブコメを出そう!

みなさまへ

阪上です。原子力規制を監視する市民の会に4ページの「パブコメのタネ」2本をアップしました。ご活用ください。
http://kiseikanshi.main.jp/2023/01/10/45555/
GX基本方針・エネ庁原子力政策行動指針案についてのパブコメのタネ
http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2023/01/GX.pdf
規制委宛 老朽原発の審査についてパブコメのタネ
http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2023/01/kiseii.pdf
GX基本方針意見提出サイト(1月22日締切り)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595222084&Mode=0
資源エネルギー庁 原子力政策行動指針案 意見提出サイト(1月22日締切り)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620222029&Mode=0
規制委宛 老朽原発の審査について 意見提出サイト(1月20日締切り)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198022209&Mode=0
以下抜粋です。
********************************************
★GX基本方針
 
▼全般的な意見 GXの目的を気候変動対策に限定すべき。その場合、1.5℃目標を実現するために、徹底した省エネと再エネへの転換に絞り、喫緊の課題として早急に実現すべき 
 
▼全般的な意見 原発はクリーンエネルギーではない。原発を外すべき。 
 
・日常的に放射能を出し、被ばく労働が避けられず、事故時には大量の放射能により住民を苦しめ、環境を破壊する原発はクリーンでもグリーンでも何でもない。福島第一原発の廃炉は進まず、核のゴミ問題も未解決なままである。原発への投資により再エネへの転換が停滞する。調整能力がなく電力ひっ迫に対応することはできない。
 
▼全般的な意見 基本方針は、石炭など化石燃料による火力発電までクリーンエネルギーに入れ込み、CO2を大量に排出する大型プロジェクトを国内外で推進するものになっている。方針全体を見直すべき。 
 
・基本方針は冒頭で気候変動対策を挙げているが、産業・社会構造の変革が必要などと述べ、原発に加えて「水素やアンモニアとの混焼」や「CCS(CO2回収貯蔵技術)/カーボンリサイクル技術の追求」という言い方で石炭など化石燃料による火力発電まで入れ込み、気候変動そっちのけで、既存の技術により化石燃料を大量に使い、CO2を大量に放出する大型プロジェクトを国内外で推進し、そこに多額の税金を投入し、エネルギー産業を救済するものになっている。
 
********************************************
★エネ庁 行動指針案
 
▼全般的な意見 全面的な原発推進方針である行動指針案は撤回すべき
 
・原発は日常的に放射能を放出し、事故時には大量の放射能を放出して多くの人の生活と環境を破壊する。地震・津波・火山大国の日本においてこうした事故は避けられない。老朽原発の運転期間延長や稼働率を向上させることにより事故の危険がさらに増すことになる。福島第一原発事故は収束しておらず、放射能汚染は残り続け、いまでも被害者らが苦しい思いをしている。処理汚染水の海洋放出について国内外から多くの反対の声が上がっている。使用済核燃料の処理は進まず、処分も決まらない状況でこれ以上核のゴミを増やすわけにはいかない。原発の再稼働については住民の多くが反対している。原発建設や再稼働への国費の投入は、喫緊の気候変動対策を遅らせるだけである。行動指針案に示された全面的な原発推進方針を撤回し、脱原発に舵を切るべきである。
▼全般的な意見  民意が全く反映されていない行動指針案は撤回すべき 
・行動指針案が検討された総合エネルギー調査会原子力小委員会は、20名ほどの委員で原発推進政策に反対の立場をとる者は2名しかいない。残りは原子力産業を代弁し、原発推進を唱える人たちで占められている。民意とはかけ離れており、このような場で原発の重要政策を検討すべきではない。行動指針案は撤回し、公聴会を各地で開くなど、民意を反映したやり方で検討を一からやり直すべきである。
▼意見1 該当箇所:2(1)再稼働への関係者の総力の結集
「立地地域との共生」と称して原発再稼働の地元同意(不同意)の過程や避難計画の策定の過程に国が介入すべきではない
・原発再稼働について住民の反対の声は根強い。地元同意(不同意)の過程において、安全性や避難計画の実効性について独自の検証を行っている自治体もある。こうした中で、「地域振興支援」など札束をちらつかせるようなやり方で介入すべきではない。
・避難計画について国の「支援」を強化するというが、避難計画は住民の安全に関わる問題であり、「利用」の立場で再稼働を進めるための「支援」は、住民を危険にさらす恐れがある。利用と規制を分離し、このような「支援」をしないというのが福島第一原発事故の教訓ではないか。
▼意見2  該当箇所:2(2)運転期間の延長など既設原発の最大限活用
運転期間の延長に加えて設備利用率を向上させようともしている。経済性最優先の運転を老朽原発で実施するような危険なやり方をすべきではない。
・運転期間の定め(40年ルール)は、安全規制として定められたものであり、利用政策側の電気事業法に移すべきではない。原子炉等規制法に残したうえで、事業者もこれを厳格に守らせるべきである。
・長期停止期間を運転期間から除外する件については、令和2年7月29日の原子力規制委員会の見解に、「長期停止期間中もそうでない期間と同様に劣化が進展する」劣化事象があり、「劣化が進展していないとして除外できる特定の期間を定量的に決めることはできない」とあるように、規制委側が事業者側の要求を拒否した経緯がある。これに照らしても認めるべきではない。
・設備利用率の向上については、15か月運転や運転中保全、定期検査の効率的実施などが書かれているが、こうしたやり方が11名の死傷者を出した美浜3号機の配管破断による人身事故につながったことを忘れてはならない。
 
▼意見3  該当箇所:2(3)新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設 2(5)サプライチェーンの維持・強化
新たな原発の開発・建設をすべきではない。そのために国費を投入すべきではない。
・まずは建替えを対象とするというが、新たな原発の開発・建設に他ならず、原子力政策の質的な転換である。「次世代革新炉」の前に、高速増殖炉「もんじゅ」の失敗についての総括と後始末が先である。
・「次世代革新炉」について具体的には三菱重工と関電ら電力4社による軽水炉の計画がある。目玉の安全装置は溶融燃料を受け止める「コアキャッチャー」とされているが、欧州加圧水型原子炉では標準装備されているもので、「新たな安全メカニズム」とはいえず、次世代でも革新でもない。このようなものに巨額の国費を宛てることは、喫緊の気候変動対策を遅らせるだけである。
・行動計画案にはサプライチェーン(部品供給体制)の維持・強化が含まれるが、「次世代革新炉」建設に国費を投入し、三菱重工など原子力産業の救済が目的ではないか。そのために、危険な原発の開発・建設を認めることはできない。
▼意見4  該当箇所:2(4)再処理・廃炉・最終処分のプロセス加速化
六ケ所再処理工場の建設は中止し、プルサーマルもやめるべき。高レベル放射性廃棄物の処分も決まらない状況でこれ以上核のゴミを増やしてはならない。福島第一原発の廃炉も進まない状況で原発を推進すべきではない。
・再処理工場は原発の事故並みの放射能を日常的に垂れ流す。六ケ所再処理工場は竣工の目途が立っていないが、動いたとしても超危険な高レベル廃液を増やし、国際的に削減を約束したプルトニウムを増やすだけである。プルサーマル運転はそれ自体危険であるだけでなく、再処理すらできず、冷却に時間がかかるMOX使用済み燃料を生み出してしまう。
・高レベル放射性廃棄物の処分も決まらない状況でこれ以上核のゴミを増やすべきではない。福島第一原発の廃炉も遅々として進まない状況で原発を推進すべきではない。
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★規制委 運転期間の定めと老朽原発の審査
▼全般的な意見
 原発の運転は放射能放出事故の危険を伴う。老朽化した原発の運転はより危険なので一刻も早く止めて欲しい。40年ルールを厳格に守り、40年を超える原発の運転を原則禁止すべきである。
▼意見1
 運転期間の定め(40年ルール)を原子炉等規制法から電気事業法に移すべきではない。原子炉等規制法に残した上で、原子力規制委員会はこれを厳格に守るべきである。
・運転期間の定め(40年ルール)は「利用政策の判断」などではなく、原発の耐用年数が40年であるなどの理由で、「安全規制」の一環として、全会一致で原子炉等規制法に盛り込まれたというのが事実である。これを規制側の原子炉等規制法から撤廃し、利用側の電気事業法に移す根拠はなく、安全をないがしろにするものである。
 
・運転期間の定め(40年ルール)を規制側の原子炉等規制法から利用側の電気事業法に移すことは、「利用と規制の分離」という福島第一原発事故の教訓を踏みにじるものである。また、今回の動きについて2022年7月から原子力規制庁と経済産業省などとの間で秘密裏に協議が進んでいたことが問題になっているが、これは、「分離」どころか「癒着」が進んでいることを示している。全会一致で立法の総意として、安全規制の一環として原子炉等規制法に盛り込まれた運転期間の定め(40年ルール)は、原子力規制委員会こそが厳格に順守しなければならない。 
▼意見2  長期停止期間を運転期間から除外すべきではない
・長期停止期間を運転期間から除外する件については、令和2年7月29日の原子力規制委員会の見解に、「長期停止期間中もそうでない期間と同様に劣化が進展する」劣化事象があり、「劣化が進展していないとして除外できる特定の期間を定量的に決めることはできない。」とあるように、規制委側が事業者側の要求を拒否した経緯がある。現在、原子力規制委員会は、利用政策側の判断について意見を述べる立場にはないとしているが、運転期間の定め(40年ルール)は利用政策の判断ではなく安全規制として定められたものである。60年を超える運転を可能とすることは、原発を危険にさらすものであり、これを許してはならない。
▼意見3
 原子力規制委員会は、新しい安全規制を検討する前に、判断基準が不十分な状況で技術評価の結果だけしかみないこれまでの審査の欠陥をみとめ、老朽原発の運転を一旦止めた上で、従前の審査の総点検を実施すべきである。
・対象文書や関連資料によると、新たな安全規制では、運転期間延長認可制度と高経年化技術評価の2つの制度を一本化した上で、従来に加えて、事業者側に劣化の点検の方法と結果及び技術評価の方法などを追加して提出を求めるとしている。これまで規制委側は技術評価については評価結果だけをみて審査を通してきたことになる。新たな安全規制案では、劣化予測のための評価方法も審査の対象とするというが、中性子照射脆化の問題では、既に審査が終わった原子炉について、予測のための評価方法の信頼性や違法性が名古屋地裁で争われている。対象文書には、新たな制度への円滑な移行を図るための措置についての記載もあるが、規制委は新しい安全規制の検討の前に、これまでの審査の欠陥を認めた上で、最新の知見を踏まえた判断基準の再検討と従前の審査についての総点検を行わなければならない。少なくともそれまでは40年を超える原子炉の運転を停止すべきである。
 
・審査の判断基準について、新しい安全規制案は、「最新の科学的・技術的な知見は、適時に技術基準規則などの規制基準に反映されている」(関連資料P45)ことを前提に「劣化を考慮しても技術基準に適合すること」(対象文書)を要求している。しかし、中性子照射脆化の問題では、技術基準として用いられている民間規格について、従来の規格が使えないことが明らかになり、規格の改訂が要求されながらそれが進まない中で、従来の規格が使われ続けている状況にある。電気ケーブルの劣化についても数値的な判断基準はない。「最新の科学的・技術的な知見は、適時に技術基準規則などの規制基準に反映されている」という前提は崩れている。