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2007年7月26日 (木)

声明(福島老朽原発を考える会)

新潟県中越沖地震と柏崎刈羽原発での事態に際しての声明

柏崎刈羽原発の原子炉設置許可を取消し閉鎖せよ
耐震性が疑わしい福島第一,第二原発を直ちに停止せよ
脱原発へ大きく舵を切るきっかけにしよう


2007年7月25日
福島老朽原発を考える会


 新潟県中越沖地震により,柏崎刈羽原発は大きな被害を受けた。排気筒からは放射性ヨウ素を含む放射能が排出された。ヨウ素の放出は燃料棒が破損した可能性を示唆する。東電はこの点につきデータを明らかにしていない。使用済核燃料プールの放射能を含む水が1.2トンも海に放出された。放射能放出がリアルタイムで住民に伝えられることはなかった。誰も消そうとしない火災の様子をテレビで見るしかなかった。東電の防災はまるでなっていなかった。東電の情報隠蔽体質が,現実に住民を不安と危険に陥れた。

 原発敷地内は大きくうねり,あちこちに亀裂が入っている。原子炉建屋の機器・配管等にも相当な被害が生じていると予想されるが,内部はまだ一部しか明らかにされていない。原子炉はクレーンが損傷し,蓋が開けられない状態にある。東電勝俣社長は,原子炉本体はびくともしなかったと言っているが,一体どうやって開けられぬ蓋の中身を確認したのか。さらに今回の事態を「いい体験にしたい」と言っている。住民を愚弄するのもいい加減にして欲しい。

 今回の地震を引き起こした活断層が,柏崎刈羽原発の敷地直下に伸びていることが明らかになった。東電自らがホームページで述べているように,また,原発の立地審査指針からも明らかなように,原発は活断層の直上に建ててはならない。柏崎刈羽原発はそもそも立地してはならない原発であった。

 さらに,問題の活断層について,東電は原発の設置許可申請に際しての調査で,これを発見していながら,4つに切り分けた上でさらに長さ約8kmに切り縮め,他の活断層に比べて敷地に与える影響が少ないとして設計には考慮していなかったことが明らかになった。東電の申請書にある海底地形図を専門家が再評価すると,断層はつながっており,最大で約36kmに及ぶという。また,産業技術総合研究所地質調査総合センターは1994年にこの断層約20kmと評価しており,東電はこれを2000年には確認していたが,設計をやり直すことはなく、放置していた。

 東電は一貫して活断層を隠し,切り縮め,無視してきた。地元の反対運動は,原子炉設置許可取消裁判を通じて,長年にわたり東電を批判し,論争を続けてきた。運動側は,原発直下,周辺の断層が活断層であること,中越地域全体が地殻変動を起こしていること,新たに見つかった活断層を含め,切り縮めるのではなく,一体のものとして評価すべきであることを訴えてきた。地震は,大きな犠牲を払いながらも,運動側の正しさを,東電のでたらめを,誰の目にも疑いようのない形で証明した。請求を棄却した東京高裁の事実認定は誤っていた。地震が「想定外」だったというのは東電の言い分である。運動側から見れば,地震は起こるべくして起きた「想定内」のものであった。柏崎刈羽原発は設置許可が取り消されて当然である。国は直ちに取り消せ。東電はこれを返上せよ。柏崎刈羽原発は閉鎖すべきである。

 柏崎刈羽原発で観測された揺れは、原発に基準地震動S2が襲った場合の設計値を大きく上回った。1号機で約2.5倍の680ガル,2号機では約3.6倍の608ガルを記録した。上下動も激しく,6号機では488ガルを記録した。S2はS1と異なり,機器の変形を覚悟し,それでも壊れないことを確認するための基準地震動である。S2を大きく超えたということは,再使用が保証できない揺れが襲ったということである。柏崎刈羽原発はその意味でも二度と使用されるようなことがあってはならない。

 さらに,設計値とのこれだけ開きは,直下地震の想定が甘かったというだけでは説明がつかない。想定した地震から地震動を推定する評価方法に大幅に過小評価があったことは疑いない。同じ評価方法が全国の原発で使われている。過小評価は地震の度に問題になっていた。2004年三陸南地震,2005年宮城県沖の地震が襲った女川原発で想定を超えた。金沢地方裁判所は昨年,耐震性の不備を理由に志賀原発2号機に運転差止の判決を下した。その志賀原発を今年能登沖地震が襲ったが,やはり想定を超える揺れであった。今回の地震は改めて,耐震設計の根本が誤っていたことを明らかにした。

 国内の原発でも最も基準が甘い福島第一,第二原発も危ない。近くには双葉断層が走っているが,東電はこれも切り縮め,一部しか考慮していない。福島第一,第二原発についても直ちに停止の措置をとるべきである。福島第一3号機については,検査偽装が明らかになったことを受けて,繰り上げて定期検査にはいる予定だったものを,繰り下げ夏場に使おうとしている。とんでもない話である。

 柏崎刈羽原発の電気を使用しているのは首都圏である。電気はすべて首都圏に送られ,地元には危険と不安と被害だけが集中する。このような状況を脱する機会が訪れた。7機すべてが停止しても,首都圏で停電が起こることはなかった。今回の事態を脱原発に向けて大きく舵を切るきっかけにしていこう。

<連絡先>〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-19銀鈴会館405号AIR気付
TEL03-5225-7213 FAX03-5225-7214
福島老朽原発を考える会

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