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2007年8月 8日 (水)

マダラメ委員会のデタラメ

名前をもじって批判するのは品がないのかもしれませんが,マダラメ委員会はほんとにデタラメです。

■宮健三氏の解任劇

経済産業省が設置した「中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」は7月31日に第1回の会合を開き,8月8日には第2回の会合を,現地視察を兼ねて柏崎刈羽原発で開きました。委員長は班目(マダラメ)春樹氏で,マダラメ委員会と呼ばれています。そのマダラメ委員会は,早くも2回目で一人の委員の辞任が報告されました。委員会の下につくられるワーキンググループの一つの主査にも内定していた宮健三氏でした。

宮健三氏は8月2日に,新潟県の技術委員会座長として,県が行った原発視察に同行し,その後の記者会見で、「(中越沖地震は原発にとって)歴史的な実験かもしれない」「(地震は)何というか、代え難い貴重な実験だったんですね。歴史的な実験かもしれない」(8月2日付新潟日報)と述べていました。地元の住民の気持ちを踏みにじる発言です。これに批判を受けた宮氏は,8月3日に県の技術委員を辞任しました。新潟県から事実上解任されたのです。

宮健三氏は,原子炉構造物や配管などにひび割れがあってもこれを放置したままの運転を認める維持基準の導入に努めた人であり,長崎県の新上五島へ高レベル放射性ガラス固化体の処分場の誘致を進めた人でもあります。新潟県から辞めさせられた宮氏が,政府の委員会の委員を続けてよいのかと批判の声があがるなかで,マダラメ委員会からも去ることになったのです。

ところが,その後任の大橋弘忠氏がこれまたとんでもない人で,佐賀県主催のプルサーマル討論会では,会場からの質問者に「理解する気があるのか」と暴言を吐いています。
(美浜の会HPhttp://www.jca.apc.org/mihama/accident/miya_jinin.htm

■マダラメ氏のデタラメ

そもそもマダラメ委員会は,委員長のマダラメ氏からして問題人物です。地震直後から「運転再開は1年後」と早々と発言していました。配管のつなぎ目や圧力容器の足場などでひずみが発生している可能が専門家によって指摘されているのに対し,マダラメ氏は「今の技術ならば,やろうと思えばできる」と述べています(8月3日日経新聞)。柏崎刈羽原発は,圧力容器の蓋を動かすためのクレーンの破損により,原子炉は蓋を空けることすらができません。そんな状況で「やろうと思えばできる」とは,全く根拠のない,無責任極まりない発言です。

マダラメ氏のデタラメぶりは枚挙に暇がありません。マダラメ氏は、浜岡原発運転差止訴訟で、被告中部電力側の証人として証言しています。まるで中部電力広報宣伝マンのような証言で、原発は安全だ、安全だと繰り返しました。東大教授よりも電力の広報部の肩書きの方がふさわしいくらいでした。

給水ノズル部のひび割れ問題について、先に終わっていた原告側田中三彦証人の証言に「勘違いがある」と噛みつきました。どうやら田中氏が直接これの設計に携わったことを知らなかったようで、勘違いしていたのはマダラメ氏の方でした。反対尋問で反撃にされ、見事撃沈しました。

東海地震発生時に、電源が喪失した状態で非常用発電機が2台とも駆動できなくなる可能性について指摘されると、「非常用ディーゼル2個の破断も考えましょう、こう考えましょうと言っていると、設計ができなくなっちゃうんですよ。つまり何でもかんでも、これも可能性ちょっとある、これはちょっと可能性がある、そういうものを全部組み合わせていったら、ものなんて絶対造れません。だからどっかで割り切るんです。」…原発の安全性を割り切られても困ります。

制御棒については、「あそこの設計は非常にうまくできていまして, いろいろなものが壊れたときには、圧力の平衡、水圧の平衡で、最後は中に入ってしまうようにできているんです。」とし、制御棒2本の同時落下の可能性について、「起きるとは, ちょっと私には思えません。どういうふうなことを考えるんですか。それに似たような事象があったら, 教えてください。」などと証言していました。中部電力を含む電力各社が、制御棒の複数本同時落下,さらには臨界事故の発生を隠蔽していたことが明るみに出たのは、このわずか1ヶ月後でした。

それでも懲りないマダラメ氏は、5月8日付電気新聞のインタビュー記事の中で、制御棒引き抜けによる臨界事故を逆手にとり、原発は運転中が安全で止める方が怖いというとんでもない理屈で、長時間運転を可能にすべきと主張しています。「安全性を考える上で、原子炉の起動と停止時にはリスクが高まる。たとえば,飛行中の飛行機をわざわざ地上に降ろし、検査するのは、降ろす行為自体が怖いことだ。原子炉でも、運転中というのが安全だ。」「これまでは何か問題があったら『とにかく止めます』という言葉がよく聞かれた。しかし、止める事自体も怖いこともあることが、図らずも今回の総点検結果などで分かったところもある。止めれば安全ということを言い過ぎたきらいもあり、リスクを踏まえた安全を考え直す必要もある。総合的な観点から長期サイクル運転を評価すべきだ」…だって…。

マダラメ氏は,検査の在り方委員会という委員会の主査も務めていますが,ここでは、原発の運転期間の延長と定期検査期間の短縮を狙った原発の検査制度改悪を進めています。

■第1回会合…デタラメな発言と新潟県の訴え

さて,マダラメ委員会の第1回会合では,一部委員を除き,安全上は何も問題がなかったと決め付けた上で,安全ではなく安心の問題だ,あるいは風評被害だけを問題にする発言が相次ぎました。
(中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会(第1回)議事要旨)
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004382/index.html

■チェルノブイリ級の事故が起きたような誤解を引き起こしている。風評被害がないように、大丈夫、安心だと断言していただきたい。

■安全と安心を峻別していく必要がある。本委員会では何が安全であるかはっきりさせていく必要がある。

■安全と安心を明確に分けるべき。安心については、現地での情報の集め方、公表の仕方、体制づくりの検証が必要。

そんな中で目を引いたのが,地元柏崎市と新潟県の委員の発言でした。新潟県は発言の内容を文書にしてホームページにアップしています。
http://bosai.pref.niigata.jp/bosaiportal/0716jishin/genshiryoku/kikikanrikanhatsugen070731.pdf

委員の一人として参加した新潟県危機管理監は「国の対応は、後手後手に回った」と国の対応を批判し,「東京電力自らが「安全である」と言えば言うほど地元は不安になるという状況です」と東電への不信をあらわにしています。また原発での揺れが想定を超えたことについて,「要因を、国の責任で明らかにすることが必要」とし,東電が「海域を含む周辺地域の地震を引き起こす断層を過小に評価し」たことも問題にしています。県が行ったアンケートを紹介し,「「不安に思うこと」のトップは、「住宅再建」ではなく、「原発トラブル・放射能漏れ」となっており、如何に地域の住民の不安が大きいかが分かります。原子力発電所を受け入れた地域の住民だけにリスクを負わせ、「電力は首都圏へ、リスクは地元で」では立地地域は浮かばれません。」としています。

さらに「この委員会は、安易に再開に向けた議論の場とすべきではなく、あらゆる角度から徹底して検証を行ったうえで、十分に議論する必要があると考えます。」と釘を刺しています。

■マダラメ氏を解任し御用学者をやめさせよ

しかし,マダラメ委員会は,少なくとも今の委員長では,新潟県の要望に応えることはできないでしょう。マダラメ氏は直ちに委員長を解任すべきです。委員も再考すべきです。そうでなければ,まともな議論は期待できません。

最後に,柏崎原発地元三団体は8月7日の県庁で記者会見でいかのすばらしい声明を発しています。
http://cnic.jp/files/20070807.pdf
その中で,新潟県の技術委員となっている衣笠善博氏の解任を要求しています。今回の地震では,東電が過去に活断層を見つけていながらそれを値切ったり無視していたりしたことが大きな問題となっていますが,衣笠氏は,それこそ,活断層を値切るプロで,活断層カッターとも呼ばれている人です。柏崎刈羽原発の安全審査を通した本人でもあります。新潟県は宮氏に続いて,このような御用学者を即刻解任すべきです。

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コメント

いい先生は 誰なのでしょうか。

投稿: sinran | 2007年8月 9日 (木) 06時39分

でたらめはお前だ

投稿: | 2007年8月12日 (日) 09時07分

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