アクティブ試験強行に抗議する
美浜の会メール・ニュース06-12より
■ついに日本原燃は、本日アクティブ試験を強行しました。抗議声明を出しましたのでお届けします。最後に貼り付けています。
■青森県知事宛のメールは、830通にも達しました(午後10時30分現在)。多くのメールを寄せていただき、本当にありがとうございました。知事や青森県当局はこの声を踏みにじりましたが、私たちはこのメールに込められた皆さんの意思を大切にして今後の活動にのぞみます。また、多くの人々が皆さんのメールによって勇気づけられました。
知事宛メールを送るだけでなく、スーバーや役所に出向いたり、魚市場でビラをまいたり、一人一人の意思に基づく行動が短期間の内に広がったことに驚きながら、「反対の声は確実に広まっている」と確信を持ってやってこれました。
■ブログ開設者の皆さん。ご協力本当にありがとうございました。皆さんの力に正直言って圧倒されました(ブログの世界には疎かったものですから)。「釣り人よ・・・牙を剥け」を読んだ時の衝撃と喜びを忘れることができません。このメールニュースなどを転送していただき、多くの人々へと広がっていくことができました。協力していただいた皆さんのブログにコメントなどを寄せなければならなかったのですが、多忙でかないませんでした。この場を借りて、感謝申し上げます。
■とにかく、被害が少ない内に、早期にアクティブ試験を止めていきましょう。
・今日は、使用済み核燃料を燃料プールから移動しました。
・明日から、この使用済み核燃料を「せん断」するようです。この「せん断」と同時に、排気筒から放射能放出が始まります。
・海に放出する放射性廃液は、「分離」の工程から出てくるものです。貯蔵タンクが一杯になった段階で順次放出すると日本原燃は言っています。この「分離」の工程が始まるのが約半月後とのことです(もちろん順調に進んだ場合ですが)。
・アクティブ試験は15ヶ月間で430トンの使用済み核燃料を再処理します。この試運転は5段階に分かれており、今日から始まった第1ステップが2~2ヶ月半。その後第1ステップに関する評価を行い、次のステップへというやり方です。
(アクティブ試験の詳しい計画書は原燃HPにあります
http://www.jnfl.co.jp/cycle-recycle/testing/active-testing.pdf)
★放出放射能についての監視、事故やトラブルが起きればそれを暴露・批判する活動を強めます。原燃はHPでモニタリングデータを公表していくようです。これについても批判的によく見ていく必要があります。
□放射線・放射能のモニタリングデータの公表について[日本原燃]
http://www.jnfl.co.jp/monitoring/index.html
★そして、まだまだ途上の、食品の汚染に反対する活動を継続していきます。プルサーマル反対の運動から、再処理工場を動かせば余剰プルトニウムが生まれるだけだという点を中心にした活動へ、そして1月24日に青森県が食材から出る放射線の数値を公表した事から、この新しい取り組みに全力をあげました。食品の安全を守るために生産者と消費者の思いは一つだからです。原燃申請書の批判、2002年のハガキ放流実験や、海外の再処理工場での汚染や健康被害の調査活動等が、ベースとなっています。青森の人々や岩手の運動、各地の運動と連帯して進めてきました。
その意味では、直接食品の汚染に反対する運動に取り組んだのはこの2ヶ月ほどでした。私たちの活動を見直すなかで、新たに踏み出したいと考えています。今後の運動について議論を深めていきましょう。青森や三陸の食材を守ろうという広範な人々の声、青森や三陸の生産者達の声、消費者の声、これら生活に根ざした声を大きくしていきましょう。
■アクティブ試験開始の1時間前に、国に書類提出の妙
原燃は再処理予定量を国に報告しなければなりません。現在の計画では2005年度中に4トンを再処理する計画になっています。2005年度というのは、今日2006年3月31日です。これはとても無理ですから、提出義務のある「変更届出」を国に出しているのかを保安院に問い合わせました(今日の午後2時10分前頃)。電話に出た保安院の担当者は、「変更届出は出ていない」と言うので、今日中に4トン再処理など無理なので変更届出が必要なはずだと話すと、少し驚いた様子で、「そうです、法律上必要です。それがなければアクティブ試験は始めることはできません」と認めます。そして、電話の最中の午後2時頃、突然、「今、変更届出が届きました」と言い出しました。「4トンは0トンに変更されています」。3時からのアクティブ試験開始の1時間前に「変更届出」とは奇妙な話です。この件については、その後保安院や原燃に問い合わせをしましたが、まだはっきりしたことは分かりません。2時の提出が本当だったとすれば、いかにバタバタと強引に強行したかの現れでもあります。この件は、また詳しいことが分かればお知らせします。マスコミには、「アクティブ試験は法律違反の疑いあり」とFAXを入れておきました。ご協力いただいたグリーンピース・ジャパンに感謝いたします。
■最後に、美浜の会HPトップの絵は、熊本の夕さんの作品です。すばらしい絵をありがとうございました。http://www.jca.apc.org/mihama/
★★さあ、これからです。声をあげ続けていきましょう。共に新しい運動を前に進めていきましょう!!
■知事宛メールは日曜日まで続けます。
メールはこちらから http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/mail.htm
■日本原燃への抗議はこちらへ
青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字沖付4番地108
TEL 017-571-2002(広報) FAX 0175-571-2136
goiken@jnfl.co.jp
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抗 議 声 明
■放射能汚染を憂慮する広範な声を無視し、アクティブ試験を強行したことに抗議する
■大量の毒物を放出するアクティブ試験を直ちに中止せよ
日本原燃は、年度末最後の今日、午後2時58分にアクティブ試験を開始した。私たちは、これを断固糾弾する。
明日4月1日から、使用済み核燃料をギタギタにきざむせん断を始めるという。それとともに、高さ150メートルの排気筒から、クリプトン、炭素14、トリチウムの全量放出が開始される。
さらに約半月後には、大量の放射能が海洋へ放出される。
このような犯罪行為がどうして許されるのだろうか。
アクティブ試験を直ちに中止せよ。
日本原燃、青森県知事、六ヶ所村長は3月29日に形だけの安全協定を締結し、アクティブ試験実施にゴーサインを出した。国と電事連は、カネと権力でアクティブ試験を強引に推し進めてきた。
彼らは、青森県の農業者、漁業者そして青森県民の放射能汚染に対する不安の声を踏みにじった。開拓民として厳しい気候の中で農業を守り育ててきた農業者の憤りはいかばかりであろうか。
三陸沿岸の漁業者達の声を無視した。三陸の海に、リアスの海岸に放射能が押し寄せることに、漁業者達は「三陸の海を守れ」と怒りの声を上げてきた。しかし、原燃は、アリバイ作りのためにたった2ヶ所、2時間の説明会だけで、形だけの「安全」を繰り返しただけだった。極めて傲慢な態度である。
青森の農産物や三陸の海の幸をこれまで通りおいしく食べ続けたいという全国の消費者の声をないがしろにした。
これら、実際に被害が及ぶ人々に対する説明責任もはたさず、放射能汚染を憂慮する声を無視して、アクティブ試験を強行した。
さらに、プルサーマル実施の具体的目処もない中、プルトニウム生産に突き進もうとしている。「余剰プルトニウムを持たない」という国策もかなぐり捨てた。これは核不拡散に逆行し、近隣諸国に大きな不安と脅威を与えるものである。
私たちは、改めてアクティブ試験を即刻中止するよう要求する。
再処理を30年以上続けてきたセラフィールドやラアーグで起きている深刻な海洋汚染や健康被害をくり返させてはならない。
被害を被る多くの人々と連携し、毒物放出を早期に阻止するために、アクティブ試験を止めるために、今後も全力をあげて闘う決意である。
2006年3月31日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
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