メールニュース:こんどはプルトニウム被ばく事故
美浜の会メール・ニュース06-18より
■こんどはプルトニウム被ばく事故
今日のニュースで流れていますが、再処理工場でプルトニウム等による体内被ばく事故が起きました。被ばくの管理でも、まったくずさんであることが明らかになりました。青森県も重い重い腰をあげて、今回は現場視察を行ったようです。原燃副社長は、再発防止策として、「安全意識を高めるため協力会社を含めた安全大会を来週開催する」と述べています。原燃自身の安全管理がずさんなことを棚にあげ、後に紹介する、関電の美浜3号機の「再発防止策」と同じく「安全よし!」「安全よし!」と唱和するのでしょうか。
◎作業員被ばくで県が現場を確認 (東奥日報 5月26日)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/0526/nto0526_7.asp
今回の被ばく事故でも、原燃の発表資料では、実態が明らかにされていません。作業服の胸元にプルトニウムを含む危険な溶液が着くような作業状況とはどのようなものだったのでしょうか。なぜマスクも着けずに作業させていたのでしょうか等々。また、被ばく量は0.01ミリシーベルトで「健康に影響なし」と発表していますが、プルトニウム等のアルファ放射能を吸入した場合に最も危険な、肺細胞などへの局所被ばくを考慮していません。
この事故に関する問題点をHPに掲載しています。是非、ご覧下さい。
あまりにもずさんな原燃の被ばく管理
頻発する事故-アクティブ試験全体をただちに中止せよ
http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/plutonium_hibaku060526.htm
■頻発する再処理工場での事故
アクティブ試験開始からまもなく2ヶ月になりますが、事故が頻発しています。
5月17日には、配管のT字継手部位から7リットルの放射性試薬が漏えいする事故が起きました。この事故は、昨年7月のウラン試験で類似箇所からの漏えい事故があり、その時表面の目視点検だけで大丈夫としていた箇所からの漏えいでした。安全管理のずさんさを端的に示す事故です。この事故については下記に見解を掲載しています。
http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/tsugite_roei060520.htm
わずか2ヶ月の間で、3回の放射性溶液の漏えい事故、ポンプなどの故障、そして被ばく事故です。事故が起きている箇所も様々な建屋に及んでいます。23日のフック落下事故では、太さ8ミリのワイヤーが切れて、140キロもある作業用フックが落下しました。この建屋はまだ準備作業中でしたが、こんな事故まで起きているのです。20人の作業員が現場にいたそうですが、人身事故はなんとか避けられたようです。アクティブ試験全体を中止する以外にありません。
<六ヶ所再処理工場での事故日誌>
○4月11日 溶解槽セル ハル洗浄水400リットル漏えい
http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060412-recycle-b01.html
○4月23日 分離建屋と精製建屋間の洞道検知ポットでの放射能検出
http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060424-recycle-b01.html
○5月3日 精製建屋 かくはん機駆動用モータの故障
http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060508-recycle-d01.html
○5月6日 精製建屋 プルトニウム濃縮液ポンプの故障
http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060508-recycle-d02.html
○5月17日 精製建屋 配管T字継ぎ手からの試薬7リットル漏えい
http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060518-recycle-b01.html
○5月23日 高レベル廃液ガラス固化建屋 セル内のクレーンフックの落下
http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060524-recycle-d01.html
○5月25日発表 プルトニウム等による被ばく事故
http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060525-recycle-01.html
■5月16~17日 青森に行ってきました。
・16日の午前中は原燃との交渉でした。「放射能予報を出してください」と要求しました。青森、岩手、関西から6名が参加。放射能の海洋放出については、「4月28日の放出は初めてのことであり、社会的関心も高いので」公表したが、今後については、「いつ放出になるか広報にも情報が入るか分からない。お伝えする情報ではない。毎月まとめて報告することになっている」の一点ばりでした。
・同日午後は、青森県との交渉。同様の要望書を出しました。しかし県は、原燃の「毎月まとめて報告する」について、「別段問題はない、安全協定でそうなっている」と答えるのみです。また、事故の情報については、原燃がホームページで公表している情報以外はもらってないとのこと。これには驚きました。
・しかし、これだけ事故が頻発してくると、青森県議会では自民党議員からも批判の声があがり始めています。
◎再処理工場溶液漏れで県議会与野党が原燃批判 (デーリー東北5月20日)
http://www.daily-tohoku.co.jp/kakunen/news2006/kn060520a.htm
・17日は、グリーン・アクションと共に、青森県農協中央会の種市会長に面会しました。関西大手スーパーへのアンケート結果の最終報告を説明するなどして、青森産食材を放射能汚染から守ってほしいと要望しました。会長は、「生産者としては出荷できなくなり、青森産の食材を守りたいという気持ちは消費者と同じだ」と述べられていました。その後、青森県県政記者クラブでアンケート結果について会見しました。青森県は「混入する放射能は微量だから問題なし」としていますが、スーパーからは「微量でも極力取り扱いたくない」、「残留放射能の表示等について、今後なんらかの対策を考えたい」という回答が出ています。アンケート結果の報告等は両会のHPを参照してください。
■福井県知事の美浜3号機運転再開了承に抗議
福井県知事は今日、美浜3号機の運転再開を了承すると関電に伝えました。11名の死傷者を出した事故からまだ1年9ヶ月です。この間にも関電の原発では事故が頻発していました。「再発防止策」とは名ばかりで、5月16日にも400リットルもの漏えい事故を起こしています。事故の責任を下請け会社になすりつけ、自らの責任にはほおかむりです。関電の染みついた体質です。
5月24日の朝日新聞大阪版によると、「事故で死亡した5人のうち4人の遺族は今月16日に関電の森詳介社長と面談。早期の運転再開に難色を示し、事前に遺族側の了解を得るように求めた。」とあります。関電は、遺族の気持ちも踏みにじっています。
福井県知事に出した要望書は下記にあります。
http://www.jca.apc.org/mihama/mihama3/fukui_yobo060523.htm
■もう皆さんご存じで、いまさらの紹介となって恐縮ですが、坂本龍一さんが立ち上げられたHPです。心強い限りですね。あの動くロゴ、びっくりしました。
http://stop-rokkasho.org/
共謀罪、教育基本法改悪、憲法改悪国民投票法案等々、悪法だらけの国会ですが、市民の力を結集していきましょう。
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コメント
プルトニウムの被害について、
一般国民まで正しい理解を行き渡らせられるような
Webページはないのでしょうか。
少し古い話ですが、
佐賀県主催プルサーマル公開討論会でのニュースが
妙に忘れられません。
http://www.jca.apc.org/mihama/News/news85/news85ohashi.htm
市民の気持ちに共感しますが、
本当に東大教授が、プルトニウムは飲んでも無害といったのでしょうか。もしそうなら、国民のための国立大学の先生なのに、何故訴える人がいないのかと思います。
関係ないでしょうか。
投稿: | 2006年5月31日 (水) 23時05分