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2008年2月13日 (水)

ガラス固化試験は不合格だが第5ステップ入りは認める??-緊急保安院ヒアリング

本日(13日)午後4時から参議院議員会館にて保安院ヒアリングが行われました。超緊急にもかかわらず20名ほど集まりました。相手は核燃料サイクル規制課金城課長補佐他2名でした。

まず,8日の再処理WG(非公開)の議事要旨と資料について保安院が説明しました。8日は,まず原燃が4日報告を説明し質疑した後退出させ,委員と保安院だけで保安院の文書を議論。保安院の文書は,連続運転の確認はできたが,白金族管理はだめなので追試をさせる。溶融炉を立ち上げるまでに,点検報告をさせ,使用前検査までに再度報告をさせた上で使用前検査を行う,これらを第5ステップでやる,というもので,WGでは方向性は了承されたとのことです。

このあと議論しました。

・白金族問題で止まったということは,連続運転もだめとすべきではないか?
…それは認める。だから全部について追試をやらせる。
・AもBもダメなら上流のせん断も止めるべきだ,なぜ第5ステップに進ませるのか?
…廃液が必要だ。第4と第5はシームレスだ。ガラス固化以外はうまくいっている。やりたければどうぞということだ。などと回答。
・廃液は十分あるはずでは?
…いや燃焼度の問題が。
・ガラス固化が止まれば廃液が溜まってしまうではないか?
…タンクがある。安全上問題はない。
・連続運転を確認した5日間は立ち上げ直後で仮燃層もできておらずまともに動いていないではないか?
…安全が確認できればよい。長期間安定するのかという経営の問題には関与しない(という意味不明な回答)。

その他,1100度を切る欠陥品の問題や資料のマスキングにより,要求される性能である70L/hの確認のしようがないといった話も出ました。これについてh理由をひとつひとつ言えないがとにかく公開できない情報だと。

新聞各紙も第5ステップ入りを既成事実のように伝えています。朝日新聞は,第5ステップの工程は「3ヶ月間の予定」で、「今夏ごろに本格操業を始める見込み」と。

明日(14日)は核燃料サイクル小委員会が開かれ,上記の線で了承される見通しです。経済産業省別館前では,委員会(10時~12時)の前後(9:30~と12:00~)に抗議行動が予定されています。

再処理WGに提出された保安院の文書と議事要旨は以下です。

ダウンロード

保安院の文書の一部抜粋は以下です。

*******************************

3.高レベル廃液ガラス固化設備に係る使用前検査実施についての考え方
(1) 当院は「アクティブ試験(第3ステップ)の確認結果について」において示しているとおり、高レベル廃液ガラス固化設備に係る使用前検査(処理能力の性能検査)に先立ち、「必要なデータや条件等が整っていること」を確認する。具体的には「安定した運転状態が維持されること」及び「白金族の影響を考慮しこ管理された運転状態が維持されること」を確認することとしている。

(2) 今回事業者から提出された試験状況報告によれば、これまでのところ、安定した運転状態が維持されること」については、限られた期間ではあるが確認されたと考えるが、「白金族の影響を考慮し、管理された運転状態が維持されること」については、見通し」は得られたとしてしているものの十分な結果が未だ得られていないと考える。

(3) 事業者は、今後、ガラス溶融炉内の温度管理、運転データの監視、炉内状況の改善に向けた措置等の運転方法を具体化し、確幸に実施していくことで「白金族の影響を考慮し、管理された運転状態が維持されること」についても実現可能との見通しを示しているが、これまでの化学試験等によって得られた知見や運転状況の相違を分析・検討した上で、こうした「見通し」を着実に実現する必要があると考える。

(4) 当院としては、順次、以下の対応を図ることとする。
① 事業者から提出された本件報告内容も踏まえ、ガラス溶融炉内部の点検及び内部残留物に関する分析等が実施された上で、事業者によりガラス溶融炉運転性能確認試験を再開するために必要な運転方法の具体化が図られたことを有識者等の意見も聴取しつ確認していく。

② また、高レベル廃液ガラス固化設備に係る使用前検査(処理能力に関する性能検査)を実施する前に、再開後のガラス溶融炉運転性能確認試験等の結果について報告を受け、その内容を確認していく。

(5) また、本試験状況報告より、事業者においては、不適合等を積極的に検出し、処置に取り組んでいることが見受けられ、「不適合の発生をQMS等の改善の機会と捉え、徹底した原因究明とそれに見合った再発防止対策を検討し、確早に実行する。また、水平展開の必要性を検討し、予防処置めための活動」を実施し、「自律的・継続的に改善を図る組織」に向けた取り組みが図られていると考える。
 今後、事業者から提出される第4ステップに係る報告と併せ、事業者の品質保証体制の向上等の状況についても、原子力安全・保安部会六ヶ所再処理施設総点検に関する
討会」において意見を聴取しつつ、確認していくこととする。

4.おわりに
 事業者は、試験状況報告こおいて、アクティブ試験第4ステップで計画されていた試験項目については、高レベル廃液ガラス固化設備に係る試験における「白金族元素の影響を考慮し、管理された運転状態で維持されること」の確認を除いてはすべて終了したとし、「今後、第5ステップにおいて、ガラス溶融炉(A系列)内の点検等並びに、ガラス溶融炉(A系列)の再確認及びガラス溶融炉(B系列)の試験を実施していくこととしたい。」としている。
 上記については、今後の高レベル廃液ガラス固化設備に係る試験の進捗に対応して、必要な高レベル廃液を確保する必要があること及び同設備に閏し今後確認が必要とされる事項は、アクティブ試験第5ステップで計画されているBWR燃料の処理試験に支障を与えないことを併せて考慮すると、第5ステップに移行することは当院としても差し支えないと考えられる。
 したがって、当院は、アクティブ試験第5テップを通じて、高レベル廃液ガラス固化設備に係る使用前検査(処理能力に関する性能検葦)について、上記3で示した考え方に基づき対応していくこととする。

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