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2008年4月21日 (月)

再処理ワーキンググループ委員への要望書

4月22日に非公開の会合が開かれる核燃料サイクル安全小委員会再処理ワーキンググループの委員と事務方の保安院に対し、以下の要望書をFAXで送信しました。

要望書PDFファイル「wg-yobosyo.pdf」をダウンロード

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核燃料サイクル安全小委員会再処理ワーキンググループの委員のみなさまへ
六ヶ所再処理工場アクティブ試験第4ステップガラス固化試験に関する要望書

 以下をご一読いただき、ワーキンググループにおける議論に反映していただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

2008年4月21日
福島老朽原発を考える会

1.温度管理・炉内環境の管理の困難

 日本原燃は、白金族元素の堆積を抑えるために、炉の上部を高温、下部を低温に保ちながら白金族元素をその間に捉え、ガラス固化体容器に流下させるときは、下部を加熱して、白金族元素ごと一気に流下させるという運転方式をとっています。第4ステップの試験では、こうした温度管理にはじめから失敗しました。模擬廃液を用いた化学試験での知見は、実廃液では役に立ちませんでした。日本原燃は原因を、仮焼層を安定させることができなかった点に帰着させ、これの管理さえできれば、安定した運転ができるとみているようです。しかしそのようなことが可能でしょうか。それに、日本原燃の報告や核燃料サイクル安全小委員会での議論からは、温度を含め、炉内の環境には、仮焼層の状況だけでなく、白金族元素の堆積状況、低粘性流体の発生状況、これに関わる廃液性状の違い、そして不純物の影響など、いくつもの要素が複雑に相互にからみあって影響することがうかがい知れます。不純物の影響については定量的な評価はなされておらず、それを行うことが非常に困難であることを日本原燃が認めています。

2.白金族元素の堆積は不可避

 第4ステップでは、試験の初期段階から温度管理に失敗し、白金族元素が堆積しています。偏流発生時や攪拌の作業前などにも、堆積と底部での残留が進展しています。日本原燃の報告からは、さまざまな条件で堆積、残留が進むことがうかがい知れます。「炉底部の低温管理」を行えば防げるというものではありません。これが避けられないことは明らかです。

3.白金族元素堆積の影響を除くことが不可能であること

 日本原燃は、試験再開に向けた方法として「白金族堆積状況での回復運転方法の決定」を挙げています。しかし、それは既に第4ステップで行われ、失敗に終わるという結果も既に出ているのではないでしょうか。日本原燃は、偏流発生後に、直棒と曲がり棒をもちいた炉の攪拌と洗浄運転を行っていますが、炉内環境は回復せず、再び昇温性と流下性が悪化してしまいました。攪拌が具体的にどのように行われたのかは明らかにされていませんが、残留物の状況などから、少なくとも、底部電極板上部や斜め45度の壁面の残留物を完全に取り除くことはできず、「回復」ができないことは明らかです。
 日本原燃は、「炉内状況が悪化する前に炉底撹拌」を行う運転方法を検討しているようです。しかしこれは、堆積状況の正確な把握という点でも、攪拌による効果という点でも、これまでの実験データから根拠をもって推測することは難しく、願望の域を出ないでしょう。

4.欠陥ガラス固化体が生み出された

 第4ステップでは、溶液の粘性が高く、偏流が起こるような状態で作られた2本のガラス固化体について、中身が容器からはみ出てしまい、蓋が閉められなくなってしまったことが報告されています。この欠陥ガラス固化体は手がつけられずにいるようですが、いったいどのように措置するつもりでしょうか。
 また、そうでなくても、炉内の溶液の温度が1100度を超えない状態で取り出した場合、品質に問題が生じ、欠陥品となることが、2月14日の核燃料サイクル安全小委員会の場で明らかにされました。第4ステップでも、特に初期(中盤や終盤にも存在する)の温度が十分に上がらない状態でつくられたいくつかのガラス固化体がそのような欠陥品であることが、日本原燃の報告からも伺えます。これについてはどのように措置するつもりでしょうか。

5.アクティブ試験の中止を

 第4ステップのガラス固化試験は、六ヶ所再処理工場が採用したガラス溶融炉のもつ根本的な欠陥を明らかにしたのではないでしょうか。この方式の採用の可否を含め、設計からやり直さなければならないというのが、試験結果からえられる結論です。このまま試験を強行しても、とても地層処分には耐えられない欠陥ガラス固化体が次々と生み出されるだけではないでしょうか。
 ガラス固化が困難なもとで、再処理を続けると、高レベル放射性廃液が溜まる一方になります。これが貯蔵する上でもっとも危険であることは、ウラルの核惨事やハンフォードでの汚染の例を挙げるまでもないと思います。ガラス固化試験を中止し、それだけでなく、アクティブ試験も直ちに中止すべきではないでしょうか。

福島老朽原発を考える会
代表 阪上 武
東京都新宿区神楽坂2-19銀鈴会館405号AIR気付
03-5225-7213 

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