六ヶ所再処理工場ガラス固化溶融炉再開容認に抗議する
本日行われた核燃料サイクル安全小委員会で、六ヶ所再処理工場ガラス固化施設のガラス溶融炉の運転再開が、欠陥を抱えていることが明らかになったにもかかわらず容認されてしまいました。傍聴した市民らは、経済産業省別館前で抗議行動を行い、原子力安全・保安院に対し抗議文を提出しました。以下は、別館前でまいたビラです。
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原燃のガラス固化技術は完全破綻
保安院・核燃料サイクル安全小委員会は
ガラス固化溶融炉の運転再開を認めるな!
六ヶ所再処理工場本格稼動を諦めろ!
■原子力安全・保安院は、ガラス溶融炉運転再開に向けての動きを強引に推し進めています。月内の運転再開を強行するために、20、24、26日と立て続けに核燃料サイクル安全小委員会再処理WGを非公開で開催し、本日30日の小委員会にて、トラブル対策として原燃が出してきた6月11日付報告書を承認しようとしています。しかし、この報告書は、白金族元素の堆積等のトラブルに対し、何らの対策も打てないことを明らかにしただけです。重大な欠陥が明らかになったガラス溶融炉の運転再開を認めさせてはなりません。
トラブルの元凶である白金族元素の堆積を防ぐ対策なし!
■原燃は報告書で、白金族元素の堆積について、監視強化と回復運転による対処を言うだけで、堆積を防ぐことを放棄しています。攪拌を含む回復運転がうまくいかないことは、昨年の試験で既に確認済みです。対策には、運転継続を断念して止め、ガラスを全量抜き出すドレンアウトまで含まれています。最初からうまくいかないことが予定されているのです。
崩壊熱を全く考慮せず!濃縮器を設計段階から外していた!
■第4ステップにおいて、原燃は、温度管理にはじめから失敗し、白金族元素の堆積に加え、低粘性流体の発生という問題も生じています。模擬廃液を用いた化学試験の知見は、実廃液では役に立ちませんでした。また、報告書で原燃は、実廃液で生じる崩壊熱について全く考慮していなかったと信じ難い告白をしています。
■また、ガラス溶融炉に注ぐ廃液の濃度が低いという問題が生じ、そのことが運転の不安定性をもたらしていることが明らかになっています。濃度を上昇させるための濃縮器は、東海村の実験炉にはあったのに、六ヶ所再処理施設では、経済的な理由で設計の段階で外してしまっています。明らかに設計ミスです。
実廃液ではガラス固化できないという異常事態
■報告書では対策として、濃度調整のための調整液をつくって添加するとしています。再処理過程で生じる廃液にわざわざ別の廃液を混ぜないとガラス固化できないというのは、ガラス固化技術の破綻というべきです。
再開試験はボロが出る前に少ない本数で終了
■報告書では、今後の確認方法として、連続して10本のガラス固化体が製造できれば、「安定した運転状態の維持」が確認されるとし、それができた場合は洗浄運転を行い、その後6本程度製造できれば、「白金族元素の影響を考慮し、管理された運転状態の維持」が確認できるとしています。しかも、途中で白金族元素が堆積して不具合が発生した場合でも、回復運転を行い、その後6本程度製造する運転を行えば、それでよしとしています。極端な場合、はじめの1本で不具合が生じても、回復運転を行い、その後6本程度製造することができれば、試験はクリアされたことになります。
■しかし、第4ステップでは、16本目で初めて偏流が発生し、18本目で炉底攪拌を必要とする基準に達したと判断され、その後、攪拌と洗浄運転を行ったにもかかわらず、炉内環境の悪化が進んだことにより、39、40本目で再び偏流が発生しています。この結果を踏まえれば、報告書の確認方法は、トラブルが発生する前に試験を終わらせてしまおうと考えていると言わざるを得ません。
欠陥ガラス固化体が生み出されている
■原燃は、基準温度1100℃に達しない状態で作ったガラス固化体は欠陥品であることを認めています。報告書には、目標温度に達しない状態で作られたガラス固化体が30本中19本も存在することを示す表があり、6月11日の保安院交渉において、市民が説明を求めたのに対して、保安院は具体的な説明を拒否し、「保安院として確認したので心配ない」と官僚的態度に終始しました。保安院は、ガラス固化のトラブルが安定性の問題あり、安全性の問題ではないと言うのであれば、まず、ガラス固化体が欠陥品でないかどうかを確認する上で、最も肝心な指標であるガラス温度の管理状態について、納得のいく説明をすべきです。
■このまま試行錯誤で、ガラス固化試験を続ければ、多数の欠陥ガラス固化体が製造され、余分なガラス固化体も生み出され続けます。この炉の方式・構造のままでの打開策はありえないというのが、試験結果と今回の報告書から得られる結論です。ガラス固化製造能力がない以上、アクティブ試験は中止すべきであり、工場本格稼働も断念すべきです。
2008年6月30日 文責:福島老朽原発を考える会
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