2007年2月 5日 (月)

東電の検査偽装事件と六ヶ所再処理

デーリー東北が、六ヶ所再処理の本格稼働延期と東電の検査偽装事件とをからめて書いています。

【時評】再処理工場 県民不安残して進めるな/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2007/kn070205a.htm

「原燃が延期を決めた同じ日、またも国民の原子力発電、核燃料サイクルへの不信を増幅させる不正が発覚した。東京電力が柏崎刈羽原発1号機(新潟県)で、事故時に炉心を冷やす系統の非常用ポンプが故障していることを隠し、作動するような偽装をして国の定期検査に合格していた。東電では二〇〇二年にも、福島、新潟両県の原発でのトラブル隠しが発覚し、信頼を失墜させている。このとき同社は不正の総点検を行い、情報公開の推進をうたった。にもかかわらず新たな不正の発覚。隠ぺい体質が残っているとみられても仕方ない。」
「国も、東電の不正を見抜けず合格させていたことになる。原燃が本格稼働延期を決める二日前、青森県の三村申吾知事は再処理工場の試運転第三ステップ入りを、国が問題なしとしていることなどを理由に認めた。県議会も、同様の理由で議員全員協議会での議論を見送った。県、県議会が事業者や国の報告を検証せずに認めてしまっては、県民に真の安心感は生まれない。同工場では今後、本格稼働前に地元が検証する機会は安全協定締結のときだけだ。今度こそ、県議会は徹底的に議論を尽くすべきだ。そして県は県民説明会を開くなどしてサイクルに対する声を聞き、慎重に締結の判断をしてもらいたい。」

東電問題は実は我らふくろうの会(福島老朽原発を考える会)の「本業」なのですが…それにしても今回明らかになりつつある不正は悪質です。

最も悪質とされる柏崎刈羽原発1号機で1992年5月に行われていた事案はこうです。

まず、国の定期検査の一部である非常用ディーゼル発電機等の機能検査において、検査の前日に残留熱除去系のポンプ3系統のうち1系統が故障して動かなくなりました。この系統は、事故時には非常用炉心冷却系(ECCS系)として働くことから、3系統とも機能を維持することが要求されています。東電はこれを動いているように見せかけるため、本来「接続」の位置にしなければならない電源スイッチを、制御回路点検用の「試験」位置へ不正に操作しました。これにより中央制御室にあるポンプの表示灯に起動中であることを示す信号が発生し、検査を見事にパスしたといいます。それだけではありません。このポンプが運転不能な状態が、なんと原子炉起動から2日後まで続いていたというのです。危険極まりないことです。

不正が繰り返され、発覚するたびに総点検が繰り返されるという体質は、東電も原燃も同じです。東電に原発を動かす資格はない!原燃に再処理工場を動かす資格はない!

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2007年1月28日 (日)

交付金の配分をめぐり対立…青森県対大間町

サイクル交付金「地元は25%」/県が昨年提案/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070125102803.asp

大間原発や使用済核燃料中間貯蔵施設などを対象に、国から新たに交付される「核燃料サイクル交付金」の配分割合について、青森県が、隣々接市町村まで含む地元地域に計25%を配分する案を大間町やむつ市などに提示していたが、大間町と隣接二村は、計90%を三町村に配分するよう県に要請したため提案は宙に浮いているという報道です。

 青森県…立地自治体に12.5% 隣接と隣々接に12.5%
 三町村…立地自治体と隣接に90%

ですから激しい乖離があります。高レベル廃棄物処分場の調査見返りについても、隣接市町村と県の分は県が配分することになるので、同じような問題が発生するでしょう。

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2007年1月25日 (木)

核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会が県民説明会を要請-2度の放射線量倍増事例の説明求める

核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会は24日、青森県に対し、開始を認める前に県民説明会を開催するよう要請しました。県議会議員全員協議会が見送られたことで、知事が意見を聴く場が、市町村長会議と県原子力政策懇話会しかなく、不十分だ―と指摘しています。

■再処理工場周辺で放射線量の測定値が倍増する事例が二度あったにもかかわらず、県民への詳しい説明がない。
■再処理事業には放射能放出、核不拡散、テロ対策など多くの問題が残されている。

といった問題を挙げています。

実行委が再処理試運転の県民説明会開催申し入れ/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2007/kn070125c.htm
再処理試運転の県民説明会開催を/搬入阻止実行委県に要請/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070125102821.asp

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2007年1月24日 (水)

六ヶ所村議会が全員協議会…昨年8月の放射能異常値について質問

六ケ所六ヶ所村議会は23日「スワニー」で全員協議会を開き、日本原燃再処理工場のアクティブ試験(試運転)第二ステップについて事業者、国から評価等の説明を受けました。

東奥日報によると、昨年8月18日に、ガラス固化体貯蔵建屋内に設置されたEモニタが異常値を示し、せん断が中断した件についても質問があったようです。

第3ステップ入りに理解/六ケ所/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070124100800.asp
「質疑では、環境モニタリングで昨年八月中旬、通常より高いレベルの放射性物質濃度が検出されたことについて、村議から「気象データ研究の必要があるのではないか」との質問が出た。事業者側は「風が少なく、一時的に数値が上がった。こうした点も計算した上で数値を設定しており、法令による基準に比べ十分に小さい値だった」などと説明した。」

記事には、「各議員は、試験がトラブルもなく順調に進んでいることを踏まえ、第三ステップに進むことにおおむね理解を示した。」ともあります。推進側がほとんどの村議会ではつっこんだ議論は難しいようです。青森県議会が全員協議会を見送った件については、保守系議員が苦言という記事が流れています。

再処理試運転第3段階移行 村議会から異論出ず/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2007/kn070124a.htm

県議会の全協回避に保守系議員が苦言/再処理工場試運転/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070124104801.asp

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原燃元相談役「ウラン濃縮工場は欠陥商品」の波紋

六ヶ所村のウラン濃縮工場について、日本原燃元相談役で技術最高顧問を務めた豊田正敏氏(83)が「国が技術的欠陥を残したまま開発を民間に引き継いだため、機器の停止やコスト高を招いた」と批判する趣旨の手記をまとめていた件について、波紋が広がっています。

原燃社長ら「欠陥商品」指摘に反論/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070124112212.asp
遠心機「欠陥」で県に「納得いく説明を原燃に求めよ」/共産県議団/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070124104831.asp
豊田元原燃社長の指摘に不快感/県/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070120142453.asp

六ヶ所村のウラン濃縮工場は、7つの生産ラインのうち5つが運転を止めており、3つは運転期間が予定より10年も短いといった惨憺たる状況で。これが欠陥商品であることは周知の事実だったと思います。

しかし日本原燃の技術最高顧問の指摘は影響力があるでしょう。それに豊田氏の指摘は、ウラン濃縮工場にとどまらないもので、「国が技術的欠陥を残したまま開発を民間に引き継いだため、機器の停止やコスト高を招いた」という指摘は、そのまま再処理工場にもあてはまるのではないでしょうか。高レベルガラス固化技術などは、明らかに未完成のままの見切り発車です。

豊田氏は元東電副社長で、核燃料サイクル政策の見直しを提言する文書を書いたことがあります。原子力学会誌に、1970年代に、配管のひび割れ(応力腐食割れ)と悪戦苦闘した様子を記した「温故知新」という文書も書いています。

元原燃相談役が技術的欠陥残したと国批判の手記/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2007/kn070119a.htm
最高水準か「欠陥商品」か/ウラン濃縮技術/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2007/sha20070119.html

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2007年1月20日 (土)

再処理…青森県議会は全員協議会見送り

六ヶ所再処理工場アクティブ試験の第三ステップへの移行について、青森県議会は、質疑を通して賛否の意見を示す議員全員協議会の開催を見送りました。

再処理試運転第3段階で知事「移行に理解」/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/news/2007/01/20/new0701200801.htm

「三村知事は十九日の議員説明会で、全員協の開催を再度求め、意見聴取にこだわる姿勢を強調。開催見送りを成田一憲議長から伝えられた後の取材にも「大きなトラブルのない状況でも、きちんと説明し、意見があれば聞きたいと思っていたが…」と述べ、本意でないことをうかがわせた。」…知事の要請を県議会側が蹴ったという構図です。

全員協見送りに無念さにじませる知事/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2007/kn070120b.htm

全員協議会では質疑が行われます。再処理事業を進めるお墨付きを得る儀式的な側面があるかもしれませんが、一方で、実態を隠そうとする原燃に対し、情報開示を迫る大変貴重な場でもあります。放射能の海への放出時期がはじめて明らかになったも、県議会での質問からでした。アクティブ試験の何が問題で、何が明らかにされていないのかをはっきりさせるためにも、反対側の意見を聴くこのような場が必要です。数にものを言わせてなくしてしまうというのは横暴です。

【解説】チェック機能を自ら放棄/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2007/kn070120c.htm
「国が「問題なし」としたので質疑はいらないというのでは、県議会独自の行政に対する監視の役割、チェック機能を自ら放棄したのに等しい。次段階移行に反対する共産、社民・農県民連などの意見は黙殺する形になった。県の調査では、約80%の県民がいまだに原子力に対する不安を抱いている。県政を動かす両輪の知事と県議会。県民に選ばれた代表であることを忘れてほしくない。」

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2007年1月19日 (金)

再処理…国が第三ステップ開始了承

六ヶ所再処理工場のアクティブ試験について、原子力安全委員会は、第三ステップの開始を了承した保安院の判断を妥当とし、青森県三村知事に伝えました。

保安院の判断妥当 原子力安全委/東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070119092608.asp

しかし、日本原燃が国に提出したアクティブ試験報告書には、「実績工程」期間外の海洋放出等が評価対象になっていないなどの問題があります。特に、第二ステップの最中であった昨年8月18日に燃料のせん断を中断させた原因物質の実態が全く明らかにされていないことは大きな問題です。燃料のせん断を中断させたのですから、相当な量の固着物が存在したと推定されますが、固着物が何なのか、どれだけ存在したのか、それをどう措置したのかなどはいっさい報告されていません。

この件につき、15の市民団体は連名で、「日本原燃のアクティブ試験第2ステップ・中間報告書の評価に関する要望書」を提出しています。
http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/2ndstep_hyoka_yobo070112.htm

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2006年5月 9日 (火)

坂本龍一さん 放射能心配 早く止めて

坂本龍一さんのインタビュー記事です。

「今後、放射能の被害をお子さんやお孫さんの世代、さらにずっと先の世代にまで引き起こすことになってしまい、罪の意識は感じないのでしょうか。この責任は、世界の誰にも負えないほど、重いものだと思います」

朝日新聞青森
http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000000605090004

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2006年5月 6日 (土)

核燃料サイクル安全小委員会開催通知

何をやるのかわかりにくいのですが…開催通知です 。

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会核燃料サイクル安全小委員会(第10回)
http://www.meti.go.jp/committee/notice/0003552/0003552.html 

日時:平成18年5月10日(水) 10:00~11:00
場所:経済産業省別館5階526共用会議室
議題:
六ヶ所再処理施設に関する今後の取組みについて
加工施設の経年変化に関する技術的な評価等の検討について
その他

なお、傍聴を御希望の方は以下の点に御留意ください
傍聴等を希望される方は、氏名、職業、連絡先(電話番号、FAX番号)を必ず明記の上、5月8日(月)までに下記連絡先までFAXにてご登録下さい。傍聴登録は先着順で受け付けさせて頂き、会場の許容人数を超過した場合には、傍聴をお断りさせて頂く場合もありますので、あらかじめご了承下さい。(許容人数を超過した場合にはご連絡いたします。)

問合先:原子力安全・保安院核燃料サイクル規制課
吉田、今村 TEL:03-3501-3512 FAX:03-3580-8484

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2006年4月22日 (土)

坂本龍一さんがFMラジオで六ヶ所特集番組をホスト

坂本龍一さんが5月7日にJ-WAVE(首都圏がエリアのFMラジオ局)で六ヶ所に関する特集番組をホストするそうです。鎌仲さんが取材を受けたとか。HPでも聞けるそうなので、首都圏以外の方も是非。

「六ヶ所ラプソディー」オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/rokkasho/entry-10011547666.html

J-WAVE RADIO SAKAMOTO
http://www.j-wave.co.jp/original/radiosakamoto/pod/index.htm

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