東電の検査偽装事件と六ヶ所再処理
デーリー東北が、六ヶ所再処理の本格稼働延期と東電の検査偽装事件とをからめて書いています。
【時評】再処理工場 県民不安残して進めるな/デーリー東北
http://www.daily-tohoku.co.jp/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2007/kn070205a.htm
「原燃が延期を決めた同じ日、またも国民の原子力発電、核燃料サイクルへの不信を増幅させる不正が発覚した。東京電力が柏崎刈羽原発1号機(新潟県)で、事故時に炉心を冷やす系統の非常用ポンプが故障していることを隠し、作動するような偽装をして国の定期検査に合格していた。東電では二〇〇二年にも、福島、新潟両県の原発でのトラブル隠しが発覚し、信頼を失墜させている。このとき同社は不正の総点検を行い、情報公開の推進をうたった。にもかかわらず新たな不正の発覚。隠ぺい体質が残っているとみられても仕方ない。」
「国も、東電の不正を見抜けず合格させていたことになる。原燃が本格稼働延期を決める二日前、青森県の三村申吾知事は再処理工場の試運転第三ステップ入りを、国が問題なしとしていることなどを理由に認めた。県議会も、同様の理由で議員全員協議会での議論を見送った。県、県議会が事業者や国の報告を検証せずに認めてしまっては、県民に真の安心感は生まれない。同工場では今後、本格稼働前に地元が検証する機会は安全協定締結のときだけだ。今度こそ、県議会は徹底的に議論を尽くすべきだ。そして県は県民説明会を開くなどしてサイクルに対する声を聞き、慎重に締結の判断をしてもらいたい。」
東電問題は実は我らふくろうの会(福島老朽原発を考える会)の「本業」なのですが…それにしても今回明らかになりつつある不正は悪質です。
最も悪質とされる柏崎刈羽原発1号機で1992年5月に行われていた事案はこうです。
まず、国の定期検査の一部である非常用ディーゼル発電機等の機能検査において、検査の前日に残留熱除去系のポンプ3系統のうち1系統が故障して動かなくなりました。この系統は、事故時には非常用炉心冷却系(ECCS系)として働くことから、3系統とも機能を維持することが要求されています。東電はこれを動いているように見せかけるため、本来「接続」の位置にしなければならない電源スイッチを、制御回路点検用の「試験」位置へ不正に操作しました。これにより中央制御室にあるポンプの表示灯に起動中であることを示す信号が発生し、検査を見事にパスしたといいます。それだけではありません。このポンプが運転不能な状態が、なんと原子炉起動から2日後まで続いていたというのです。危険極まりないことです。
不正が繰り返され、発覚するたびに総点検が繰り返されるという体質は、東電も原燃も同じです。東電に原発を動かす資格はない!原燃に再処理工場を動かす資格はない!
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