玄海2号機で配管のひび割れ…深刻なひび割れを検査もせずに放置し国へは「問題なし」と報告して運転していた体質は東電と同じだ
玄海プルサーマルが予定されている3号機の隣の2号機で配管のひび割れが見つかりました。ひび割れは最大で8.1mmの深さがありました。その部分の配管の厚みは9.6mmでしたから残りは1.5mmしかありません。計算必要厚さ4.5mmを大きく下回る激しいもので、貫通寸前といってもいいものです。ひび割れが見つかった配管は余剰抽出系統で、もともと検査の義務はなかったとこのとです。それはそれで問題だと思うのですが、佐賀新聞によると、この配管については、03年9月に北海道電力泊原発で破損トラブルがあり、保安院が年末、全国の電力事業者に点検を指示、九電は検査の前段となる詳細評価の結果、余剰抽出配管について「問題ない」と報告していたとのことです。検査もやらずに問題なしとはどういうことでしょうか。
この配管は1次冷却系配管から出ている配管で、図をみると、弁はひび割れのあった曲がり部よりも後にあるので、ここが破れると1次冷却水の流出が止まらないように見えます。このようなひび割れを放置し、国へは問題なしと報告して運転を続ける体質は、ECCS検査偽装を行った東電と同じではないでしょうか。危険なプルサーマルなどできる体質ではありません。
玄海原子力発電所2号機第20回定期検査の状況について(余剰抽出配管の調査状況)/九州電力
http://www1.kyuden.co.jp/press_070124-1
高サイクル疲労が原因 玄海原発2号機配管ひび割れ/佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&blockId=335082&newsMode=article
「玄海原発2号機の「余剰抽出系統」の配管に見つかったひび割れは、頻繁な温度変化で金属が伸び縮んで起きる「高サイクル疲労」が原因だったことが15日、分かった。同様のトラブルが2003年、他の発電所で起き、九電は国の指示でこの配管を調べたが、問題ないと判断、検査項目に加えていなかった。」
「余剰抽出系統は、1次冷却水の水位調整など抽出系統を補助する機能を持つ。ひび割れは1月中旬、L字に曲がった配管の内側に見つかり、長さ約9センチ、深さ約8ミリ。燃料棒から放射性物質が漏れたトラブルを受け、検査範囲を広げて見つかった。経済産業省原子力安全・保安院によると、痕跡から高サイクル疲労が原因とみられる。 余剰抽出配管の検査は義務づけられていないが、03年9月、北海道電力泊原発で同様の配管破損トラブルがあり、保安院が年末、全国の電力事業者に点検を指示。同保安院によると、九電は検査の前段となる詳細評価の結果、余剰抽出配管について「問題ない」と報告しており、その妥当性が問われそうだ。これらの経緯について、九電佐賀支店は「原因を含めて調査中で、結果がまとまり次第、国や自治体に報告したい」としている。」
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